スポーツ
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スポーツ 2016年01月17日 12時00分
1・4東京ドームにももクロ起用、アミューズとの業務提携から見る新日本プロレスの2016年戦略
「また1月4日は東京ドームでプロレスやるんですね」 昨年末、普段プロレスを見ていないたくさんの知人が新日本プロレス最大のビッグイベント、“イッテンヨン”を話題にしていた。2012年にブシロードが新日本プロレスを買収してから行ってきたプロモーション活動は、着実に実を結びつつある。 買収時にブシロード代表取締役社長(新日本プロレスオーナー)の木谷高明氏は「まずは新日本プロレスを知っていただくことからやっていきたい」と語り、巨額の広告費を投入して広報戦略を開始。夏のG1クライマックスと1・4ドームの開催時期には、JR山手線にラッピング車両を走らせたり、JR総武線の中吊り広告をジャックするなど、派手なプロモーションが恒例化した。 ブシロード体制5年目を迎えての今大会「WRESTLE KINGDOM 10 in 東京ドーム」もその例に漏れず、ブシロードのホームタウンとも言えるJR秋葉原駅構内のエスカレーター壁部には様々なバリエーションの広告を、原宿の明治通り沿いにはロング看板を掲出した。新宿では西武新宿駅前のユニカビジョンを連夜ジャックしたり、東口のステーションスクエアに巨大看板を掲出。巨大アドトラックが都内を巡回するなど、全対戦カードが出揃った昨年12月上旬から過去最大級のプロモーションを行っていた。【東京ドームに“ももクロ”杏果が登場!】 今年のイッテンヨンは、プロレスファン以外の層にも会場に足を運んでもらうための試みとして、ももいろクローバーZの有安杏果がゲスト参加。モノノフレスラーである邪道のセコンドとして、第0試合の時間差バトルロイヤル『ニュージャパンランボー』に登場することが、ももクロからのコメント動画とともに事前にアナウンスされていた。 2年前の1・4ドーム大会でも、ももクロの参戦が噂されたが(ももクロのライブの演出を担当している佐々木敦規氏が同大会の演出をプロデュースしたため)、ももクロは同日に前橋でライブがあり実現しなかったという経緯もあって、ドームにももクロの登場曲『overture 〜ももいろクローバーZ参上!!〜』が流れると、緑のサイリウムと共に大歓声が木霊した。 試合後の会見で有安が「東京ドームはまだ単独ではやったことがない会場」と語っていたが、今年行われるももクロの5大ドームツアーの中にも東京ドーム“大会”は含まれていない。「『overture』が東京ドームで流れたのは今日がはじめてらしいです」と邪道が話すと、有安も「『overture』は(プロレスの入場テーマみたいに)イントロが流れたのと同時に盛り上がる曲を作りたくてできた曲なので『overture』が東京ドームに響き渡ったことは感無量でした」と続けた。 プロレスをオマージュしているももクロだからこそ実現したコラボ企画ゆえ、プロレスファンは終始歓迎ムード。試合後のバックステージは報道陣でごった返しており、有安目当てで取材に来ていたマスコミが多数いたのは言うまでもない。“杏果効果”でイッテンヨンの記事が芸能ニュースとしても発信されたため、世間に対して「新日本プロレスを知ってもらう」効果はかなりあったのではないだろうか。【アミューズとの業務提携を発表】 翌1月5日の後楽園ホール大会では、芸能事務所アミューズと新日本プロレスの業務提携が発表された。木谷オーナーは「日本のザ・ロック(ドウェイン・ジョンソン)を作りたい」とリング上で宣言。アミューズの相馬信之常務取締役も「レスラーは表現力の才能がある」と全面的なバックアップを明言した。すでにアミューズが制作に携わっている海外映画に後藤洋央紀の出演が決まって撮影済みだといい、棚橋弘至も「有名になりたいですね」と目を輝かせた。 