スポーツ
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スポーツ 2015年10月17日 18時00分
ドラフト戦線異常アリ 「まだ補強するのか!?」2年連続大量指名を狙うオリックス
昨年、日本ハム、中日と並ぶ最多9人を指名した(育成は除く)。オリックスバファローズは同年オフ、大型補強にも成功しており、投手の頭数はもちろんだが、内外野ともに選手が溢れている。あえて人員不足を挙げるとすれば、平野恵一の引退で二遊間を守れる内野手が欲しい。今年はチームが大不振だったが、戦力は持っている。そう考えると、高校生中心の指名になるのではないだろうか。 「主力先発陣の金子、西、東明、ディクソンは右。昨年1位の山崎や松葉もいるが、左投手を獲るとの情報もある」(ライバル球団スカウト) 高校生左腕なら、小笠原慎之介(東海大相模)、高橋樹也(花巻東)、成田翔(秋田商)、内田大貴(誉)だろう。実際、オリックスは小笠原視察に中川隆治編成部アマチュアスカウトグループ長という幹部クラスを派遣しており、「大学、社会人でも、これほどのスケールの大きい投手はいない。即戦力に近い」と評していた。小笠原の1位入札は可能性が高いが、オリックスのドラフトでもっとも強い発言権を持つのは加藤康幸・球団副本部長兼編成部長だとされている。昨季の大量指名の仕掛け人も加藤氏の方針で、この加藤氏が昨季ホレ込んで指名したのが、宗佑磨(横浜隼人)だった。躍動感のあるタイプを好むらしく、オコエ瑠偉(外野手/関東一高)についても、 「秋山幸二になれる。3割30本30盗塁はできるようになる」 と、甲子園視察中にコメントしていた。 また、加藤氏が興味を抱いているとされるのが、大滝愛斗外野手(花咲徳栄)だ。 この大滝は走攻守3拍子揃っており、「力で飛ばそうとしているが、そういう無駄な力を抜くことを覚えれば…」(在京球団スカウト)と、将来性を買われている。 加藤氏はマスコミサービスであまりコメントを出してくれない。オリックスのスカウトチームの動きを見る限りだが、超高校級右腕・高橋純平(県岐阜商)、今年に入って評価を高めた大学の好右腕・岡田明丈(大商大)、社会人の横山弘樹(NTT東日本/右投左打)らに熱視線を送っていた。「捕手を獲る」との情報も交錯している。伊藤光、山崎勝己の年齢を考えると、捕手育成は急務であり、社会人、大学からの指名が予想される。城西国際大・宇佐見真吾(右投左打)、青学大・猪又弘樹(右投右打)だろうか。 「猪又は強肩。ただ肩が強いだけではなく、二塁送球の動作も早い」(前出・同) 中川スカウトグループ長は青学大の出身。この猪又の長所を誰よりも高く評価しているはずだ。 右投手ではあるが、大阪府出身の社会人・パナソニックの近藤大亮(右投右打)、技巧派左腕の加藤貴之(新日鉄住友かずさマジック)、社会人3年目にブレークした近藤均(王子/右投右打)もチェックしていた。下位で社会人の好投手が残っていれば、オリックスが“即戦力大歓迎”で大量指名してくる可能性も高い。【訂正】文中、横山弘樹選手が右投右打とありましたが、右投左打の間違えです、訂正してお詫びします。
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スポーツ 2015年10月17日 16時55分
ドラフト戦線異常アリ DeNAの1位入札は中畑再建論で決める!?
