社会
-
社会 2014年04月04日 11時45分
採用2日目の小学校教諭が電車内で女性の胸をお触り
教員に採用され、希望に胸を膨らませていたはずの新任教諭が、あろうことか、膨らませてしまったのは下半身だった。 大阪府警港署は4月2日、電車内で女性の胸を触ったとして、府迷惑防止条例違反(痴漢)の疑いで、大阪市立神路小学校(同市東成区)の男性教諭(23=同市都島区)を現行犯逮捕した。教諭は「女性が眠っていたので触った」と容疑を認めている。 逮捕容疑は、同日午前8時15分頃、同市此花区のJR大阪環状線・西九条駅付近を走行中の電車内で、右隣に座っていた同府枚方市の20代の女性会社員の左胸を触った疑い。 同署によると、教諭は自宅近くの京橋駅からJR大阪環状線に乗車。途中の野田駅で空いた女性の左横の座席に座り、西九条駅を過ぎたあたりで、寝ていた女性の左胸を触った。教諭は弁天町駅で下車したが、女性が追い掛け、駅員に通報。駅員が教諭の身柄を確保し、駆けつけた警察官が現行犯逮捕した。 大阪市教育委員会によると、教諭は前日1日、新任教員の発令式に参加したばかりで、同日は弁天町駅近くの市教育センターで行われる新任教員研修会に出席予定だった。赴任校では7日に入学式、8日に始業式が予定されていた。 教諭は1度目の教員採用試験に落ちており、大学卒業後の昨夏、2度目の挑戦で合格した苦労人。3月までは、市内の小学校で講師を務めていた。 市教委は「学校教育への信頼を著しく失墜させ、誠に遺憾です。深くお詫び申し上げます。事実関係を確認し、厳正に対処するとともに信頼回復に努めます」とコメントした。(蔵元英二)
-
社会 2014年04月03日 16時17分
国民からの信頼が全くない日本の年金制度
今の若者はどれほど、日本の年金制度を信頼しているのだろうか? 若者に限らず、特に中高年にとっては、老後の生活を支える年金は切実な問題で、無関心ではいられない。 「Yahoo!ニュース」では、「日本の年金制度を信頼していますか?」との意識調査を、3月18日〜4月2日に実施。10万6529票(男性=77.3%、女性=22.7%)の回答があった。 最も多くの票を集めたのは、「信頼していない」で5万8371票(54.8%)と過半数を超えた。「どちらかというと信頼していない」も2万2853票(21.5%)入っており、両方を合わせると、実に全体の66.3%に及ぶ人が、年金制度を信頼していないことが分かった。 一方、「信頼している」との回答は、わずかに7288票(6.8%)で、1割にも満たず。「どちらかというと信頼している」は1万7415票(16.3%)。合わせても、25.1%と4分の1にすぎない。「その他」は602票(0.6%)だった。 14年度の公的年金支給額は0.7%引き下げられ、国民年金を満額で受け取っている人は、13年度と比べ月額で475円減の6万4400円となった。会社員が加入する厚生年金を受け取る標準世帯では、同1666円減の22万6925円だ。 逆に、少子高齢化のあおりを受けて、保険料は上がる一方。14年度の国民年金保険料は、13年度の月額1万5040円から210円上がり、1万5250円になった。15年度はさらに、月340円上がり、1万5590円となることが明らかになっている。 厚生年金の保険料率は、毎年0.354%引き上げられており、14年9月分から17.474%(労使折半)になる。 財政難のため、年金受給開始年齢は段階的に引き上げられ、さらに、厚生労働省は国民年金(基礎年金)の保険料の納付期間を、現在の40年から延ばすことを検討するというのだ。現在、加入者は原則20歳から60歳まで保険料を納めているが、最長65歳まで延長する案が浮上している。 会社員や公務員の場合、勤務先から強制的に保険料を徴収されるが、納付が国民の自主性に任されている国民年金では、保険料納付率が13年度で59.0%。同省が発表した14年12月末現在の同年度の納付率は58.2%だ。 国民年金加入者の約4割が保険料を支払っていない実態は、日本の年金制度に対する信頼度の低さの表れだろう。納付率を上げなければ、その財政はますます悪化してしまう。国民の信頼度を上げるためにも、納付率のアップは必須。そのためには、全国民一律の保険料ではなく、収入に比例した保険料率を設定するなどの工夫が必要となるのではなかろうか。(リアルライブ編集部)
