スポーツ
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スポーツ 2015年11月10日 14時00分
残って欲しい? お金が欲しい? マエケン去就に揺れるカープ
広島東洋カープの前田健太(27)が5年ぶり2度目の沢村賞に選ばれた。今季29試合に登板し、リーグ最多タイの15勝を挙げ、防御率は2.09。175奪三振など、選考基準7項目のうち6項目をクリアしたことが高く評価されたようだ。しかし、同賞の選考委員長でもある堀内恒夫氏の選出過程に関するコメントが意味深である。 「2010年に彼が(沢村賞を)取ったときと成績がほぼ同じ。上積みが欲しかった」、「前半戦は大谷がダントツの沢村賞だと思っていた」、「最初は藤浪でいいと言う選考委員もいたが…」 堀内氏は「満場一致で決まった」とは言うものの、対抗候補であった大谷翔平、藤浪晋太郎を指して「3人の成績が拮抗していて選びにくかった。僕は該当者無しでもいいと思ったんだが」と苦言を呈していた。これでは、どこが満場一致なのか、分かったものではない。とはいえ、堀内氏の苦言は前田を追うメジャースカウトの評価にも通じるものがある。 「今季の前田は完投試合数が少なかった(5試合)。広島のブルペン陣はシーズン中盤までクローザーが安定しない状況だっただけに、もっと完投数があってもよかったはずだ。さらには、2ストライクを取った後に投げる変化球の種類が少ない。それが伸び悩みの一因」(中地区球団スカウト) 奪三振数で前田と他の沢村賞候補者と比べてみるとは、大谷が196、藤浪が221で前田がもっとも少ない。同スカウトがこう続ける。 「前田は必ずメジャーで成功します。ただ、ダルビッシュや田中将大が渡米したときと違い、どの球団も先発ローテーションの3番手以降と見ています。先発投手の弱いチームはエース級の待遇でしょうが…」 前田はいずれ、ポスティングシステムを使ってメジャーリーグに挑戦する。早ければ、「今オフ中の挑戦も」と伝えられるが、前田自身、メジャー側のシビアな評価を聞き、慎重になり始めたという。そのため、前田の身辺も様相が変わってきた。 「今までは逸る前田の気持ちを球団が諫めてきました。チームの優勝という共通目標が前田を踏み留めさせてもいました。でも、このまま行くと、前田の年俸を払いきれなくなってしまいます」(ベテラン記者) 前田の今季の年俸は2億8000万円(推定)。最多勝タイ、沢村賞などの投手タイトル獲得により、残留する場合は4億円前後での更改となるだろう。戦力としては是が非でも残ってもらいたい選手だが、チーム総年俸には上限がある。また、今秋のドラフト会議で1位に岡田明丈(大商大)、2位で横山弘樹(NTT東日本)と即戦力系投手を指名したのは、前田退団に備えてのことだ。 「前田は自分のピッチングを磨き直す必要があると考え方を変えつつありますが、球団は慰留せず、米挑戦を後押しするつもり」(同) 前田は2017年に海外FA権を取得する。いまさらだが、FA権での米挑戦となれば、前所属球団には1円も入ってこない。チーム総年俸との兼ね合いもあるが、落札金2000万ドルをもらいたいというのが広島の本音かもしれない。
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スポーツ 2015年11月10日 14時00分
阪神が金本改革で“キャンプ地”見直し
これも、金本改革の一環かもしれない。金本阪神が来春の一軍キャンプは沖縄県宜野座村のみとすることを“内定”させた。つまり、1965年から続いていた高知県安芸市には「行かない」と決めたのだ。 星野仙一氏が指揮官に就いて2季目の2003年、阪神の春季キャンプ地を沖縄県に移して以来、安芸市との関係が危ぶまれていた。それまでは高知県だけではなく、四国全体がプロ野球春季キャンプのメッカとされていた。しかし、沖縄県のスポーツ施設建設が進み、「より温かいところへ」の発想から、各球団はキャンプ地を南下させていった。 「阪神電鉄の社長、会長、そして、取締役相談役を歴任された久万俊二郎元オーナー(故人)が高知県高知市の出身で、その関係から阪神と高知県の信頼関係が築かれたとも言われています」(NPB関係者) 1961年、阪神は高知市でキャンプを行った。その後、お隣の安芸市に移し、今日に至っている。 スポーツ施設の見直しだが、まず球場の老朽化が挙げられる。改修工事を行えば良いというものではない。プロとして施設管理側に求める要望も高く、硬式球を使える広域雨天練習場やプロの打球にも対応できる広域グラウンドとし、高層ネットも取り付けてもらわなければならない。グラウンドの土質、整備技術、芝生なども相当なレベルが要求される。また、「雨天練習場の拡張」が球団側から求められても、公園法や建ぺい率などがネックとなり、その要望に応えられないケースもあるという。プロ野球チーム側は、ならば、これから野球場施設を建設しようとしているところを新たに見つけ、プロ野球のレベルに対応できるようにしてもらい、キャンプ地を移転させてしまったほうが良いと判断する。 天候や気温などの問題ももちろんある。 阪神も沖縄県に新キャンプ地を求めたが、これまでお世話になった高知県、安芸市に対する恩義もあったのだろう。「二次キャンプ地」として、2月後半に安芸市に移動し、オープン戦や二軍戦を行うなどしてその関係を続けてきた。今後、安芸市は二軍キャンプ地ということになるだろう。 沖縄県宜野座村に集中すれば、県内でキャンプを行う他球団とのオープン戦、練習試合の日程も組みやすくなる。また、「二次キャンプ移動」のために喪失していた移動の2日間を、練習か完全休養日に充てられる。 阪神の経営陣は金本知憲氏を新監督に迎え、非効率的だった内情も見直そうとしたのだろう。新監督誕生はそのきっかけとなったようだが、高知県側は「寂しい」と思っているはずだ。 安芸市営球場はタイガースタウンとも呼ばれている。阪神に限った話ではないが、キャンプ地は“第二本拠地”とも言え地元への還元、恩返しという意味で、損得勘定抜きで公式戦1カードくらい行っても良いと思うのだが…。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2015年11月10日 11時20分
なんだかよく分からない「世界野球プレミア12」 それでも高視聴率ゲット!