中畑清監督(61)が残留に傾いていたころ、スカウト陣は現場の要望として、エースと正捕手の補強を受けていた。パ・リーグにはFA権を持つ好捕手がいる。楽天・嶋基宏、西武・炭谷銀仁朗、日本ハム・大野奨太の3人だ。その権利を行使するか否かは、まだ分からない。 「中畑監督は黒羽根利規を育てようと、我慢を重ねて起用し続けました。一時期、高城俊人にもそんな愛情を注ぎ、嶺井博希も頑張っていますが、フルシーズンを任しきれるまでには誰も育っていません。こうした経緯からして、新人をドラフト指名し、ゼロから育て直すよりも外部補強になると思う」(ベテラン記者) その言葉通りだとすれば、DeNAの1位入札は今年も即戦力系の投手だろう。 旧ベイスターズ時代に遡っても、1位で投手を指名するケースが多かった。だが、昨秋ドラフトは評価基準を少し変えている。1位山崎康晃は58試合に登板してクローザーとしての地位を確立し、2位石田健大も12試合(71回3分の2)を投げてみせた。3位倉本寿彦(内野手)は開幕一軍を果たした。DeNAの新評価基準は成功したと見ていいだろう。 「スカウトの性でもあるんだが、惚れ込んだ選手がいたら、数字的な評価(客観的)よりも期待値のほうが大きくなってしまう。期待値が客観的数値の後にくればいいんですが」(在京球団スカウト) 去る10月14日の東都大学野球の会場に12球団のスカウトが駆けつけた。お目当てはリーグ現役最多18勝を挙げた左腕・今永昇太(駒大)である。今永は3点ビハインドの6回から登板し、無失点に抑えた(被安打2)。今永のこの日の最速は146キロ。今永の最大の魅力は真っ直ぐでファールや空振りが取れること。そのボールのキレが長期故障から戻っているか否かが、スカウト陣の最大の関心事だが、どの球団スカウトも「戻りつつある」という含みのある言い方だった。どの球団も1位候補として高く評価しているのは間違いないが、「即戦力でなければ困る」という現場の要望を受けているチームや、左の先発投手に困っていないチームは他の大学生投手に切り換える可能性もある。 DeNAは吉田孝司スカウト部長も駆けつけている。吉田スカウト部長は今永評を求める記者団にこう答えていた。 「(完全復活への)階段を上がっている。オレは信じている」 ただ、DeNAのチーム編成権を持つ高田繁GMは、自身の持っていた東京六大学最多安打の記録を塗り替えた高山俊外野手(明大)を買っているという。こちらは「東京ヤクルトの1位入札説」もあり、高田GMが決めるとなれば、即戦力投手の指名は2位以下ということになる。今年は地方大学にも好投手が多いとされるが、富士大・多和田真三郎(右投右打)、立命大・桜井俊貴(右投右打)、大商大・岡田明丈(右投左打)が残っているかどうか…。岡田、桜井は外れ1位ではなく、強豪抽選を嫌う球団が単独入札するとも目されている。おそらく、今年は2位以下でも即戦力系投手が残っているだろうが、中畑監督の“最後のお願い”は「エースを張れる投手を獲ること」だった。今季、DeNAには1年間、ローテーションを守りきった投手がいなかった。これはDeNAが優勝戦線を戦うまでに戦力アップするための必須事項であり、現場責任者を務めた者の切実な声だ。中畑論は単に実力があるだけではなく、『球団の顔』になる投手が欲しいと言い残してチームを去った。 この中畑論を引き継ぐとすれば、今永入札で行き、抽選で外れた場合も「それ相応のキャリアを持つ投手で再入札」という流れになるのではないだろうか。中央では無名だが、今春、全日本選手権で好投した東農大北海道・井口和朋(右投右打)もいる。高田GMはドラフト指名選手を中畑監督に明かさずにやってきた。高田GMは自らが惚れ込んだ選手名を引っ込めるかのどうか…。※吉田孝司スカウト部長のコメントは共同通信等の掲載記事を参考といたしました。
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スポーツ 2015年10月16日 16時00分
USA発 新聞、テレビではわからないMLB「侍メジャーリーガーの逆襲」 マリナーズGMがクビになり、再びタッグ結成? ヤンキースが思い描く田中と岩隈、夢の2トップ
