社会
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社会 2014年04月23日 11時45分
どちらが優先? 高校教諭が息子の入学式出席のため勤務先の入学式欠席し物議
自身の子どもの入学式と、勤務校の入学式と、どちらを優先すべきか? 埼玉県立高校の50代の女性教諭が、自身の長男の高校入学式に出席するため、4月8日に行われた勤務校の入学式を欠席していたことが分かり、物議をかもしている。埼玉県教育委員会によると、女性教諭は4月から勤務先の高校で、新1年生の担当を受け持つことになったが、別の高校に通う長男の入学式と日程が重なったため、勤務校より息子の入学式を優先した。 女性教諭は事前に校長に相談し、許可を取った上で、休暇届を提出。あらかじめ欠席を詫びる文書を作り、入学式当日、別の教諭が保護者や生徒らに配った。校長は入学式の担任紹介で、欠席の理由を説明した。県教委に「今の教員は教え子より、息子の入学式が大切なのか」といった趣旨の苦情が入って判明。調査したところ、他にも男女3人の担任教諭が子息の入学式出席を理由に、勤務先の入学式を欠席していたことが明らかになった。 15日までに県教委には147件の意見が寄せられ、校長や教諭への批判が計82件、教諭の行動に理解を示すものが65件で、賛否両論が渦巻いている。 関根郁夫県教育長入学式について「教員は基本的に出席する。私のときは子供の入学式には行かなかった」としたものの、その一方で「時代も少し変わってくる。我々の時代感覚と違う。どちらが良い、悪いというのではない。難しい問題」と話した。 ひと昔前なら、「職責放棄」と大批判を浴びそうな女性教諭の行動。ただ、時代も変わり、公より私が大切な場合もある。親としては大切な息子の入学式だ。教諭側には年休を取る権利もあり、どちらが優先かは難しい問題だ。(蔵元英二)
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社会 2014年04月22日 16時00分
才色兼備の元カノを刺殺 社内不倫男が爆発させた“怒りのジェラシー”(1)
「公園の遊歩道に血まみれの女性が倒れている!」 こんな119番通報で救急隊員が駆けつけたところ、被害者の山本佳代子(32)が首を刺されて倒れていた。被害者の勤務先であるメガネ店は遊歩道の真裏のビル内にあり、被害者はいつも遊歩道に通勤用のバイクを止めていた。 警察の捜査で、まもなく不審な人物が2人浮かび上がった。一人は犬猿の仲だった勤務先の店長である。事件直前まで一緒にいたことは本人も認めていたが、事件への関与は否定した。 もう一人は中学時代の元カレの男だった。事件の数日前、同窓会に出席した佳代子は元カレと再会して言い寄られ、事件前日には何度も復縁を求めるメールを送られていた。 警察はこの2人を中心に被害者の交流関係を洗っていたが、事件から5日後、全くノーマークだった系列店長の亀田明生(47)が突然、「私が殺しました」と言って自首してきた。亀田は憔悴しきっており、「自殺しようと思ったが、それでは彼女に許してもらえないと思い、自首することにした」などと話した。 亀田は取り調べにも素直に応じて、被害者を殺すことになった経緯を丁寧に説明した。亀田はほんのわずかの間、佳代子と不倫関係にあった時期もあった。 だが、1年前に別れ、その後は元の上司と部下に戻り、何のわだかまりもなく付き合っていたが、亀田が語った犯行の動機は信じ難いものだった。 「彼女は非の打ち所がない完璧な女性だった。おそらく、理想の結婚相手を見つけて幸せになるだろう。それに引き換え、自分はバツ2となり、給料も下げられて閑職に追いやられることになった。彼女にも世の中、うまくいかないことがあるということを教えてやりたかった。人間的なジェラシーを感じていたので、彼女が幸せになるのを阻止してやりたかった」 亀田はメガネ専門学校を経て、この業界の技術者として生きてきた。複数の会社を渡り歩き、その間に1回目の結婚をしたが、妻子をもうけたものの離婚。39歳で2度目の結婚をした。 その後、事件当時に勤めていたメガネ店チェーンに転職したが、そこで知り合ったのが佳代子だった。 佳代子は美人で聡明なだけではなく、目の不自由な客を見つけるとさっと駆け寄って手足になるような優しさを兼ね備えていた。同僚にも丁寧に接し、職場での人間関係も良好。以前はブティックで自らがモデルを兼ねるハウスマヌカンをしていた。転職する度に自分自身がスキルアップしていくタイプで、社長にも一目置かれていた。 問題はそんな彼女が亀田の一夜の誘いに乗ってしまったことである。亀田も不思議に思ったが、「初めて会った時、キラキラしたオーラが見えた。私、一目ボレしないタイプなのに一目ボレしちゃった。私のおばあちゃんが占い師で、亀田さんはご縁があるって言ってたから」などと話した。
