スポーツ
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スポーツ 2015年10月27日 16時00分
プレミア12は代表辞退続出か MLBは控え選手とマイナーリーガーばかり
世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が、10月19日に国際大会『WBCSプレミア12』の開催日程等に関する会見を行った。 侍ジャパンの小久保裕紀監督(44)は「優勝できるように最高のメンバーを編成したい」と意気込みを語ったが、“世界の修羅場”を知る黒田博樹(40=広島)が早々に代表辞退を表明。四番打者起用が予定されていた中村剛也(32=西武)も痛めた背中の治療を優先させる旨を明かしている。 「ベネズエラ代表にエントリーされていた西武のメヒアも『辞退する』と明言しています」(スポーツ紙記者) 同大会は4年に1度の開催で、世界ランキングの上位12カ国が参加。第1回の今大会は日本と台湾の共催となり、11月8日に開幕する。日本では開幕戦と準決勝、決勝が行われるが、出場辞退の話ばかりでは盛り上がりそうにない。 「米国はマイナー選手か、控え選手しか出さないでしょう。米国内ではプレミア12のことは、コアな野球ファンしか知りません」(現地特派記者) 野球の国際的統括団体だったIBAFは、野球が五輪競技から消えたことで国際オリンピック委員会(IOC)からの補助金を受けられなくなった。IBAFは深刻な財政難に陥り、国際大会の継続はおろか、組織の存亡危機にまで陥った。それを助けたのが大リーグ機構なのだが、見返りに求めたのは「WBCを正式な世界選手権として公認すること」と、「野球ワールドカップ大会の廃止」だった。その後、IBAFは国際ソフトボール連盟(ISB)と協力し、五輪競技復活を目指している。その一環が『プレミア12』の開催なのだ。 「大リーグ機構にすれば『WBCがある』ということで、プレミア12は関係ないと捉えています」(同) また、ここに来て、侍ジャパンの単独国際試合についても、疑問の声が上がり始めた。 「小久保監督は若手中心の選手招集を重ねてきました。プレミア12本番では『ベストメンバーを組む』と言っていますが、12球団の間では『国際試合は若手の経験値を高めるもの』との解釈ができてしまい、11月までコンディションを整えようとしません。シーズン中、代表候補に上がった選手のなかには別の予定を入れていた者も…」(球界関係者) 代表に選ばれることに名誉や達成感が足らないから、他人事のような選手も出たのだろう。代表選手の重みは今後の課題だ。 侍ジャパンは開幕戦でアジアの難敵である韓国とぶつかる。「黒田、中村に追随する出場辞退者が出る」(ベテラン記者)らしく、このままだと韓国に敗退すると見る声も少なくない。 「WBSCが開幕戦、準決勝、決勝を日本でやると決めた目的はジャパンマネーですよ。本来ならば、WBSCが大リーグ機構に掛け合ってでもトップ選手の出場を要請すべきなのに、そういった動きはほとんどありませんでした」(前出関係者) これでは、金目当てと言われても仕方ない。もちろん、NPB内には国際試合を戦う自負、意気込みの強い選手もいる。しかし、日本が決勝ラウンドに進めなかった場合、球場で閑古鳥の鳴くのは必至。小久保監督は選手選考を再考するべきなのだが…。
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スポーツ 2015年10月26日 16時00分
マイナーリーグで最多勝を獲得した元巨人ドラ1 解雇通告で帰国か? メジャー挑戦継続か?