日本人大リーガーで今オフの去就が注目されるのは、マリナーズとの契約が今季限りで切れる岩隈久志だ。 岩隈は今季前半、肩の広背筋を痛めて長期欠場したため評価が大幅に下がったが、シーズン後半は表にあるように防御率、QS、WHIP、勝ち星など主要な数字がすべてア・リーグの十傑に入っている。特に8月12日、メジャー屈指の強力打線を誇るオリオールズ相手にノーヒッターをやってのけたことで、日頃オ軍に苦しめられているヤンキースとレッドソックス(同じア・リーグ東地区のチーム同士)は再度岩隈に熱い視線を注ぐようになった。 この2チームはかつて岩隈獲得に動いたことがある。 レ軍は昨オフ、エースに据えて使える投手の獲得が急務になっていたため岩隈に白羽の矢を立て主砲セスペデスを交換要員にしてトレードを申し入れたがマリナーズのザエンシックGMが拒否し不成立に終わった。 ヤ軍が岩隈獲得に動いたのは今年7月である。7月末のトレード期限を前に岩隈をトレードで獲得して、後半戦のローテの柱にしようと目論んだが、またも同GMが拒否して話は流れた。 このトレードが成立すれば楽天時代同様「マー君+岩隈」の2トップがニューヨークで再現されることになると願う声が日本でもあったが、マ軍のGMが立ちはだかったのである。 ヤンキースの岩隈を欲しがる気持ちはもう消えてしまったのだろうか? 「消えるどころか、今はもっと強くなっているよ。今季ヤ軍は先発投手陣があまり機能せずチームの足を引っ張った。だから今オフは田中とともに柱になりうる先発投手の獲得が急務になっている。候補は何人かいて2013年のサイヤング賞投手デービッド・プライス(ブルージェイズ)やジョーダン・ジマーマン(ナショナルズ)などの名がメディアに出ているけど、ヤ軍のチーム事情に合っているのは岩隈だ」(地元紙の番記者) なぜ岩隈が今のヤ軍の事情に適合するのだろうか? 「超高額年俸のベテラン・中堅10人と長期契約しており、来季の年俸総額の上限2億3000万ドル(276億円)のうち2億1000万ドル(252億円)ほど使い果たしていて、今オフ、先発投手の補強に回せるカネがわずかしかないんだ」(同) ヤ軍は年俸総額が2億1800万ドル(260億円)に達するメジャーで1、2を争う金満球団である。しかし、年俸2000万ドル(24億円)以上の長期契約選手が5人もいる(田中将大、サバシア、Aロドリゲス、エルズベリー、タシェアラ)。5人とも来季か、それ以降まで契約があるので、来季の年俸総額が260億円あっても半分はこの5人で消えてしまう。さらにヤ軍には年俸1500万ドル前後(18億円前後)の選手が4人(マッキャン、ヘッドリー、ベルトラン、ガードナー)、900万ドル(10.8億円)が1人(Aミラー)いて、全員来季も契約がある。この10人の長期契約組のほか、FA資格年限(メジャー在籍6シーズン超)に達していない15人前後の若手選手にも計2000万ドル(24億円)ほどかかるので、260億円も年俸枠がありながら、今オフの先発投手獲得に使える資金はわずかしかないのだ。 今オフのFA市場は、先発投手ではデービッド・プライスが最大の目玉で8年2億ドル(240億円)くらいの値札が付くと予想されている。それに次ぐ評価を受けているのがジマーマンで1億5000万ドル規模の契約になると思われる。 ズバリ言って今オフ、金満球団の中でドジャースやレッドソックスは彼らの獲得に回せる資金があるが、ヤンキースにはない。 しかし、岩隈の予想金額は35歳という年齢がネックになって3年5000万〜4年7000万ドル(60億〜84億円)くらいと予想されている。これならヤンキースも十分獲得可能なのだ。 しかし、ヤ軍がいくら欲しがっても、岩隈がFAになることをマリナーズが容認しなければ、机上の空論で終わってしまう。マリナーズのチーム責任者ザエンシックGMは自分自身が岩隈を入団させた経緯があるので、決して手放そうとしなかった。岩隈もシアトルの住環境が気に入って、できればマリナーズで投げ続けたいと話していた。 ところが9月になってマリナーズでは、成績不振の責任を取らされてザエンシックGMがクビになり、エンジェルスのディポート前GMが後任に指名された。GMが変われば戦力の大幅な入れ替えは必至だ。岩隈に関してはできるだけ低コストで残留させようとするだろう。そのうえ最近はパーソナルキャッチャーのようになっている相性のいい捕手スークレも、打率が1割2分4厘で残留できない可能性が高い。チーム環境が激変する中で岩隈がどんな進路を選択するか注目が集まっている。スポーツジャーナリスト・友成那智ともなり・なち 今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。'04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」(廣済堂出版)は日本人大リーガーにも愛読者が多い。