また、アミューズ所属アーティストとのコラボレーションについて囲み会見で質問したところ、相馬氏は「まだ何も決まっていませんが、ウチにはプロレス好きなミュージシャンがたくさんいるので彼らのアイデア次第では十分に考えられる」と語り、木谷オーナーは「なんの前触れもなくコラボをしても(お互いのファンに)受け入れられないが、選手がPVに出演したうえで野外フェスなどで絡んだりするのは自然な流れだと思う」と可能性を示唆した。 新日本とアミューズが業務提携したニュースは各媒体で報じられ、大きな話題になっている。2016年の新日本はアミューズの全面バックアップにより、選手のメディア露出がさらに増えるだろう。知名度の高さは会場に足を運ぶキッカケとなる。来年のイッテンヨンに向けた戦略は、すでに始まっているのだ。(増田晋侍)<リアルライブ・コラム連載「新日Times」VOL.1>
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スポーツ 2016年01月15日 15時00分
俺たちの熱狂バトルTheヒストリー〈落日の“闘魂”に天龍が勝利〉
「これはプロレスルールです! 格闘技ルールではありません!」 レフェリーを務めるタイガー服部のマイクに、6万2000人の観客がどよめいた。 1994年1月4日、新日本プロレス東京ドーム大会『'94バトルフィールドin闘強導夢』のメーンイベントとして行われたアントニオ猪木と天龍源一郎のシングルマッチ。リング上には猪木の“魔性のスリーパー”を食らった天龍が、ノビたままで1分、2分と時間ばかりが過ぎていった。 この試合の直前に、猪木は格闘技ルールにこだわって「怖い試合をやる」と宣言していた。'89年の参議院選挙で当選した後、プロレスよりも議員としての活動に軸足を置いていた猪木は、この頃すでに年数回の特別な試合にのみ参戦する半引退状態だった。 一方の天龍は'92年に旗揚げした団体・WARのトップとして、新日と抗争を展開中。これまでに橋本真也、蝶野正洋、長州力、藤波辰爾をいずれもシングル戦で下していた。 猪木が格闘技を強調したのは、いわゆる“よい試合”を見せるための耐久力や忍耐力では、もはや天龍に劣ると自覚したからだろう。ならば、普通のプロレスの試合ではなく、一撃で勝ち負けの決まるルールでやろうという意図だった。 協議の末に通常のプロレスルールが適用されることになったものの、猪木はゴングと同時にナックルパートを天龍の顔面に連打すると、そこからチョークスリーパー。天龍がロープに手を伸ばすのもお構いなしに、鬼の形相で締め上げた。 冒頭の服部レフェリーの言葉は“天龍がノビたのは反則攻撃によるもので、猪木の勝ちではない”ことを観衆に向かって説明したものだった。 この試合の数カ月前、新日の幹部会議で次の東京ドームで猪木vs天龍をメーンとすることが決定された。議員生活との兼ね合いでスケジュールやコンディションの調整が困難なことから、数をこなせなくなった貴重な猪木の試合。初顔合わせとなるビッグネームとのシングル戦ならば、猪木ファンも納得で集客効果は抜群に違いない。 だが、1年を占うビッグマッチのメーンイベントで、中途半端な相手というわけにもいかない。前出の幹部会議では、次のようなやり取りがあったという。 「で、どうするの?」 「そりゃあ、源ちゃんしかいないだろう」 マッチメーカーA氏の発言に、幹部たちは一斉にざわめいた。 「誰が会長(猪木)を説得するんだ」 その数日後、会議での決定を伝えるためにAが会長室を訪れた。 「あぁ? 天龍?」 全日本プロレス=ジャイアント馬場のニオイの残る天龍の名に、猪木は不愉快さを隠そうともしなかったが、Aは“天龍率いるWAR軍との抗争が、いかに新日の利益になるか”を言葉を尽くして説明した。 「で、どうするんだよ」 「絶対、会長に恥をかかせるようなことはしませんから、ここはコチラに任せてもらえませんか」 猪木を押しのけるようにしてリングに駆け上がった長州力のビンタを受け、わずかに生気を取り戻した天龍は、場外へ体を運ばれ、WAR若手の介抱を受けて復活した。 