社会
-
社会 2016年06月17日 18時00分
関東連合元リーダー・見立真一容疑者「帰国情報」で警視庁が厳重警戒
4年前に発生した“六本木クラブ襲撃事件”で、主犯格として国際指名手配されている半グレ集団『関東連合』(現在は解散)の元リーダー・見立真一容疑者(37)が、すでに日本に帰国しているとの情報が流れ、警視庁が警戒を強めている。 2012年9月2日未明、六本木のクラブに客として遊びに来ていた飲食店経営者が集団の襲撃を受け、金属バットで撲殺されるという凄惨な事件があった。 「関東連合メンバーにより襲われたが、人違いだったとされている。犯人たちは事件後に中国や韓国、フィリピンなどに逃亡。しかし、大半のメンバーは帰国して出頭したんです」(捜査関係者) それでも主犯とされる見立容疑者は逃亡を続け、警視庁は300万円の懸賞金を掛けたが、行方はつかめなかった。 「見立容疑者も海外に逃亡したとされ、フィリピンのマニラやセブ島での目撃情報も寄せられた。そのため警視庁は、懸賞金を600万円に引き上げ現地に捜査員を派遣したのですが、結局はとらえられなかった。しかし今年に入り、すでに日本に帰国としているとの情報をつかんだんです」(同) 海外逃亡前、見立容疑者は周囲に「目的を果たすまで出頭しない」と語っていたというが、その目的とは何なのか。 「A兄弟への復讐です。'08年3月、西新宿で元関東連合のB氏が撲殺されている。B氏は殺される前に関西の暴力団に属していたA兄弟とトラブルを起こしていたんです。六本木での襲撃事件の際、現場となったクラブにA兄弟の弟がいるという情報をつかみ襲撃したが、人違いだった。だから見立容疑者は、A兄弟に対する復讐が終わらない限り出頭はしない」(関東連合に詳しいマスコミ関係者) ホームページで見立容疑者がすでに日本に帰国している可能性を察知した警視庁は“第2の六本木襲撃事件”を警戒。見立容疑者が立ち回ると予想される都内や静岡県、埼玉県、宮城県内を重点的に調べているという。 早期の身柄確保を期待したい。
-
社会 2016年06月17日 14時00分
「国はアテにできない!」 ローカルアベノミクス地方創生悲喜交々の現場(2)
だが、地方自治に詳しい専門家はこう警告する。 「これは成功例。しかしながら、成功事例は、時に“政策の道具”として扱われることもある。ローカル・アベノミクスに期待しながらも最終突破口が見いだせずにいる地域もあるのです。杜撰な行政で財政破綻して財政再生団体となっている北海道の夕張市は、その最たる自治体でしょう」 夕張市はこれまで100億円近くを返済したが、それでも約255億円の残債がある。260人いた職員は100人と大幅カット、また自ら辞める職員も後を絶たない。 「大幅給与カットで生涯年収が少なくなるのと、退職後の年金が激減するため、やむを得ず辞める職員が増えました」(地元紙記者) 住民には高い税金、公共施設の閉鎖、病院は診療所になり、171あったベッド数はたった19になるなど、何から何までキツキツの運営。それに嫌気が差し、かつて炭鉱全盛のころの人口12万人が今や9000人。若者を中心に流出が続き、高齢化も進んでいる。 「夕張市には映画祭も2玉300万円の夕張メロンもある。スキー場は外国人に人気があり、観光客も増えてはいる。しかし、なかなか大幅な税収アップの決め手にはなりません。何しろ夕張メロンも初期投資で数千万単位のコストが掛かり、新規就労者が増えず、さらに後継者不足などで作付けが減っている状況です」(夕張市のまちづくり企画室担当職員) そうした中、最後の活路とも思える事業が進み始めている。炭鉱炭層から出るメタンガスを採掘する話だ。 「炭層メタン(CBM)は今年9月に試掘に入り、採算が合えば来年からテスト生産が可能です。夕張市の地下炭鉱には市の4500世帯が1500年にわたり使用できる約77億立方メートルのCBMが眠るといわれています。掘り出したCBMを市内の進出企業や再編した住宅に安くエネルギー供給できれば、企業誘致や人口増にもつながる。共同事業体に市有地を提供できるし、メロン農家にも安価なエネルギーを提供することもできます」(同) 今、夕張市の高齢化率は48%と全国一。これは2060年の日本が到達すると試算されている割合だ。鈴木直道市長は、かつてこう述べていた。 「夕張市がこの危機を乗り越え、新しい方向性を示すことができれば、それは日本の2060年のためにも役立つことになる」 地方は国をアテにするだけでは前に進めない。