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スポーツ 2015年10月15日 16時00分
リオ五輪出場ピンチの福原愛に中国が異様な盛り上がり
来年夏のリオ五輪で、卓球女子は期待が持てる数少ない競技の一つだが、福原愛(26=ANA)だけ“後方支援”を、特に中国から受けそうである。 「卓球は中国のお家芸と称されるくらい、人気のスポーツです。日本女子が団体戦銀メダルに輝いた仁川アジア大会の決勝戦(対中国1対3)では、政治的意味での日本バッシングも重なり中国選手への応援が大きかったことでも話題となりました」(体協詰め記者) しかし、その団体戦の先鋒を務めた福原の試合中だけは、日本バッシングは起きなかったという。彼女が中国に卓球留学したせいもあるが、同国のネットユーザーたちからは「かわいい」、「中国は君を歓迎する」などアイドルを見るようなコメントがズラリ。福原の立ち位置は、国内では美女アスリートではなかったが、「中国ではタマゴ型の顔が持て囃される」(前出・記者)のだという。 それだけではない。福原は留学中に中国人の喜ぶツボを掴んでいたのだ。先鋒で勝利した直後だった。中国をメーンとした各国メディアが彼女を囲んだ。卓球強豪国・中国が先手を奪われたため、数人の記者が同時に質問するなど、囲み会見は混乱してしまう。すると、「皆さん、ゆっくりお願いします。少し後ろに下がってもらえますか。私が前に出ますから」と、落ち着いて対処。極めつけは、相手を思いやるコメント。 「実力だけだったら、私は勝てませんでした。今日はきっと相手が緊張していたんだと思います」 こんな“神対応”に、中国の卓球ファンとネットユーザーはメロメロにされてしまったわけだ。 「中国では『リオで福原を見たい』との声も大きくなっていますが、現時点で日本の卓球協会は内定を出していません」(前出・記者) 先の卓球アジア選手権大会で福原は女子の主将役を初めて務めた。焼き肉屋での決起集会では後輩たちに話し掛けるなどし、かつては天才卓球少女と呼ばれた彼女も、いつのまにか“ベテラン”の域に。リオ五輪が集大成となると、中国ファンは嘆きそうだが…。
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スポーツ 2015年10月15日 12時00分
ドラフト戦線異常アリ 巨人の1位指名が読みきれない!(後編)
高木勇人(26=社会人・三菱重工名古屋)の成功がスカウトの評価基準を少し変えたようである。昨秋のドラフト会議でのことだ。巨人がドラフト3位で高木勇人を指名した際、会場ホテルの別室に待機していた各球団スタッフがざわついた。 各チームの中京地区担当スカウトの間では好投手と位置づけられていたが、指名にはいたらなかった。社会人で7年も投げたとなれば、“ベテラン”である。一般論として、25歳(指名当時)では年齢的伸びしろも「ない」に等しい。だが、巨人は指名した。昨秋のドラフト直前、巨人スカウトは「今年はね…」と、彼らのお眼鏡にかなった指名候補が少なかったことも明かしていた。そう考えると、指名候補の多い“豊作年”だったら、遅咲きの高木はプロ入りできなかったのかもしれない。しかし、この高木の活躍が巨人スカウト陣に“自信”を持たせたようである。 「年齢的に指名するか否かを判断するのはスカウト会議に委ねることにし、年齢、(地方リーグなど)所属や学校に関係なく、まっさらな状況で判断していこう、と。今後、地方大学出身選手の指名も増えていくと思う」(関係者) 巨人スカウトが1位候補に加えた“地方大学の投手”がいる。仙台大学の右腕・熊原健人投手だ。昨今では地方大学や無名校からの指名選手も珍しくなくなったが、「対戦チームのレベルもあるので、成績は2割減くらいにして判断してきた」という。 だが、巨人は山下スカウト部長自らがこの熊原を視察するなど、相当な熱の入れようである。これも、高木の成功によるものだろう。巨人スカウトは熊原を「1年目から先発ローテーション入りも」と高く買っているそうだ。 「好投手であることは間違いない。ただ、地方リーグ(仙台六大学リーグ)なので、成績を過大評価してはいけないと見るスカウトがいることも事実です」(ライバル球団スカウト) ドラフトフリークの間では、おそらく熊原の名前は知れ渡っているだろう。