11月8日、「世界野球プレミア12」が開幕した。1次ラウンドのグループBに属する日本は、札幌ドームで行われた初戦でライバル・韓国に5-0で快勝して、好スタートを切った。 正直、同大会の世間での認知度は極めて低く、野球ファンでさえ、「『世界野球プレミア12』って何?」「WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)と、どう違うの?」との声がほとんどのようだ。 WBCは単純に野球世界一決定戦で、主催するのは、MLBと同選手会が立ち上げたWBCI(ワールド・ベースボール・クラシック・インク)で、MLB主導の大会。 一方、「世界野球プレミア12」の主催者は五輪への復帰を目指すWBSC(ワールド・ベースボール・ソフトボール・コンフェデレーション=世界野球ソフトボール連盟)。 参加国の決め方は、U12、U15、U18、U21、トップが出場するWBSC主催大会、WBSCの認定を受けた国際試合の成績をもとにポイント化し、その上位12か国に出場権が与えられる。つまり、出場国選定に当たり、トップチームだけではなく、アンダー世代の成績が加味される点が、WBCとの大きな違い。選考対象となるランキングは14年11月26日時点のものが採用された。 今年が第1回となるが、WBC同様、4年に1回開催される予定。6か国ずつが2グループに分かれ、総当たりリーグ戦を行い、各グループの上位4か国ずつが準々決勝に進出し、トーナメントで優勝を争う。 今大会は日本と台湾の共同開催で、1次ラウンドの日本対韓国、準決勝(東京ドーム)、3位決定戦(同)、決勝(同)が日本で、1次ラウンドの他の試合及び準々決勝が台湾で行われる。 参加国はグループAが、台湾(ランキング4位)、キューバ(同3位)、オランダ(同5位)、カナダ(同7位)、プエルトリコ(同9位)、イタリア(同11位)。グループBが、日本(同1位)、アメリカ(同2位)、ドミニカ(同6位)、韓国(同8位)、ベネズエラ(同10位)、メキシコ(同12位)。 そこで気になるのが、各国の派遣する選手のレベルだ。日本はほぼベストメンバーで臨むが、MLBはメジャー40人枠に登録されている選手は派遣しないため、マイナー中心の選手構成となる。 中南米のドミニカ、プエルトリコ、ベネズエラはMLBの意向もあり、ウインターリーグの開催時期と重なるため、かなり厳しいメンバー構成。“野球大国”キューバは、有力選手が次々に亡命した側面もあるが、ベストとはとてもいいがたいメンバーとなっている。 本気で臨むのは、日本、韓国、台湾のアジア3か国くらいのもので、飛車角落ちで挑む北米、中南米、キューバを相手に、世界一となっても、果たして価値があるものかどうか疑問が残る。 それでも、日本国内では「野球国力世界一決定戦」をうたう大会には、注目度が高いようだ。11月5日、6日に行われた日本対プエルトリコの強化試合こそ、その視聴率は、5日(テレビ朝日)が8.9%(数字は以下、すべて関東地区)、6日(TBS)が9.9%と1ケタ台だったが、8日(テレビ朝日)の韓国との開幕戦は19.0%と高い視聴率をマークした。裏で放送された日本テレビの「ザ!鉄腕!DASH!!」が23.3%、「世界の果てまでイッテQ!」が22.3%と、さらに高い数字を記録しただけに、日韓戦の健闘ぶりは大いに評価されるところ。 この後、日本は1次ラウンドで、11日にメキシコ、12日にドミニカ、14日にアメリカ、15日にベネズエラと対戦し、準々決勝進出を目指すが、他国の派遣選手の実態を知ったら、世の高い関心は継続するだろうか?(落合一郎)
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スポーツ 2015年11月09日 13時30分
金本、ヨシノブの課題 伝統球団は「育てながら勝つことができるのか」
巨人、阪神の両伝統球団がともに指揮官を代え、再スタートを切った。両球団と近い関係にある系列スポーツ新聞を見ると、連日“明るいニュース”に溢れている。新監督への期待論である。だが、これで本当に『チーム改革』は終わったのだろうか。 巨人のチーム打率はリーグワーストだ(2割4分3厘)。総本塁打数(4位)、長打率(4位)も褒められたものではないが、深刻な状況ではない。総盗塁数はリーグトップ。得点圏打率が低く、大量得点のビッグイニングを作れないのだ。その打線の強化と、山口鉄也、マシソンのリリーバーで落とした試合数が「13」もある。首位ヤクルトとの最終ゲーム差は1.5。その救援陣で落とした試合数があと2つ少なければ、計算上では勝率でヤクルトを上回っていた。