「9月19日の敗戦が象徴的でした。敗戦投手は大竹、試合終盤にダメ押し点を献上したのが宮國と戸根。せめてもの救いは、7番サードでドラフト1位の岡本をスタメンで使い、打点を挙げたことですが、補強(=大竹)とドラフト、育成(=宮國、戸根)の失敗を証明したような試合でした」(スポーツライター・飯山満氏)
今オフの補強ポイントは三塁手と左投手、そして正捕手である。不振の長引く村田修一に代わる三塁手は確かに必要だ。一部では国内FA権を取得しつつもまだ行使していないソフトバンク・松田(=三塁手)、西武・炭谷(=捕手)をけしかけて“強奪する”と伝えられたが、本当はもっとエゲツない。
「松田はソフトバンクが手放さない。狙うは前DeNAのグリエルですよ。DeNAを蹴って即メジャー挑戦かと思ったら、キューバ国内リーグに参加しました。チーム貢献度がゼロに近い同じキューバ出身のセペダを、巨人が来季も残留させるのは、神経質なグリエルのサポートをしてもらうため。岡本が一人前になるまでは『三塁・グリエル』です」(球界関係者)
巨人が金満補強を回避する理由はドラフト会議で指名する選手を変更するためだ。巨人は高校生上位のドラフトに切り換えるという。その上位指名の高校生が一人前になるまでの外部補強なのだ。
「オコエ瑠偉(関東一高)を1位指名するシミュレーションが始まった」(前出・同)
これまで巨人の1位は原監督の関係で“親戚同然”の左腕・小笠原慎之介(東海大相模)だと思われていたが…。
「小笠原はプロ志望だが、校内の進学説明会も受けています」(同)
小笠原はプロ入りを決めかねている。9月20日時点で、高野連に『プロ志望届』を提出していない。ここで浮上してきたのがオコエで、彼に関しては「外れ1位でかなりの球団が重複するのでは」との見方が強かった。当然、その場合、「外れの外れ」も用意しておかなければならない。巨人はそこに目を付け、『単独1位』作戦に変えたという。
もっとも、その作戦がハマるのは、本命・小笠原が進学に傾いたときだけ。だが、こんな声も聞かれた。
「U-18W杯の大会中にプロ入りを表明していたのはオコエ、高橋純平(県岐阜商)だけ。世界と戦ってプロ入りに進路を変えつつある高校生も何人かいましたが、早稲田、法政、東海大グループも熱心な勧誘を続けており、進学先を確保した上でプロ入りも検討しているのが真相です。時間が経てば、『世界』の熱も冷めるはず。ドラフトが近づくころ、甲子園を沸かせた高校球児の大半は進学が決まっているでしょう」(前出・在京職員)
巨人は高校生指名に命運を賭けるほど危機的状況に追い込まれているようだ。