スポーツ
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スポーツ 2015年11月14日 16時15分
出来レースか? 脇谷の巨人復帰!?で西武は大損へ
FA権を行使した西武・脇谷亮太内野手(34)の古巣・巨人への復帰が濃厚となっている。 11月11日、FA宣言選手のNPB公示を受け、巨人・堤辰佳GMは「内野のユーティリティープレーヤーは、ニーズにきちんとはまる」と発言し、脇谷の獲得に乗り出す意向を示した。近々にも交渉の場を持ち、入団が決まる可能性が高い。 今季、脇谷は118試合に出場、打率.294、3本塁打、22打点で、キャリアハイの10年(巨人時代)に次ぐ好成績を収めた。内野なら、どこでも守れるユーティリティープレーヤーであり、しかも今季推定年俸は2400万円と格安。西武内での年俸ランクはCで、人的・金銭補償が不要とあって、内野が補強ポイントである球団にとっては、狙い目の選手。ところが、古巣以外に、どこも手を上げる様子がないため、すでに巨人復帰が確定的になっている。 「早い話、脇谷の巨人復帰は既定路線。“出来レース”といわれています。他の球団としては、獲得に乗り出しても交渉するだけ、時間と労力のムダ。ですから、どこも手を出さないようです」(某スポーツ紙記者) 13年オフ、巨人は西武からFA宣言した片岡治大内野手(32)を獲得した。その際に、人的補償で西武に移籍したのが脇谷だった。同年オフ、巨人は中日を自由契約になった井端弘和内野手(40)も獲得したため、余剰人員となった脇谷はプロテクトから外されていたのだ。 ところが、2年経って、状況は変わった。その井端は今季限りで、現役を引退。三塁手の村田修一内野手(34)は極度の不振に陥り、来季どこまで復活できるか未知数。そのため、どのポジションもこなせる内野手が必要となった。そこで、白羽の矢が立ったのが、FAとなった脇谷だったというわけだ。 「高橋由伸新監督が誕生していなければ、脇谷は巨人復帰を考えなかったかもしれません。脇谷は高橋新監督を兄貴分として慕い、尊敬しています。別のチームであるにもかかわらず、今年1月の自主トレは一緒にやったほど。脇谷が西武に移籍しても、2人のホットラインはつながっていたのです。すでに34歳の脇谷にとって、いつまで現役を続けられるか分かりません。高橋監督の契約は3年。引退しても、高橋政権下なら指導者として使ってもらえる可能性もあり、脇谷には、そういった計算もあるのでは?」(同) 脇谷が巨人に戻ることになれば、大損するのは西武だ。FAは選手の権利とはいえ、スター選手である片岡を獲られた上、人的補償で獲得した脇谷までもっていかれるとなると、まさに踏んだり蹴ったりだ。(落合一郎)
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スポーツ 2015年11月14日 14時00分
浅田真央に敵対心ムキだし キム・ヨナの空回り大学院生活
これも、浅田真央(25)の復活による余波だろう。浅田のライバルだったキム・ヨナ(25)が第二の人生でつまずいてしまった。 「彼女をテレビで見ない日はありません。CMタレントとして何社も契約していますし、今も韓国のスポーツアイドルとして国民に強い影響力を与えています」(在韓特派記者) そんなキム・ヨナには“もう一つの顔”がある。現役引退後に進んだ、大学院生としての顔だ。しかし、'18年平昌冬季五輪の特別大使を務めることが決まっており、学生生活に専念できていない。国民的スターである以上は覚悟の上だったろうが、キャンパスライフを満喫とはいってないようなのだ。 「高麗大学に在籍していたとき、彼女は担当教授を名誉棄損で訴えています。結果的に彼女が訴えを取り下げて法廷で争うまでには至りませんでしたが、担当教授、大学側と円満に和解したわけではない。大学院に進んだ今も、教授側の彼女に対する言動は非常に慎重です」(同) “事件”はキム・ヨナが教育実習で高校の教壇に立ったときのこと。担当教授は教育指導者としてそれを見守ったが、「ショーを見せられただけだ」と苦言を呈し、これにキム・ヨナ側が激怒、名誉棄損で訴えた。 「その教授はキム・ヨナ本人に直接伝えたのではなく、ラジオを通して発言したんです」(同) 確かに、公共の電波で授業内容の未熟さを暴露された憤りは分からなくもない。キム・ヨナの代理弁護士は「大学、教授側から謝罪はなかったが、取り下げることにした」とコメント。和解しないまま今に至っている。 「平昌五輪で浅田が出場すれば、大使役のキム・ヨナがかすんでしまいます。大学院を出た知性と博士号を習得した者として、彼女が浅田を見下ろすのが韓国国民の理想」(TV局員) 大学院生という浅田にはない肩書が、キム・ヨナを引退後も優位にさせるはずだった。現役の浅田が調子を戻すたびに“過去の人”と化した自身の立場が歯がゆくてならないようである。