山口、マシソンらに頼りきっていた救援陣の補充も急がなければならないが、ドラフト会議を見る限りではリリーフタイプの投手は指名していない。 高橋由伸監督(40)は練習内容を「厳しくする」とは語っていたが、どんな野球をするのかは明らかにしていない。 「西武移籍後もヨシノブと自主トレをやってきた脇谷(亮太=34)がFA権を行使しました。巨人フロントは曖昧な言い方ですが(11月6日時点)、巨人ナインは脇谷がFA宣言した時点でピンと来たようですね。ヨシノブのために古巣帰還を希望しているんだと」(プロ野球解説者) 巨人が補強するべきは、内野手と左の代打。井端弘和(40)の引退で内野手が不足し、ヨシノブの現役引退によって、彼自身が務めていた“代打の切り札”が空席となった。脇谷はその要求に合う選手だが、チーム打率がリーグワーストの打線を救うまでには至らない。本格的な投打の補強は「これから」ということだろう。 また、阪神もチーム再建の最大懸案については解消されていない。金本知憲新監督(47)は南信男前球団社長から指揮官就任の打診を受けた後、「チーム再建の必要性」を訴え、若手や中堅が伸び悩んでいる実態を憂いたという。その交渉内容を知る関係者がこう言う。 「金本監督は『改革』と言いましたが、南前社長は『革命』という言葉を使っていました。二軍の在り方、指導内容の見直し、育成…。伝統チームなんで、勝たなければなりません。勝ちながら育てるというのは、本当に難しいこと」 阪神の秋季キャンプは、良い意味で明るかった。陽川、江越、中谷といった長打力のある若手が打撃練習で飛距離を争うように力強くバットを振り、また、練習開始のランニング、ダッシュ運動にしても、「体を温める」のではなく、順位を争っていた。近年、これだけハツラツとした阪神の練習は見たことがなかった。 「05年以来、優勝が遠ざかってしまいました。当時を知るOBたちに、コーチ帰還を要請しても何人かは受諾してくれませんでした。晩年、屈辱的な辞めさせられ方をしたOBもいますからね。金本帰還は指導者として適齢期にもある彼らとの和解の意味も含めていました」(前出・同) 「金本サンが監督なら…」と言って“コーチ帰還”の交渉を受けたOBもいたそうだ。 秋季キャンプでは早くも故障者が出て、別メニューに陥った選手もいないわけではなかった。しかし、阪神フロントが監督・金本に託したものが『意識改革』だとすれば、確実な一歩を見せてくれた。 金本監督は大阪のテレビ局に出演した際、巨人・高橋監督の印象についても聞かれていた。同じ新人監督として「意識している」と答えていたが、2リーグ分立後、両伝統球団が同時期に指揮官を交代させたシーズンの成績は−−。1950年 巨人82勝54敗4分け=3位 阪神70勝67敗3分け=4位1975年 阪神68勝55敗7分け=3位 巨人47勝76敗7分け=6位2002年 巨人86勝52敗2分け=優勝 阪神66勝70敗4分け=4位2004年 巨人71勝64敗3分け=3位 阪神66勝70敗2分け=4位 巨人側から見れば、監督の交代がライバル阪神と重なった年は優勝もしているが、球団史上初の最下位も経験している。 巨人は若手野手が独り立ちしきれないでいる。彼らをレギュラーに育て上げるのがヨシノブに与えられた課題である。両伝統球団が同時期に新監督を迎えただけではなく、若手台頭の課題まで重なるとは単なる偶然だろうか。
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スポーツ 2015年11月08日 16時00分
俺たちの熱狂バトルTheヒストリー〈プロレス最強幻想が崩壊〉
今年の大みそかに、総合格闘技の地上波テレビ中継が5年ぶりに復活する。12月29日と31日に開催される新格闘イベント『RIZIN(ライジン)』は、元PRIDE代表の榊原信行がプロデューサーを務め、フジテレビ系では31日に放送されるという。 メーンは8選手出場のヘビー級トーナメントで、他に桜庭和志やエメリヤーエンコ・ヒョードルなど、レジェンドファイターの特別試合が発表されている。 「新団体の旗揚げではなく、とりあえずは今回のために立ち上げられた企画とのことで、単発で終わるか継続性のあるイベントとなるかは、関係者の努力と、どれほどの選手を集められるかで決まるでしょう」(格闘技ライター) 日本における格闘技ブームの最盛期といえば、やはり大みそかに民放3局がそれぞれ『K-1ダイナマイト』(TBS系)、『PRIDE男祭り』(フジテレビ系)、『猪木ボンバイエ』(日本テレビ系)を中継した2003年になるだろう。 3大会で計31試合(K-1のオープニングファイトを含む)が行われた中でも、とりわけ注目されたのは曙vsボブ・サップ(K-1)。