-
社会 2016年06月17日 10時00分
菅・二階・公明vs麻生・谷垣 安倍政権の内紛が始まった!(2)
これに堪忍袋の緒を切らした麻生氏の逆襲の動きは、すでに菅氏の選挙区、神奈川県で始まっている。 神奈川県自民党関係者が言う。 「今回の増税延期の決着前から、麻生氏は菅氏にケンカを売っていた。というのも、神奈川選挙区の甘利明前経済再生相が金銭授受問題で失速し、同県は菅氏の独壇場になりつつあった。それで夏の参院選で“菅命”と公言してはばからない三原じゅんこ氏が公認されたのですが、そこへ麻生派『為公会』の幹部が“待った”をかけたのです」 神奈川県が地元の河野太郎行政改革相、松本純元官房副長官の「為公会」幹部らが、元みんなの党から出馬し当選した中西健治氏を“自民党推薦”という形で徹底支援、菅氏の力を削ごうという作戦だ。 「ここで三原氏が落選ということはないだろうが、仮に中西氏も当選すれば、神奈川は『為公会』の声のほうが大きくなる。まず菅氏の地元に楔をぶちこもうとしているわけです」(同) さらに麻生氏は、菅氏が参院選後にも発足させ次のステップとして目論む、“菅派”結成の動きの封じ込めにも動き出しているという。 「麻生さんは菅さんから声を掛けられたと見られている複数の議員らに電話を入れ、勉強会への参加にブレーキをかけている。ポスト安倍=菅は、なんとしてでも阻止する強い覚悟のようです」(自民党中堅) だが、安倍政権が続く限り菅氏が切られることはない。そのため麻生氏は「倒閣やむなし」の決断を固めたという。 「その第一歩は、軽減税率時も今度も麻生氏同様、メンツを潰された谷垣幹事長がトップの『有隣会』とのタッグの動き。安倍首相は参院選でのハードルを、参院全体で与党の過半数から与党で改選議席の過半数に上げた。もし超えなければ、麻生氏自ら菅・安倍降ろしの先頭に躍り出る準備をするだろう」(自民党関係者) 麻生氏は一方で、いち早く“増税再延長・ダブル選挙なし”に手を上げた自民党内のキーマン・二階俊博党総務会長にも、急接近中だという。 「菅氏は何かというと二階氏を頼る。果たしてあの2人の間に亀裂を走らせることができるかどうか。実は、甘利氏が追い詰められたのも菅氏との対立が原因という説が根強い。麻生氏ら自民党内の反菅グループは、潰される前に潰すという思惑で一致している」(同) 風雲急の安倍政権。内紛は拡大の一途か。
-
-
社会 2016年06月16日 14時00分
「国はアテにできない!」 ローカルアベノミクス地方創生悲喜交々の現場(1)
安倍政権が消費税増税を再び延期した。 6月1日に行われた記者会見で安部首相は「新興国経済に問題がある」と繰り返し、「アベノミクスは順調に結果を出している」と強調。しかし、増税のタイミングを二度にわたり整えられなかったことは、すなわち“失政”と指摘されても仕方あるまい。 「安倍政権が進める地方創生も同じ路線の政策です。ローカル・アベノミクスというキーワードで、地方を元気にするという方針でした。アベノミクスの成果を地方にも拡大させるのが基本的な主旨だったのですが、一部の大企業は円安の恩恵を受けたものの、日本経済は'13年から'15年の実質賃金がマイナス4.6%。地方に至っては5%を大きく超えました」(経済記者) ますます懸念される都市と地方の格差−−。そんな状況であっても元気溢れる地域は存在する。