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社会 2014年04月22日 15時00分
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 国家「利権」特区
政府は3月28日に、地域を限定して規制緩和などを進める国家戦略特区の対象となる6地域を発表した。 国家戦略特区は、アベノミクス第三の矢の一つで、医療や農業、労働分野などに横たわる「岩盤規制」を打破し、経済の活性化を図るのが目的だ。岩盤規制が強固であるため、全国で一気に規制緩和を進めるのは難しく、そのために特区で突破口を開くというのが表向きの導入目的になっている。 今回、特区に選ばれたのは、大都市では(1)東京都と神奈川県、千葉県成田市で構成する「東京圏」、(2)大阪府と兵庫県、京都府の「関西圏」、農業特区として、(3)新潟市と(4)兵庫県養父市、雇用特区で(5)福岡市、観光特区として(6)沖縄県の合計6地域となった。 小泉内閣の時代にも構造改革特区という制度があったが、それは一種の社会実験だった。規制緩和などの施策が特区の中でうまくいけば、その制度を全国に広げるという目的があったのだ。だから、特区の指定地域は地方が中心だった。 ところが安倍内閣の国家戦略特区は、社会実験ではなく、実利を目的としている。海外との競争を勝ち抜く経済構造を作り上げようというのだ。だから、指定地域も、もともと経済力が強い大都市が中心となる。 実際、今回の地域指定も、当初の案では、東京・大阪・名古屋の三大都市圏が対象になるとされていた。私は、地域間の経済格差を拡大するそうした政策には基本的に反対だが、大都市を強くするというのは、一つの考え方であることには違いない。 ところが、今回の指定に際して、あろうことか名古屋が指定から漏れてしまったのだ。なぜ名古屋が外されたのか。噂されている理由は、大村秀章愛知県知事と河村たかし名古屋市長の存在だ。大村知事は自民党に離党届を突き付けて知事選に立候補した。河村たかし市長は、もともと反自民だ。2人の存在が面白くない政府・与党が、名古屋を外したという憶測だ。 もちろんこの憶測が正しいという証拠は何もない。しかし、名古屋が外された理由はよくわからない。 一方、今回の指定地域が客観的な指標に基づいて選ばれていないことは事実だろう。特区指定を受けた沖縄県は、観光特区として認められている。観光振興は、全国ほぼすべての地域が力を入れている政策だ。そのなかで沖縄だけが選ばれたのは、やはり普天間問題での配慮があったためとみられる。同じく新潟市が農業特区に選ばれたのも、原発再稼働に厳しい態度で臨んでいる泉田裕彦新潟県知事への配慮があったのかもしれない。 国家戦略特区は、指定されれば地域の企業に大きな恩恵がもたらされる。だから、日本経済の活性化というよりも個別地域に対する飴玉の役割を果たしているのではないだろうか。 国家戦略特区で特定企業だけが規制緩和のメリットを受ければ、結果的にその企業が独占権を手にすることが可能になり、大きな利益が得られる。そして利権を得る企業や地域は、政権と親しいところが選ばれる。だとすると、国家戦略特区の本質は、規制緩和ではなく利権の付与ということになる。だから、国家戦略特区という名前を捨てて、早く国家利権特区に名称変更したほうがよいのではないか。
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社会 2014年04月22日 11時45分
裁判官出身の法務省幹部が庁舎内の女子トイレで盗撮か?