視聴率で『NHK紅白歌合戦』を超えるなど国民的関心を集めたものだが、その後、ある意味で歴史的一戦として語られてきたのが、永田裕志vsヒョードル(猪木ボンバイエ)の一戦ではないだろうか。 “最強”の座に位置づけられていたヒョードルと、プロレス界で格闘センスを評価されながらも、'01年にミルコ・クロコップに惨敗を喫した永田。 すでにファンの間でも、総合格闘技に対するプロレスラーの適正には疑問符がつけられており、永田の雪辱への期待は低かったとはいえ、試合はわずか1R1分2秒で終了。まさに秒殺劇で、永田にせめてもの見せ場を期待したプロレスファンは、大いに落胆することとなった。 ゴングと同時にボクシングスタイルで前に出た永田だが、これはヒョードルにいなされ、次に右のミドルキックを放ったものの、そこへ右フックをカウンターで合わされて万事休す。 ヒョードル攻勢の中、大振りの左フックが永田の顔面をかすめると、そのままコーナー際に倒れ込み、キックとパウンドの連打であえなくTKOが宣せられた。 「この試合で“永田は何もできなかった”といえばその通りですが、あらためて映像を見直すと、格闘技戦向けの構えは堂に入っている。あの頃に永田が通っていたキックボクシングの伊原道場でも、同時期に練習していた小川直也より打撃センスは上で、伊原信一会長が太鼓判を押していたほどでした。だから、せめて相手が最強クラスのミルコやヒョードルでなければ、もう少しやれたのではないかと思います」(同) 対戦カードが決まるまでの経緯も、永田にとっては不幸だった。当初、この大会のメーンはミルコvs高山善廣と予定されていた。しかし、ミルコの欠場が決定的となり、代わる目玉としてブッキングされたのがヒョードルだった。 だが、そうしたゴタゴタに嫌気がさしたのか、高山も参戦を辞退してしまう。 「もともと大会プロデューサーが日本テレビに出した企画書には、ミルコだけでなく小川や吉田秀彦の名前もあったのですが、そのいずれにも参戦を拒否されて、少しでもネームバリューのある人間をということで選ばれたのが、永田だったのです」(テレビ関係者) 永田への参戦オファーがあったのは12月に入ってからで、試合まで1カ月を切っていた。これではロクに準備ができるはずもない。それでも試合を受けたのは、新日本プロレス会長であるアントニオ猪木の顔を潰さないためであったが、今度は試合前日までヒョードルが出場する、しないで、話は二転三転した。 ヒョードルの背後にいた権利関係者たちによる綱引きの結果であり、そのたびに気持ちを作り直すのだから、永田もたまったものではない。そんな裏事情を知らないファンにすれば、永田の惨敗という結果でしかないが…。 同日、K-1大会での中邑真輔vsアレクセイ・イグナショフでは、いったん中邑にKO負けの裁定が下った後、抗議によって無効試合となった。これもプロレス界にとっては悪印象となり、一気に冬の時代を迎えることとなった。
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スポーツ 2015年11月08日 10時00分
小塚桃子ゴルフ連載(50) 最終章・私がゴルフにハマった理由・最終回
皆様のご贔屓頂いていた本連載も今回が最後。最終回になります。 そこで、「これまで見てきた凄いプレーヤー」と「ゴルフが止められない本当の理由」をご紹介して、結びたいと思います。 プロと何度かラウンドした事があるのですが、特にビックリしたのは片山晋呉さん。片山さんが「これまで見てきた凄いプレーヤー」の筆頭ですね。やはり全てが上手。小技、バンカー、ドライバー…ボールはよく飛び、そこからの展開も完璧。私と回った時、片山さんは手を抜いて71。長尺のパターが印象的で、片山さんが言うには「(パターが)長い分、ボールがブレない」そうです。その前に私は使いこなせません。難しいクラブです。 片山さんの長所は平常心。何も気にしないところです。常にポジティブで大変、参考になりました。例えば、ボギーを叩いた場合、私でしたら落ち込む。ところが片山さんは「ま、いいか。次、次(のホール)」という感じ。切り替えが上手なのです。 落ち込んでしまう私はこういった時、キャディさんの手助けが必須。メンタルをフォローしてもらいます。「今日、調子悪いな〜。最悪!」とつい口走ってしまった際には、キャディさんから「大丈夫。これから巻き返せます」と慰めてもらい心を整える。片山さんの強さが欲しいですね。 グリーン上は、特に神業です。ロングパットでも平然として「俺、ライン見えた」と断言。「これは入る気しかしない」と豪語し、それが有言実行となるのには感嘆しました。 片山さんのプレースタイルは特別だとしても、ゴルフの基本はアプローチ、パター。グリーンのラインは何度かコースを回れば何となく読めてきます。