MLBクリーブランドインディアンス傘下の、3Aコロンバスで奮闘していた村田透(30=元巨人)が、日本球界の補強市場の主役になるかもしれない。 村田は2007年の大学生社会人ドラフトで巨人に1位指名されたが、10年には戦力外となり、その後は渡米して孤軍奮闘していた。その努力が実り、今季は3Aで最多勝のタイトルを獲得。6月にはメジャーのマウンドも経験し、村田も「これからが勝負」と意気込んでいたはずだが、解雇が通告されたのだ。 「3Aで投手タイトルを獲得しても、それがメジャー昇格の約束手形にはならないのです。スカウトがメジャーで通用しないと思えば、たとえ最多勝投手でも容赦なく解雇されます。それがメジャーのやり方です」(米国人ライター) 村田は6月28日、ダブルヘッダーの第2試合に先発登板し、メジャーデビューを果たした。ダブルヘッダーには“試合出場の登録人数を1人増やせる”というルールがあり、当時3Aで絶好調だった村田が緊急昇格した。その際には、巨人をクビになった“雑草魂2世”に、元同僚たちもエールを送っていたのだが…。 「30歳という年齢も加味され、そういう決断になったんだと思います」(同) その村田には、すでに巨人が「帰って来い」と連絡を入れたという情報もある。今季の巨人は、菅野と外国人以外の先発投手が機能しなかったと言っていい。米マイナーで鍛え直された村田が帰還すれば、新体制の巨人はさらに活気づくはずだ。だが、案の上というべきか、村田は帰還に二の足を踏んでいるという。 「今年は最多勝を獲得し、また、メジャーマウンドも経験したので、本人は前向きな気持ちだったはず。気持ちの整理ができていなのでは」(同) そもそも、村田は巨人に対していい思い出がないのかもしれない。村田は上原浩治と同じ大阪体育大学の出身で、ドラフト当時は上原の後継者と見られていた。本人も「上原さんに弟子入りしたい」とコメントしていたが、新人自主トレを見た上原が村田に言い放った第一声は、「この世界は実力がなければ、たとえドラフト1位でもすぐにクビになるぞ」という、手厳しいものだった。あくまでも、この時点での評価だが、上原は遠回しに「村田は通用しない」と見ていたという。 「巨人のドラフト1位で単独取材の申し込みがなかったのは村田だけ。1位指名と言っても、3度目の入札でようやく獲得できた投手であり、本当なら、3位以下の評価だった」(当時を知る関係者) ルーキーイヤーは二軍でも勝ち星が挙げられなかった。結局、上原の苦言は現実となる。だが、村田はアメリカでドン底から這い上がってきた。何のツテもなく、マイナーで野球を続ける苦労は経験した者にしか分からない。 「過去、マイナーで最多勝を獲得してもメジャー昇格できずに消えていった投手はたくさんいます。マイナー契約なら、他の米球団からのオファーがあるかもしれないが、『通用しない』と見るインディアンスの判断を覆すのは至難の業。当時の巨人を見返すことを考えたほうがいい」(同) いまなら、NPBで通用するはずだ。夢を追うのか、それとも現実を取るのか、村田は野球人生の岐路に立たされている。
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スポーツ 2015年10月25日 10時00分
小塚桃子ゴルフ連載(48) 最終章・私がゴルフにハマった理由・1
私は中学、高校などでテニスやバドミントン、卓球など様々なスポーツを体験してきました。特にテニスでは表彰された事もあり、運動神経にはちょっと自信があります。 そんな私が、悪戦苦闘した(する)スポーツがゴルフ。なかなか思い通りにならず、負けず嫌いな私が初めてムキになったのです。 ゴルフを始めた直後はクラブを振っても止まっているボールに全く当たらない…「なんで出来ないんだろう? なんで思い通りに行かないんだろう?」−−。家族でラウンドしたのですが、動いている球より止まっている球の方が当らない事に気付き、わずか2ホールでギブアップ。3ホール目からはカートの運転手に徹しました。その時から、「留学しようかな」と思い始めました。今、考えると随分大胆ですが、当時はゴルフを軽く見ていたので、練習すればそれなりに結果を残すだろうと考えていました。 努力している姿を見られるのが嫌だったため、両親と相談して、単身豪州留学に。ゴルフを極めたい一心で飛びました。留学当初は、悔しいやら難しいやらで、ガムシャラにクラブを振っていた思い出があります。