-
社会 2014年04月03日 15時00分
スカイマークCAも狙われる!? スッチー盗撮画像の氾濫事情
《あんなにスカート丈が短いと“お見合い席”ならパンチラ必至》 《コレだけ短ければ、真下から撮影しなくても簡単に盗撮できる》 いま、そんな不埒な書き込みで一部ネット掲示板が盛り上がっている。 「発端は、格安航空会社・スカイマークの、5月末からエアバスA330で着用する客室乗務員の新制服。スカイブルーのワンピースタイプで、なんと膝上約15センチのミニスカートですからね。お披露目会では、モデルのスッチーが太腿を半分以上露出し、レースクイーンのような脚線美をアピールしていました」(月刊誌カメラマン) 男性客にすれば嬉しい限りかもしれないが、世の“良識”は許さず、航空会社12社のCAで作る労働組合は「保安業務への支障やセクシュアルハラスメントの観点からして問題がある」として国に指導を求め、国交省航空局も「定期監査する」と乗り出し、物議を醸しているのだ。 「間違いなく盗撮犯は増えるでしょう。なぜなら、飛行機の中は以前から盗撮パラダイスでしたからね」 と語るのは、盗撮事情に詳しいライターの青山照彦氏。実際、ネット上にはスッチーのパンチラ盗撮が大量に投稿されているのだ。国内線のCA(27歳)がこう言う。 「狙われるのは、機内サービスや機内食の配膳のときです。接客している最中、背後の席にいるお酒の入ったお客さんが、デジカメをスカートの中に差し込んでくることも。私たちは気づいてもトラブルは起こせないので、強く言えることはできないんです」 さらに、無法地帯化している理由がこれだ。 「飛行機の場合、犯行地点や犯行時刻の特定が難しく、立件が困難。盗撮行為が発覚しても、本人の謝罪や始末書で済まされることが大半」(航空事情に詳しいライター) 通常の制服でもこの有様なのだから、ミニスカになれば当然、盗撮魔としては絶好のスポットになるというわけだ。果たして、5月に無事、脚線美を拝むことはできるのか。
-
-
社会 2014年04月03日 13時28分
ベビーシッター事件 2歳児をあずけた「水商売母」の家庭事情(2)
5年ほど前からは、親族が勤務する保育関連施設で手伝いを、また、一昨年3月からは横浜市緑区の保育所で保育補助員としてパートをしていた。保育所の園長は、「子供の世話をするのが好きで園児からも慕われていたが、しつけに関しては未熟な面も目立った」と語る。 そんな物袋容疑者がネットを通じベビーシッターを始めたのが昨年11月。そこへ当時から子供を預けるようになったのが、Nさんだった。 「Nさんによれば、一泊一人4000円の計8000円で、週2回のペースで利用していた。ところが、そのうちに料金でもめたり、帰ってきた子供の身体にアザが見つかるなど、トラブルが絶えなかったそうです。そのため最近は利用をやめており、事件に巻き込まれた今回は、“山本”という別の名前の人物と契約し、物袋容疑者に預けることになることはわからなかったとのことです」(社会部記者) Nさんには、子供2人を預けなければならない事情があった。 「Nさんの自己紹介サイトからもうかがえますが、10代のころから水商売の道に入ったようです。現在はシングルマザーで、カラオケパブに勤めている」(前出・社会部記者) 子供を預けた3月14日からの2泊3日は、ちょうどホワイトデーにあたり、店は超満員で猫の手も借りたいほどだったという。その日も一緒に出勤していたという同僚が語る。 「店は夜7時から深夜1時ごろまでだけど、このときは2時〜3時になった。アフターも付き合わなければならないし、そうなると朝までになってしまう。特にホワイトデーは、店ではもちろん、アフター(の料金)もお得意様持ちになるから、お先にとは言えないのよ。彼女もずっと忙しかったようだし、同僚娘の中学生にまで面倒を見てもらったこともあったから、そうそうに頼めないこともあって、“シッター”を頼ったのでしょうね」 Nさんは父親と同居し、家族4人暮らしだった。近所に母親が別居し、一人で暮らしているという。 「父親は病気がちで、生活保護を受けていたという情報もある。またNさんは託児所や保育園に登録していたと見られますが、実際にはそちらを利用していませんでした。事情を知る人物によれば、料金的に厳しかったのか、送り迎えの条件となっている時間に合わせられなかったようで、結局、ネットのベビーシッターに頼らざるを得なくなったのでは、とのことです」(前出・社会部記者) 最大の被害者は、一番の弱者である子供だったことを忘れてはならない。