ストレートのキレ、スピードに加え、重量感もある。走者のいない場面でもセットポジションで投げるのだが、左足を一塁側に大きく引くようにして構える。持ち球はカーブ、フォークと少ないが、 「スライダーを投げることもあるが…。でも、フォークは落差の大きいものとそうでないものを投げ分けている。こちらは一級品」(前出・同) とのこと。地元・楽天も上位指名を予定しているようだが、他球団の評価が巨人ほど高くない理由は1つ。バント処理などのフィールディング、クイックモーションがイマイチだからだ。 「指名がウェーバー制となる2位以下で駆け引きのされる逸材。巨人サン以外はそんな位置づけだと思いますよ」(同) 大学ナンバー1投手と目されているのが、駒澤大学の左腕・今永昇太。こちらは左肩を故障し、将来のために大事を取り続けてきた。完治したと思われるが、1位入札で即戦力投手の指名を予定していた球団は“慎重”になり、他の候補投手の再調査を進めている。巨人スカウトも今永を追い掛けてきたが、他球団の目には「小笠原のほうに力を入れている」と映っているそうだ。 高校生野手、地方大学の逸材を指名する。今年の巨人のドラフトはいつもと様相が違う。
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スポーツ 2015年10月14日 16時00分
CS決戦場外乱闘 ソフトバンク退団・松中信彦が広島カープ入りを熱望
福岡ソフトバンクホークスの本拠地最終戦、松中信彦(41)が『7番DH』でフル出場した。結果は無安打に終わったが、ファンの大声援が球場中にこだました。 「工藤公康監督もかつてはFA権を行使してチームを出て行きましたが、指揮官として呼び戻されました。こういうホークスの温情も松中の背中を押したのでは。退団の経緯を説明する会見前日、王貞治会長と電話で話し合ったそうです。王会長も松中の選択に理解を示しており、水面下での支援もするものと思われます」(ベテラン記者) 水面下の支援とは「松中を獲ってやってくれ」という他球団へのお願いだ。今後、松中はホークス以外の球団からのオファーを待つことになるが、王会長のお願いとなれば誰も断れない。王会長の古巣巨人が有力視されるが、松中自身の本命は広島カープのようだ。 「今の巨人には、大道典良(現ソフトバンクコーチ)のような代打の切り札がいません。堂上、吉川が左の代打として頑張りましたが、内野手の頭数が足らず、吉川が二遊間の控えに回るなどした。高橋由も代打成功率は高くなかった。松中を代打として使うのではないか」(前出・同) 大道の巨人入りにも王会長が一枚噛んでいたという。 オリックスには松中の若手時代を知る瀬戸山隆三本部長がいるが可能性は低いか。松中の最終年俸は3500万円。この“安値”なら、「復活すれば儲け物」である。 「出場機会の多いチームが松中の理想でしょうね。広島の一塁はベテランの新井貴浩です。左の松中、右の新井でスタメン一塁をツープラトンで使い分ける方法もあるし、代打での出場機会は巨人以上」(スポーツ紙記者) 広島はベテラン新井を蘇生させた。その前には旧ベイスターズから戦力外となった石井琢朗(現コーチ)を獲得し、その後4年間チームに貢献させた実績もある。かつて再生工場といえば、野村克也氏が監督を務めていたヤクルトが有名だが、今は広島なのだ。 「'11年オフ、中日から戦力外になった久本祐一を獲り、今も現役です」(前出・同) 石井や久本に共通するのは、ヤル気。近年の松中はほとんど試合に出ていない。気持ちも萎えてしまうはずだが、王会長はヤル気には太鼓判を押した。 「広島は外部補強をしないイメージがあるが、マツダスタジアムに本拠地を移して以降は観客増による軍資金があり、今季、途中加入で外国人を獲ってもビクともしなかった」(関係者) ホークスと同様に広島の若手も練習熱心だ。松中や小久保裕紀代表監督らが練習につぐ練習を重ね、その姿を見た若手たちが発奮し、今日に至った。ホークスと広島は環境が似ている。 大リーグから戻った黒田に投手陣が学んだように、今度は野手陣が現役唯一の元三冠王に打撃の極意を聞く相乗効果も期待できる。松中の将来の指導者帰還のため、王会長は巨人に連絡しないかもしれない。
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スポーツ 2015年10月14日 12時05分
ドラフト戦線異常アリ 巨人の1位指名が読みきれない!(前編)