試合再開と同時に、相撲仕込みの突っ張りチョップで猪木を対角コーナーポストまでぶっ飛ばし、反撃の卍固めも力任せに振り払う。 猪木も腕ひしぎ十字固め(やはりロープに逃れても離さず)やアームブリーカーで抵抗を見せるが、攻撃は単発。逆水平チョップでペースを握った天龍が、必殺のパワーボムを繰り出した。 きれいに投げられることをよしとせず、抵抗したことで後頭部からマットに打ちつけられた猪木に、カウントが数えられる。 レフェリーの手が3度目にマットを叩くと同時に、起き上がって天龍に殴り掛かっていったのは、猪木最後の意地だったのか。
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スポーツ 2016年01月14日 15時00分
箱根駅伝で“掟破り”の選手起用!? 山登り “往路5区”を巡る心理戦の“裏”
『山の神』の到来は、今年が最後になるかもしれない。 正月の風物詩・箱根駅伝は青山学院大学の2年連続2度目の総合優勝、それも1区から一度もトップの座を譲らない“完全優勝”(39年ぶり)という劇的なゴールで幕を閉じた。 「ポイントになったのは、昨年に続いて往路5区を走った神野大地(4年)でしょう。11月の全日本駅伝では失速し、昨年の箱根で『山の神』と呼ばれたときとは大違いでしたが、わずか1カ月余りで復活させた原晋監督の手腕はさすがです」(取材記者) 過去10回の大会を振り返ってみると、この山登り区間の往路5区で区間賞を獲った大学のうち、10校中7校が総合優勝を勝ち取っている。その最重要区間の“個人技”に対抗するため、実は有力大学間で選手エントリー時に心理戦が繰り広げられていた。 「山梨学院大が外国人留学生を2人使おうとしているとの情報が広まったのです」(同) 箱根駅伝にも、実はプロ野球の外国人選手枠のような“紳士協定”が存在し、「留学生は一校1選手のみ。補欠登録を含め、2選手まで」という取り決めになっている。日大、拓大、東京国際大などにも留学生はいる。だが、山梨学院大のエクック・オムワンバ(4年)、ドミニク・ニャイロ(1年)の走力はともに図抜けており、「この留学生を2人とも使う」という動きを見せていたのだ。 「最終的にはニャイロが往路2区を走り、7人抜きの快走を見せてくれました。一方のオムワンバは、3年前、2年前ともに直前になって故障し、箱根には出られなかった。出雲、全日本ともに後輩に出場を譲っていたため、何とかしてやりたいと学校側が思っても仕方がないことではあるのですが…」(同) 山梨学院大はギリギリまで出場選手を伏せた。最終的に“紳士協定”は守られたものの、有事のときは、他大学も「日本人選手故障、緊急で留学生起用」で対抗する気配があったという。 「来年度以降、往路5区の距離を縮める方向で主催者は検討に入りました。そうなると、5区の突出した個人技よりも、総合力での戦いになる。どの学校もシード権が欲しいので、こういった心理戦に発展したんです」(関係者) とはいえ、結果的に“紳士協定”破りがあったほうがレースは盛り上がった?
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スポーツ 2016年01月11日 18時06分
異例の“低年俸”でドジャース入りしたマエケン 活躍できなれければ早期のトレードもあり!?
広島東洋カープから、ポスティングシステムでメジャー移籍を目指していたマエケンこと前田健太投手(27)のドジャース入団が決まった。 だが、喜んでばかりもいられない。基本年俸があまりにも低く、出来高偏重の契約となったことで、前田を心配する向きも多いようだ。 前田は身体検査でイレギュラー(異常)な点が見つかり、一時は破談寸前までいったようだ。イレギュラーな点とは、本人は明言こそ避けたが、肝心の右ヒジといわれている。しかし、双方が歩み寄り、低年俸を前田側が、ドジャース側が長期契約を受け入れた結果、無事合意に至った。 