-
社会 2014年04月03日 11時45分
仰天! ガールズバー従業員は小学女児だった
もう、仰天としかいいようがない。 埼玉県警川越署は3月31日、ガールズバーで小学校6年生の女児(12)を働かせたとして、児童福祉法違反の疑いで、飲食業の男(28=同県川越市新富町)を再逮捕した。 逮捕容疑は、同市のガールズバー「Nightlounge NEXT」で、店長をしていた今年2〜3月、児童福祉法で禁止されている15歳未満の小6女児を接客させた疑い。時給は1200円だったという。 同店には多いときで、女児ら計6人の女性従業員が在籍していたが、男は18歳未満と知りながら、17歳の無職女性を働かせたとして、風営法違反容疑で3月13日に逮捕された。さいたま地検は同31日、男を処分保留とした。 男は「18歳未満かもしれないと思っていたが、こんなに若いとは思わなかった」と話しているというが、採用にあたって、年齢を確認するのは店長として当然の責務で、逮捕されても致し方ないだろう。 女児は無料通話アプリ「LINE」(ライン)を通じて、同店の従業員募集を知ったとみられ、通常通り、小学校にも通っていた。身長は比較的高かったという。 それにしても、ガールズバーの従業員募集に応募した女児も問題だが、小学生の子どもが夜アルバイトに行っているのに、それに気付かなかった保護者も問題。 類似した事件としては、12年2月、大阪・ミナミのガールズバーで、小学6年の女児を客引きとして雇ったとして、同年4月に経営者と店長が逮捕されている。その際、給料は呼び込んだ客の飲食代を、店と折半する完全歩合制で、女児は客をキャッチできなかったため、給料は出ていなかった。(蔵元英二)
-
-
社会 2014年04月02日 11時45分
あきれたJR車掌 人気列車の切符をネット転売…売れ残りは不正払い戻し
JR西日本の京都車掌区に所属する男性車掌(23)が、もうけるためにインターネットのオークションで人気列車の切符を転売し、売れ残った切符は不正に手数料を支払わずに、払い戻しを繰り返していたことが分かった。車掌は懲戒解雇処分となった。 同社によると、車掌は12年12月1日から14年2月22日までの間、東海道線・西大路駅(京都市南区)と向日町駅(京都府向日市)で、係員以外扱ってはいけない指定券予約発券システムの端末を操作したりして、豪華列車「カシオペア」の寝台特急券や、人気夜行列車「快速ムーンライトながら」の座席指定券など129枚を購入。その切符をヤフーオークションに出品し、そのうち高値で22枚が売れて、十数万円の利益を得た。 売れ残った107枚は同僚に依頼するなどして払い戻したが、その手数料約13万円の支払いを免れていた。同社では、この点を問題視して懲戒処分した。 通常、列車が出発する2日前までの払い戻しには320円、出発前日と当日は料金の30%に当たる手数料が必要。車掌は11年8月まで西大路駅に勤務していたことから、顔見知りだった駅員7人が黙認しており、その7人も出勤停止や減給などの懲戒処分にした。 3月6日、西大路駅の係員が販売記録をチェックした際に、車掌が自らきっぷを発券・購入したと思われる事象を発見。調査したところ、不正が判明した。事情聴取に対し、車掌は「1枚の出品で最高1万3000円をもうけた。現金を着服しているわけではないので大丈夫と思った」と話しているという。 同社では、「お客様の信頼を損ねることとなり、深くお詫び申し上げます。今後チェック体制の強化を図るとともに、社員に対する教育、指導を徹底し、再発防止に努めて参ります」とコメントしている。(蔵元英二)
-
社会 2014年04月02日 11時00分
言い訳とすっとぼけ連発! 佐村河内騒動のNHK内部報告書の中身