その一例が島根県浜田市。住民によっては「迷惑施設」と捉える刑務所誘致を成功させ、地域活性化をもたらしているのだ。PFI方式(民間が事業主体としてその資金やノウハウを活用し、公共事業を行う方式)により運営されているその刑務所の名称は『島根あさひ社会復帰促進センター』という。 「2008年に施設が建設されると、刑務官180人が赴任。家族まで含めれば正規職員関係で300人を超す人が浜田市旭地区にドッと流入してきました。加えて、民間警備350人が地域定住や近隣から通勤するようになり、若い夫婦も多く小学生も増えました」(市役所の担当者) この地域、今は合併で浜田市だが、以前は旧旭町。1960年代に7000人近くあった人口は半減、高齢化も加わって急激な過疎に見舞われた。このままでは限界集落になると懸念した当時の町長が逆転の発想で刑務所誘致を決断。しかし、同様の発想をする自治体は多く、競争率は約70倍もあったという。その激戦を制した最大の理由は反対運動がなかったからだ。 「当初は反対の動きもありました。しかし、最も犯罪歴が少なく更生可能な人が収用される受刑者施設と説得。さらに日本最初の山口県の民活刑務所を見学して、博物館かホテルのような環境にビックリ。急激に反対の声がしぼみました」(同) 実際、浜田市の同施設にも高い塀はない。また、すぐ近くに高速道路が走り、大病院までも15分足らずだ。 「今は受刑者の医療もしっかりケアできるのが必須条件。県がとにかくバックアップしてくれました」(同)
-
社会 2016年06月16日 10時00分
菅・二階・公明vs麻生・谷垣 安倍政権の内紛が始まった!(1)
「今回の消費増税再延期と衆参ダブル選挙回避は、安倍首相の決断というより“影の首相”、菅官房長官の思うがままの結果。菅の高笑いが聞こえるようだ」 こう明かすのは、自民党長老の一人だ。 しかし、今回の菅氏のゴリ押しで党内対立が相当深刻になりつつあるという。というのも、「菅氏は調子に乗りすぎだ」との声が党内から上がり始め、増税を強く迫っていた麻生財務相は面目丸潰れ。周囲に「菅だけは絶対許さん」と息巻いているためだ。 なぜ、「菅官房長官の仕切り」と言われるのか。その理由を、冒頭の長老が三つ挙げる。 (1)菅氏は、アベノミクスが完全に行き詰まっているのを冷静に見極めていた。また予定通り増税をすれば、世界では日本だけがリーマンショック時のような事態になるのは火を見るより明らかと判断していた。 (2)公明党は表向き、来春の消費税増税を否定していなかったが、創価学会内には婦人部を中心に反対の声が非常に強かった。菅氏は創価学会の佐藤浩副会長とのホットラインを持つため、そこから反対のシグナルが送られた。 (3)おおさか維新の会の松井一郎代表(大阪府知事)、橋下徹法律政策顧問(前大阪市長)と菅氏は、安倍首相より関係が深い。おおさか維新は消費税値上げに猛反対で、この“影の与党”は今後、首相の悲願である改憲論を進めるにあたり敵に回したくない。 いずれにしても、一方の麻生氏にしてみればメンツ潰しがこれで3度目なだけに、怒りが収まらないのは当然の話。 「1度目は2014年の増税延期。この時は安倍首相から懇願され延期を飲んだ。が、その際も裏では菅官房長官の差し金があったといいます」(官邸記者) 2度目は昨年暮れの軽減税率騒動。創価学会婦人部を中心に軽減税率の品目拡大を突き付けられ、それを渋る財務省と自民党に対し菅氏は、創価学会の参院選非協力をチラつかせて谷垣幹事長を篭絡。この時、麻生氏は菅氏に「やりすぎだ」と警告の電話をしたほどだという。 そして今回だ。 「財務省無視でG7を利用し“リーマンショック前夜”と煽る資料をせっせと作り増税再延期を画策したのは、菅氏と首相秘書官の今井尚哉氏」(財務官僚) さらに「再延期するなら衆院を解散して問うのがスジ」と唱えた麻生氏に対し、菅氏は「公明党、創価学会はダブル選挙に反対。再延期は参院選で問えばいい」とトドメを刺した。