契約内容は、契約金100万ドル(約1億1700万円)、8年契約で基本年俸はわずか300万ドル(約3億5100万円)。広島時代の昨季年俸3億円から、さほど上がらない。契約金と基本年俸を併せた総額は8年で2500万ドル(約29億2500万円)。トレードされた場合には、100万ドルが支払われる。 2年前にポスティングでヤンキース入りした田中将大投手は、7年総額1億5500万ドルの大型契約を結んだ。今とはポスティングシステムのルールが違うが、12年にレンジャーズ入りしたダルビッシュ有投手は6年総額5600万ドル(出来高が別途あり)だった。2人と比べると、前田の年俸はあまりにも低すぎる。 しかし、前田の場合、異例といえる破格の出来高が付く契約となったのだ。その内容は、開幕ロースター入りで15万ドル(約1755万円)。先発登板が15試合に達したら100万ドル、20先発でさらに100万ドル。以降、25先発、30先発、32先発で150万ドル(約1億7550万円)ずつが加算され、最大650万ドル(約7億6050万円)。 投球回は90回で25万ドル(約2925万円)。以降、10回毎に190回まで25万ドルずつプラスされ、200回に到達すれば75万ドル(約8775万円)が付き、最大350万ドル(約4億950万円)。 出来高総額は最大で1015万ドル(約11億8755万円)となり、この契約が8年間続く。満額を獲得できた場合、基本年俸と併せて1年1315万ドル(約15億3855万円)となり。8年間満額が続けば、契約金を加えた総額は8年1億620万ドル(約124億4100万円)となる。 ただ、それはあくまでも活躍した場合の机上の計算にすぎない。32先発、200回は年間を通じて、故障、不調なく、ローテーションに入って登板しなければ到達は不可能。メジャーに行って、故障がちの田中は達成できておらず。ダルビッシュは13年に32先発、200回を1度だけ達成したのみだ。黒田博樹投手(現広島)は7年間のメジャー生活で、4度の32先発、3度の200回を成し遂げているが、それは黒田がタフで故障が少なかったからで、容易な数字ではない。 また、契約には前田側のオプトアウト(契約破棄権)、トレード拒否権は含まれておらず、ドジャースに極めて有利な内容。田中やダルビッシュは一定の条件をクリアすれば、オプトアウトできる条項を契約に入れている。この契約内容では、前田の意思でFAとなることはできず、ドジャースから移籍するとしたら、トレードなど、球団側の意向の場合のみ。 ドジャースにとって、いつ故障するかわからない前田に高額な年俸を保証できない。それでも、活躍すれば、出来高で支払う。前田側からオプトアウトもできないため、ドジャースに有利なばかりの契約。ただ、前田にとっては、働けばそれなりの年俸となり、ケガしたときも300万ドルは保証される。故障して手術を受けたとしても、8年の期間があるため、復活するチャンスもあるのがメリットとなる。ただ、いずれにせよ、田中やダルビッシュの大型契約と比べると、あまりにもさびしい契約内容であることに変わりはない。 「前田側からオプトアウトも、トレード拒否もできませんから、活躍できなければ、早々にトレードされてしまう可能性も秘めています。問題はドジャースが2000万ドル(約23億4000万円)の譲渡金を広島に支払わなければならないため、その元は取る必要があります。前田がそこそこの活躍をするか、獲得を希望する球団が、譲渡金の一部に相当する額をドジャースに補てんするようなことがあれば、トレードもまとまるのでは?」(某スポーツ紙記者) もちろん、ドジャースも8年という長期契約を結んだからには、1、2年で放出することはないだろうが、前田の働きがパッとしなければ、いずれ放出要因になりかねないだろう。※年俸は推定。為替は現在のレート117円で算出。(落合一郎)
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スポーツ 2016年01月09日 18時50分
横浜DeNA ラミちゃん監督、早くも優勝宣言!
