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プレミア12は外国人選手入団テスト? 日本の各球団が掘り出し物発掘を狙う

 11月8日に野球の国際大会のプレミア12が開幕した。野球大国でるはずのアメリカがメジャーリーガーの派遣を取り止めたように、大会はいまいち盛り上がりに欠けているが、日本のプロ野球12球団は発想を変えて大会に注視しつつある。
 「ひょっとしたら、人材の宝庫かもしれない」

 参加国のほとんどがトップ選手を揃えられなかった。各国のトップ選手たちはメジャーリーグに自身を売り込みたいと考えているため、プレミア12と同時期に中南米で行われているウインターリーグに参加し、そこでメジャースカウトにアピールしようとしている。
 だが、日本の球団の渉外担当者は見方を変えた。参加国が若手中心のチーム編成になったのならば、「第2、第3のデストラーデがいるのではないか」と考え始めたのだ。
 「若手はチャンスに飢えています。ウインターリーグに参加できなかった選手の中にも有望株は多い。メジャーの3A、2Aに所属する若手のなかには、実力がありながらもウインターリーグに派遣されなかった者もおり、彼らはメジャー昇格の厳しさを知るのと同時に、新たな働き場所を探しています。そういう若手選手の中に日本球界向きの選手もいるはずです」(在京球団スカウト)

 元西武のオレステス・デストラーデは日本で大成功をおさめた助っ人外国人選手だ。デストラーデのメジャー経験は僅か45試合しかなく、日本で育って大成したイメージもある。
 これまでの日本球界の助っ人といえば、大金を叩いて契約したベテランばかりだった。だが、デストラーデはヤンキースで早々にメジャーデビューしたものの、大怪我に見舞われ、その後はマイナーで悶々とした日々を送っていた。そこに目を付けた西武スカウトもさすがだが、マイナー所属の選手だったため低年俸で契約できた。

 そこで日本の各球団は、若手中心の選手派遣となった今回のプレミア12で、当時の西武のやり方を模倣しようというのだ。
 「アメリカとカナダがアリゾナ州で練習試合を行いました。興味深かったのは、国際ルールに基づいたタイブレーク制を9イニング目にテストケースで行ったことです。前評判よりも走れる選手が多く、また、右方向への打撃など小技の利く選手もいましたし、勝負強いクラッチヒッターもいました」(米国人ライター)

 タイブレーク制とは、延長戦にもつれた場合に、あらかじめ決められたイニングから導入されるもので、無死走者一二塁で攻撃が始まる制度のことだ。プレミア12では延長十回から適用される。
 そのため、延長戦になってから登板するクローザータイプの投手は、三振の奪える変化球か剛速球がなければ、走者を置いたタイブレークの場面で通用しない。制球力のよさも不可欠であり、12球団渉外担当者にすれば、この大会は様々な若手や低年俸の外国人選手を直接視察できる有意義なものとなるはずだ。

 「日本は開幕戦(韓国戦)で大谷を先発させます。大谷のスピードボールに対応できるようなら、日本でも十分に通用するはず」(在阪球団職員)
 韓国はひそかに日本のペナントレースを視察していたことを明かしている。すでに大谷対策はできているとされ、日本は国際大会における対戦国の情報集めに関して、韓国をお手本にしなければならないだろう。

 今大会は選手のレベルを見渡しても格下が多いため、日本が“爆勝する”との見方と、動くスピードボールにいまだ対処できていないため、苦戦を強いられるとする両極端な意見が飛び交っている。
 いずれにしても、日本と対戦する国の選手たちには、ネット裏から熱視線が送られそうである。

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