だが、最近ではやや変わった写真を撮る人も多いという。例えば好きなアイドルや芸能人の年齢や関連する番号の柱へ行き、アクリルスタンドやぬいぐるみと一緒に写真を撮る。または万博に来られなかった家族の年齢や誕生日の柱で写真を撮るなど変化しているようだ。いわば、神社や寺における「代理参拝」のような「代理観光」のような現象が万博会場で行われているのだ。
「代理参拝」はかつて日本で多く行われていた「お伊勢参り」にも使用された制度である。江戸の町民のなかには仕事や病気、金銭的事情で伊勢神宮へ参拝できないため、代表者を立てて自分の分も参拝して貰うというもので、なかには飼い犬が江戸から伊勢まで代理参拝することもあった。いわば「代理万博」といっても良い現象が生まれているのだ。
万博は半年間の開催であったため、行けなかった人も多く、「自分だけではなく大事な人も」万博を楽しむ、という実に日本人らしい行動と言えるだろう。
残りの数日、入場者とともに大屋根リングへの代理観光もますます増加するのではないだろうか。