横浜DeNAベイスターズのアレックス・ラミレス新監督と山崎康晃選手が9日、神奈川県横浜市のMARK IS みなとみらいで『新ビジターユニフォーム発表会』に出席した。 ラミレス新監督はスーツ姿で登場、多数集まったファンからラミちゃんコールの大歓声。監督就任以来横浜のファンの前に出るのは初めてというラミレス監督は「コンニチワ。ありがとうございます。横浜DeNAベイスターズのラミちゃん監督です」と挨拶。 続いてステージ後方に設置された黒のベールを引くと青を基調としたビジターユニフォームがお披露目された。ラミレス監督は新ユニフォームを見て「横浜の名前を胸に戦っていけることは嬉しいです。チーム一丸となって家族のようなチームとしてやっていきたいです」と語った。 昨年入団した山崎はクローザーを任され新人としての最多記録となる37セーブを上げて新人王に輝くなど大活躍した。山崎は試合同様の“やすあき”コールが湧き上がる中、新ビジターユニフォームに身を包んで登壇。「横浜の文字が胸に入っていてビジターユニフォームですがホームのような気持になれますね」とコメント。 山崎は今シーズンの目標を問われると「優勝して皆さんと喜びたいです。個人としては40セーブとセーブ王を勝ち取れるようにキャンプからしっかりやりたいです」と力強く宣言。 最後にラミレス新監督は「最低80勝を目標にして、何とか優勝目指して頑張りたいです」と早くも優勝宣言で気勢を上げた。(アミーゴ・タケ)
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スポーツ 2016年01月08日 15時00分
俺たちの熱狂バトルTheヒストリー〈プロレス夢のオールスター戦〉
日本のプロレス界と切っても切れないのが東京スポーツ。最近こそ記事掲載面ではメーンを譲ったが、八百長暴露があろうが冬の時代を迎えようが、プロレス界を応援し続ける姿勢は創刊以来ずっと変わらない。 1979年8月26日、日本武道館で開催された『プロレス夢のオールスター戦』も、東スポ創立20周年のメモリアルイベントだからこそ実現したものだった。 「当時の東スポ・井上博社長が先頭に立って、何度もジャイアント馬場、アントニオ猪木らと交渉にあたる努力もあったが、最終的に開催が合意に至ったのは両者に“東スポのためなら”との気持ちがあったからです」(スポーツ紙記者) 今では団体間の対抗戦や交流戦もそう珍しいものではないが、当時は事情がまったく異なる。 「現在では対抗戦と言いながらも、本音の部分では互いに協力して盛り上げようという考えがある。しかし、80年代までの全日と新日は、共に本気で相手の団体を潰そうとしていた。そんな両者が同じリングに立つことが、いかに奇跡的なことだったか」(同) とはいえ、オールスター戦でファンが望むのは、やはり両団体のトップである馬場と猪木のシングル対決。間に立った東スポもそれを目標に交渉にあたったが、馬場は一貫して首を縦に振ることはなかった。 「もし馬場と猪木が闘ったとして、事前にどんな合意があったとしても猪木がそれを守るとは思えない。勝ち負けはそれぞれ団体の存亡にもかかわるだけに、受けられなかったのは仕方がありません。もし直接対決を強いたときには、馬場の参戦拒否も十分にあり得ました」(同) シングルどころかタッグでも、馬場と猪木が対戦しないことにガッカリしたファンも少なくなかったが、それでも無敵を誇った“BI砲”の復活は、日本プロレス以来8年ぶり。徐々に期待は高まり、当日の日本武道館周辺は、入場できないファンが層をなして取り囲むほどだった。 全日と新日の純粋な直接対決は、坂口征二vsロッキー羽田の1試合のみ。それも副将格の坂口と中堅の羽田とあって殺伐とした空気は薄く、お祭りムードの中で試合は進む。そうして迎えたメーンイベント。BI砲と対峙するのはアブドーラ・ザ・ブッチャーとタイガー・ジェット・シンの団体の垣根を越えた“狂悪コンビ”だ。 倍賞鉄夫リングアナの呼び込みで『吹けよ風、呼べよ嵐』が流れると、期せずして館内にブッチャーコールが巻き起こり、ヒールのブッチャーが大歓声でリングに迎えられる。続いてシンがいつも通りに観客席をねり歩くと、いよいよ千両役者の登場だ。 『炎のファイター』に乗った猪木が青のロングタオルに白のガウンで、大トリの馬場がなじみ深い日本テレビのスポーツテーマとオレンジのガウンで入場する。