スポーツ
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スポーツ 2015年10月01日 16時00分
W杯“歴史的快挙”でも脱しきれない日本ラグビー界が抱える不安
「全てのスポーツの歴史上で最大の下剋上!」 9月19日に行われたラグビーW杯の初戦で、日本代表が優勝候補の南アフリカ代表に勝利したことを、世界中のメディアが驚きとともに速報で伝えた。 「波乱が起きにくいといわれる競技だけに、英ブックメーカーでは、日本の優勝オッズは5000倍でした。振り返れば1995年大会の1次リーグで、日本代表はオールブラックス(ニュージーランド代表)と対戦し、17-145という過去7大会の最多失点記録で大敗した。それほど弱かったのです。次回2019年のホスト国として『あの屈辱を払拭することができた』と関係者も大喜びしています」(スポーツ紙記者) アジア初のラグビーW杯開催にこぎ着けた日本は、当初、新国立競技場の“こけら落とし”に開幕戦を予定していた。ところが、建設計画の見直しにより大会に間に合わない可能性が高まり、新競技場の使用を断念。日本ラグビー協会の森喜朗名誉会長が、苦虫をかみつぶしたような表情で会見した姿は、まだ記憶に新しい。 「これでまた、新国立をW杯に間に合わせようと世論が盛り上がるかもしれませんが、不安は拭えません。例えば、かつてあれほど人気のあった大学選手権でさえ、今や凋落の一途をたどっていますからね」(ラグビー専門誌記者) 今年1月、東京・味の素スタジアムで行われた帝京大学対筑波大学の決勝戦。5万人の収容能力に対し、公式発表の入場者数は1万2107人だった。伝統の早明戦や早慶戦でさえ、その傾向は変わらないという。 「サッカーなどと違い、ラグビーの代表チームは国籍を問わない所属協会主義。原則として他国の代表経験がなく、両親か祖父母の1人が日本生まれ、もしくは本人が3年以上続けて日本に在住していれば、日本国籍は必要ありません」(同) この独特なチーム編成がラグビー日本代表に対する支持が広がりにくい一因でもある。“歴史的快挙”を成し遂げたとはいえ、4年後の自国開催まで熱し続けるのは容易ではなさそうだ。
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スポーツ 2015年09月30日 15時30分
地元の雄か、投手王国再建か… オレ流指名が通りそうもない中日のドラフト事情
大学ナンバー1左腕と称される今永昇太(22=駒大)が復活マウンドに上がったのは、9月11日だった(対日大)。延長12回、3番手で登板した左腕は1回被安打1四球2と振るわなかったが、ストレートは自己最速に近い147キロをマーク。これで、各球団スカウトは今秋のドラフト会議の1位入札選手を絞り直さなければならなくなった。 同日の今永を視察した各球団の評価は、以下の通り。 「投げられるだけ(肩が)良くなった(治ったという意味で)。ピッチングはそのうち戻るよ」(阪神・中尾孝義スカウト) 「力は分かっている。状態が良ければ当然、1位に入る」(日本ハム・山田正雄スカウト顧問) 「スピードが戻った。あとは先発でどれだけ投げられるか楽しみ」(オリックス・早川大輔スカウト) 「ドラフト1位候補が投げられたのを見られてよかった」(西武・渡辺久信シニアディレクター) この日、もっとも熱い視線を向けたのは、中日・落合博満GM(61)だろう。 中日はお膝元の超高校生右腕・高橋純平(県岐阜商)を早くからマークしてきた。地元ファンは高橋の1位入札を強く希望しているはずだが、一部報道によれば、落合GMは「高橋よりも今永」という評価をしているという。 「中日はリーグ最下位なので、大学生、社会人の投手が上位指名されると思う」(プロ野球解説者) 昨年のドラフト同様、落合GMが自身の意見を押し切るとの見方が支配的だ。しかし、「今年は落合GMも折れるのではないか」との見方も一方で聞かれた。 