裁判官出身の法務省の幹部職員(50)が、同省庁舎(東京都千代田区霞が関)内の女子トイレの個室に、カメラを仕掛けて盗撮した疑いをもたれ、警視庁に任意で事情聴取されていたことが分かった。
捜査関係者によると、今年3月に庁舎内の女子トイレに、小型のカメラが仕掛けられているのを女性職員が発見し、同省が警察に被害を届け出た。
警視庁がカメラの映像を調べた結果、この幹部職員が関与した疑いがあることが分かり、事情を聴いたところ、カメラを取り付けて盗撮したことを認めたという。
警視庁は東京都迷惑防止条例違反の容疑で、幹部職員を書類送検する方針。カメラには画像データが残されており、警視庁で解析している。
同省によると、この幹部職員は、仙台地方裁判所や東京地方裁判所などで裁判官を務めた経験があり、同省大臣官房参事官などを経て、3月まで同省財産訟務管理官を務めていたエリート中のエリート。
同省秘書課は「庁舎内で盗撮を疑わせる事案があったのは事実」としながらも、「建造物侵入容疑で警視庁に被害届を出しているが、捜査中なので、それ以上のコメントはできない」として、具体的なことは公にしていない。
裁判官、大臣官房参事官などまで歴任したエリート職員の心に、いったい何が起きたのか? 驚きを隠せない事件である。
(蔵元英二)