練習しても、練習しても思い通りにはならず、自問自答の日々でしたね。ようやくコツを掴み始めたのが、ゴルフ開始から半年経過した頃でした。が、ここでも問題発生。100を切れる様にはなったのですが、今度はここから進まない…「壁」に当たったのです。この時はさすがにヘコたれて「ゴルフなんて辞めてやる」と感情を表に出しました。勢い余って留学先のゴルフ場に持っていたゴルフボールなど全てをコース上にある池の中へ放り込みました。 その後、さすがに我に返り拾いましたが、ここまで私を揺さぶったスポーツはゴルフ以外ありません。以来、本気でハマりました。ただ、思い通りにいかない事だけがゴルフの魅力ではありません。思い通りのプレーができた時の爽快感は「ゴルフをやっていて良かった」としみじみする瞬間ですね。分かりやすく言えば、ロングパットのラインを読み切り1回でカップインした時は格別。それがバーディーだったらシビレます。 上手くいく事より、失敗する事の方が多いゴルフ。私は悲喜こもごもあるこのスポーツに魅了されています。
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スポーツ 2015年10月24日 14時00分
俺たちの熱狂バトルTheヒストリー〈団体存亡を懸けた全面戦争〉
第2次UWFの分裂後、Uの発展継承を目指す前田日明のリングスや、リアルファイトを志向した船木誠勝らのパンクラスに比べて、田延彦がトップを張るUWFインターナショナルが打ち出した“プロレスの原点回帰”なる理念は、ファンの目にはどこか不明瞭に映っていた。 「今となっては過度なショーアップを排し、真の意味でのプロフェッショナル・レスリングを目指していたと理解できるし、ルー・テーズを最高顧問に招くなどその方針は一貫していた。しかし、UWFルールのままタッグマッチ形式のダブルバウトを採用したことなどは、辛口のファンから『単に従来のプロレスに戻っただけだろう』と、批判を受けることもありました」(プロレス記者) UWFの存在を“進化したプロレス”と信じたファンは、原点回帰=退化と思った訳である。 北尾光司やスーパー・ベイダーなど、田が折々に話題性十分の好勝負を繰り広げていながら、Uインターに対してどこか冷ややかな視線が付いて回った理由は、それだけではない。 「下交渉もなされないままに、蝶野正洋が持つNWA王座への挑戦や各団体のトップ選手を招く1億円トーナメントの開催を発表し、結果、実現には至らなかった。これらはただの挑発行為と見なされ、他団体の関係者のみならず、ファンからも反感を買うことになりました」(同) ヒクソン道場に乗り込んだ安生洋二が、無残なまでに返り討ちに遭ったり、テレビキャスターや参院選出馬など、田がリング外の活動を精力的に行ったことも、ファンの信頼を損ねる一因となった。 そんな“プロレス業界の鬼っ子”Uインターと、新日本プロレスが、突如として全面対抗戦の開催を発表したのは、1995年8月のこと。Uインターを離れて新日参戦を決めた山崎一夫の処遇をめぐり、長州と田の電話会談が行われていた中で、激高した長州が10・9東京ドームでの大会開催をぶち上げたのだ。 後日談で両団体ともに合意済みだったことが明かされているが、この当時としては“犬猿の仲”と目されていた新日とUインターだけに、全面対抗戦がファンや関係者にもたらしたインパクトは絶大だった。 平日の開催にもかかわらず、チケットは販売と同時に即完売。当時の観客動員記録を一瞬にして塗り替えた。また、Uインター側では、次期エース筆頭の田村潔司や参謀として名をはせた宮戸優光が、この対抗戦に参戦拒否したことも、逆に抗争の生々しさを演出することになった。 試合当日。ドーム周辺には入りきれなかった大勢のファンが、漏れ聞こえる試合経過に一喜一憂していた。新鋭の垣原賢人が実力者の佐々木健介を破る波乱もあって、新日側の4勝3敗で迎えたメーンイベント。両団体の大将は、武藤敬司と田だった。 両者は同学年ながら、田が新日入門時期では4年先輩で、Uインターの一枚看板としての実績は文句なし。片や武藤も、この年の5月にIWGP王座を奪取。さらには夏のG1でも優勝を果たし、闘魂三銃士の横並びから一歩抜け出す存在感を示していた。 ベルトを高々と掲げ、会場を見渡しながら花道を進む武藤は、王者の風格に満ち、ここでも田に遜色はない。