「8月14日の巨人戦を地元テレビ局が中継したら、視聴率は1ケタ。いくらチームが最下位とはいえ、この不人気ぶりは衝撃が大きく、中日グループ全体が『ファン離れ』を懸念している」(球界関係者) 落合GMの後ろ楯でもある白井文吾オーナーも一部メディアに「地元の選手だし、いいねえ」と高橋純平を称賛するコメントを出しており、『最下位=補強の失敗』との敗因分析もある以上、「落合GMも折れるのではないか」というのだ。 「落合GMは駒澤大学の春季キャンプを視察しており、早い時期から見続けてきたのは間違いありません。譲らないのではないか。まして、ベテラン左腕の山本昌の引退が決まり、中日は柱となる大野雄大に並ぶ左の先発投手を補強したいとも考えているので」(地元関係者) 中日にとって、今年は屈辱的な出来事も重なった。地元の三菱重工名古屋から巨人入りした高木勇人が1年間ローテーションを守り、解雇した堂上兄、吉川が巨人で活躍している。「最下位転落よりも、こちらのほうが堪えた」とする声もないわけではない。こうした戦況をどう判断するのか、落合GMが『オレ流補強』を貫こうとするのならば、まずは白井オーナーともじっくり話し合わなければならないだろう。※各スカウトの今永評は共同通信等の報道を参考にしました。
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スポーツ 2015年09月30日 14時00分
ホークス圧勝予想でスポンサーに異変 日本シリーズよりもCSが人気
福岡ソフトバンクホークスが2年連続17度目の優勝を決めた。9月17日時点でのリーグ優勝はパ・リーグ史上最速。投打ともに圧倒的な戦力を誇るだけに、「日本シリーズもホークスの勝ち。混戦のセ・リーグからは、どのチームが出てきても予想は変わらない」との声が支配的だ。 「ヤクルトはともかく、阪神、巨人、広島は打線が弱い。ヤクルトのいまの投手陣ではホークスの強力打線は抑えきれない」(プロ野球解説者) その影響だろう。NPBスタッフは日本シリーズの放送権を売るため、各メディアに“アタリ”を入れているが、その反応は芳しくないという。 「今年に限っては、5戦目以降は『試合がないこと』も念頭に入れなければなりません。5戦目以降の放映権を買うとなれば、その代替え番組を用意しなければなりませんし、バラエティー番組を最初から組んだ方がむしろ視聴率が取れる」(TV局製作スタッフ) NPBには“黒歴史”がある。2010年の千葉ロッテと中日ドラゴンズの日本シリーズで、地上波放送されなかった試合が初めて出た。以後、NPBはこの屈辱を繰り返してはならないとし、懸命の営業努力をして日本シリーズの地上波放送を続けてきた。 「セ、パともにクライマックスシリーズ(CS)が定着し、その反響の多さ、盛り上がりをそのまま日本シリーズに持ち込むことができました。おそらく、日本シリーズよりもCSの関心のほうが高いのかもしれない」(NPB関係者) テレビ局側も「スポンサー企業が日本シリーズに関心を持っているのなら、前向きになれる」と言う。そのスポンサー企業については、こんな声も聞かれた。 「交流戦の冠スポンサーが優勝チームへの賞金額を減らすなど、交流戦の在り方も見直す時期に入りました。交流戦の地上波放送をお願いしていると、『スポンサーはCSに関心を持っている』との回答が聞かれます」(同) CSはこれまでに生命保険会社、某コンビニ、加工食品会社などが冠スポンサーに入っているが、こちらはなかなかの競争率で、実際に関心を持っている企業の元に話が届かなかったケースもあったそうだ。だったら、CSと日本シリーズの一部をセット販売する方法も考えられるが、いまのところそういった動きはない。 「CSの反響が高いのは、『下克上が起こりうるから』ではないでしょうか。ペナントレースでは圧倒的な強さを誇るホークスも、2004年のCSスタート時から調べてみると、昨季までの11年間で9度進出しながら7度も敗退しています。10ゲーム以上引き離されてしまった2位日本ハム、3位争いを繰り広げる西武、ロッテは密かに短期決戦での逆転を狙い、選手をテストしているような節も見受けられます」(前出解説者) ホークスがどんでん返しを食らうことになれば、日本シリーズへの関心も変わってくるかもしれない。それよりも、交流戦を互角に戦うなど、セ・リーグ全体が反省するほうが根本的な問題解消につながると思うのだが…。
