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どちらが優先? 高校教諭が息子の入学式出席のため勤務先の入学式欠席し物議

 自身の子どもの入学式と、勤務校の入学式と、どちらを優先すべきか?

 埼玉県立高校の50代の女性教諭が、自身の長男の高校入学式に出席するため、4月8日に行われた勤務校の入学式を欠席していたことが分かり、物議をかもしている。埼玉県教育委員会によると、女性教諭は4月から勤務先の高校で、新1年生の担当を受け持つことになったが、別の高校に通う長男の入学式と日程が重なったため、勤務校より息子の入学式を優先した。

 女性教諭は事前に校長に相談し、許可を取った上で、休暇届を提出。あらかじめ欠席を詫びる文書を作り、入学式当日、別の教諭が保護者や生徒らに配った。校長は入学式の担任紹介で、欠席の理由を説明した。県教委に「今の教員は教え子より、息子の入学式が大切なのか」といった趣旨の苦情が入って判明。調査したところ、他にも男女3人の担任教諭が子息の入学式出席を理由に、勤務先の入学式を欠席していたことが明らかになった。

 15日までに県教委には147件の意見が寄せられ、校長や教諭への批判が計82件、教諭の行動に理解を示すものが65件で、賛否両論が渦巻いている。

 関根郁夫県教育長入学式について「教員は基本的に出席する。私のときは子供の入学式には行かなかった」としたものの、その一方で「時代も少し変わってくる。我々の時代感覚と違う。どちらが良い、悪いというのではない。難しい問題」と話した。

 ひと昔前なら、「職責放棄」と大批判を浴びそうな女性教諭の行動。ただ、時代も変わり、公より私が大切な場合もある。親としては大切な息子の入学式だ。教諭側には年休を取る権利もあり、どちらが優先かは難しい問題だ。
(蔵元英二)

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