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スポーツ 2015年11月13日 14時00分
“聖地”「花園ラグビー場」は大丈夫か!? 人気沸騰でも改修の寄付金集まらず開催に赤信号
桜の勇者の活躍で、にわかに沸いたラグビーブーム。がぜん注目が集まるのが、次回W杯の日本大会だ。 組織委員会によると、同大会での経済効果は1700億〜2800億円と試算されており、この“お宝”を射止めようとソロバンをはじいているのが東京ほかの開催都市である。今年2月に国際統括団体であるワールドラグビー(本部・アイルランド)が発表した開催地は全国12会場。中でも1929年に開場した日本初のラグビー専用スタジアム『東大阪市花園ラグビー場』は全国高校ラグビーフットボール大会の会場としても有名で、高校球児の甲子園と同じく高校ラガーマンにとって“聖地”と言われる。 「これまでは各自治体とも海外からの来日客を見込んで、ニュージーランドや豪州、欧州勢といった強豪チームの試合誘致に動いていましたが、集客が期待できる日本戦をぜひ地元で開催したいと、各自治体による争奪戦がヒートアップしています」(闘球ライター) ところが“聖地”花園ラグビー場は、開催年には“おんトシ90歳”ともはや遺跡に近い。現況では日本戦誘致どころか開催地の地位すら危うい。 「開幕戦や日本戦、決勝戦には、座席4万席(現在3万席)、大型スクリーン、夜間照明(ともになし)という3つの開催条件があり、誘致するにはこの3つをクリアしなければなりません。そのため東大阪市は、今回のW杯開幕前月の8月から『ラグビーの街東大阪基金』と銘打ち、改修費用25億円を目標に募金を呼びかけたのですが、まだ400万円にも届いていないというトホホの状態なのです」(同) 幸いなことに、日本代表の帰国後は寄付への問い合わせが増えてきたという。とにかくラグビー熱が冷めないうちにPRを強化して、目標額を一刻も早く達成したいところ。 「Jリーグのガンバ大阪は、140億円強も集めて4万人収容のサッカースタジアムを建設してしまった。内訳を見ると助成金が35億円(toto助成金)、個人寄付が6億円、法人寄付が99億円となっている。つまりラグビー興行にはない『toto』が大きくモノを言っていたのです」(同) 日本ラグビーフットボール協会は森喜朗元首相が会長を務めている。新国立の建設費を「たった2500億円…」と言い放った御仁だ。“25億円程度”なら、ポケットマネーで、とお願いしてみたらどうだろう。
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スポーツ 2015年11月13日 13時30分
12球団合同トライアウト2015年 再起に懸ける男たち(独立リーグ編)
『日本プロ野球12球団合同トライアウト in静岡』(11月10日/静岡県草薙球場)での経験は、のちの人生の糧となるはずだ。 プロ野球のチームも会社組織である。上司(監督、コーチ)が代われば、戦略も変わる。戦略が変われば、そこに登用される選手も前政権と全く同じというわけにはいかなくなる。そして、リーグ覇者になればもちろんだが、優勝戦線を戦える地力が養われれば、当然、その先を目指す。ファンも勝たなければ納得しないだろう。こうした組織の変貌によって、弾き出されてしまった選手もいる。 トライアウトのシート打撃12組目、元阪神タイガース・西村憲投手(28)は規定された対戦打者3人と対戦し、全て凡打に打ち取ってみせた。 「初めて手術で(回復までに)時間が掛かってしまいました。不安も痛みもないし、元気に泣けることができたのでそれがいちばんの収穫だと思います」 西村は2012年オフ、右肘にメスを入れた。翌13年は二軍戦に登板したものの(24試合)、14年は一軍に帰って来られなかった。同年オフ、チームは「球団創設80周年の来季を優勝で飾りたい」とし、大型補強のための準備に入った。そのとき、西村も“整理”されてしまったのだが、BCリーグ・石川ミリオンスターズに拾われ、復活した。 15年、西村は26試合に登板し、防御率0.00。登板するときは「ゼロに抑える」と自らに課し、投げる予定のない日もブルペンに入り、徹底的に投げ込み練習を続けてきたという。 