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スポーツ 2015年09月30日 10時47分
公式発表前に既成事実化! 和田監督の退陣報道で始まるトラのフロント改革
関西系スポーツ新聞が『金本一本化!』なる見出しを立てた(9月28日)。和田豊監督(53)の後任は金本知憲氏(47)が最有力だという。リーグ優勝が厳しくなった時点で、関西系メディアは『和田解任』を報じるようになったが、阪神フロントが監督以上に頭を悩ませているのが新GM人事である。 「亡くなった中村勝広GMは14〜15年オフの補強に失敗しましたが、本社役員ともきちんと話のできる紳士でした。補強をすれば、当然お金が掛かる。その大金を投じる意義、チーム事情、チームが勝つことによるグループ企業の相乗効果もきちんと説明し、チーム戦力を見極めようと懸命に努力されていた」(球界関係者) 故・中村氏は南信男球団社長(60)の要請でゼネラルマネージャー職に着任した。日本のプロ野球チームもゼネラルマネージャー制がようやく定着し、GM職を設けない球団も『編成本部長』『シニアディレクター』などの肩書でその職種に当たらせている。どちらかといえば、阪神はメジャーリーグ式のこうした組織作りでは、遅れていたほうだった。 和田監督の退陣が本当ならば、ファンにとってもっとも関心が高いのは次期監督人事だ。しかし、誰が監督になっても、それを支えるフロントトップの責任は重大だ。当面は編成部長の高野栄一氏に託されるようだが、「中村サンの後任を決めなければ」の声もチーム内部から聞こえてくる。 「これからドラフト会議があるので、高野部長はたいへんだと思います。阪神はGMと編成部長の両方がおり、端から見れば、『最終的判断はどちらがするんだ?』という疑問も生じます。でも、その体制で上手くいってたんですよね、阪神の場合は。現場出身(元選手)と背広組(本社より異動など)の両トップが話し合うスタイルなんでしょう」(前出・同) 高野本部長の“ワントップ体制”は「ドラフト会議まで」だという。その後、トレードなどオフシーズンの補強が始まる前に新GMが選出されるとの見方が支配的だ。 「故・中村氏のように本社役員と話ができるタイプを探すとなれば、新GMの選出は難航するでしょう。チームを客観的に見ることができ、それに適した補強ができる人となれば、たとえば岡田彰布氏、平田ヘッドの異動なども考えられるが…」(プロ野球解説者) 12年までGM補佐を務めた木戸克彦氏、真弓明信前監督もいる。 「優勝の可能性が消えた途端、関西系メディアの和田監督に対する扱いが冷たくなりました。まだシーズンが終わっていないし、CSによる日本シリーズ進出の可能性が消えていないのに、チーム再建の特集を始めたメディアもあります。球団もそれを黙認しているということは何かウラがあるのでは? たとえば、和田監督のフロント入りを約束しているとか…」(前出・関係者) 和田監督も新GM候補の1人と見たほうが良いだろう。現時点では憶測の域を出ていないが、東京ヤクルトは小川淳司・前監督をそのままフロント入りさせ、シニアディレクターとして『チームの補強、再建』に当たらせた。前監督がチームの戦況をもっとも把握しているからだ。チームの本当の力量を把握することが、トラのフロント改革ともなる。誰が新GMになるのか、オフは阪神の人事情報から目が離せそうにない。
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スポーツ 2015年09月29日 14時00分