開催宣言を述べる二階堂進コミッショナー(のちの自民党副総裁)の横には、PWF会長のロード・ブレアース。メーンレフェリーはジョー樋口、サブレフェリーはミスター高橋が務めた。 それぞれの名前がコールされる中で狂悪コンビが暴れ始めると、馬場がシンにチョップを放ち、猪木がブッチャーを場外へ蹴散らしたところで、試合開始のゴングが鳴る。 序盤から猪木が延髄斬りやコブラツイストの得意技を繰り出せば、馬場も脳天唐竹割り、16文キックを惜しげもなく披露する。狂悪コンビの動きもよく、ブッチャーがジャンピング・エルボードロップを猪木と馬場それぞれに炸裂させれば、シンも2人を場外で引きずり回してみせた。 「そんな中、猪木はブッチャーをブレーンバスターで投げるなど動きのよさが際立ち、この試合への意気込みは強かった」(同) 馬場と猪木が揃ってシンにアームブリーカーを仕掛けた場面が、この試合のクライマックス。猪木のピンチを馬場が救う、そんなタッグマッチでのありふれた光景に、観客から歓喜の声が沸き上がった。 フィニッシュは猪木がシンを逆さ押さえ込みで3カウント。試合時間13分03秒は、ファンにとって長年の思いが凝縮された幸福のひとときであった。 両雄が並んで勝ち名乗りを受ける中、マイクを取った猪木が「この次、リングで顔を合わせるときは闘うときです」と呼びかけると、馬場も「よし、やろう」と返答。しかし、2人は二度とリング上で交わることはなかった。
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スポーツ 2015年12月26日 16時24分
人騒がせなソフトバンク・松田宣浩のFA権行使 結局メジャー断念し、残留
なんとも後味の悪い結末となってしまった。 11月9日に海外FA権行使を表明し、メジャー移籍の道を探っていたソフトバンク・松田宣浩内野手(32)が、12月24日、残留を宣言。4年総額16億円プラス出来高(推定)の超破格な条件で、ソフトバンクと契約した。 関係者はもともと懐疑的な目で見ていた。元来、松田にはさほどメジャー願望がなかったからだ。FA宣言した際も、「自分がメジャーでどう評価されているか、メジャーでプレーする可能性があるかを探ってみたい」と語っており、その時点で、すでに残留がチラついていた。 残留を決めた理由は、王貞治会長から直々に残留要請を受けたこと、メジャーから本職の三塁以外の二塁、遊撃を守ることを提示されたためとしている。 松田には複数の球団が興味を示し、最も獲得に積極的だったパドレスは2年総額4億円(推定)の提示をしたとされる。 ここ数年、メジャーで成功を収めた日本人内野手はいない。ポスティングでツインズ入りした西岡剛内野手は満足な成績を残せず、自ら3年目の契約解除を申し出て帰国。FAでアスレチックスに移籍した中島裕之内野手は、2年間で1度もメジャーでプレーできぬまま、日本球界に戻った。川崎宗則内野手(マリナーズ→ブルージェイズ)や、田中賢介内野手(ジャイアンツ→レンジャーズ)はメジャー契約すら勝ち取れなかった。 これでは、メジャーでの日本人内野手への評価は下がる一方で、パドレスが提示した条件は妥当な線といえる。とても、ソフトバンクが出していたような好条件が、メジャー球団から引き出せるとは思えなかった。 昨オフには、鳥谷敬内野手が海外FA権を行使して、メジャー球団と交渉したが、色よいオファーはなく、阪神に残留した。 形の上では、鳥谷と同じ結果になったが、違う点はメジャー挑戦への本気度。松田の場合は「条件が悪くなっても、メジャーで挑戦してみたい」といった強いあこがれはみられず、単にメジャーの評価を聞くためのFA宣言だったようにしか思えない。 結局、ソフトバンクと、獲得に動いたメジャー球団が振り回されただけ。ソフトバンクにとっては一件落着となったが、松田のFA権行使は全く人騒がせなものだったようだ。(落合一郎)
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スポーツ 2015年12月23日 13時00分
俺たちの熱狂バトルTheヒストリー〈格闘技を超えた人間ドラマ〉