-
-
社会 2016年06月15日 19時00分
「性奴隷」女性をネットで売買! 資金枯渇 イスラム国(IS)の残虐非道
イスラム国(IS)戦闘員のアブ・アサド・アルマニと名乗る男が「性奴隷」の女性2人をネット上で“売り”に出した。人道支援団体は女性への虐待がここまで広がっていることに、強い懸念を示している。 女性2人の写真は5月20日、アルマニのフェイスブックに掲載され、これをワシントンにあるISなど過激派のソーシャルメディアでの発言や交信を追跡している組織『中東メディア研究所』がキャッチ。米紙ワシントン・ポストが報道して明らかになった。ISの奴隷となっている女性の大半はイラクの少数派ヤジド教徒。約5000人が奴隷になっているとされ、ラッカなどの奴隷市場で売買が行われてきた。 「アルマニは『この奴隷は2人とも8000ドル(約88万円)だ。買わないか』と述べ、フェイスブックの友人らにイラクとシリアのIS支配地域に来て結婚したらどうかと持ち掛けました。アルマニが自分の“性奴隷”を出したのか、他の戦闘員の代行でやっているのかは明らかではありません。ちなみに2人の写真は、すぐに管理者によって削除されました」(通信社記者) アルマニはドイツ国籍とみられ、これまでもフェイスブック上でISへの献金を呼び掛けてきた。自らの極悪ぶりを世界中に見せつけてきたISだが、今回の残虐行為は資金面でいよいよ窮地に立たされていることの証明と言えるのではないか。 「ISはソーシャルメディアでの大規模な広報活動を通じ、カタールやクウェートのシンパから献金を募っていますが、周辺には支援に積極的な国はもうほとんどない。過去に武装組織を支援していたイランとシリアも今では敵意を隠していません。資金源は2014年6月にシリア東部で強奪した油田からの石油収入やイラクのモスルで略奪した金品、人質の身代金など。しかし、これまでにイラク占領地の45%、シリアで20%をそれぞれ失い、軍司令官のオマル・シシャニや指導者バグダディに次ぐナンバー2のハジ・イマムら幹部も約半数が死亡しました。米軍の攻撃で20カ所を超える現金貯蔵庫や多数の石油関連施設が破壊され、戦闘員の給料も半減。首都と宣言しているラッカ(シリア北部)制圧作戦も開始され、戦闘員らが浮き足立っていると伝えられています」(中東情勢に詳しいジャーナリスト) 拉致ビジネスも'15年2月に殺害された米国人援助活動家カイラ・ミューラーさんが最後の外国人人質だった可能性があり、身代金という資金源も断たれているようだ。 「ジャーナリストの安田純平さんを拉致し、日本政府に身代金1000万ドル(約11億円)を要求しているヌスラ戦線が『ISに引き渡す』と恫喝しているのも、彼らの資金枯渇を見据えてのことかもしれません」(同ジャーナリスト) それにしても、女性への虐待がネット・オークションにまで広がったことは許しがたい。
-
社会 2016年06月15日 14時00分
フジテレビに待ち受ける壊滅への最悪シナリオ
かつて「視聴率三冠王」ともてはやされていたのはいつの頃の話だったか…。フジテレビが抜き差しならない緊急事態に陥っている。民放テレビキー局の2015年度('15年4月〜'16年3月)決算が出揃った。なんと31年に渡って守ってきた民放テレビ局売上トップの座を日テレに明け渡したのだ。惨敗と言ってもいいフジの決算とは…。 「売上高が前期比6.5%減の約2897億円。営業利益は48.8%減の約55億円と減収減益を記録してしまった。キー局の中でまさに1人負けと言ってもいい状態です」(フジ関係者) ちなみにフジ以外のテレビ局の決算状況はこうだ。 「日テレの売上高は、前年比5.7%増の3070億円、営業利益は20.5%増の458億円。テレビ朝日は売上高が増減なしの2282億円、営業利益は10.8%増の102億円。