「もっとスピードが出ると思います。力、バランス感覚ももっと良くなるだろうって実感しています」 独立リーグでの一年が再起のためのインターバル期間となったのだ。また、元巨人育成の渡辺貴洋(23)は外野手になって、再チャレンジしてきた。 渡辺は高校卒業後、地元の新潟アルビレックスBCに入団。140キロ台半ばの球速を誇る左投手として期待されたが、巨人育成のユニフォームを着ていたのは僅か2年。その後、新潟アルビレックスBCに戻り、『投手兼外野手』の二刀流となった。高校時代から打撃力にも定評はあったが、“貴重な左投手”である。変則ぎみの投球フォームでもあるため、巨人も投手で育ててみたいと思っていた。今年のトライアウトは外野手一本での受験であり、左打席から繰り出す彼のバットスイングの速さに目を奪われる関係者も少なくなかった。西村、渡辺の姿を見ると、独立リーグの存在意義が再認識できる。 また、34歳のベテラン左腕・正田樹は四国アイランドリーグplusの愛媛マンダリンパイレーツで2015年のシーズンを過ごしていた。日本ハム、阪神、ヤクルト、台湾など国内外のリーグを経験し、「その経験の全てが糧になった」と話していた。 「トライアウトは何回受けても緊張しますね。球種は増えていますし、いろいろなことを経験してきて、それが出せたと思います」 正田はそう言って会場を後にした。 独立リーグのプレーヤーたちは経済的には恵まれていないが、独立リーグからの帰還者が一軍で活躍すれば、状況も変わってくるかもしれない。「野球を続ける」とは、夢を諦めないということなのだろう。(スポーツライター・美山和也)
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スポーツ 2015年11月12日 18時00分
俺たちの熱狂バトルTheヒストリー〈猪木vsシンの流血抗争劇〉
アントニオ猪木とタイガー・ジェット・シンのシングルマッチは、全部で37戦を数える。ジャイアント馬場とアブドーラ・ザ・ブッチャーの対戦も34回を数えるが、これはチャンピオンカーニバルの予選なども含めたもの。対して猪木vsシンは、ほぼ全戦がメーン扱いである。 対戦成績は猪木の23勝7敗7分け。ピンフォールやTKOなど、キッチリ白黒がついたものは11戦で(猪木の9勝2敗)、約7割が反則やリングアウトなどの不透明決着に終わっている。 「後年には『またシンか』『もう飽きた』とのファンの声も聞かれはしたが、それでもいざ対戦となれば会場は満席だし、テレビ視聴率も高い水準で保たれていました」(新日関係者) シンが初来日した1973年から、全日本へ移籍する直前の'80年まで、約8年もの間、両者の抗争は続いたことになる。 初来日時には、白昼に新宿の路上で猪木と倍賞美津子夫妻をシンが襲った、伊勢丹襲撃事件から抗争が始まり、決着戦のランバージャック・デスマッチで猪木が勝利。次の来日ではNWF世界2連戦が行われ、初戦でシンの火炎反則攻撃を浴びて怒った猪木が、2戦目で衝撃の腕折り勝利を収めている。 最初から刺激の強い試合が続けば、そこで“打ち止め”になっても不思議はないが、猪木とシンはそうはならなかった。 今となっては「初期の新日は有名外国人選手を招聘できず、そのためにシンを優遇した」という声も聞かれるが、しかし、当時参戦していた他の外国人選手、キラー・カール・クラップやブルート・バーナード、ニコリ・ボルコフらは、知名度や米国での実績ではるかにシンを上回っていたわけで、これをシン優遇の理由とするにはやや弱い。 70年代後半、WWF(現WWE)との提携で外国人招聘ルートが強化されてからも、シンはメーンを張り続けている。 「シンがファンから多大な人気を集めたのは、初登場時から変わらぬハチャメチャな暴れっぷりがあってのこと。入場時や場外乱闘で観客席までなだれ込むのはシンに限った話ではないが、観客に暴行を加えるまでエキサイトしたのはシンが初めてでしょう。地方巡業のとき、興行関係者というか地回りのヤクザ者にまで手を出してしまい、新日が会社として謝罪に走ったことも数知れません」(スポーツ紙記者) そこまでやれば、普通は問題外国人としてお払い箱になっても仕方がない。狂乱ファイトが客にウケるのなら、他の選手に真似させればいい。しかし、新日と猪木はそうしなかった。 「一番の理由は、猪木と手が合ったということでしょう。ブッチャーのような大型ファイターだと、猪木の方で試合を作らなければならない。