大みそかの地上波テレビで初めて本格的な格闘技番組が放送されたのは、2001年の『猪木ボンバイエ』だった。猪木軍vsK-1軍の対抗戦を目玉とし、PRIDEの母体であるドリームステージエンターテインメント(DSE)が運営するという、当時の日本格闘界が大同団結した一大イベントであった。 当初、この大会の目玉とされたのは小川直也だった。前年にはPRIDEで佐竹雅昭を破るなど、総合格闘技界の日本人エースとしてファンや関係者からの期待は大きく、プロレスにおいては猪木の直弟子でもあり、猪木軍の大将となるのは当然のことと思われた。 しかし、これを小川が拒否したことで、大会自体の雲行きが怪しくなる。 「交渉にあたったK-1石井和義館長の8000万円のファイトマネー提示に対し、小川は1億円を要求。これが決裂の要因とされたが、それ以前に当時の小川は『強さを競うなら柔道時代にやった』と総合格闘技自体に興味を示していなかった」(格闘技ライター) さらには副将格の藤田和之も、タイでの合宿練習中にアキレス腱断絶の大けがを負ってしまう。同年9月に藤田が敗れたミルコ・クロコップへのリベンジマッチは、当然ながら不可能となり、カード編成は一からの見直しを余儀なくされた。 また、小川と藤田を欠いたことで、猪木軍はまともなメンバーが揃うかすら危ぶまれてたが、なんとか藤田の代役は、新日本プロレスの先輩にあたる永田裕志に決まった。 しかし、これをメーンイベントとすることには各所から難色が示される。 「大会を中継するTBSとしては、新日=テレビ朝日の色が付いている永田を主役にするのは面白くない。猪木事務所にしても、新日所属選手の永田ではマネジメント料が発生せず、ギャラの高いメーンには自分たちの子飼いを出したかったのです」(テレビ関係者) そこで抜擢されたのが安田忠夫であった。大相撲時代は孝乃富士の四股名で活躍し、北勝海や北尾、寺尾、小錦らと並んで“花のサンパチ組”と称され、小結まで昇進した。 28歳で廃業して新日へ入団。プロレスラーとしても大成を期待されたが、生来の無気力、練習嫌い、バクチ好きなど素行の悪さから、中堅どころに甘んじていた。 '01年には心機一転、猪木事務所入りして総合格闘家に転向。デビュー戦こそ佐竹に判定勝ちを収めたものの、2戦目にはレネ・ローゼのハイキックで壮絶なKO負けを喫している。 一方、相手のジェロム・レ・バンナは総合初挑戦とはいえ、その草分けであるケン・シャムロックの下で練習を積み、K-1四天王の実績からも将来を嘱望されていた。もちろん下馬評はバンナ一色。 「試合に期待できない分、他のところで盛り上げなければと、離婚で母方にいた娘まで引っ張り出して試合会場に招くなど、安田が負けた後の演出のことばかりを考えていました」(同) だが、試合は予想外の展開を見せる。安田はバンナの牽制の右ジャブに構うことなく、真正面から体ごとぶちかましていくと、その勢いのままグラウンドへとなだれ込む。 ただ突っ込むだけなので、安田がバンナの上になる場面もあったが、実戦でのグラウンド経験がないために、たまたま袈裟固めの体勢に入っても極めることができない。セコンドの指示を受けマウントへ移行しようにも、動きに隙が出て解けてしまう。スタンドに戻っても安田の突進の前に、バンナはどうしても下がることが多くなり、そこからパンチを放ってもダメージを与えられない。 そんな中、安田が一世一代の根性を見せる。コーナーに詰まり上から浴びせられるピンチを、バンナの腰にしがみついて耐えると、2Rに入り何度目かの体当たりで上になったところで、がむしゃらに覆いかぶさっていく。力任せに腕を喉元に差し込んでギロチンチョークの形をつくると、同時に密着した安田の体がバンナの口をふさぎ、ここでついにバンナがタップした。 技術は拙く、格でも劣っていたが、根性一本で勝ち名乗りを上げた安田。リングに駆け上がって祝福する娘を肩に担ぐその姿は、格闘技を超えたヒューマンドラマであった。
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スポーツ 2015年12月22日 13時00分
日本人力士の闇! アマチュア相撲も照ノ富士、逸ノ城と同期のモンゴル人力士が制覇