殺伐とした対抗戦ムードの中、固い握手で試合開始となった。 序盤、グラウンドの攻防では、柔道で日本代表クラスだった武藤の寝技が光り、引けを取らないどころかむしろ上。静かな展開の中でも、隙を見てフラッシング・エルボーや頭突きの連打を繰り出すセンスの良さで、観客を沸かせる。 もちろん、田も打撃や関節技では一日の長があり、ミドルやヒザ蹴りで反撃。しかし、その何度目かの蹴り脚を武藤がつかんだところで、まさかのドラゴン・スクリューが炸裂する。 それまでは単なるつなぎだった技が、武藤によって必殺技として新たな命を吹き込まれた。田の膝が、妙な方向にグニャリと曲がる。それを機に武藤が足4の字固めに入ると、「これで決めろ!」と新日ファンの大歓声が巻き起こった。 一度はロープに逃れ、二度目は蹴り脚を取られたところを延髄斬りでかわした田だったが、再三のドラゴン・スクリューから再び4の字を極められると、もうこれを返す力は残っていなかった…。
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スポーツ 2015年10月23日 14時00分
USA発 新聞、テレビではわからないMLB「侍メジャーリーガーの逆襲」 ヤンキース田中将大の2015年シーズンを総括
ヤンキース・ファンの期待を一身に背負って、田中将大が一発勝負のワイルドカード・ゲームに先発したが、勢いに乗るアストロズ打線にソロホームランを2本浴びて轟沈した。 とはいえ、5回を2失点に抑えたのだから、そう悪いピッチングだったわけではない。レンジャーズ、ないしエンジェルスが対戦相手だったら勝ち投手になっていた可能性もあるが、今回は相手が悪かった。 筆者は先々週号のこの連載でワイルドカードの対戦相手がアストロズになった場合、投げ合うのが今季サイヤング賞を有力視されている左腕ダラス・カイクルになるので苦戦が予想されると書いたが、その通りになってしまったのだ。 この敗戦で田中の2015年シーズンは終了したので、今回は日本のスポーツメディアとは異なる視点で総括を行ってみたい。 Q1:年俸に見合った働きができたか? A:5割程度の働き。今季田中はWAR(貢献ポイント)が3.1である。これは1240万ドルの働きをしたという意味なので、年俸2200万ドル(26.4億円)中、56%の働きしかできなかったことになる。昨季もひじの故障でシーズン後半欠場したため1320万ドルの働きしかできなかった。2年間のトータルでは4400万ドルのサラリーに対し2560万ドルの働きで、サラリーの58%しか働いていない。来季もこの程度の働きしかできなければ、口うるさいニューヨークのメディアから「ヤンキースは高い買い物をした」と叩かれるようになるだろう。 Q2:防御率が大幅に低下したのはなぜ? A:一発病。昨季、田中の防御率はベストレベルの2・77だったが、今季は中の上レベルの3.51に低下。最大の要因は被本塁打が15から25に増えたからだ。 Q3:登板間隔は? A:8割は中5日以上の登板。今季はヒジの故障の再発を防ぐため通常の中4日で起用されたのは5試合だけで、19試合は中5日か中6日の登板だった。 Q4:もっとも評価の高い球種は? A:スライダー。野球データサイト『FANGRAPHS』が出している球種別の評価点(ピッチバリュー)を見ると、今季の田中はスライダーの評価点が10.2でア・リーグ3位、スプリッターは8.9でア・リーグ4位と、看板ピッチと思われているスプリッターよりスライダーが高い評価を受けている。カッターも評価が高く、4.5という評価点は「中の上」レベルでも「上」に近い数字だ。 Q5:もっとも評価の低い球種は? A:速球−田中の速球は2種類ある。通常のフォーシームとシュートする軌道を描くツーシームだが、どちらもメジャーでは急速も威力も平均以下。球筋も素直なので、甘く入ると長打を食らうことが多く、『FANGRAPHS』のピッチバリューではマイナス17.5という低い評価点がついている。これは、今季ア・リーグで120イニング以上投げた58人の先発投手のうち56番目に低い数字だ。そのため相手打者から狙い撃ちされることが多い。 特にイニング最初の投球は、たいてい速球を投げ込んでくるので、先週行われたアストロズとのワイルドカード・ゲームでは、イニングの先頭打者が速球に山を張って初球から振ってきた。その結果、2本スタンドに運ばれ負けられない試合で黒星が付いてしまった。 