だが、シンの場合は単なるラフファイターではなく、レスリングの下地があるから、グラウンドの攻防を挟むなど互いに試合を作っていける。そうなれば試合時間の長短も自由自在で、テレビ生中継が多かった時代にはきっと重宝されたに違いない。さらに加えて、シンに対しては“新日産レスラー”として、どこか猪木にも愛着があったのではないでしょうか?」(プロレスライター) 来日前のプロフィール写真でナイフをくわえたシンに対し、見栄えのするサーベルに持ち替えさせ、さらにターバンを巻いた猛虎キャラに仕立てたのは、まさしく猪木自身の意向であった。 また、来日前は正統派のベビーフェースであったため、ヒールとしては殴る蹴るの単純な技しかできなかったところに、つなぎの見せ技としてコブラクローを使うよう伝えたのも、猪木だったという。 「初期のシンは来日ごとに“秘密兵器”と称して、カナディアンバックブリーカーやブレーンバスター、バックドロップなどの新技を披露してきました。これらも実は新日道場で稽古して習得したものと言われています」(同) 格闘技世界一決定戦が始まった'76年は、ウイリエム・ルスカ戦(2月)の直前や、モハメド・アリ戦(6月)の1カ月後に、猪木はシンとの試合でメーンを飾っている。これもやはり新日産レスラーとして、シンに対するある種の安心感があってのことだったか。 考えてみればシンのハチャメチャぶりも猪木好みと言えそうで、実はシンこそが、猪木の遺伝子を最も受け継いだレスラーだったのかもしれない。
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スポーツ 2015年11月12日 14時00分
テレビ各局が繰り広げる争奪戦 五郎丸ギャラも言い値の「紅白」審査員内定!?
現在テレビ界が、し烈な争奪戦を繰り広げているのが、ラグビー日本代表で“史上、最高のFB”と称される五郎丸歩選手(29=ヤマハ発動機)だ。 先のW杯イングランド大会では、日本代表チームを3勝という快挙へと導いた立役者で、ゴールキックに入る前のお祈りポーズは、今や大人から子供までマネする日本人が続出中なのだ。こんな国民的人気選手をテレビ局がただ指をくわえて見守るわけがない。 「すでに、あちこちの局では『五郎丸を何とかバラエティー番組に出演させろ』が合言葉になっている。このタイミングだったら視聴率アップに貢献できるばかりか、新たなスポンサー獲得にも繋がるからです。でも、スポーツ&報道番組は別として、バラエティー番組のオファーをなかなか受けてくれないんです」(テレビ制作会社) そんな中、どこよりも先んじたのが、視聴率惨敗記録を更新中のフジテレビ。11月2日の『SMAP×SMAP』に出演させたのだ。 「実はラグビーW杯を地上波独占放送していた日テレやTBS、テレ朝もオファーし続けていたんです。でもバラエティー初出演に選んだのは、人気コーナーの“ビストロSMAP”。なんでも奥さんがSMAPの大ファンだったことが理由です」(テレビ関係者) フジの『SMAP×SMAP』は例外として、各局のバラエティー番組に五郎丸選手が簡単に応じない理由は別にあるという。 「テレビ出演に関してはヤマハ発動機の縛りを受けないので、番組を選ぶことができるんです。また大手芸能プロには所属せず、友人が立ち上げたプロダクションにマネージメントを任せている。当然、番組に対するチェックが厳しくなる。バカ騒ぎだけのバラエティーはすべてハジかれています」(放送作家) もちろん、五郎丸を狙っているのは民放局だけではない。NHKは、紅白歌合戦の審査委員としてオファー中だという。 「ここだけの話ですが、審査員は内定をもらったそうです。今年は目玉が何もないNHK幹部は大喜びしていた。紅白では、あの五郎丸ポーズを出場者に指南する特別演出も用意されている」(芸能プロ関係者) これだけの売れっ子となれば当然、気になるのが出演料だ。テレビやCMの1本は果たしておいくらなのか…!? 「テレビのゴールデン&プライム帯で1本100万円〜。CM1本当たり2000万円〜3000万円。今は言い値で通用する」(大手広告代理店幹部) これまで年収500万円のサラリーマンにすぎなかった五郎丸選手は、わずか数カ月で数億円を稼ぎ出す計算。 ラグビーはもちろん、人生の一発逆転にも成功したようだ。
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スポーツ 2015年11月12日 11時33分
12球団合同トライアウト2015年 再起に懸ける男たち(加藤康介編)