USA発 新聞、テレビではわからないMLB「侍メジャーリーガーの逆襲」 ポストシーズンの中心は、この男しかいない! “ビッグゲーム・ピッチャー”田中将大がヤンキースを救う
今シーズン、田中将大は辛辣なことで知られるニューヨークのメディアから批判され続けてきたが、ここにきて急に風向きが変わり、ヒーロー扱いされるようになった。 理由は明確だ。終盤になり若い先発投手たちが軒並み調子を崩しローテが崩壊状態になる中で、それまで不安定だった田中が見事に復調。相手打線に付け入る隙を与えない完璧な投球を見せるようになったからだ。 それを象徴するのが9月13日のブルージェイズ戦だった。 今季前半、ヤンキースはア・リーグ東地区の首位を独走していたが、ブ軍が7月末のトレードで大幅に戦力を増強し、8月に入って猛追を開始。8月下旬には首位に立ったが、その後は抜きつ抜かれつの展開になり、両軍の直接対決4連戦が始まった9月10日時点ではブ軍が首位に立っていた。 ただ1.5ゲーム差しかないのでヤ軍が4連戦を3勝1敗で終えれば、再び首位に立つことができるという状況だった。 しかし、この4連戦は初戦からヤ軍投手陣がブ軍打線にカモにされ11、9、10失点して3連敗。ゲーム差が4.5に拡大しただけでなく、4戦目も大量失点して惨敗すれば、チーム全体が戦意喪失しズルズル負け込む恐れが出ていた。 まさに崖っぷちに追い込まれた第4戦で先発した田中だったが、波に乗る相手打線を多彩な球種を効果的に使った頭脳的なピッチングで翻弄。7回無失点に抑えチームの危機を救った。 メディアはこの快投を、 「タナカ、ヤンキースの出血を止めることに成功!」(NYポスト) 「タナカにガソリンを注入されたヤ軍。連敗を5でストップ」(FOXスポーツ) と、大きな見出し付きで報じた。 また、地元紙『ニューズデイ』は「これでヤンキースはワイルドカード・ゲームを恐れることはなくなった」と書いた。地元紙がこのような書き方をしたのは、田中がブルージェイズ相手の絶対負けられない試合で好投するのを見て、タフな状況ほど力を発揮できるビッグゲーム・ピッチャー(大試合に強い投手)という認識を強くしたからだ。それほどワイルドカード・ゲームで先発する投手はプレッシャーに負けないタフなメンタリティーを要求される。 ワイルドカード・ゲームは地区優勝したチーム以外で、勝率の高い上位2チームがポストシーズン進出をかけて雌雄を決する試合のことである。大きな特徴は1試合の結果だけで勝者と敗者が決まるため、先発投手に大きなプレッシャーが掛かることだ。そのためトップレベルの実力があっても、プレッシャーに弱い投手は実力を十分発揮できないことが多い。 いちばん活躍が期待できるのは、田中のようにプレッシャーに動じないだけでなく、それを力に変えることができる投手だ。ヤ軍が相場よりかなり高い7年1億5500万ドルで田中と契約したのも、ポストシーズンの生きるか死ぬかという状況でフルに実力を発揮できるビッグゲーム・ピッチャーだと評価したからだ。 田中が10月6日に行われるワイルドカード・ゲームで対戦する可能性が高いのはレンジャーズとアストロズ。 レンジャーズなら先発投手の本命は右腕エースのガヤルド。左腕のハメルズが出てくる可能性もある。ガヤルドはヤ軍が苦手。ハメルズは7月末にレ軍に移籍後、深刻な一発病にかかっているので、どちらが先発しても高い確率でヤ軍が勝利するだろう。 問題はアストロズとの対戦になった場合。サイヤング賞が確実な左腕ダラス・カイクルが先発すると思われるからだ。この投手は今季絶好調なうえ、ヤ軍にめっぽう強い。今季ヤ軍戦で2度先発、計16イニングを投げて失点はゼロだ。 田中とカイクルのマッチアップになった場合は、息詰まる投手戦になることが予想され、7回か8回まで両軍ともゼロ行進が続くことになるかもしれない。そのような展開になれば、最後はリリーフ勝負になるので、強力なセットアッパーとクローザーを擁するヤ軍ががぜん有利になる。 