Q6:相性のいい捕手は? A:マーフィー。メジャーファンなら田中の女房役と聞けば正捕手のブライアン・マッキャンを思い浮かべる。しかし、バッテリー防御率はマッキャンと組んだ試合が3.71であるのに対し若い第2捕手ジョン・マーフィーと組んだ時は2.83で、ずっといい数字が出ている。今季はゲームでもマッキャンと組んだ時はサインに3度以上首を振るシーンが何度もあり、バッテリー間の意思の疎通がイマイチであることを伺わせた。今季田中が先発した試合ではマッキャンが19試合、マーフィーが5試合女房役を務めたが、来季はマーフィーと組む試合が大幅に増える可能性がある。 Q7:最大の長所は? A:出塁させない能力はリーグNo.1。メジャーではチーム間の得点力に大きな開きがあるため、勝利数より防御率、WHIP(1イニング当たりの「被安打+与死球」)、QS(6回以上を自責点3以内に抑えた回数)の3つが重視される。田中は今季、WHIP(0.99)はア・リーグの先発投手(120イニング以上)でもっともいい数字だった。WHIPは出塁させない能力を見る指標(=安定感)なので、それに関しては田中がア・リーグでNo.1ということになる。 そのほか四球を出さない能力、盗塁を許さない能力も屈指のレベルである。それでいながら防御率が3点台中頃の数字になってしまったのは、ひとえに一発を食い過ぎたからだ。スポーツジャーナリスト・友成那智ともなり・なち 今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。'04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」(廣済堂出版)は日本人大リーガーにも愛読者が多い。
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スポーツ 2015年10月22日 14時00分
日テレがほくそ笑む ラグビー放映権獲得の銭勘定
日本テレビが、お宝コンテンツに沸いている。現在、“ポスト巨人”と局内で言われているのが、ラグビーの日本代表チームだ。イングランドで開催されているラグビーW杯で、当初、敗退濃厚と予想されていた対南アフリカ戦(9月20日)を、見事、34-32で勝ってしまったのだ。 「'87年に第1回W杯が開催されてから、日本代表は連続出場をしています。だが、試合結果となれば、阿鼻叫喚の生き地獄だった。1勝21敗2分という通算戦績のみならず、'95年のニュージーランド戦では145失点。W杯大会史上、最低記録として語り草になっているほど日本チームは弱かったのです。しかし、20日の南アフリカ戦(録画)は、昼間にもかかわらず視聴率は4.9%。勝ったことで、この数字に繋がったのです」(テレビ関係者) が然、盛り上がりを見せたのが9月23日に行われたW杯第2戦。王者・スコットランドとぶつかった試合だ。10-45と大敗したものの、日テレ関係者はまさかの“大金星”に歓喜した。 「連休最終日という幸運も重なり、視聴率15%、瞬間最高視聴率20.3%を記録したんです」(同) この勢いのまま、さらなる注目を集めたのが、10月3日夜に放送された対サモア戦だ。 「26-5と大差で圧勝し、W杯で初となる1大会2勝を挙げた。驚くのは平均視聴率です。関東地区で19.3%、関西地区は18.4%。瞬間最高視聴率も関東地区が25.2%、関西地区は22.7%も獲得したんです。しかも五郎丸歩(29)というスター選手も生まれた」(日テレ関係者) 巨人に愛想を尽かしつつある日テレが、ラグビーに対し先行投資を始めたのが'04年のこと。 「他のキー局がソッポを向く中、W杯招致運動を始め、'07年から3年連続でW杯の放映権を獲得した。今大会で日テレが協会に支払った金額はわずか2億円。サッカーW杯の100分の1以下の金額です。'19年には悲願だったこの日本を舞台にW杯が開催されます。実績から、日テレが放映権を獲得する公算です」(テレビ事情通) ラグビーが野球を超える日は近そうだ。
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スポーツ 2015年10月22日 09時00分
ドラフト戦線異常アリ 世代交代を目指すソフトバンクの高校生投手の『強奪』