『日本プロ野球12球団合同トライアウト in静岡』が行われた(11月10日/静岡県草薙球場)。今年から、トライアウトの様相が少し変わった。昨年までは2回行われていたが、1日限りの“一発勝負”となった。カウント1ボール1ストライクからだったシート打撃もノーカウントからに改められた。また、事前にシート打撃の組み合わせと登板の順番が告知されたので、「やりやすかった」と話す選手も多かった。 午前9時前から受付が始まり、「実際の登板が午後3時過ぎ」になった投手も過去にいた。彼らにすれば、調整に十分な時間が与えられたというよりも、6時間近くとなった空き時間を巧く調整できないようだった。今年は意図的にウォーミングアップの時間を遅らせる投手もおり、選手の気持ちを汲んだトライアウトが行われたようだ。 トライアウトのシート打撃3組目、ひと際大きな拍手で迎えられ、マウンドに向かったのは加藤康介投手(37=元阪神)だった。 加藤投手は規定の打者3人を全て凡打に仕留めた後、記者団の囲み取材に応じてくれた。 −−受験選手のなかでは最年長だが? 「年齢は関係ない。ベストを出せるように今日まで練習してきたつもり。もう一度、マウンドに立つ、そう決めてから『まだやれる』と思う部分と、周りの人から辞めろとは言われなかったけど、自分のなかで『もういいんじゃない?』みたいな思いが過ったりして。その葛藤でした。自分がここまでやって来られたのは自分の力だけではないし、たくさんの人に支えてもらいました。そのたくさんの人に支えてもらった以上、自分が勝手に(現役を)辞めるということを決めたくなかった…。辞めるときは野球を続ける場所がなくなったときにすべきだと」 加藤投手はトライアウト会場でもある地元静岡県の出身だ。高校時代の同僚もスタンドに駆けつけてくれたという。プロ野球人生を懸けたマウンドが郷里になったことに対し、「これも何かの縁だと思う」とも話していたが、『戦力外』を通告されたのは初めてではない。オリックス時代の2008年、旧横浜ベイスターズ時代の2010年にも現役続行の危機に立たされた。ベイスターズを解雇された2010年オフは、『左の中継ぎ』を探していた阪神がすぐに声をかけてくれた。翌11年はその期待に応えられなかったが、12年は41試合、13年は61試合に登板してチームにも貢献できた。14年も32試合に投げたが、今年は勤続疲労による右股関節の故障でわずか6試合の登板しかできなかった。 −−他球団にはトライアウトをあえて受けないでオファーを待つと決めたベテランもいたが? 「いや、自分はむしろまだ投げられるところを見せたほうが良いと思ったので。どうなるか分からないけど、基本的にはNPBのオファーを待ちます。それ以外は今の時点では考えられなかった…。本当は阪神に拾ってもらったときに『阪神で骨を埋める』と決めていたんですが、野球を続けたいと思って…。繰り返しになりますが、続けたいという気持ちともうダメかもしれないという思いの葛藤ですよね。実際、マウンドに立って一球を投げるまでは色々考えたけど、終わってみて、本当に気持ちの面ですっきりしました」 −−トライアウトの舞台が地元静岡県の球場になったことについては? 「何かの縁だと思う。今までは向かい風だったけど、追い風になったと思いますし(笑)」 千葉ロッテでプロ野球人生をスタートさせ、オリックス、横浜、阪神と渡り歩いた。「骨を埋める」と決めた阪神が終の住処とはならなかった。しかし、拾ってくれた阪神への恩義と野球を続けたいという葛藤を経て、トライアウトのマウンドに至った。修羅場をいくつも潜ってきたベテランは、こう繰り返した。「野球を続けられたのは、たくさんの人に支えてもらったから。その人たちのためにも、自分が勝手に引退を決められない」と。ベテラン左腕の野球に対する情熱は、ネット裏の12球団編成職員にも届いたはずだ。(スポーツライター・美山和也)
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スポーツ 2015年11月11日 14時00分
プレミア12は外国人選手入団テスト? 日本の各球団が掘り出し物発掘を狙う