“全聾の音楽家”、“現代のベートーベン”といった異名を持つ佐村河内守(50)氏に関する調査報告書をNHKがまとめた。これまで数々のメディアが佐村河内氏に十分な取材をしないまま、“魂の旋律”に乗せられて数多くの報道をしてきた。あるメディアでは音楽学者と呼ばれる人まで登場し、「非常に緻密に書かれていて、一音符たりとも無駄な音はない。これは相当に命を削って生み出された音楽だ」というコメントしていたほど。それだけ佐村河内氏の話術やハッタリがすごかったという事なのだろうが、佐村河内氏の知名度を高める先陣を切ったのは『NHKスペシャル』だった。 報告書は、番組やニュースで取り上げてきた複数の放送を対象に、その経緯を調査。「結果として事実と異なる内容を放送したことを真摯に受け止め、反省しなければいけない」との見解を示した。佐村河内氏の聴力については、「耳が聞こえるかも知れないと思うようなカットはワンカットもなかった」(すべての撮影素材を見た映像編集担当者)とした。しかし、宮城県石巻市での公演後、佐村河内氏がピアニストに対して演奏についての感想を求めたり、テレビのスピーカーに指をあて「音楽の強弱が分かる」といって説明した場面があった。別の映像スタッフの一人は「不思議に思った」と証言。しかし、このスタッフは疑問を持ちながらも「特別な感性を持っている人には分かるのかな」と、それ以上は疑わなかったという。 『週刊文春』の告白記事が出る直前に、『NHKスペシャル』を担当した契約ディレクターが週刊文春から取材を受けた。そのディレクターは佐村河内氏に「ゴーストライターがいるのは本当か?」と確認のメールを送ったところ、「自分はシロ」と疑惑を否定する返信があったそうだ。しかし、週刊文春が発売される4日前の2014年2月2日に、一転して「別の人物に作曲させていた」というメールが届いたのだ。その際に佐村河内氏は「償いきれないほどの裏切りをした」とディレクターに謝罪。だがNHKは、ディレクターが佐村河内氏の嘘を知っていたかということについて、「本人は全面的に否定している。撮影で行動をともにしたスタッフからのヒヤリングでも、そのような事実は認められなかった」とした。 「企画段階で音楽家としての評価を確かめたところ、音楽界での評価は分かれているということでしたが、『本人が作曲していないのでは?』と疑わせる情報はなかった」と、報告書で見解をまとめたNHK。佐村河内氏の嘘に踊らされたマスコミが多かったことは事実だが、その先陣を切ったNHKは何を言っても言い訳にしかならない。サングラスを外して長髪を切り、殊勝な態度で謝罪会見をした佐村河内氏も最後は開き直り。調子に乗せた方も乗せられた方も反省はしていない。
-
社会 2014年04月01日 16時00分
ベビーシッター事件 2歳児をあずけた「水商売母」の家庭事情(1)
インターネットのベビーシッター紹介サイトを通じ、母親が預けた子供が、変わり果てた姿で発見された事件。容疑者の悪質さは当然許されないことだが、一方で巷では“母親の迂闊さ”も指摘されている。どのような背景があったのか。 神奈川県横浜市磯子区の母親Nさん(22)が、JR新杉田駅前で「山本」と名乗る30代男性に長男の山田龍琥ちゃん(2)と生後8カ月の二男を預けたのは、3月14日午後7時ごろのことだった。 しかし、2泊3日で帰る予定だったその時間が過ぎても「山本」と連絡が取れないため、16日午後、Nさんが磯子署に通報。17日早朝、捜査員が埼玉県富士見市のマンション3階の一室で龍琥ちゃんの遺体を発見し、二男を保護した。 翌日に神奈川県警は、2人の傍らにいたベビーシッターの物袋勇治容疑者(26)を、死体遺棄容疑で逮捕している。 「捜査員が部屋に到着した際、物袋容疑者は慌てた感じもないようだった。彼が浮上したのは、Nさんが昨年からたびたび子供を預けていたこと、さらにNさんが“山本”と名乗る男に子供を預けた1時間後、その“山本”から子供を受け取る姿を横浜駅の防犯カメラが捉えていたからです」(捜査関係者) 物袋容疑者は捜査員の質問に、「16日に帰す予定だったが、昼過ぎに薬を飲んで寝てしまい、翌朝7時ごろ起きたら亡くなっていた」と死亡への関与を否定しているという。しかし司法解剖の結果、龍琥ちゃんの死因は窒息死、しかも身体に殴られたようなアザが数カ所あったため、警察は殺人事件としても追及している。 「発見された際、龍虎ちゃんは仰向け、二男はうつ伏せの状態で低体温症にかかっていた。