TBSも売上高0.5%増の2103億円、営業利益は5.6%増の66億円。テレビ東京は売上高が5.1%増の1073億円、営業利益は95.3%増の46億円です」(経済誌デスク) さらに、テレビ界を驚愕させたのが、局単体の当期純利益額だ。 「売上を見てみると、フジの2897億円に対しテレビ東京は1073億円と大差を付けられている。だが、当期純利益ではフジの33億円に対し、テレ東は59億円という倍近い金額なんです」(テレビ事情通) このコストパフォーマンスのよさに、大手クライアントも大注目だという。 「テレ東に出稿した方が、少ない投資額で倍以上のリターンがあるということです。ちなみに、ゴールデン&プライム帯のスポット金額はフジが80万円〜であるのに対し、テレ東は20万円〜。これからはフジを避ける傾向が広まっていくのは確実」(大手広告代理店幹部) こんな壊滅的状況に陥る中、上層部には何の危機感もない。6月1日付の人事異動内示が、それを物語っている。 「会社の株価を下げ、危機に追いやった日枝久会長や亀山千広社長の残留が早々に決まったんです。編成改革を指示したのはこの2人。赤字転落の原因はこのツートップなんです。責任さえ取ろうとしない態度に皆、やる気を失っている」(前出・フジ関係者) その結果、最近、フジテレビの未来を担うべく若手&中堅局員が次々と逃げ出す準備を始めているという。 「日テレ、テレ朝の中途採用の情報を集めている。最近は子会社に入る動きもある。20代の若手局員の中には異業種に転職するものも現れた。局に留まりながら公務員試験の勉強をしている者もいますよ。末期ですね」(フジ系制作会社幹部) まずはテレビ界一、いや日本一高いと言われる給与改革を始めるべきだろう。
-
社会 2016年06月15日 10時00分
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 世界経済を消費税凍結の口実に
「いまの世界経済は、リーマンショック前夜の状況とよく似ている」。伊勢志摩サミットの首脳会合で、安倍総理はそう語って危機感の共有を求めた。これに対してイギリスのキャメロン首相は、「それほどひどい状況ではないのでは」と応じ、ドイツのメルケル首相は「世界経済は新たな安定成長期入っている」と批判した。 結局、「新たな危機に陥ることを回避する政策対応を適時に行う」ということで合意されたが、これは何の意味も持たない空虚な表現だ。 安倍総理の問題提起は、他国の首脳から完全に無視されたのだ。IMFの世界経済見通しで、来年の経済成長率は3.5%、先進国全体でも2.0%だから、当然の話だ。 それでも、安倍総理がリーマンショックという表現にこだわったのは、これまで消費税引き上げ延期の条件として、「リーマンショック並みの経済危機」を挙げていたからだ。 単純に日本経済の状況がよくないから、引き上げを延期すると言ったら、「アベノミクスが失敗したから、延期するのではないか」という批判を受けてしまう。それを避けるために、日本経済の低迷を世界経済に責任転嫁し、そのお墨付きをサミットで得ようとしたのだろう。 現に、安倍総理は5月28日夜、政権幹部に消費税増税を2年半先送りする方針を伝えた。もちろん、最大の目的は参議院選挙対策。民進党は、消費税増税を2年先送りする法案を提出している。それに半年間の色をつけたのも、明らかに選挙目当てだろう。 ただ、日本経済が、いま消費税増税にとても耐えられない状況であることも事実。'14年度以降の日本経済は、まったく成長してないからだ。 しかし、その経済低迷の理由は、庶民の所得が増えていないことに尽きる。実質賃金は、昨年度まで5年連続でマイナスになっているのだから、それでGDPの6割を占める消費が増えるはずがない。 この状況で、再度の消費税増税を決行などしたら、日本経済は完全に失速してしまう。だから、タックスヘイブンに逃避する資金への課税や法人税増税などの消費税に代わる増収策を考えると同時に、財政支出を抑制することを考えるべきだろう。 