「世代交代」がテーマとなる。福岡ソフトバンクホークスは投打ともに12球団屈指の戦力を誇る。この余裕が「将来への投資」にメインを置ける理由なのだが、工藤公康監督(52)は故障から完全に癒えていない選手には「休め!」と言う。したがって、ある程度は大学生、社会人の選手をピンポイントで補強することになりそうだ。 巨大戦力のホークスが選んだ“即戦力”は、早大・茂木栄五郎(右投左打)、亜大・藤岡裕大(右投左打)の両内野手。ともに三塁手として活躍してきたので、松田宣浩(32)と勝負させるつもりなのだろう。茂木は故障に泣かされた時期もある。そのため、指名順位は3位以下になるとの見方がされている。しかし、茂木は「超」の付くほどのタイムではないが、走れる選手でもある。打撃に関しては、前年ドラフトで千葉ロッテに1位指名された「中村奨吾より上かも」(在京スカウト)の声も聞かれた。ただ、長打力、出塁率、守備、肩などで突出した特徴がないだけで、今年のような高校生にビッグネームがいるドラフトイヤーでなければ、1位指名もあり得る逸材である。 「巨人も茂木を追っています。村田修一に代わり得る三塁手候補として見ているんでしょうが、前年ドラフトで岡本和真を指名しており、その岡本を三塁手で育てようとしている以上、指名には慎重です」(在京球団職員) 茂木の素質に気づいている球団は少なくない。茂木が他球団に指名された場合、東京六大学リーグで通算100安打に到達した立教大・大城滉二(右投右打/遊撃手)、立命館大の好遊撃手・山足達也(右投右打)の名前も浮上してくるだろう。 内野手をゼロから育てるつもりなら、センバツ優勝投手の平沼翔太(右投左打/敦賀気比)を指名してくるかもしれない。平沼はプロスカウトの『野手』としての評価を聞かされており、国体では4番・遊撃で試合にも出ている。左打席から放つ打球の速さは一級品であり、身体能力も高い。独立リーグ・香川の大木貴将(23=右投左打/日大中退)は俊足堅守で一目置かれていた。ソフトバンクは基本的に走れない野手に関しては二の足を踏む。それは、逆に「走れる」、「身体能力が高い」選手を求めているからだ。 1位入札は高橋純平(右投右打/県岐阜商)だろう。「地元」のキーワードで考えるなら、福岡出身の今永昇太(左投左打/駒大)となる。抽選に失敗した場合は30代の多い先発スタッフとのバランスも加味し、大学生投手か、「3年先の投資」で高校生を獲ると思われる。大学生ならば、複数体制でチェックしてきた富士大・多和田真三郎(右投右打)だろう。ソフトバンクは左のリリーバーを厚くしたいとしており、異色投手の指名があるとしたら、BCリーグ・新潟の渡辺雄大(24=左投左打/青学大)かもしれない。「青学大にいた渡辺が好投している」との情報が流れ、北信越担当の各球団スカウトがチェックを入れていた。左のサイドスローは“使い勝手”も良いだけに、指名の可能性はある。 「平沢大河(右投左打/仙台育英)を将来の主力選手として上位指名してくる可能性もある」(球界関係者) 細川、鶴岡の両ベテランをカバーし、近年中にレギュラーに定着しそうな捕手として、戸柱恭孝(25=右投左打/NTT西日本)の指名が予想されている。 また、高校通算97アーチを放った黒瀬健太(右投右打/初芝橋本高)の上位指名も囁かれている。おそらく、捕手としてではなく、バッターに重点を置いた育成になるだろう。黒瀬も他球団が認める将来の大砲候補だが、「打撃フォームが個性的。左足を挙げ、無駄に力を入れる悪癖がある」と見る声も聞かれた。ホークスには育てる余裕、育成に費やす時間が他球団よりも長い。 王貞治球団会長は「一発の魅力を秘めた逸材」を好む。この黒瀬同様、巨人時代の教え子の子息である山本武白志(右投右打/九州国際大付高)も育ててみたいと思っている。1位指名で投手の補強に成功した場合、先行投資の指名となるだろう。
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スポーツ 2015年10月21日 16時24分
成績より集客力優先! ラミちゃんがDeNA監督就任の裏側