11月8日に野球の国際大会のプレミア12が開幕した。野球大国でるはずのアメリカがメジャーリーガーの派遣を取り止めたように、大会はいまいち盛り上がりに欠けているが、日本のプロ野球12球団は発想を変えて大会に注視しつつある。 「ひょっとしたら、人材の宝庫かもしれない」 参加国のほとんどがトップ選手を揃えられなかった。各国のトップ選手たちはメジャーリーグに自身を売り込みたいと考えているため、プレミア12と同時期に中南米で行われているウインターリーグに参加し、そこでメジャースカウトにアピールしようとしている。 だが、日本の球団の渉外担当者は見方を変えた。参加国が若手中心のチーム編成になったのならば、「第2、第3のデストラーデがいるのではないか」と考え始めたのだ。 「若手はチャンスに飢えています。ウインターリーグに参加できなかった選手の中にも有望株は多い。メジャーの3A、2Aに所属する若手のなかには、実力がありながらもウインターリーグに派遣されなかった者もおり、彼らはメジャー昇格の厳しさを知るのと同時に、新たな働き場所を探しています。そういう若手選手の中に日本球界向きの選手もいるはずです」(在京球団スカウト) 元西武のオレステス・デストラーデは日本で大成功をおさめた助っ人外国人選手だ。デストラーデのメジャー経験は僅か45試合しかなく、日本で育って大成したイメージもある。 これまでの日本球界の助っ人といえば、大金を叩いて契約したベテランばかりだった。だが、デストラーデはヤンキースで早々にメジャーデビューしたものの、大怪我に見舞われ、その後はマイナーで悶々とした日々を送っていた。そこに目を付けた西武スカウトもさすがだが、マイナー所属の選手だったため低年俸で契約できた。 そこで日本の各球団は、若手中心の選手派遣となった今回のプレミア12で、当時の西武のやり方を模倣しようというのだ。 「アメリカとカナダがアリゾナ州で練習試合を行いました。興味深かったのは、国際ルールに基づいたタイブレーク制を9イニング目にテストケースで行ったことです。前評判よりも走れる選手が多く、また、右方向への打撃など小技の利く選手もいましたし、勝負強いクラッチヒッターもいました」(米国人ライター) タイブレーク制とは、延長戦にもつれた場合に、あらかじめ決められたイニングから導入されるもので、無死走者一二塁で攻撃が始まる制度のことだ。プレミア12では延長十回から適用される。 そのため、延長戦になってから登板するクローザータイプの投手は、三振の奪える変化球か剛速球がなければ、走者を置いたタイブレークの場面で通用しない。制球力のよさも不可欠であり、12球団渉外担当者にすれば、この大会は様々な若手や低年俸の外国人選手を直接視察できる有意義なものとなるはずだ。 「日本は開幕戦(韓国戦)で大谷を先発させます。大谷のスピードボールに対応できるようなら、日本でも十分に通用するはず」(在阪球団職員) 韓国はひそかに日本のペナントレースを視察していたことを明かしている。すでに大谷対策はできているとされ、日本は国際大会における対戦国の情報集めに関して、韓国をお手本にしなければならないだろう。 今大会は選手のレベルを見渡しても格下が多いため、日本が“爆勝する”との見方と、動くスピードボールにいまだ対処できていないため、苦戦を強いられるとする両極端な意見が飛び交っている。 いずれにしても、日本と対戦する国の選手たちには、ネット裏から熱視線が送られそうである。
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スポーツ 2015年11月11日 11時30分
松木安太郎氏が25日から始まるJリーグチャンピオンシップについて熱く語る
日本プロサッカーリーグは、11月25日(水)から始まる、明治安田生命2015Jリーグチャンピオンシップの開幕にあたり、大会アンバサダーに松木安太郎氏を任命した。 6日の任命式では、アンバサダーを務める松木安太郎氏と、Jリーグ村井満チェアマンが登壇。松木氏を任命した背景についてや、今週末含めてまだまだ予断を許さない状況が続いているJリーグの優勝争い、そして明治安田生命2015Jリーグチャンピオンシップの見所や、注目選手について熱く語った。 −−就任の感想をお聞かせください。 まずびっくりしたなというのが率直なところですね。アンバサダーということだから、日本語で言うと大使ですよね。『大したことない大使』、なんてね。Jリーグは始まって23年になります。あの当時からでいうと日本のサッカーもますます世界に通用するレベルのサッカーになってきましたね。私は現役を長くやりたいという思いはありながらも、引退せざるを得なかった。しかし、監督として、Jリーグの開幕に携われる喜びを感じました。他にも素晴らしいOBの方や指導者の方々がいた中で、若い私が関われたのはすごく幸せで、真剣に仕事をさせて頂きました。 −−どう松木さんらしさを出して大会をPRしますか。 