まさか…。 裁判官出身の法務省の幹部職員(50)が、同省庁舎(東京都千代田区霞が関)内の女子トイレの個室に、カメラを仕掛けて盗撮した疑いをもたれ、警視庁に任意で事情聴取されていたことが分かった。 捜査関係者によると、今年3月に庁舎内の女子トイレに、小型のカメラが仕掛けられているのを女性職員が発見し、同省が警察に被害を届け出た。 警視庁がカメラの映像を調べた結果、この幹部職員が関与した疑いがあることが分かり、事情を聴いたところ、カメラを取り付けて盗撮したことを認めたという。 警視庁は東京都迷惑防止条例違反の容疑で、幹部職員を書類送検する方針。カメラには画像データが残されており、警視庁で解析している。 同省によると、この幹部職員は、仙台地方裁判所や東京地方裁判所などで裁判官を務めた経験があり、同省大臣官房参事官などを経て、3月まで同省財産訟務管理官を務めていたエリート中のエリート。 同省秘書課は「庁舎内で盗撮を疑わせる事案があったのは事実」としながらも、「建造物侵入容疑で警視庁に被害届を出しているが、捜査中なので、それ以上のコメントはできない」として、具体的なことは公にしていない。 裁判官、大臣官房参事官などまで歴任したエリート職員の心に、いったい何が起きたのか? 驚きを隠せない事件である。(蔵元英二)
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社会 2014年04月22日 11時00分
医薬業界のパンドラの箱 ノバルティス爆弾炸裂に怯える面々
日本法人の社員は患者よりも、先生方を優先しがちである。新たな問題が出てきても、もう驚かない−−。 大手製薬会社、ノバルティスファーマは4月3日、二之宮義泰社長ら日本法人トップを更迭し、同日付でドイツやアイルランド法人などの社長を歴任したダーク・コッシャ氏の社長就任を発表した。その会見場にスイス本社から駆け付けたデビッド・エプスタイン社長は、医薬スキャンダルに揺れる日本法人の“病根”をそう指摘し、謝罪した。 社長発言の前段は目配りを怠ったことを棚に上げ、自らに都合がいいカルチャーショックのアピールとも取れるが、後段は「極めて意味シン」と捜査関係者は苦笑する。 今年1月9日、厚生労働省は薬事法違反(誇大広告の禁止)で、ノバルティスの日本法人を東京地検に告発した。同社の高血圧治療薬『ディオバン』は、東京慈恵会医科大学などでの臨床試験に同社の社員が身分を隠したまま深く関与。論文に掲載された試験データも製薬会社に都合よく改ざんされ、これを武器にノバルティスが販売促進を加速させていったのだから罪作りだ。そして厚労省の告発を受け、東京地検特捜部は2月19日、同社を家宅捜索した。事件の炸裂は「早ければ5月の連休明け」(同・関係者)と囁かれている。 それを見据えたかのようなトップ交代に続く本社の社長発言は、「日本法人を野放しにしてきた結果、もっと衝撃が大きい事件に発展するかもしれない」(同)とも受け取れるのだ。 「実をいうと捜査当局は当初、贈収賄での立件を考えたフシがある。これならばノバルティスだけでなく大学もターゲットになる。しかし東大、千葉大、京都府立医大などの国公立大学ならばともかく、改ざんデータ論文にドップリ関与していた慈恵医大などは、民間の私学ゆえ立件できない。そこで前代未聞ともいうべき誇大広告での立件に切り替えた。突破口さえ開けば問題がゾロゾロ出てくるとの読みがあったはずです」(検察OB) 果たせるかな、同社には新たな問題が浮上している。白血病治療薬『タシグナ』の臨床研究を巡る東大医学部附属病院・血液腫瘍内科とのズブズブの関係だ。 東大病院が3月14日に記者会見で明らかにしたところによると、製薬会社の助けを受けない「医師主導臨床研究」にもかかわらず、患者の性別や生年月日、イニシャル、副作用などの個人情報が1年近くにわたってノバルティスに流出していたという。個人が特定できる患者IDが第三者に漏洩すること自体が個人情報保護法に抵触する可能性が強く、「絶対、あってはならないこと」(門脇孝・同病院長)である。 ところがノバルティスの社員は臨床研究に際し、患者宛ての説明文書やアンケートの回収などにも関与していた。それどころかノバルティスの社外調査委員会は4月2日、即ち社長更迭の前日に「製薬会社丸抱えの研究。(東大病院の)医師も各種サービスを期待し、受け入れていた」と斬って捨てた。東大病院の医師は“みなし公務員”つまり収賄側になりうる立場であり、もし不明朗な金銭授受の裏付けが得られれば、東京地検特捜部には「待っていました」と映る。 スイス本社の社長が漏らした「新たな問題」は他にもある。