ワイルドカード・ゲームに勝った場合、ヤ軍はディビジョンシリーズでおそらくロイヤルズと対戦することになるが、先に3勝してリーグ優勝シリーズに勝ち上がる可能性はひいき目に見ても30%くらいだ。田中を除くとヤ軍の先発陣に計算できる投手がいないからだ。 ただ、ルーキーのセベリーノは怖いもの知らずなので、大舞台で大化けする可能性を秘めている。田中はワイルドカード・ゲームで先発するので、ディビジョンシリーズはおそらく第3戦の先発になると思われる。 それまでにセベリーノで1つ勝つことが出きれば、先に3勝するチャンスが見えてくることになる。スポーツジャーナリスト・友成那智ともなり・なち 今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。'04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」(廣済堂出版)は日本人大リーガーにも愛読者が多い。
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スポーツ 2015年09月28日 14時00分
ドラフト情報 巨人が関東一・オコエ1位指名の陽動作戦
補強には根本的な見直しが必要だ。東京ヤクルトが混戦レースから頭一つ抜け出た。というより、巨人が勝手に後退したと言ったほうが的確かもしれない。 「9月19日の敗戦が象徴的でした。敗戦投手は大竹、試合終盤にダメ押し点を献上したのが宮國と戸根。せめてもの救いは、7番サードでドラフト1位の岡本をスタメンで使い、打点を挙げたことですが、補強(=大竹)とドラフト、育成(=宮國、戸根)の失敗を証明したような試合でした」(スポーツライター・飯山満氏) 今オフの補強ポイントは三塁手と左投手、そして正捕手である。不振の長引く村田修一に代わる三塁手は確かに必要だ。一部では国内FA権を取得しつつもまだ行使していないソフトバンク・松田(=三塁手)、西武・炭谷(=捕手)をけしかけて“強奪する”と伝えられたが、本当はもっとエゲツない。 「松田はソフトバンクが手放さない。狙うは前DeNAのグリエルですよ。DeNAを蹴って即メジャー挑戦かと思ったら、キューバ国内リーグに参加しました。チーム貢献度がゼロに近い同じキューバ出身のセペダを、巨人が来季も残留させるのは、神経質なグリエルのサポートをしてもらうため。岡本が一人前になるまでは『三塁・グリエル』です」(球界関係者) 巨人が金満補強を回避する理由はドラフト会議で指名する選手を変更するためだ。巨人は高校生上位のドラフトに切り換えるという。その上位指名の高校生が一人前になるまでの外部補強なのだ。 「オコエ瑠偉(関東一高)を1位指名するシミュレーションが始まった」(前出・同) これまで巨人の1位は原監督の関係で“親戚同然”の左腕・小笠原慎之介(東海大相模)だと思われていたが…。 「小笠原はプロ志望だが、校内の進学説明会も受けています」(同) 小笠原はプロ入りを決めかねている。9月20日時点で、高野連に『プロ志望届』を提出していない。ここで浮上してきたのがオコエで、彼に関しては「外れ1位でかなりの球団が重複するのでは」との見方が強かった。当然、その場合、「外れの外れ」も用意しておかなければならない。巨人はそこに目を付け、『単独1位』作戦に変えたという。 もっとも、その作戦がハマるのは、本命・小笠原が進学に傾いたときだけ。だが、こんな声も聞かれた。 「U-18W杯の大会中にプロ入りを表明していたのはオコエ、高橋純平(県岐阜商)だけ。世界と戦ってプロ入りに進路を変えつつある高校生も何人かいましたが、早稲田、法政、東海大グループも熱心な勧誘を続けており、進学先を確保した上でプロ入りも検討しているのが真相です。時間が経てば、『世界』の熱も冷めるはず。ドラフトが近づくころ、甲子園を沸かせた高校球児の大半は進学が決まっているでしょう」(前出・在京職員) 巨人は高校生指名に命運を賭けるほど危機的状況に追い込まれているようだ。