「巨人の出方が読めない」−−。10月22日、プロ野球新人選択会議(ドラフト会議)が行われる。各球団とも1位候補を10人程度に絞り込んでいることは既報通りだが、巨人の1位候補を読みきれないとするライバル球団の“悲鳴”も聞こえてきた。 「今は12球団のスカウトが情報交換を頻繁に行っています。自分たちが高評価した選手を他球団がどう見ているのか、他球団も高く評価していると分かれば自分たちの評価は間違っていないと自信が持てますし、情報化が進んでいますから、他球団が知らない無名の隠し球なんて、もうあり得ない時代ですよ。スカウトの評価、チーム事情によって、好選手の指名順位が違うだけです」(在京球団スカウト) 一般論として、1位指名の入札選手に関しては2通りの捉え方がある。『外れ1位選手』との力量差を考え、他球団との入札が重なるのを嫌う場合と、他球団と重複しても欲しい選手と思った選手に入札するケースだ。 今年は巨人の1位指名選手が読めないという。9月29日、巨人のスカウト会議が行われた。山下哲治スカウト部長自らが記者団の質問に応じ、「上位候補は12人」と明言した。これまで、巨人スカウトが具体的に名前を挙げ、称賛してきた指名候補は以下の通り−−。 県岐阜商・高橋純平投手、東海大相模・小笠原慎之介投手、吉田凌投手、普天間・與那原大剛投手、明大・上原健太投手、高山俊外野手、富士大・多和田真三郎投手、慶大・谷田成吾外野手、仙台育英・平沢大河内野手、関東第一・オコエ瑠偉外野手、大商大・岡田明丈投手、青学大・吉田正尚外野手、仙台大学・熊原健人投手…。 巨人の1位指名は東海大相模の小笠原と目されてきたが、まだ最終決定ではないようだ。 前出の在京スカウトがこう言う。 「大商大・岡田、青学大・吉田は大学選手権や侍ジャパン大学代表を見て、巨人サンは『上位候補リスト』に繰り上げたようですね」 吉田は去る8月26日、大学日本代表対高校日本代表戦で4番を務め、2打席連続本塁打を叩き込んだ。年下の高校生相手とはいえ、巨人以外のスカウトも「プロで十分やっていける」と“確信”したという。 「俊足外野ですが、単独スチールは少なく、強肩ではない。一塁も守れるので」(大学野球関係者) 吉田は、オコエ、東京六大学の安打記録を塗り替えた高山俊とはタイプが異なる外野手のようだ。しかし、「1位指名されるか?」と聞けば、「今年は高校、大学に好投手が多いので、どの球団も野手の指名は3位以下になるのではないか。もっとも、1位入札の抽選で外れたら、野手の1位指名に切り換える球団が出るかもしれないが」(前出・スカウト)と、現時点での指名順位は曖昧だ。しかし、巨人のドラフト戦略は他球団と異なる。 今季、一人前になるまで3年は掛かると見られていた高卒ルーキーの岡本和真がペナントレース終盤に一軍で結果を出した。高校生、あるいは、走攻守の一芸に秀でたアマチュア選手に対する評価を上方修正したのかもしれない。巨人も小笠原は2位以下で残っていると見ているのだろうか。いずれにせよ、今秋のドラフト会議では、外れ1位、2位、3位の指名基準を大きく変えてくるだろう。
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スポーツ 2015年10月13日 16時00分
オコエに平沢…、早くも情報戦開始 ドラフトに向けて巨人が阪神を陽動
巨人が9月29日にスカウト会議を開き、今秋のドラフト会議の1位指名候補を12人まで絞り込んだ。会議後には、山下哲治スカウト部長が記者団に次のように明かしている。 「2人は甲子園で評価を上げた。甲子園までAクラスにいなかった。必ずレギュラーになれるという評価。プラス、人気もありますから」 2人とは、オコエ瑠偉(18=関東一高)と平沢大河(18=仙台育英)のことだ。このスカウト会議の前に、「オコエの指名順位は繰り上がる」とする巨人スカウトチームの評価は漏れ伝わってきた。しかし、改めて平沢の名前を出したのには、ライバル球団への陽動作戦も含まれていたようだった。 在京球団スカウトがこう説明する。 「平沢の評価が急上昇したのは3年生になってからです。それ以前から打撃は二重丸でしたが、捕手をやっていたのでどの球団も積極的ではありませんでした」 その後、チームの事情もあったのだろう。内野手にコンバートされた平沢は、持ち前の打撃力にさらに磨きが掛かり、一気に全国的に有名な選手となった。その過程で特に熱心だったのは阪神だったという。 「亡くなった中村勝広GMが入れ込んでいました。