身長187センチ、体重175キロ。末は横綱か大関か…。将来が楽しみな金の卵が出現した。それもまた、モンゴル人力士だ。 12月6日、東京・両国国技館で今年の“アマ横綱”を決める全日本相撲選手権が行われ、日大3年でモンゴル出身のバーサンスレン・トゥルボルド(21)が優勝した。大相撲の世界でモンゴル人力士が優勝するのは当たり前になっているが、64回を数える同大会で外国人出身者が優勝するのは初めてのことだ。 「ついにアマの世界までモンゴル人に席巻されたのかと、大会関係者は騒然としていましたよ。それも優勝の呼び声が高かった小柳(東農大)や、国体成人の部で優勝した黒川(アイシン軽金属)といった猛者を破っての文句なしの優勝ですからね。これで幕下15枚目付け出しの資格を得たことになります。ただ、来年は日大相撲部のキャプテンになることが決定しており、大相撲入りする意思はないと話していますが、再来年にプロの土俵に立つのは間違いありません」(担当記者) このトゥルボルドが注目される理由はもう一つある。平成22年3月、いまや大相撲界で人気者となった照ノ富士や逸ノ城らと一緒の飛行機でモンゴルから来日。ともに高校相撲界の名門・鳥取城北高に留学した仲であることだ。 照ノ富士は高校を中退、逸ノ城は高校卒業後に相次いでプロ入りしていったが、トゥルボルドは同校の石浦監督から、「まだ相撲が甘い」と言われ、日大に進学。しかし、先にプロ入りした2人に決して素質が劣っていなかったことは、入学からわずか3年でアマ横綱になったことでも分かる。 「体も大きく、照ノ富士や逸ノ城らのようにスター力士になる可能性は十分。照ノ富士は、『また大物が出てきたね。高校時代から力はすごかったけど、ちょっと下手くそなところがあった。大学に行って相当がんばったんじゃないの。早くプロに来て』と熱いエールを送っていました。遠藤も伸び悩むなど、日本人力士にこれといった有望株が見当たらないだけに、入門すればたちまち注目力士になることでしょう」(大相撲関係者) 平成18年初場所の栃東(大関)を最後に、日本人力士の幕内優勝が途絶えて来年1月の初場所でちょうど10年になる。この分では、この不名誉な記録もまだまだ続きそうだ。
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スポーツ 2015年12月19日 15時50分
2017年も現役続行が濃厚なイチロー その裏に隠されたマーリンズの思惑とは…
マーリンズと契約を更新したイチロー外野手(42)が、2017年も同球団で現役を続行することが濃厚だという。 今季、153試合に出場しながら、398打数91安打で打率.229、1本塁打21打点11盗塁と、自己ワーストの成績に終わったイチロー。打率だけを見ると、昨季(ヤンキースに在籍)の.284から大きく数字を落としただけに、衰えを感じざるを得ない。来季、どこまでやれるかははなはだ疑問だ。 それでも、2017年シーズンもプレーを続けられるというのは、一体どういうことなのか? イチローの契約は1年で、2017年は球団が選択権をもっている。その権利を行使するかどうかは球団次第。基本年俸は今季と同じ200万ドル(約2億4200万円)で、打席数に応じて出来高が付く。その内容は、250打席、300打席に到達した場合、それぞれ30万ドル(約3630万円)が支払われ、その後は、50打席ごとに40万ドル(約4840万円)が加算される。設定は600打席までで、最大で300万ドル(約3億6300万円)となる。出来高的には打率などの成績ではなく、あくまでも打席数が問われる点は、イチローにとっては好都合だ。 来季も、その立場が“4番手外野手”であることに変わりはないが、球団は正中堅手のマルセル・オズナ外野手(25)のトレードを画策しているというのだ。今季、打撃不振に陥って、マイナー落ちも経験したオズナは、打率.259、10本塁打、44打点の成績に終わった。昨季と比べると、打率(昨季=.269)は大差なかったが、本塁打は23本→10本、打点は85→44と激減した。オズナを放出することになれば、イチローの出番が今季より増えるのは確実。それに備えて、イチローの存在は重要なものとなる。 さらに、イチローの2017年の現役続行を決定的にする動きが起きているというのだ。「イチロー獲得を機に、マーリンズは日本進出を狙っています。ジャパンマネーに魅力を感じているのです。2017年には日本で開幕戦を開催するプランを温めており、来年1月か2月に、球団幹部が大挙して、日本市場視察のため、来日するようです」(某スポーツ紙記者) 当然のことながら、日本で公式戦を開催するとなると、イチローの存在なくしては考えられない。2017年に実現できるかどうかは、視察の結果によるが、“その日”が訪れるまで、イチローの現役続行は確定したようなものである。(落合一郎)
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