DeNAはラミちゃんの愛称で親しまれているアレックス・ラミレスが新監督に就任することを発表した。 中畑清前監督が退任した同球団では、横浜にゆかりある人物を中心に複数の候補をリストアップしていたが、最終的に白羽の矢が立ったのがOBでもあるラミレスだった。 ラミレスはMLBのロイヤルズ、パイレーツを経て、01年にヤクルトに入団。08年に巨人に移籍し、12年からの2年間はDeNAでプレー。13年には外国人選手として初の2000安打を達成した。しかし、同年限りで戦力外となり、翌14年は独立リーグの群馬ダイヤモンドペガサスでコーチ兼任選手としてプレー。だが、本人が希望したNPBからのオファーはなく、シーズン後に現役を引退した。 今季は群馬のシニアディレクターを務めた他、6月からはオリックスの一、二軍巡回アドバイザーを兼務したが、シーズン後に退団した。 DeNAにとっては、球団史上初の外国人監督の誕生となるが、“言葉の壁”があり、なによりNPB、MLBを通じ、コーチとしての指導経験がなく、指導者としては“未知数”。それなのに、なぜラミレスだったのか? 中畑政権下の4年間、その成績は最下位、5位、5位、最下位でBクラス脱出どころか、4位にすらなれず、10年連続Bクラスに沈んだ。にもかかわらず、球団は中畑前監督に留任オファーを出したが、本人が成績不振を理由に固辞した。成績は上向かなかったが、親会社がDeNAに代わり、中畑前監督就任後、劇的に変化があったのが観客動員だ。 11年の観客動員数は110万2192人だったが、12年以降、4年連続で増加し、今季は181万3800人まで増えた。つまり、中畑政権下の4年で、実に64.6%増を実現させ、待望の200万人動員も、目の前に迫ってきた。特に今季は最下位ながら、前年比15.9%のアップに成功したのだ。 「さまざまな企画チケットの販売など、球団の営業努力もありますが、中畑監督の明るいキャラクターがあったからこそ、成績不振であるにもかかわらず、飛躍的に観客動員が伸びたと推測できます。ぶっちゃけ、球団は成績が悪くても、観客動員アップが可能と学習したわけです。外国人ながら、中畑路線を継承するには、人気者のラミレスがうってつけとの結論になったようです。2年とはいえ、ラミレスはOBでもありますからファンの理解も得られやすい。成績はともかく、集客力を期待されての起用といってもいいでしょう」(某スポーツ紙記者) 球団は本拠・横浜スタジアムの運営会社の買収をもくろんでいる。現状、球場使用料が負担になっており、買収して一体経営が実現すれば、入場料収入、看板広告料収入の大幅増が可能で、健全経営が期待できる。 来季、やる以上はもちろん、目標はAクラス入りしてのCS(クライマックス・シリーズ)進出となろうが、ラミレスの監督就任で、利益優先の姿勢が色濃く出たといってもよかろう。(落合一郎)
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スポーツ 2015年10月21日 14時00分
浅田真央の不安 復帰戦で高得点もスローテンポ曲のナゼ?
浅田真央(25)が10月3日に行われたジャパンオープンで復帰演技を披露した。参考記録ながら、同大会で出した141.70点はソチ五輪で記録した自己ベスト142.71に迫るもの。昨年の世界女王のトゥクタミシェワ、ソチ五輪金メダルのソトニコワという強豪ロシア勢を抑えての大会最高得点で、浅田の完全復活を告げるメディアも見られた。 しかし、実際はそうではないという。 「浅田の“作戦勝ち”と言うべきでしょうね。ロシア勢をはじめ、海外の強豪選手は浅田がどんな演技を見せるのか、お手並み拝見といった雰囲気でした。少なくともロシア勢は、今シーズンファイナルで勝利するのは自分たちと思ったはず」(JOC関係者) 浅田のフリーでの選曲は『蝶々夫人』。振り袖をイメージさせる衣装で、色は“オトナ雰囲気”の紫。艶やかさを演出する演技構成ではあったが、ライバルたちの目は誤魔化せなかった。スローテンポの曲を選び、速い動きを必要としない演技構成になっていたのだ。 「浅田自身、その日の演技を自己採点で55点と話していました。演技のキレ、スピードは長期休暇していたとは思えないほど回復していましたが、ソチ五輪時と比べたらまだまだ。全盛期を知るライバルたちの目には、ゆったりとした構成で誤魔化したと映ったようです」(体協詰め記者) 浅田のブレーンである佐藤信夫コーチも“演技ミス”があったことを明かしていた。トリプルフリップを連続させるところがダブルループになり、演技後半に見せるはずだったトリプルフリップがシングルフリップになったという。 「25歳はフィギュア選手では大ベテラン。今後は妖艶な演技を取り入れていかなければなりません。10代、20代前半のように、キレやスピードだけでは世界と勝負できない」(同) 今後、浅田の課題は、いかに“オトナの色気”を演技に取り入れられるか。だが、これは日本女子選手がもっとも苦手とされる分野。齢とともにスローテンポを好むのは、世のオバサンたちばかり…。