ディオバンの国内特許は今年で切れる。それを待って同じ成分のジェネリック医薬品が実に34社から登場する。先行の利を生かして“商権”を死守しようにも、同社に対するイメージ悪化から「多くの病院が後発メーカーへ切り替え、誰も振り向かなくなる恐れが強い」(業界関係者)のだ。 加えて厚労省が刑事告発を検討していた昨年暮れ、メディアの取材攻勢が始まると社員が資料をシュレッダーにかけ、電子ファイルを削除するなどの証拠隠滅を図った。これ自体が捜査当局によって犯罪として立件されかねない。揚げ句にメディア対応の心得を記したメールが「一部メディアや捜査機関に流れた」(情報筋)という笑うに笑えない話もある。 「新聞、テレビは事件の炸裂に向け、カウントダウンが始まったかのように報じていますが、全てのメディアがそうだとは限りません。ノバルティスは『日経メディカル』など医学専門誌でディオバンの効能を盛んに宣伝していた。ノバルティスの“媚薬”効果というべきか、そのたいこ持ちを務めた学者先生も少なくない。これで事件が芋ズル式に拡大すれば彼らは無傷で済むわけがなく、当然ながら高い代償を払わざるを得なくなる。自業自得とはこのことです」(経済記者) いま、STAP細胞の真贋を巡る小保方晴子女史が“渦中の人”になっている。その嵐が過ぎ去った後、ノバルティスが“お騒がせ戦線”の堂々たる主役に躍り出るのは間違いない。
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社会 2014年04月21日 11時45分
世間はどう見た? STAP細胞・小保方晴子氏の反論会見に納得したか?
STAP細胞はあるのか、ないのか? 1月28日、理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダー(30)がSTAP細胞を発表したが、その後、次々に疑惑が生じた。 理化学研究所では、4月1日の会見で、小保方氏の研究論文をねつ造、改ざんや故意による研究不正があったと発表。 それに対して、不服申し立てをした小保方氏が同9日に反論会見。冒頭で、「この度は、STAP細胞に関する論文の作成に関し、私の不注意、不勉強、未熟さゆえに多くの疑念を生み、理化学研究所及び共同執筆者の皆さまを始め、多くの皆さまにご迷惑をおかけしてしまったことを、心よりお詫び申し上げます。また、責任を重く受け止め、深く反省しております。本当に申し訳ありませんでした」と謝罪。 それでも、小保方氏は「私自身200回以上、作成に成功した」と発言。ねつ造、改ざん疑惑に対して反論し、「STAP細胞は本当にあるんですか?」との質問には、「STAP細胞はあります!」とキッパリ言い切った。 だが、会見では、それを裏付けるような発言はなく、「STAP細胞が本当にあるのか」を具体的に示す事項は出てこなかった。 小保方氏はねつ造、改ざんと決めつけられた理研に対し、「裏切られたという気持ちがあるのか?」との問いには、「そのような気持ちは、持つべきではないと思っております」とコメントした。 そこで、「Yahoo!ニュース」では、「小保方リーダーの会見に納得?」との意識調査を、4月9日〜19日に実施。24万6053票(男性=75.4%、女性=24.6%)の回答があった。 その結果は、「納得できなかった」が12万7301票(51.7%)と過半数を超えた。「納得した」は7万4477票(30.3%)、「内容が分からなかった」が2万5640票(10.4%)、「見ていない」が1万8635票(7.6%)だった。 会見を見た人にとってみれば、STAP細胞が本当にあるのなら、誰しも具体的に証明してほしいと思うだろう。多くの人が「納得できなかった」と回答するのも当然のこと。この問題は長期化しそうな気配だが、小保方氏が本当に200回以上も作成に成功しているのであれば、それを万人にも分かるように示してほしいものだ。(リアルライブ編集部)
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社会 2014年04月21日 11時45分
東京メトロ駅員が乗客のICカードをすり替え残額を着服 通勤時に不正乗車も