ただ、これを1発で仕留められるかどうかは別ですが…。力加減、方向、立ち位置…こういった準備が50%。残りの49%が練習で、才能は1%程度だと思います。 毎回、思い通りになっていたらゴルフは止めていたでしょう。例えばゲーム。一度、クリアしたら試合終了でもうやらないでしょう。それと一緒で、ゴルフもクリアしたらやらなくなりますが、クリアの無い競技だからです。私はかつてテニスをしていましたが、大会で優勝した経験があります。そう、私の中では「テニスはクリアした」という事。テニスへのテンションが上がらないのはそういった背景があるからです。 ソフトバンクの孫正義さんが以前、「ゴルフと仕事は思い通りにならないから面白い」と仰っていました。確かにその通りですね。 思い通りとは、私の身体でしたら体脂肪率は18%、体重が45キロ、ウエストを56センチという目標を立てます。これは食事と運動をすれば到達出来る。だから目標を達成すればクリアなのです。 目下、ハーフで30台を出す事が目標ですが、これをクリアしたら、さらに進化した設定が生まれる。エンドレスということになります。ゴルフを始めた時は、100を切れればいいやと思っていたのですが、それが90になり、そして80になり、挙句はハーフ30台…。 私にとってゴルフとは、多くの事を教えてくれる、奥深き魅力溢れるスポーツです。そして、何と言っても精神面で勝負が左右される競技なので、私はゴルフを通じて、精神的にも鍛えられました。 また、自然の中でするスポーツなので、四季を肌で感じることができ、リフレッシュにも気分転換にもつながるため、ゴルフと一生の付き合いになりそうです。 最後に。 ゴルフ連載「100を切るカンタン・ゴルフクリニック」がここまで継続出来た事に関係者の方々、読者の皆様に御礼申し上げます。短い期間ではありましたが、1年超のゴルフ連載を続けられた事、皆様に感謝です。 この連載を読んで、カンタンに「100切れたよ!」という声を待っていますね!! 又、お会いする日まで…。 小塚桃子より
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スポーツ 2015年11月07日 16時00分
USA発 新聞、テレビではわからないMLB「侍メジャーリーガーの逆襲」 日本人大リーガー、今季MVPは該当者ナシ 敢闘賞は遅咲きの村田透 殊勲賞は快挙達成の岩隈久志
今シーズンの日本人大リーガーは故障者が続出し野戦病院のような状態になってしまったが、明るいニュースを提供してくれた選手もいた。そこで今年も日本人大リーガーの査定を実施し(表参照)、MVPと殊勲、敢闘、技能の3賞を選出してみたい。■最優秀選手賞(MVP)=該当者なし●候補者(強いてあげるなら):青木宣親(ジャイアンツ、岩隈久志(マリナーズ)、田中将大(ヤンキース) 青木は前半戦だけとってみれば打率3割1分4厘で打撃十傑の5、6位につけていたが、8月中旬以降脳震盪の後遺症に苦しみ、シーズン後半はチームにほとんど貢献できなかった。 逆に岩隈は、シーズン後半は完全に復調し、息切れした大エースのF・ヘルナンデスに代わって先発の柱として機能した。8月中旬にはノーヒットノーランの快挙もあったので、シーズン後半だけとってみればMVPレベルの働きだったと評価できる。 今期も年俸650万ドルに対し960万ドルの働きを見せているので、日本人選手の中では最も投資効率の高い選手でもあった。 ただ第2エースとしてチームを地区優勝に押し上げる原動力になることを期待されながら、4月は大乱調。5月、6月は肩の広背筋を痛めて全休となりマリナーズが予想外の不振にあえぐ元凶にもなっていたので、シーズン全体のMVPとすることはできない。 田中は貢献ポイントであるWARが最も高く(3.1)、1240万ドル分の働きをしている。しかし田中は年俸も2200万ドル(26.4億円)とダントツに高く、ノルマは年間登板数32試合以上、防御率3.00以内、17勝以上あたりに引かれている。今季は登板数がそのノルマの75%(24試合)、防御率、勝ち星もノルマを大きく下回っているので、年俸の半分程度の働きしかしていない。これほど投資効率が悪いとMVPにするわけにはいかない。■殊勲賞=岩隈久志「金星」に値する快挙は岩隈が8月18日にオリオールズを相手にやってのけたノーヒットノーランだけだ。これはメジャー屈指の強力打線を相手に達成したものであり、まさに値千金の快挙だったので、殊勲賞は岩隈にすんなり決定だ。■敢闘賞=村田透(インディアンズ)●その他、候補者=イチロー(マーリンズ) 敢闘賞に値するのは41歳という高齢にもかかわらず、日本人選手でただ一人フルシーズン稼働したイチローと、30歳で夢のメジャー昇格を果たし3Aの最多勝投手にもなった村田透だ。 