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スポーツ 2015年09月27日 16時00分
俺たちの熱狂バトルTheヒストリー〈“怪物”ジャンボ鶴田の覚醒〉
今なおファンの間では、ジャンボ鶴田を“歴代最強の日本人レスラー”と評する声は多い。196センチの長身ながら筋骨のバランスも良く、そのナチュラルなパワーはまさに日本人離れしていた。 「'90年代の全日本プロレスは、三沢光晴、川田利明、小橋建太、田上明が死闘を繰り広げる“四天王プロレス”が代名詞だったが、鶴田の影響は大きかった。内臓疾患で欠場していた鶴田以上のインパクトを与えるために、4人は身を削る試合をやるしかなかったのです」(プロレスライター) 入門当初からアブドーラ・ザ・ブッチャーやザ・ファンクスら、海外一流選手と互角の戦いをして素質の高さを示した鶴田だが、その立場はあくまでも絶対的トップであるジャイアント馬場の二番手で、すっきり勝ち切ることはできなかった。そのため“善戦マン”というあだ名を付けられたほどだ。 「天性の能力で何でもそこそこにこなせるから、懸命になる必要もなかった。そのため鶴田のリング上の表情や立ち居振る舞いが、ファンの目にはどこか真剣味を欠くように映り、人気面でアントニオ猪木をはじめとする新日勢の後塵を拝することになりました」(同) 長州力らジャパン勢の全日参戦にも、鶴田は「むしろハイスパートの選手との対戦は試合時間が短くて楽だ」と、その全能力を発揮するには至らなかった。 「鼻柱を狙ってパンチしてきたビッグ・ブーバー(ビッグ・ボスマン)をサブミッションで極めたり、顔面にドロップキックを放った仲野真市を全力のバックドロップで失神に追い込んだり、凄味の片鱗を見せることはあっても、あくまで一時的なものでした」(同) そんな鶴田が“怪物”として目覚めるきっかけとなったのが、いわゆる“天龍革命”であった。長州らの新日復帰に伴い、全日のリングの熱量が下がったことを肌で感じた天龍源一郎は、まず鳴り物入りで入団した横綱・輪島を相手に、過剰なまでの激しい試合を展開。阿修羅原と組んだ龍原砲では、サンドイッチの延髄蹴りで、スタン・ハンセンを失神に追い込んだりもした。 しかし、真のターゲットは鶴田であり、天龍同盟の結成時から「鶴田に本気を出させなければ全日は変わらない」と対抗姿勢を明確にしていた天龍は、'87年から'90年にかけて鶴田と7度のシングル頂上対決を繰り広げている。その中でもファンの間で、鶴田が“マジギレ”したと評判になったのが、大阪府立体育館で行われた三冠ヘビー級選手権試合だ。 '89年4月18日、鶴田はスタン・ハンセンを下してベルトを統一。しかし、勝ったとはいえ一瞬の隙を突いての丸め込みで、まだ“三冠”という大看板にも、どこかすっきりしない思いがファンの間にはあった。そんな戴冠からわずか2日後、鶴田は天龍を挑戦者として迎えた。 「天龍革命以降では4度目の直接対決。初戦で天龍がリングアウト勝ちした後、共に反則負けが1回ずつという、全日では珍しい荒っぽい展開が続く中、さすがに鶴田も“天龍戦だけは特別”という意識が生じていたのか、緊張感あふれる面持ちでした」(スポーツ紙記者) 試合開始から顔面への張り手やサッカーボールキックなど、厳しい攻めを見せる天龍に対し、グラウンドでスタミナを奪っていく鶴田。反撃の糸口をつかもうと、天龍はのど元への逆水平チョップを放つも、すかさず鶴田はビッグブーツを連撃。そして、グロッキー状態の天龍を抱え上げると、力任せに頭からリングへたたき落とした。 「この一発で天龍は失神。事前のアングルでは、これまで同様に不透明決着の予定だったとの噂もあって、それは試合後、鶴田の“やっちまった”と言わんばかりの戸惑いの表情からもうかがえました。キレて暴走したというわけではないものの、我を忘れた部分はあったのでしょう」(同) いずれにしても当時最大のライバルに、絶対的な地力の差を示したのは事実。この頃からファンの間で鶴田の強さが広く認められるようになり、また鶴田自身にも、真の王者としての自覚が見られるようになったのだった。