チーム編成上で右投左打の内野手が欲しかったこともあり、理想のタイプが見つかったと喜んでいました」(同) 中村GMがイメージしていた右投左打の内野手とは、掛布雅之球団本部付育成&打撃コーディネーターのことだ。ゴメスとマートンの両外国人に頼りきっている打線を変えるには、生え抜きのクリーンアップ候補が必要だとし、「右投左打の三塁手として、平沢を大きく育てようとしていた」という。また、同GMは本格派のパワータイプの投手を好んでおり、1位は高橋純平で入札し、あわよくば1位高橋、2位平沢を夢見ていたそうだ。しかし、方針は転換されそうである。 「中村GMが亡くなり、阪神のチーム編成は当面、高野編成部長が一括します。高野部長は投手陣の再編を最優先にしたいと考えており、冷静にドラフト候補の実力を見極めようとし、各スカウトとも話し合って行くつもりです。平沢に冠する同部長の評価は不明です」(球界関係者) この時期に特定のドラフト候補の名前を挙げるのは、指名の重複が予想されるチームへの陽動作戦以外の何者でもない。巨人は平沢とオコエの名前を挙げた。巨人が反対の立場でもそうだったと思うが、どの球団も1位入札での重複を嫌う傾向がある。重複するのであれば、確実に一本釣りできる他選手に乗り換えようか“迷う”のだという。 「巨人は高校生野手の1位指名に消極的でしたが、岡本和真が1年目から一軍デビューを果たしたので、スター性のある高校生はむしろ積極的に獲るべきだと、考えを改めつつあります。その反面、投手陣の補強は急務ですが、こちらは地方大学の投手を3位以下で獲るようです」(同) 平沢が2位指名まで残っている可能性は少ないとの評価もあるだけに、阪神はフロント体制の変わったことで“掛布2世”をライバル球団に横取りされることになるかもしれない。
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スポーツ 2015年10月13日 11時12分
マートンが虎の敵になる!? 他球団が調査開始
球団創設80周年のメモリアルを優勝で飾れなかった阪神が、早くも『チーム再建』に動き始めている。注目は『ポスト和田』だが、フロントが目指す「ドラフト会議は新監督で」のスケジュール案は修正されるかもしれない(10月7日時点)。 「マートンに代わる新外国人選手との契約は年内に交わせそうです。故・中村勝広GMがシーズン中に現地調査を行っており、交渉解禁になれば、現地担当者がいつでも会えるような状況になっています」(在阪メディア人の1人) 阪神フロントがマット・マートン(34)を『構想外』と位置づけているのは既報通り。来日6年、首位打者1回、最多安打3回の実績は申し分ないが、すでに年俸は4億5000万円(推定)を越えている。今季の成績は打率2割7分6厘、本塁打9、打点59と振るわなかったが、『残留』となれば、マートン側が昇給を吹っ掛けてくるのは必至。ストライク・ゾーンを巡る審判団との衝突、本塁突入時の相手捕手へのタックル、集中力がきれたときの緩慢プレーなど、過去のトラブルも加味すれば、阪神の決断は間違ってはいない。 「マートンのメジャーリーグ復帰は厳しいと思われます。来季は35歳、日本で安打を量産した技術、実績は評価されるはずですが、外野手守備力、肩は、メジャーでは普通クラス。まあ、マイナー契約でのスタートでも構わないというのなら、ともかく」(米国人ライター) こちらも、約375万ドル(=4億5000万円)の年俸をもらっていただけに、平均3万ドル(約360万円)と言われるマイナーリーグの年収ではプライドが許さないだろう。もっとも、阪神で見せつけたマートンの打撃力ならば、「招待選手(マイナー契約)でキャンプイン、開幕前にメジャー契約」ということも考えられる。だが、その前に日本の球団もマートン獲得を検討するのではないだろうか。 「ああいう、気難しいタイプは獲らないほうがいい。阪神ベンチを見ても、他選手は一定の距離を置いて付き合ってきたし」(プロ野球解説者) だが、近年の日本のプロ野球界では、他球団に在籍したことのある“出戻り”も珍しくなくなった。日本球界を経験しているうえに、「爆発的な活躍はできなくても、これくらいは打ってくれる」という計算が立ちやすいからだ。客観的に考えれば、巨人の外国人選手よりもマートンのほうが戦力になる。フランシスコ、セペダ、アンダーソン、カステヤーノスの4助っ人の今季のヒット数を合わせても、マートン1人のほうが上だ。 