しかも2人が全裸だったこともあり、物袋容疑者に幼児を弄ぶ性向がなかったかどうかも調べる予定です」(前出・捜査関係者) 物袋容疑者は、磯子区南部の団地で生まれ育った。 近所の住民が語る。 「幼いころから大柄で、やや粗暴なところがあるものの、目立たない普通の子でした。時に感情を爆発させ、小学校の花壇をめちゃめちゃにしたことがあります。鍵っ子で、普段は妹と2人、よく階段に腰をかけて母親の帰りを待っていました」 両親によれば、中学卒業後に調理師専門学校に進み、調理師免許を取得したものの、その道には進まずに派遣社員や配送の職を転々としていたという。 「作業の手順などを説明するとハイハイと返事はよいが、すぐに忘れ同じ失敗を繰り返す。コンビニのバイトも務まらなかったようだし、配送の仕事をしていたときは事故を二度も起こし、その一度は全損事故だった。あれでは、どんな職場でも厳しい」(仕事場の元同僚)
-
社会 2014年04月01日 15時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第70回 植民地国家・中華人民共和国
2014年2月10日。中国の経済専門紙「経済参考報」など、複数のメディアが中国全国の9割以上の都市で、1月の不動産成約件数が前月比で大幅に下落している事実を報じた。 中でも、大連の成約件数の下落ぶりは半端なく、前月比で53%減である。'13年12月と比べ、不動産の成約数が半分未満になってしまったわけだ(2番目に下落率が大きかったのは、深せんの44%減)。 成約数が減ると、当然ながら不動産価格も下がる。すでに、厦門、温州、洛陽などの地方中堅都市における不動産価格下落が始まっている。 特に、中国不動産市場に衝撃を与えたのは、2月18日に杭州の新築マンションが、当初の予定価格1平米当たり1万9500元(約32万円)から同1万5800元(約26万円)に大幅値下げされた件である。 そもそも、杭州のホワイトカラーの平均月収は月5000元(約8万2000円)程度だ。1平米当たり1万5800元、70平米のマンション価格が110万6000元(約1814万円)ということは、サラリーマン年収の18.4倍ということになる。平米単価1万9500元の場合は、22.8倍だ。 ちなみに、日本のバブルのピークであった1990年。住宅価格は年収の9.2倍であった(その後、5倍未満に下がった)。平米単価1万9500元であろうが、1万5800元であろうが、いずれにせよ中国の不動産価格は「高すぎる」。 さらに、2月19日には、杭州の別の不動産物件が、元々の販売価格である平米単価1万7200元から、いきなり同1万3800元に値下げ販売を開始した。 結果的に、値下げ前の価格で購入した顧客たちが反発し、販売センターで破壊行為を行ったという。 現在の中国は、グローバリズムの下で国内の所得格差が拡大し、低所得者層の不満がマグマのように溜まっている。 所得格差を示すジニ係数は、中国共産党発表の数字は0.47(2013年)となっているが(これでも高いが)、中国四川省の西南経済大学の調査報告書によると、何と0.717(同)にまで上昇しているという。 ジニ係数は、0.4を超えると「警戒ライン」、0.6を超えると「危険ライン」と考えられている。0.717に至っては、「革命ライン」とでもいうべき、とんでもない格差水準になる。 現在の中国は、冗談でも何でもなく、いつ「共産革命」が起きても不思議ではないという、笑えない状況にあるのだ。 しかも、所得格差「上位」の人々、すなわち共産官僚に代表されるノーメンクラツーラ(赤い貴族)たちは、中国国内の人民から「吸い上げた」所得を次々に外国に移し、自らも他国に逃げている。 2012年の調査によると、1000万元(約1.6億円)以上の資産を持つ人民の6割が、すでに外国に移民したか、移民を検討中とのことである。 また、国際調査報道協会のジェームズ・ボール記者によると、2000年以降、実に1兆〜4兆ドルの隠し資産が中国から流出したという。 2012年に温家宝前首相のファミリーが、27億ドルを超える海外資産を保有しているとニューヨークタイムズ紙が報じた。 