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スポーツ 2015年09月27日 10時00分
小塚桃子ゴルフ連載(46) 本格シーズンに備えて・3
前回、私の秋初戦に関する事を綴りましたが、今回は本格シーズンに備えて変わったトレーニングについて、ご紹介しますね。 まず、スイングに関して−−。 「薪割り」は皆さんご存じですよね。スイングはまさに薪割りと同じ。力を入れずクラブを上げたら下げる感覚です。力を入れず上げたら降ろす…。この感覚です。ただ、同じ所に降ろす事は意外と難しいもの。変に意識しないで、何も考えずに元の位置に戻す。「当てよう」「何とかしよう」と思わない事です。 次に、クラブを使ったトレーニング−−。 この時期は、片手打ちの練習を多く取り入れましょう。理由は、バランス良く打てる様にする為です。右手一本だけで打つ。右手一本の場合は手首、肘の角度を気にしないとボールに当たらない。これが身体で分かる様になると面白いですよ。 同じ様に左手も一本で打つ。右利きの人は左手一本になると全然力が入りません。腰を回して「腰で打つ」感覚を身に付けなければ綺麗に振れないのです。 どちらも最初は空振りします。ただ、慣れてくれば空振りはなくなります。片手で練習した後、両手で打つと見違えるほど、綺麗に飛びます。 それ以外では、目を閉じてのスイング。ボールの行方は気にせず、身体の回転などを考えながら打つと意外にも綺麗に当たります。この練習法は、ボールにクラブを合わせた所で目を閉じる。これは、プロから教えてもらった方法です。 3番目に道具−−。 スーパーストロークというすごく太いパターのグリップがあります。これをアイアンに付け、アイアンの練習をします。グリップが太いので、手に力が入らない。そこがミソ。そもそもアイアンに限らず、ボールを打つ時、力んではNG。手はクラブを支えているくらいの感覚が大事。それなのに飛ばしたい一心でつい力が入ってしまう。 スーパーストロークを使うとこれが改善されると同時にグリップが太いので非常に打ちにくい。ただ、使い慣れてくれば、綺麗な球筋で飛距離が出ます。これを習慣付ければ、スイングそのものが変わり、スコアもグングン良くなります。 今回、3パターンの練習方法をご紹介しました。いずれも力まず、腰の回転を上手に使う事が手打ちにならず、飛距離アップと正確な打球が放てる様になります。
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スポーツ 2015年09月26日 18時00分
巨人『大型補強』復活説のオモテとウラ(2)
DeNA・中畑清監督も『続投』が正式に決まったようだ。球宴前後に南場智子オーナーから直々に続投を要請されたが、返事はいったん保留。「早すぎる指揮官の去就決定」はチームに悪影響をもたらす危険性もあり、同時に中畑監督自身にも「頭角を現した若手を、この先どう育てていくべきか」と考えるところがあったようだ。それが、続投要請を正式に引き受けるまで時間が掛かってしまった理由だという。 「中畑監督から(続投要請を引き受ける)条件みたいなものも出されました。エースを張れる投手と正捕手の獲得です」 その正捕手獲得で、中畑監督は古巣・巨人との争奪戦を繰り広げることになりそうだ。 今オフ、動く可能性がある捕手がパ・リーグにいる。今季、国内FA権を取得した大野奨太(日本ハム)、海外FA権取得の炭谷銀仁朗(西武)、嶋基宏(楽天)の3人だ。 「炭谷は昨年も残留か移籍かで揺れました。残留して正捕手として活躍しましたが、打撃面で成長著しい森友哉との兼ね合いを考えると、決心する可能性も高い。西武は残留を決めた炭谷に複数年契約を提示していません」(プロ野球解説者) しかし、対照的な情報もある。