私らしさというよりは、一番重要なのはグランドでしっかりとプレーする選手や全力を尽くすスタッフ・コーチ・監督、そのすべてが精一杯の力を出して戦うことが、一番のアピールになると考えています。ピッチで戦う選手たちにいいゲームを展開して頂いて、サポーターにすばらしいゲームを見せて頂きたいですね。 −−過去の映像を見て、何か強烈に印象が残っていることはありますか。 Jリーグも誕生から23年を経て、しっかりしたチームづくりであったり、広報活動ができていたりするチームが多くなりました。しかし開幕当時は、何もかも手探りでした。常勝チームのヴェルディ川崎を率いていたときは、かなりプレッシャーが多かったですね。しかも新しいチームということで苦労しました。申請を自分のほうからして、ルールを変えてもらったりとか。それを見てもJリーグは当時、新しいプロリーグの一歩だったなと感じますね。 −−93・94年に連覇したときの喜びについてお聞かせください。 とにかく厳しかったですね。1stステージと2ndステージの間の間隔が非常に短かったんです。常にプレッシャーを感じていました。最後を迎えたときはほっとしたというのが率直なところですね。最後には胴上げも少しされましたね。そのときはまだ軽かったですから。大丈夫だったと思います。 −−優勝経験者として、戦い方の違い方があれば。 短期間ですから、とにかく気をつけなければならないのは体調面です。安定感のあるチームが勝利にグッと近づくと思います。最後まで諦めないことが重要ですね。90分でゲームを戦うのが重要。最初の10分15分だけじゃなくて、いつ何が起きてもという準備が必要になってきます。 −−注目選手は? サンフレッチェ広島ではやはり浅野選手。インターナショナル級のスピードがありますからね。他にも佐藤寿人選手や宇佐美貴史選手も注目ですね。オリンピック予選が来年1月から始まりますが、そこにかかわってくる選手からも目が離せませんね。リオのオリンピック予選はかなり苦しそうではありますが、チャンピオンシップを制すればとFIFAクラブワールドカップやACL(アジアチャンピオンズリーグ)にも繋がっていきます。今までのJリーグとは違ったレギュレーションの中で、各チームのモチベーションも変わってきます。そういう意味でも楽しみの多いチャンピオンシップになりそうですね。 −−ラグビー日本代表がワールドカップで活躍を見せ、盛り上がりを見せていますが…。 日本のスポーツを盛り上げるという意味で、明治安田生命2015Jリーグチャンピオンシップに期待することは? どの競技も、大きな大会に向けて一生懸命頑張る姿を通じて、盛り上がりを見せていくんです。たとえばサッカーは、東京オリンピックに向けて、一致団結して、そこを目標に努力を重ねた結果、チームとしてのレベルが上がって、メキシコ五輪での銅メダルに繋がりました。 ラグビーも同じで。2019年の自国開催のワールドカップに向けて、選手やスタッフが一丸となって、盛り上げようと一生懸命になっていて、その盛り上がりや、懸命に戦う姿が今回の結果に繋がったんだと思います。そういう意味で、世界に繋がる大きな大会ということで、明治安田生命2015Jリーグチャンピオンシップには大きな期待を寄せています。今回の大会をきっかけに、何が何でもチャンピオンになる、世界につなげるという気持ちを持ってプレーするところを、選手のみなさんには見せつけて頂きたいですね。 −−五郎丸選手のキックについてはどうですか? ラグビーのキッカーにもやはり注目しますね。サッカーの経験者が他国ではラグビーのキッカーになる、ということもありますし。正確なインフロントキックができますから。五郎丸選手はサッカーをやってても大成してたんじゃないかなとは思いますね。このままラグビーが盛んになっていったら、サッカーでもラグビーでも、ますます様々な場所でキックが注目されるかもしれないですね。 −−松木さんにはルーティンの動きはありますか? あんまりないですね。朝起きて散歩して、くらいですね。逆にあんまり作りたくないな、と思ってましたね。でも、五郎丸選手みたいなルーティンをやる人がサッカー界にでてきてもいいと思いますけどね。というか僕が選手なら確実にコーナーキック前にやってましたね。サッカー界でも遠藤選手みたいなコロコロPKみたいな特徴的なのもありましたけど、ああいう個性的な選手がどんどん出てくるといいですね。
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スポーツ 2015年11月11日 11時08分
海外FA権行使のソフトバンク・松田 メジャーでどれほどの“値”がつくのか?