東京メトロ・丸ノ内線の男性駅員(25)が、乗客から預かったICカード(パスモ)を、残金の少ない自分のカードとすり替えて、チャージされていた残額約6000円を着服していたことが分かった。 同社によると、駅員は3月27日午後5時10分頃、同線・四ツ谷駅で、誤って改札を出てしまったと申し出た女性乗客のICカード(残額1310円)を預かった際、自身が所持していたICカード(残額数百円)とすり替えて、乗客のICカード残額を着服した。 さらに、4月8日午後4時40分頃、同線・四谷三丁目駅で女性乗客から預かったICカード(残額4699円)を、同様に自身のICカード(残額970円)とすり替えて、その残額を着服した。2件の着服額は計6009円。 四谷三丁目駅ですり替えられた乗客が、他駅にて精算した際、残額が少ないことを不審に思い、同15日に同駅に相談。ICカードの処理をした駅員に事情を聴いたところ、上記2件の着服を認めた。 また、駅員は通勤定期代を支給されているにもかかわらず、定期券を購入せず、ICカードで乗車。その乗車記録を勤務改札窓口で取り消すことで、正規の運賃を支払わず不正乗車にて通勤していたことも判明した。不正乗車した運賃は計3140円。 駅員は競馬やパチンコのギャンブルにのめりこんで多額の借金があり、金に困っており、「不正をするつもりで、胸ポケットに自分のICカードを入れて準備し、客の死角になる場所ですり替えた」と話しているという。 同社は「当該行為は鉄道従事員としてあるまじき行為であり、お客様をはじめ関係の皆さまに、大変ご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます」と陳謝。駅員については、社内規則に則り、厳正に処分する。(蔵元英二)
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社会 2014年04月21日 11時00分
NASA関連調査報告 人類は数十年後に滅亡するウソ・ホント(2)
また、レポートには「エリートは浪費が行き過ぎて、平民に飢餓をもたらし、それがひいては社会の崩壊をもたらす。不平等が原因で飢餓が起こり、それが労働者喪失に繋がって起こる」とあり、解決策は主に二つしかないという。一つは、資源がもっと平等に配分できるように経済の不平等を減らすこと。二つめは資源負担の軽い再生エネルギーに依存し、人口増加を抑制することで、資源消費を劇的に減らすことだと結論づけている。 しかし、これに関しても村上氏が反論する。 「経済発展が著しいブラジル、ロシア、インド、中国の4カ国に、南アフリカ共和国を加えた5カ国をBRICsと呼びます。これらの国は人口増加が著しいが、経済発展で中流層も増えた。平均寿命も伸び、資源消費も増えたものの、鉄鉱石や石炭、天然ガスが豊富で資源大国でもある。これらの国は経済的には自国を守りますから、富める者と貧しい者の決定的な二極化はしないのです」(村上氏) ジャーナリストの窪田順生氏もこう語る。 「欧米人が書いたこの手のレポートを読んでいつも思うのは、キリスト教的な終末思想が背後にあり、“人類は破滅に向かう”と決めつけていることです。しかも、彼らは西洋的な価値観でそう断じる反面、新しいビジネスをちゃっかり進めていますからね」 とはいえ、破滅に向かっていると言えなくもない現実もある。気候変動への対応だ。 国連機関のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の最終報告が先頃まとまり、パチャウリ議長は「地球温暖化(気候変動)の影響は全ての大陸に及んでいる。この惑星の誰も気候変動の影響を受けないでいることはできない」と警鐘を鳴らした。 このまま温暖化が進めば、2081年〜2100年の間に、気温は最大4.8℃、海面は最大82センチ上昇すると予測され、洪水被害は3倍、熱中症の死者は2倍になるという。 「洪水、熱波、大型台風でとりわけ大都市の被害は大きくなる。スイスの保険会社の最新報告では、世界で自然災害リスクが最も高い都市は、なんと東京と横浜(地震・津波)でした。さらに5位にも大阪と神戸(暴風雨・河川の氾濫・津波)が入っている。いかに日本という国が危ない環境にあるかわかるデータですが、国は東京に'20年に運転開始の火力発電所の建設許可を出し、その一方で原発を再稼働させる。なぜ自然エネルギーにもっと積極的になれないのか不思議でなりません」(前出・サイエンス記者) 諸外国はともかく、日本の政治家のバカさ加減はレポートにある通りではないだろうか。しかし、資源が枯渇しそうになると、それに代わるものを技術革新で生み出す。人類滅亡の危機があるとすれば、今回は切り抜けられるのか。
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社会 2014年04月20日 16時00分
福岡リサイクルショップ経営夫婦 周囲に不明者続出のナゾ!