この二人を比較した場合、インパクトがあるのは村田だった。 読売巨人軍時代('08〜'10年)、村田は一軍で1勝もできないまま戦力外になり、渡米してマイナーの下の方からキャリアを再スタートさせた。しかし4年目までは左打者を抑える武器がないため3Aで3年連続防御率が5点台。2Aでも一度も3点台の防御率を記録したことがなかった。しかしカッターの使い方をマスターして臨んだ今シーズンは、苦手にしていた左打者を封じられるようになり防御率2点台の投手に急成長。30歳でのメジャー昇格は、よほどの精神力がなければできるものではない。マイナーリーグは6つのレベルに分かれており、序ノ口レベルからスタートしてメジャーに上り詰めることは至難の業だ。巨人では物の数でなかった村田が過酷な出世レースを生き抜いてメジャーに到達したことは掛け値なしに称賛に値する。 それに対しイチローは今季もケガをせずにフル稼働した点は大いに評価できるが、打率は2割2分台まで落ち込んだ。出場しても貢献が伴わなくなっている。■技能賞=青木宣親(ジャイアンツ)●その他、候補者:上原浩治(レッドソックス) 青木がメジャーで最も高く評価されているのは、三振をしない技術の高さだ。今季メジャーの打者(300打席以上)で三振する比率がもっとも低かったのは青木の6.4%だった。これは追い込まれてもカットで逃げることに長けているからだ。大リーグでは四球が三振より多い打者は高く評価されるが、青木は今季、三振25に対し四球が30もあったので、選球眼のいい好打者という評価は不動のものになった感がある。 上原はボール球を振らせる技術を高く評価されている。特に打者を追い込んでからスプリッターを意識させておいて、高目のボール球を振らせるテクニックは他の追随を許さない。逆のパターンもしかりだ。 ただ今季は、ピンチになった時の制球がイマイチで、ボールになるスプリッターで空振りをとれずに苦労するケースも何度かあった。それを考慮すると技能賞は青木に軍配が上がる。スポーツジャーナリスト・友成那智ともなり・なち 今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。'04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」(廣済堂出版)は日本人大リーガーにも愛読者が多い。
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スポーツ 2015年11月06日 16時00分
緑健児代表が[新極真会]が東京五輪追加競技「空手」界に廻し蹴り!(2)
確かに、二つのルールという提唱を真っ向から否定するように、全空連のホームページには五輪正式種目化について〈空手道は一つ! ルールは一つ!〉と、大きく掲げてある。 しかし、今年の4月16日、全空連は極真会館の松井館長と共同記者会見を行い、友好団体になると表明している。なぜ全空連が極真会館(松井派)の参加を認めたのか、なぜ寸止めとフルコンタクトの団体が友好関係になったのか。 記者会見で松井館長は、極真内部でも五輪参加を目指す選手には、特別枠で寸止めの稽古をさせると述べている。道場に全空連から指導者を招くというのだ。 果たしてフルコンタクトの選手が、ノンコンタクトで試合できるのだろうか? 再び、緑代表に聞いてみた。 「ノンコンタクトとフルコンタクトでは、そもそも闘い方が違うので、同じルールでは難しいのです。例えば、野球も軟式と硬式は全然違います。レスリングだってグレコローマンとフリースタイルの二つのルールがあります。ノンコンタクトとフルコンタクトは、まったく別物なのです。 直接打撃が危ないというのなら、ボクシングやテコンドーも当てはまります。ヘッドギアをしっかり付ければ、危険は回避できます。大山総裁が創り上げ、守り抜いたのがフルコンタクト空手です。五輪に出るために今までフルコンタクトでやってきた人間が、急にノンコンタクトの試合に出て勝つなんてあり得ません。 逆に考えても、ノンコンタクトの選手がフルコンタクトの試合に出て勝てるわけがありません。それは、ずっと同じルールに従って稽古をしてきた人に対して、失礼ではないでしょうか。入門してきた道場生に対して、指導者は信念をブレさせてはいけません」 極真会館(松井派)が全空連と友好団体になったことについて、疑問視する声も少なくない。あるフルコンタクト空手関係者は、「極真会館(松井派)と公益法人でもある全空連が、なぜ手を結べるのか。極真会館(松井派)は株式会社ですよ。かなりの大物が動いたとの噂も聞こえてきます」と話す。 