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ドラフト戦線異常アリ 先発投手も欲しいが、ヤクルトは外野手補強を優先

 真中満監督(44)は先発投手と外野手の補強を求めたという。投手と外野手、その指名の優先順位はどちらが先か。また、将来性なのか、即戦力なのか…。東京ヤクルトスワローズも超高校級右腕・高橋純平(県岐阜商)に熱い視線を送り続けてきた。高橋の指名重複は必至であり、高山俊外野手(右投左打/明大)の1位入札を表明したのは、「欲しい選手を確実に獲る」ためだろう。おそらく、高山は単独指名になる可能性が高い。『左打ちの即戦力の外野手補強』という、真中監督のリクエストの1つは、まず適えられた。

 もっとも高く評価している野手は、明大の外野手・高山俊(右投左打)だったが、スカウト陣には“欲”も出始めた。青学大の吉田正尚外野手だ。こちらも「右投左打」で、U-18日本代表と壮行試合を行った大学日本代表チームの4番を務めたスラッガーである。高山が安打量産タイプなら、吉田には一発の魅力がある。
 「守備範囲の広さ、肩の強さでは明らかに高山のほうが上。吉田がこれまで大きく取り上げられなかった理由は守備難の課題があったためです」(大学野球関係者)
 ヤクルトの本拠地・神宮球場は広い球場ではない。ヤクルトのスカウト陣が迷い始めた理由は「狭い神宮球場なら、本塁打量産も」と読んだからだという。

 ヤクルトはリリーフ陣が充実しており、先発投手も頭数は揃っている。1位指名の入札を高山か吉田に絞り込めば、抽選ナシで一人勝ちということもあり得る。
 「真中監督は先発投手を補充したいと思っています。成瀬、新垣の勝ち星が伸びなかったからですが、館山、石川の両ベテランがすぐに崩れるとは思えません。そう考えると、将来性で、下位で高校生投手を指名してくるのではないか」(ライバル球団職員)
 高橋、小笠原慎之介(左投左打/東海大相模)らは1位で消えるだろうが、ここに来て、仙台育英の好右腕・佐藤世那、花巻東の左腕・高橋樹也(左投左打)は「下位指名」との見方も強まってきた。まず、佐藤は力任せな投球フォームのため、「プロでやっていくには下半身から作り替えないといけない」とされ、高橋樹也は「様子を見たい」と曖昧な言い方をするスカウトも少なくない。
 「高橋樹也は140キロ台のキレのあるボールを投げていたが、2年生以降はコーナーを丁寧に突こうという意識が強く、スピードを抑えての投球内容に変わってきた。悪いことではないが、技巧派でやっていきたいとしたら、変化球をもうワンランク高めないと…」(前出・同)

 高校生投手をじっくり育てるつもりなら、両逸材を指名することも可能だ。
 ほとんどの球団が即戦力系の大学生、社会人投手を2人は指名したいとしており、投打ともに戦力を揃えたヤクルトには「一人でいい」という余裕がある。佐藤、高橋樹也の指名順位を繰り上げて将来に備えることもできる。また、高橋純平の抽選に成功したとすれば、2位で高山か、吉田の残っているほうを指名し、3位指名から将来性のドラフトに切り換えられる。
 「佐藤は地元楽天が放っておかないだろう」(在阪球団職員)
 小笠原の影に隠れてしまったが、東海大相模の二枚看板の一人、好右腕・吉田凌(右投右打)、センバツで好投した龍谷大平安の高橋奎二(左投左打)もいる。

 もっとも、近年のヤクルトは高校生投手の育成で成果を挙げていない。投手育成に躊躇いがあるとすれば、他球団が“二の足を踏む”社会人投手を獲るかもしれない。社会人トヨタ自動車の右腕・上杉芳貴(右投右打)は150キロを投げる。だが、27歳という年齢で他球団はさほど関心を示していない。また、七十七銀行の好投手・東谷優(24=右投右打)、鹿児島工高時代から「将来性」でマークされてきた江口昌太(21=右投右打/JX-ENEOS)もいる。江口は千葉ロッテのスカウトもマークしていたので、3〜4位での駆け引きが予想される。ヤクルトは社会人投手を続けて指名しており、昨年も上杉の名前は挙がっていたという。オールドルーキーが誕生するか…。

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