温前首相は否定はしているが(それは否定するだろうが)、英紙ガーディアンは'14年1月21日に、温雲松氏(温前首相の息子)ら中国指導部の親族、少なくとも十数人が英領バージニア諸島などのタックスヘイブン(租税回避地)を資産管理のために活用していると報道。「中国指導部の親族」の中には、習近平現国家主席の義兄までもが含まれているという。 また、微小粒子状物質PM2.5に代表される大気汚染、さらには土壌汚染、水質汚染は、中国大陸全土を「人が住めない地」に変貌させようとしている。 中国は共産独裁国家であり、民主主義がない。環境保護のための法律はないことはないのだが、企業側は共産官僚との「コネクション(要は賄賂)」を利用し、環境を無視した生産活動を継続してきた。何しろ、中国人民側には選挙権がないため、彼らは環境問題を政治的に解決する術を持たない。 環境を破壊して達成された経済成長のツケは、全てが中国人民に押し付けられる。環境破壊を行った張本人である富裕層は、続々と外国に資本を移し、まずは家族、そして最終的には本人も国を捨てて逃亡する。 結局のところ、中華人民共和国が国土や「人民」を犠牲にし、自らの所得を最大化した上で他の国に「移る」という、一種の植民地国家なのだ。 帝国主義の時代、欧米諸国はアジア、アフリカ諸国を軍事的、政治的に支配下に置き、現地で植民地人の犠牲の上に自らの所得を最大化した「外国人」が、折を見て母国に「帰る」搾取型の植民地政策を実施した(台湾や朝鮮半島など、支配下に置いた国・地域の住民に教育を与え、律儀にインフラ整備を行ったのは日本だけである)。現在の中国は、太子党や共産官僚といった赤い貴族たちが、「同じ国に住む人民」から搾取するタイプの植民地国家なのである。 当然ではあるが、中国の支配層は「人民の反乱」を最も恐れている。中国人民解放軍が、中国人民ではなく「中国共産党」を守る軍隊であるのは、そのためなのだ。 また、中国共産党指導部は、「支配下」にある人民の不満を抑えるため、経済を成長させることで自らの権威を強化することを続けてきた。 中国の環境破壊が後戻りできないレベルに達してしまったのは、企業と共産官僚の癒着に加え、共産党が自らを守るために、経済成長を環境保護よりも優先せざるを得なかったという事情もあるわけだ。 '08年のリーマンショック以降、世界的に需要が縮小し、中国は「輸出」という経済成長のエンジンの一つを失った。 その後の中国は、国内への投資、特に不動産投資を中心に何とかGDPを拡大してきた。「最後の砦」である不動産バブルが崩壊するとなると、まさに中国の支配層は「共産革命」を恐れなければならない状況に追い込まれるわけである。三橋貴明(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、わかりやすい経済評論が人気を集めている。
-
-
社会 2014年04月01日 11時45分
「女性との交遊に使った」 鹿児島・湧水町の職員が7500万円着服
人口わずか1万人の小さな町で、職員による多額の公金横領事件が起きた。 鹿児島県湧水町は3月29日、会計課主査の男性職員(34)が町の口座から現金を繰り返し引き出し、計約7500万円を着服したと明らかにした。湧水町は26日付で職員を懲戒免職処分とし、損害賠償を求めるとともに、業務上横領容疑での告訴を検討している。町の調査に対して、職員は着服を認めており、「ローン返済と女性との交遊に使った」と話しているという。 町によると、職員は2008年から会計課に所属し、口座の支出を1人で管理。11年9月〜13年11月、業務委託先などへの支払いの際、現金払いを指定されたように偽り、町の口座から繰り返し現金を引き出したとされる。 13年12月、この職員が入院中、業務委託先の町内の福祉団体から「委託料が未納付」との連絡があったため、調べたところ、職員が13年11月下旬、支払通知書を口座振り込みから現金払いに改ざんする形で、計66万7150円を引き出していたことが3月11日に発覚した。その際は、職員の家族が全額弁済した。他にも着服があるとみられたため調べたところ、実に約7500万円にも及ぶ公金横領が判明した。 公式ホームページによると、湧水町の歳入は11年度(平成23年度)で約82億5000万円で、職員は町の歳入の100分の1近くを着服したことになる。(蔵元英二)