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W杯“歴史的快挙”でも脱しきれない日本ラグビー界が抱える不安

 「全てのスポーツの歴史上で最大の下剋上!」
 9月19日に行われたラグビーW杯の初戦で、日本代表が優勝候補の南アフリカ代表に勝利したことを、世界中のメディアが驚きとともに速報で伝えた。
 「波乱が起きにくいといわれる競技だけに、英ブックメーカーでは、日本の優勝オッズは5000倍でした。振り返れば1995年大会の1次リーグで、日本代表はオールブラックス(ニュージーランド代表)と対戦し、17-145という過去7大会の最多失点記録で大敗した。それほど弱かったのです。次回2019年のホスト国として『あの屈辱を払拭することができた』と関係者も大喜びしています」(スポーツ紙記者)

 アジア初のラグビーW杯開催にこぎ着けた日本は、当初、新国立競技場の“こけら落とし”に開幕戦を予定していた。ところが、建設計画の見直しにより大会に間に合わない可能性が高まり、新競技場の使用を断念。日本ラグビー協会の森喜朗名誉会長が、苦虫をかみつぶしたような表情で会見した姿は、まだ記憶に新しい。
 「これでまた、新国立をW杯に間に合わせようと世論が盛り上がるかもしれませんが、不安は拭えません。例えば、かつてあれほど人気のあった大学選手権でさえ、今や凋落の一途をたどっていますからね」(ラグビー専門誌記者)

 今年1月、東京・味の素スタジアムで行われた帝京大学対筑波大学の決勝戦。5万人の収容能力に対し、公式発表の入場者数は1万2107人だった。伝統の早明戦や早慶戦でさえ、その傾向は変わらないという。
 「サッカーなどと違い、ラグビーの代表チームは国籍を問わない所属協会主義。原則として他国の代表経験がなく、両親か祖父母の1人が日本生まれ、もしくは本人が3年以上続けて日本に在住していれば、日本国籍は必要ありません」(同)

 この独特なチーム編成がラグビー日本代表に対する支持が広がりにくい一因でもある。“歴史的快挙”を成し遂げたとはいえ、4年後の自国開催まで熱し続けるのは容易ではなさそうだ。

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