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スポーツ 2015年10月21日 12時59分
ドラフト戦線異常アリ 先発投手も欲しいが、ヤクルトは外野手補強を優先
真中満監督(44)は先発投手と外野手の補強を求めたという。投手と外野手、その指名の優先順位はどちらが先か。また、将来性なのか、即戦力なのか…。東京ヤクルトスワローズも超高校級右腕・高橋純平(県岐阜商)に熱い視線を送り続けてきた。高橋の指名重複は必至であり、高山俊外野手(右投左打/明大)の1位入札を表明したのは、「欲しい選手を確実に獲る」ためだろう。おそらく、高山は単独指名になる可能性が高い。『左打ちの即戦力の外野手補強』という、真中監督のリクエストの1つは、まず適えられた。 もっとも高く評価している野手は、明大の外野手・高山俊(右投左打)だったが、スカウト陣には“欲”も出始めた。青学大の吉田正尚外野手だ。こちらも「右投左打」で、U-18日本代表と壮行試合を行った大学日本代表チームの4番を務めたスラッガーである。高山が安打量産タイプなら、吉田には一発の魅力がある。 「守備範囲の広さ、肩の強さでは明らかに高山のほうが上。吉田がこれまで大きく取り上げられなかった理由は守備難の課題があったためです」(大学野球関係者) ヤクルトの本拠地・神宮球場は広い球場ではない。ヤクルトのスカウト陣が迷い始めた理由は「狭い神宮球場なら、本塁打量産も」と読んだからだという。 ヤクルトはリリーフ陣が充実しており、先発投手も頭数は揃っている。1位指名の入札を高山か吉田に絞り込めば、抽選ナシで一人勝ちということもあり得る。 「真中監督は先発投手を補充したいと思っています。成瀬、新垣の勝ち星が伸びなかったからですが、館山、石川の両ベテランがすぐに崩れるとは思えません。そう考えると、将来性で、下位で高校生投手を指名してくるのではないか」(ライバル球団職員) 高橋、小笠原慎之介(左投左打/東海大相模)らは1位で消えるだろうが、ここに来て、仙台育英の好右腕・佐藤世那、花巻東の左腕・高橋樹也(左投左打)は「下位指名」との見方も強まってきた。まず、佐藤は力任せな投球フォームのため、「プロでやっていくには下半身から作り替えないといけない」とされ、高橋樹也は「様子を見たい」と曖昧な言い方をするスカウトも少なくない。 「高橋樹也は140キロ台のキレのあるボールを投げていたが、2年生以降はコーナーを丁寧に突こうという意識が強く、スピードを抑えての投球内容に変わってきた。悪いことではないが、技巧派でやっていきたいとしたら、変化球をもうワンランク高めないと…」(前出・同) 高校生投手をじっくり育てるつもりなら、両逸材を指名することも可能だ。 ほとんどの球団が即戦力系の大学生、社会人投手を2人は指名したいとしており、投打ともに戦力を揃えたヤクルトには「一人でいい」という余裕がある。佐藤、高橋樹也の指名順位を繰り上げて将来に備えることもできる。また、高橋純平の抽選に成功したとすれば、2位で高山か、吉田の残っているほうを指名し、3位指名から将来性のドラフトに切り換えられる。 「佐藤は地元楽天が放っておかないだろう」(在阪球団職員) 小笠原の影に隠れてしまったが、東海大相模の二枚看板の一人、好右腕・吉田凌(右投右打)、センバツで好投した龍谷大平安の高橋奎二(左投左打)もいる。 もっとも、近年のヤクルトは高校生投手の育成で成果を挙げていない。投手育成に躊躇いがあるとすれば、他球団が“二の足を踏む”社会人投手を獲るかもしれない。社会人トヨタ自動車の右腕・上杉芳貴(右投右打)は150キロを投げる。だが、27歳という年齢で他球団はさほど関心を示していない。また、七十七銀行の好投手・東谷優(24=右投右打)、鹿児島工高時代から「将来性」でマークされてきた江口昌太(21=右投右打/JX-ENEOS)もいる。江口は千葉ロッテのスカウトもマークしていたので、3〜4位での駆け引きが予想される。ヤクルトは社会人投手を続けて指名しており、昨年も上杉の名前は挙がっていたという。オールドルーキーが誕生するか…。