また、極真会館だけでなく、全空連も日本空手協会を除名、分裂している。純粋に空手を習っている道場生が、一番の犠牲者ではないだろうか。 緑代表が自らの方針を語ってくれた。 「フルコンタクトはフルコンタクトとして、価値を高めていく。一つの道を貫くのが武道です。我々はブレない考え、そして生き方として空手道を教えています。JFKOには現在274流派が参加しており、今年4月には公益社団法人として内閣府より認められました。 この先、空手が五輪種目になったとしても、ノンコンタクトのルールでは、選手を出しません。それは連盟でも意思統一しています。どうしてもノンコンタクトの試合に出たいというなら、我々は指導ができないので、道場を辞めてもらいノンコンタクトの道場に入門して頑張ってもらいます。残念ではありますが、五輪での活躍を期待します。 空手が好き、あるいは大山総裁の創り上げた空手が好きで、フルコンタクト空手をやってきました。指導者は一本筋を通さないといけません。我々はスポーツ空手ではなく、あくまで武道空手が原点です。武道空手の強さや競技の明確さは、見ていただければよく分かると思います。直接技を当てるフルコンタクトの特性によって、人の痛みが分かってきます。 五輪よりW杯の方が盛り上がるサッカーのように、空手も世界大会を盛り上げていこうと思います。フルコンタクト空手が単独で五輪競技として認められる可能性を追求し、さらにメジャーにしていく方針です。 我々は、空手を通して生き方を教えたい。大人から子供まで頑張っている人たちに、世界で闘う舞台をつくってあげたいのです」 10月31日〜11月1日には、東京体育館で第11回世界大会が開催される。これは4年に一度、世界90の国と地域から予選を勝ち抜いた強豪が、世界一を目指して闘う武道空手の祭典だ。 五輪競技化に向け、極真会館(松井派)と全空連が手を結んだが、本当の意味での一致団結とは、程遠い印象は否めない。打算ではなく、空手という一つの道を純粋に進み、本当の団結を願いたいものである。
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スポーツ 2015年11月05日 16時00分
野球賭博の余波 プロ野球界は不祥事を根絶できるのか(後編)
プロ野球・ドラフト会議後、巨人は野球賭博の余波を再認識したのではないだろうか。ドラフト翌日から巨人スカウトは指名選手の在籍先を訪ねているが、例年とは違う『指名挨拶』が行われたという。「ご心配をお掛けし、誠に申し訳ございませんでした」−−。スカウト自らが切り出した場合もあったが、指名選手を抱える監督、その父母から「どうなっているんだ、本当に大丈夫なのか」と詰め寄られた先もあったそうだ。そのために交渉が難航している選手がいるとまでは聞いていないが、再発防止に向け、選手指導を徹底させなければならないだろう。 年長のプロ野球解説者がこう言う。 「球団の責任も大きいが、最終的には選手個人の心構えだと思う。小さいときから野球一筋で、プロ野球に指名されたのだからエリートですよ。知らず知らずのうちに、奢りが出たのだと思います」 スカウトの多くは試合ではなく、練習を見るという。試合では守備機会や打席数が少なくなり、力量を見極められないためとされているが、ひょっとしたら、練習態度を見て、向上心があるか否か、また、性格的なものもチェックしているかもしれない。 「80年代の黄金期の西武を支えた根本陸夫氏(故人)は、女性のいる店や高級志向の飲食店に行くときはとくに注意しろと選手たちを指導していました。危ない目に遭いそうになった選手を水面下で救ったことも何度かあったようです」(前出・プロ野球解説者) 一般企業が社員を教育するように、プロ野球各球団も選手を指導している。しかし、“社員教育”を重要視する意識は一般企業よりも稀薄だと言わざるを得ない。NPBも新人講習会の内容を見直すべきである。 「プロ野球OBのなかには、一人で電車に乗れないと自虐的に告白している人もいます。電子マネーが浸透し、ますます分からなくなったと。パソコンができないと嘆いても、実際に覚えようとしない人が多く…」(ベテラン記者) 先の根本イズムだが、こんなことがあった。福岡ソフトバンクホークスを日本一に導いた工藤公康監督が横浜ベイスターズに移籍した直後だった。工藤監督はテレビ、新聞、雑誌からの個別取材の依頼を全てこなした。一般論として、オフシーズンの取材申し込みについては、「普段のお付き合いのある一部メディアだけ」に制限するプロ野球選手も多い。シーズン中の交流が少ない雑誌社からの取材に対し、とくに敬遠する声も聞かれる。しかし、当時の工藤監督は「野球を盛り上げてくれる企画なら」と二つ返事で雑誌社からの取材も快諾し、インタビュー中のコーヒー代まで自分で払ってみせた。 