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ドラフト戦線異常アリ 左投手の成長次第で1位候補が変わる『トラの台所事情』

 藤浪に並ぶエース候補を獲る。競合覚悟で高橋純平(県岐阜商)の1位入札に行くと思われていた。しかし、スカウト陣にはまだ迷いがあるようだ。
 「岩貞(祐太)、横山(雄哉)と2年続けて左の先発タイプを1位指名しました。この2人が先発ローテーション入りしてくれることを念頭に入れての『右投手指名』が戦略でしたから」(関係者)

 岩貞、横山ともにその期待に応えきれていない。ここにローテーションの一角であるメッセンジャーの勝率が悪化したことも重なった。防御率こそ14年を上回る2.97をマークしたが、問題の勝率は5割6分5厘から4割2分9厘まで落ち込んだ。来季35歳を迎えるメッセンジャーが蘇るのかどうか疑問であり、さらに、36歳・能見篤史、32歳・岩田稔の両ベテラン左腕の年齢を考えて、「やはり、左投手に切り換えるべき」の声も出てきた。同時に「左右関係なく、チームを背負ってくれそうな投手を」の“悲鳴”も挙がっていくという。
 左投手に切り換えるとしたら、小笠原慎之介(東海大相模)、後者の見解で行くならば、左太股の回復具合を再確認したうえで、高橋入札となるそうだ。
 「小笠原は走者を背負った場面での投球面で、まだ課題が多い。現時点で、劣勢でのメンタル的な強さ、逞しさは高橋のほうが上。高橋も一軍定着までさほど時間は掛からないと思うが、先発ローテーションの再編を急ぐのであれば、同じ競合覚悟でも、今永昇太(左投左打/駒大)、上原健太(左投左打/明大)に切り換えたほうがいい」
 チーム内部にはそんな声も出ているそうだ。

 この時期に来て、意見が別れたのはチーム補強の統括者が変わったからだ。岩貞、横山の伸びしろを念頭に入れた『将来性のある、右の先発タイプの補強案』は、故・中村勝広GMによるもの。現時点で高野栄一本部長が引き継いでいるが、気になる点がもうひとつある。去る9月29日、ライバル巨人がスカウト会議を開き、山下哲治スカウト部長が1位候補を10人前後に絞り込んだ旨を明かした。その約10人のなかに平沢大河(右投左打/仙台育英)が含まれているというが、この平沢を早くからマークしていたのは阪神だった。故・中村GMは右投左打の内野手が欲しいとし、長打力もあるこの平沢を高く評価してきた。そのことは、当然巨人も知っていたはず。巨人側があえて平沢の名前を挙げたということは、阪神に対する陽動作戦とも解釈できる。「約10人の1位候補」とは、最後に「1人に絞り込む本命」と「外れ1位候補」のこと。平沢が外れ1位候補なら、2位以下で指名できなくなるわけだ。

 「外野手のオコエ瑠偉(右投右打/関東一高)に対する評価を、上方修正しています。人気もあるし、こちらも単独指名もあり得る全球団の1位候補です。阪神の上位指名候補の選手、全てが他球団にかっさらわれる危険があります」(プロ野球解説者)
 今さらだが、1位は抽選だが、2位以下は下位チームからのウェーバー制となる。今季ペナントレース3位の阪神はウェーバーの順位は後ろの方になるため、思うような補強はできないだろう。

 大商大・岡田明丈投手(右投左打)も評価しているという。関西を代表する好右腕・桜井俊貴(右投右打/立命館大)、東海大・吉田侑樹(右投右打/東海大)などの投手も阪神がマークしてきた。右投げ左打ちの好内野手は大学球界にもいる。國學院大学の柴田竜拓もそうだが、亜細亜大・藤岡裕大は玄人好みのする三塁手である。一年途中からレギュラーとなり、一塁送球のボールのスピード感がある。捕球でも一歩目の動きが俊敏、かつ果敢で力強さすら伝わってくる。
 将来性で阪神が評価しているのは、日隈ジュリアス(左投左打/高知中央)。真っ直ぐで勝負する攻撃的な投球が信条で、地方予選を見守ってきた山本宣史スカウトが「手首の強さはハーフならでは」と唸っていた。阪神は上位指名で苦しむかもしれないが、下位で将来性豊かな高校生を大量に獲得してくるかもしれない。

※山本宣史スカウトのコメントは共同通信、及び地方紙掲載のものを参考といたしました。

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