巨人、DeNA、広島、楽天、西武、オリックスが獲得すれば、打線の破壊力は確実にアップするだろう。 「阪神がマートンを構想外としたのは、打撃成績が落ちたせいだけではありません。年俸がネックになった点は否定できませんが、首脳陣が求めるタイプではないからです。今季、阪神打線の465得点はリーグワースト、チーム本塁打78はリーグ5位。でも、総犠打数138と四球464は、リーグトップ。つまり、得点圏に走者を進めたときの『あと1本』が出なかったんです。マートンは得点圏打率が高くないので」(球界関係者) 今季のマートンの得点圏打率は2割3分5厘。シーズントータルで150本のヒットを放っておきながら、この数値ではたしかに低すぎる。しかし、クリーンアップタイプではなく、チャンスメイクできるタイプを欲している球団ならば、確実に戦力となるはずだ。 「14〜15年オフ、DeNAは巨人と契約の切れたロペスを獲り、成功しています。補強費も豊富なだけに獲得は可能です。巨人はかつて阪神首脳陣と衝突していたダレル・メイ投手を獲り、蘇生させた実績もある」(球界関係者) 10月7日、甲子園球場での練習後、マートンは「6年間、このユニフォームを着ることができ、感謝している」と語っている。最終決断は新監督を交えてというのが阪神フロントの見解だが、本人は退団に向かっているチームの空気を察していたようだった。
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スポーツ 2015年10月12日 16時00分
楽天梨田新監督は3年長期契約 そこから見えるチーム作りの狙い
東北楽天ゴールデンイーグルスが9月29日に行われた球団取締役会で、梨田昌孝氏(62)を新監督に招聘することを決定した。さらに、同会では3年契約を提示することも決まっていた。 「監督人事でのサプライズはありませんでした。星野仙一副会長(68)の人脈で中日OBの招聘も噂されていただけに、いま一つ、盛り上がりにも欠けています」(スポーツ紙記者) 果たして、本当にそうだろうか。監督経験が豊富で、年齢的にも円熟期の梨田氏を監督に迎えた理由は、優勝戦線に復帰したいからだろう。星野副会長も「オレも優勝するまで3年掛かった。ある程度の時間をやらないと」と、取締役会で話していたそうだ。 「梨田氏は優勝経験もあり、在野にいる野球解説者のなかでは安心してチームを任せられるタイプです。以前に監督を務めていたときも、梨田氏は奇をてらった作戦は執らなかったですし、選手起用も実績を重視するほうでした」(プロ野球解説者) それだけではない。梨田氏はこれまでに近鉄で5年、日本ハムで4年の指揮を執っている。日本ハムでは中田翔の育成も任されたが、どちらかといえばベテランや中堅の選手を起用し、調整法なども選手に任せることが多かった。それに対して、楽天はほとんどが若い選手で構成されている。若手中心の選手起用で新たな梨田采配が見られるかもしれない。また、こんな声も聞かれた。 「梨田さんは旧近鉄バファローズの出身です。関西方面では人気もあり、阪神の次期監督のウワサも出たほどです。関西での楽天戦の観客動員数が増えるのではないか」(同) 梨田氏の招聘だけで観客動員数が増えるとは思えないが、楽天本社に関係する企業も応援するのではないかと予想されている。考えてみれば、楽天は近鉄と旧オリックスの選手を集めて結成されたチームである。近鉄出身のプロ野球解説者を招聘したのは、ある意味で自然な流れだったのかもしれない。 「オリックスとの試合では、楽天のビジター三塁側スタンドが先に埋まる光景も見られるかもしれない」(ベテラン記者) 楽天は来季に向け、本拠地コボスタ宮城をリニューアルする。総工費30億円を掛け、内外野を天然芝化し、左中間に『公園席』を設置する。メジャーで主流となっているボールパーク化を目指す。公園席は椅子を設置しないため、収容人数が増え、3万人以上の動員も可能になるという。球団は「東北のファンのために」と工事の目的を語っている。 「今季、珍現象が起きたんです。実質、最下位争いだったオリックスとの地元の試合は、観客動員数が増えています。シーズン全体での観客動員数も増えており、楽天フロントは元身内のオリックスと張り合うことが商売になると考えたようです」(同) オリックスは今季の監督代行を務めた福良淳一が正式に指揮官に就任する。の福良監督は旧ブルーウェーブ出身だ。楽天はそこへ本家バファローズ出身の梨田監督をあてがい、新たな関西の野球ファンも発掘する狙いもあるのかもしれない。