「いや、コーヒー代くらいで借りを作っちゃったら、後々たいへんだから(笑)」 その工藤監督の言葉に好感が持てた。 夜の繁華街に出れば、ファンと称するその筋の人が近づいてきて、食事をごちそうしようとする。そのゴチになった食事代が後々、とんでもない利息を付け、自分の首を苦しめる結果になるのだ。 相手を不快にさせない上手な断り方。それが、根本氏がライオンズの教え子たちに伝えた処世術でもある。 西武ライオンズのOBがこう言う。 「工藤さんはいい意味で『所詮は野球選手』と口にします。要するに、プロ野球界で活躍しても社会的に偉くなったわけではない。チヤホヤしてくれるのはグラウンドの中だけだ、と」 スポーツ教育の本来の目的は人間形成であり、その根本は礼節だ。球界から疑惑を根絶する方法があるとしたら、学生スポーツの指導者ともスクラムを組んで教育の在り方を見直すことではないだろうか。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2015年11月05日 16時00分
緑健児代表が[新極真会]が東京五輪追加競技「空手」界に廻し蹴り!(1)
2020年の東京五輪招致をめぐり、何やら問題ばかりが溢れ出てくる。新国立競技場の建設問題、五輪ロゴのパクリ疑惑。選手や国民の純粋な思いは無視され、五輪マネーに魑魅魍魎が群がっているのだ。 きな臭い話はそれだけではない。五輪種目候補の上位に挙げられている競技にも、不可解な動きがある。それが、日本の武道とも言うべき「空手」だ。 東京五輪の追加種目選定で大会組織委員会は、野球・ソフトボールと空手、ローラースポーツ(スケートボード)、サーフィン、スポーツクライミングの5候補を国際オリンピック委員会(IOC)に提案する方針を固めてた。来年8月にリオデジャネイロ(ブラジル)で開催されるIOC総会を経て、正式に決定される見込みだ。 空手界にも動きがあり、9月25日、国際空手道連盟極真会館(松井章圭館長)が都内・代官山道場で記者会見を行った。フルコンタクト空手6団体が友好関係を結び、全日本空手道連盟(全空連)が進める空手(寸止めルール)の五輪公式競技化活動を支持すると表明したのだ。 五輪種目になるには、1競技につき1競技団体という規定がある。しかし、空手には直接打撃を当てる“フルコンタクト”と、寸止めで直接当てない“ノンコンタクト”が存在する。 フルコンタクト空手は、極真会館を創設した大山倍達氏によって世界各国に広まった。現在は多くの流派に分かれているが、一般的に空手というと、フルコンタクトと考えている人も多いだろう。対するノンコンタクトは伝統派空手とも称され、松濤館、糸東流、剛柔流、和道流などが代表的な流派である。 伝統派が中心となって結成された全空連は、空手が五輪種目に採用されるよう長年にわたり活動してきた。一方、フルコンタクト空手では各流派の大同団結を図るため、新極真会が全日本フルコンタクト空手道連盟(JFKO)を立ち上げ、五輪種目化を目指してきた。 ただし、そこには両派の相いれない問題があった。1980年代にも五輪競技化に向け、協調路線を進もうとしたが、大山倍達氏はフルコンタクトを譲らず、また、全空連もフルコンタクトを受け入れず、現在にまで至った経緯があった。ところが、極真会館(松井派)は長年の方針を変え、全空連と友好団体を結成したのだ。 いったい空手界に何が起こっているのか、その深刻な内情を『週刊実話』独占で、新極真会・緑健児代表が語ってくれた。 「残念なことに今回は、フルコンタクト空手が五輪種目に組み込まれるか微妙な状態です。フルコンタクト空手は、大山総裁が創り上げ、世界に広げてきた空手です。総裁亡きあと、さまざまな流派ができましたが、元は一つでした。そこで大同団結していこうとJFKOを立ち上げました。 我々は5年前から五輪種目化を目指し、“二つのルール”で実現させるため、短期間で実に103万もの署名を集めました。衆議院議員の中谷元議員にもご尽力いただき、それをもって我々は全空連、そして東京五輪の大会組織委員会に要望を伝えてきたのです。 しかし、全空連の門は固く閉ざされていました。空手で五輪に参加したい人たちに門戸を広げるというオープンマインドな姿勢のようですが、そこには条件があり“私たちのルールで参加するのなら”と、かたくなでした。当然、フルコンタクトでは参加できないルールです。 もちろん、全空連は30年も前から五輪競技に向けて活動されてきました。それを認めた上で、二つのルールを訴えてきたのですが残念です。もう少し空手界全体を見渡してほしかったのですが、我々は五輪に関して別の可能性を追求するしかありません」