若者に限らず、特に中高年にとっては、老後の生活を支える年金は切実な問題で、無関心ではいられない。
「Yahoo!ニュース」では、「日本の年金制度を信頼していますか?」との意識調査を、3月18日〜4月2日に実施。10万6529票(男性=77.3%、女性=22.7%)の回答があった。
最も多くの票を集めたのは、「信頼していない」で5万8371票(54.8%)と過半数を超えた。「どちらかというと信頼していない」も2万2853票(21.5%)入っており、両方を合わせると、実に全体の66.3%に及ぶ人が、年金制度を信頼していないことが分かった。
一方、「信頼している」との回答は、わずかに7288票(6.8%)で、1割にも満たず。「どちらかというと信頼している」は1万7415票(16.3%)。合わせても、25.1%と4分の1にすぎない。「その他」は602票(0.6%)だった。
14年度の公的年金支給額は0.7%引き下げられ、国民年金を満額で受け取っている人は、13年度と比べ月額で475円減の6万4400円となった。会社員が加入する厚生年金を受け取る標準世帯では、同1666円減の22万6925円だ。
逆に、少子高齢化のあおりを受けて、保険料は上がる一方。14年度の国民年金保険料は、13年度の月額1万5040円から210円上がり、1万5250円になった。15年度はさらに、月340円上がり、1万5590円となることが明らかになっている。
厚生年金の保険料率は、毎年0.354%引き上げられており、14年9月分から17.474%(労使折半)になる。
財政難のため、年金受給開始年齢は段階的に引き上げられ、さらに、厚生労働省は国民年金(基礎年金)の保険料の納付期間を、現在の40年から延ばすことを検討するというのだ。現在、加入者は原則20歳から60歳まで保険料を納めているが、最長65歳まで延長する案が浮上している。
会社員や公務員の場合、勤務先から強制的に保険料を徴収されるが、納付が国民の自主性に任されている国民年金では、保険料納付率が13年度で59.0%。同省が発表した14年12月末現在の同年度の納付率は58.2%だ。
国民年金加入者の約4割が保険料を支払っていない実態は、日本の年金制度に対する信頼度の低さの表れだろう。納付率を上げなければ、その財政はますます悪化してしまう。国民の信頼度を上げるためにも、納付率のアップは必須。そのためには、全国民一律の保険料ではなく、収入に比例した保険料率を設定するなどの工夫が必要となるのではなかろうか。
(リアルライブ編集部)