「炭谷はカネで動かない」というものだ。涌井秀章が千葉ロッテにFA移籍した13年オフ、炭谷は最後まで「一緒にやりましょう」と慰留に努めていた。チーム愛が強く、捕手として、味方投手やチームメイトに信頼されていることにやり甲斐を感じているという。 「昨年オフ、炭谷獲得を狙った中日は水面下で好条件を提示していたと聞いています。それでもチームに残留したのだから、炭谷が動くことはないと思う」(西武OB) 日本ハムは“チームの新陳代謝”が激しい。22歳の近藤健介を近いうちに正捕手に繰り上げる構想がある。若手育成には定評があるものの、高給取りのベテランに冷たい。13年オフに鶴岡慎也がソフトバンクに移籍し、昨年オフも大引啓次を引き止めなかった。FA取得選手を強く引き止めない傾向は今に始まった話ではなく、大野も新天地を求めて出て行った先輩たちの気持ちは分かっているという。 「嶋はこのチームでもう一度優勝したいと言って残留しました。ただ、三木谷オーナーの現場関与に『もっとも憤っているのは嶋』との情報もあり、各球団とも慎重に調査しています」(球界関係者) 巨人はポスト阿部として期待されていた小林誠司がそのチャンスを掴みきれなかった。また、谷繁元信兼任監督が『選手引退』を決めたとされ(9月24日時点)、正捕手争奪戦に中日も割り込んでくるのは確実だ。 「相川亮二をヤクルトからFA補強した14−15年オフ、二軍首脳陣が『期待の星』として鍛え上げていた高卒2年目の奥村展征を人的補償で奪われてしまいました。FA選手を狙うのも良いが、プロテクト名簿作りで頭を悩ませています。相手球団の戦略が読みきれずに痛い思いをしているのだから、FAに重点を置く補強は見直した方がいい」(プロ野球解説者) 巨人にも有望な中堅、若手がいる。他球団は何人かの中堅選手の名前を挙げ、「使わないのなら、くれ!」と毎年のように巨人にトレードを申し込んでくる。その際、巨人は「出せない」と突っぱねるが、数試合使うだけで、ちょっとでも打てなくなるとすぐに引っ込めてしまう。中畑DeNAとの正捕手争奪戦はどうなるのか、巨人は補強と育成のバランスを考え直すべきだが…。
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スポーツ 2015年09月26日 16時34分
広島・堂林に第1子誕生 減俸必至で来季は崖っぷち
広島東洋カープ・堂林翔太内野手(24)に、9月25日、第1子となる長男が誕生したことが明らかになった。 堂林の妻は、いわずと知れた元TBSアナウンサーの枡田絵理奈さん(29)で、広島市内の病院で3420グラムの男の子を出産。母子ともに健康だという。 出産に立ち会ったという堂林は「子どもの顔を見て、やらないといけないという気持ちになった」と語っている。 “広島のプリンス”として、カープ女子にナンバー1の人気を誇っていた堂林と、TBSの人気ナンバー1だった枡田さんは昨年12月25日に結婚。今年5月に妊娠を発表した枡田さんは、6月18日付でTBSを退社。堂林のサポートに徹するとともに、出産に備えていた。 “将来の大器”としての期待が高い堂林は、1軍デビューとなった12年には、野村謙二郎前監督の育成方針のもと、全試合(144)に出場し、14本塁打45打点、打率.242の成績を残し、非凡な長打力をかいまみせた。 だが、今季は緒方孝市新監督の実力主義の方針のもと、なかなかチャンスがもらえず、2軍暮らしが長く続いた。9月11日に、今季3度目の1軍昇格を果たしたが、その成績(同25日現在)は、わずか28試合の出場で、56打数12安打2打点、打率.214と低迷。本塁打は0で、自慢の長打力も発揮できていない。 自己ワーストのシーズンを終えることになり、来季は年俸2000万円(推定)から減俸となるのは必至の情勢。扶養家族も増えただけに、その生活も大変だ。 1度は三塁のポジションを獲った堂林だが、それも過去の話。来季はいよいよ崖っぷちで臨まなければならなくなった。(落合一郎)