一昨年、大量殺人に発展して注目を集めた「尼崎事件」。それを髣髴させる事件が福岡で発生し、謎が深まっている。 社会部記者がこう語る。 「事件は、4月11日に福岡県警捜査一課と筑後署が、同県筑後市のリサイクルショップ経営者・中尾伸也(47)と妻の知佐(45)を窃盗容疑で逮捕したことが発端。2人は知人男性名義のキャッシュカードを3枚偽造。'07年10月から'13年11月にかけて八女市のATMから10数回にわたり53万円を引き出していたが、周辺に数人の行方不明者がいるとの噂があり、県警が強制捜査に着手したのです」 県警は4月11日から警察官を大量増員し、中尾容疑者が経営するリサイクルショップや自宅、両親の自宅などを家宅捜索。警察犬を動員し、リサイクルショップの庭を掘り返すなど、「明らかに遺体の発見を想定した捜索を行っている」(同)のだ。 もっとも、県警がここまで大規模な捜索を開始したのには、理由があるという。 「実は、中尾夫妻周辺に行方不明者がいるとの疑惑は、昨年地元紙が報じているのです。捜索は、『容疑者の中学生になる娘が行方不明』との噂を受けて行われたものだが、娘の無事は確認された。ただ、一方で中尾容疑者が福岡で金融業を始めた時に一緒に商売をしていた50代の男性やその親族、店の従業員3人の行方がわからなくなっているという。県警は捜索と同時に、その確認を急いでいるのです」(地元紙記者) また、県警が動いた裏には、さらに別の理由も存在するという。それが、中尾容疑者が抱えていた多額の借金なのである。 「'04年に両親が商売に失敗して多額の負債を背負い、中尾容疑者もかなりの負債を負ったという。両親の家は競売に掛けられ、それを親戚が落札。現在はこの親戚が両親から家賃を取って貸している状態です。多額の借金を抱え、金融業、リサイクルショップと事業をする中で挽回を図ってきたが、ここ3年間は再び多額の借金を抱えたという。その過程で何人かの行方不明者が出ているのです」(中尾容疑者の知人) 警察は当面、行方不明者の発見に全力を挙げる方針だが、真相の解明はいつになるのか。
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社会 2014年04月20日 11時00分
安重根“犯罪者発言”の根深さ
菅義偉官房長官が、中国に設立された安重根記念館について「(伊藤博文を暗殺した)安重根は犯罪者。テロリスト記念館だ」と指摘すれば、韓国外交部の報道官も「日本の官房長官の発言は安重根義士を過度に見下げたもので、非常に愚かな表現だ」として強く非難。互いに激しい非難を応酬した。 これを専門家はどう見るのか。『伊藤博文を撃った男-革命義士安重根の原像』(中公文庫)の著者である、ノンフィクション作家の斎藤充功氏が言う。 「伊藤公は、明治政府の首相まで務めたあの時代の英傑。菅官房長官の発言はごく自然に出た言葉だと思う。一方、韓国国民にとって安重根は祖国の英雄。この気持ちもわかります」 暗殺は1909年10月26日に起きた。統監を辞任して枢密院議長となった伊藤は、日露交渉のために満州のハルビンを訪れた際、ハルビン駅で安重根に射殺されたとされている。 しかし、ハルビンを訪れ現地取材した斎藤氏はこう語る。 「暗殺にはいろいろと不明な点もある。胸を撃たれ死亡した伊藤公ですが、銃弾の入射角は上から下に入っているのに、安重根は低い姿勢で撃っている。それなのに、遺体は解剖されることもなかった。そんなことから、狙撃手は他にいるという説もあるのです」 しかも、伊藤が訪れた時期にも疑問が残るという。 「すでに68歳だった伊藤公を、ハルビンに呼んで日露交渉する必要があったのか。わざわざハルビンを指定して安重根と遭遇させたことについても、謀略のニオイがしないでもない」(同) 民族主義者、安重根の命をなげうった抗日活動か、それとも謀略か−−。 「韓国内ではいろいろな説があることはあまり知られていません。その中で記念館を建設し、韓国、中国が日本批判を喧伝している。この対立は容易に解決しないでしょうね」(同) 論争の根は深い。