11月10日、プロ野球のFA権の行使期間が終了した。 権利を行使した大物選手は、松田宣浩内野手(32=ソフトバンク)、今江敏晃内野手(32=ロッテ)のみ。他に、高橋聡文投手(32=中日)、脇谷亮太内野手(34=西武)、木村昇吾内野手(35=広島)の3選手が権利を行使したのみで、今年は大きな動きはなかった。 そんななか、最も注目を集めているのがメジャー移籍を視野に入れた松田だ。チーム愛も強い松田は、メジャーか残留かで揺れており、「自分がメジャーでどう評価されているか、メジャーでプレーする可能性があるかを探ってみたい」と発言。 ソフトバンクは基本的にFA宣言残留を認めていないが、今回は特例的に容認する方針。今季年俸は2億2000万円プラス出来高だったが、4年契約で年俸大幅アップの破格の待遇を用意して慰留に努める。 今季、全試合(143)に出場した松田は、打率こそ、.287で3割に満たなかったが、35本塁打、94打点でキャリアハイの成績をマーク。守備面でも、10日には4度目のゴールデングラブ賞の受賞が決まった。過去最高の成績を残したことで、「メジャーでの評価を聞いてみたい」との思いに至ったようだ。 すでに、米球界ではパドレスが興味を示しているようだが、現実は甘くはない。メジャーでの日本人内野手の評価が極めて低いからだ。 まずまずだったのは、松井稼頭央内野手(現楽天)と井口資仁内野手(現ロッテ)くらいのもの。ポスティングでツインズに移籍した西岡剛内野手(現阪神)は、1年目は故障で満足に働けず。2年目はわずか3試合の出場で、自ら契約解除を申し出て日本球界に戻った。 西武からアスレチックスにFA移籍した中島裕之内野手は、2年間で1度もメジャー昇格を果たせず。3年目のオプションは行使されず、FAとなり破格の好条件を用意したオリックス入りした。 マイナー契約ながら、メジャーに挑んだ元ソフトバンクの川崎宗則内野手は、マリナーズでもブルージェイズでもメジャーとマイナーを行ったり来たりで4年が経過した。 日本ハムからジャイアンツに移籍した田中賢介内野手は、内野失格のらく印を押され、外野手としてメジャーで15試合に出場しただけ。2年目はレンジャーズに移ったが、メジャー昇格できず自由契約となり、古巣に戻った。 昨オフには、鳥谷敬内野手が海外FA権を行使して、メジャー移籍を目指した。複数球団が食指を動かしたが、条件面で鳥谷側と大きな隔たりがあり、5年20億円の超大型契約を提示した阪神に残留した。 「鳥谷も松田も、残した成績は同じようなもので同レベルの選手。守備面でも、遊撃と三塁の違いこそあれ、大差はありません。一つだけ大きな違いは、松田の方が長打力がある点。ただ、ここ数年、メジャーで日本人内野手が成功した例がなく、その評価は下がる一方です。興味を示す米球団はあるでしょうが、メジャー契約が勝ち取れても、とてもソフトバンクが提示するような好条件は出てこないのではないでしょうか。川崎や田中のように、年俸度外視で夢にチャレンジするなら別ですが、金銭面をシビアに考えるなら、結局、鳥谷のようにメジャー移籍を断念する可能性もありそうです」(某スポーツ紙記者) 現時点で、早くも「メジャーがダメなら残留」の選択肢がちらついている松田。果たして、ソフトバンクが提示したとされる破格の契約を、上回る好条件を出す米球団はあるのだろうか?※年俸は推定(落合一郎)