最近の政府は、すっかり財政規律を失ってしまったようにみえる。総費用600億円と言われる今回のサミットが典型だ。 例えば、現地からの情報を発信するためのメディアセンターは、たった2日間しか使用しないのに、その建設費用に29億円かかったという。しかも、その取り壊し費用は3億円。これが財政危機に陥っている国のやることだろうか。 さらに、関係者や内外メディアに用意した土産セットは3万円で、これを4000人に配ったというから、単純計算で総額1億2000万円になる。これも、日本に有利な報道をしてもらうために必要な経費なのだろうか。 今回のサミットは何の成果も生まなかったが、唯一の救いは、参議院選挙の重大な論点が明らかになったことだ。消費税を引き上げないなかで、どうやって日本の財政を運営していくのか。各党は政策を明示すべきだ。
-
社会 2016年06月14日 14時00分
欠陥エアバッグ『タカタ』が放つ“起死回生策”の裏
欠陥エアバッグ大量リコールで存亡の危機に直面しているタカタの放った“起死回生策”が憶測を呼んでいる。同社は5月末、M&Aで実績がある米ラザードと財務アドバイザー契約を結んだ。契約前からその助言を受けて複数の投資ファンドと支援スポンサー交渉を重ねてきた同社だが、このたび「米大手のコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)が意欲を示しているばかりか、他の投資ファンドも関心を示している」とメディアにリーク。まさに救世主、登場−−の筋仕立てである。 ところが、スポンサー選定は秋以降がメド。出資比率など具体的な支援策はその後だ。なぜタカタは契約締結に先んじてリークカードを切ったのか。 「一つは投資家対策。もう一つは取引先対策だ」と、地場証券の投資情報役員は喝破する。 「空売りを仕掛けてきたヘッジファンドなどの連中は顔面蒼白になった。売り崩しを画策した他の面々も悲鳴を上げています」 タカタの背後には有力スポンサーが控えている。だから売り崩しを画策してもムダだとのアピールが、ひとまず成功した格好だ。 「もう一つは内々の試算で2兆円を超えるといわれるリコール費用。当然、同社の体力を超えています。実は今年の4月、納入業者の1社が東京海上日動に『取引信用保険』を申し込んだが拒否されました。納入先(タカタ)が破綻した場合、売掛金を保険会社が保証する仕組みで、他の保険会社が追随すれば部品調達が危うくなる。そこでKKRの“御威光”を盾に信用不安の解消を図ったとの見立てです」(同) そんな“サバイバル処世術”を本業で発揮していれば、それこそ最悪の事態を回避できたのではないか。 中国の新興自動車部品メーカーがタカタ買収に関心を示しているとの報道もあり、欠陥の原因究明という最も大事な部分が、どうにもおざなりになっている。
-
-
社会 2016年06月14日 10時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第178回 6月1日
筆者は170回を超す本連載において、繰り返し「日本の正しいデフレ脱却策」について訴え続けてきた。わが国は、存在しない「財政問題」「国の借金問題」に足を取られ、デフレの泥沼の下で今もぶざまにあがいている。しかも、すでに20年(!)近くもの長きにわたり(ちなみに、本連載第1回のタイトルは『デフレと情報の歪み』であった)。 2012年末、「デフレ脱却」を標榜して誕生した安倍政権は、当初は金融政策「と」財政政策のポリシーミックスという、正しいデフレ対策を宣言していた。ところが、'14年度から消費税増税、公共事業削減、社会保障削減という、橋本政権以降の伝統的な緊縮財政路線に戻ってしまった。 政府が緊縮財政で消費、投資という「需要」を削減する中、日本銀行は懸命に量的緩和を継続した。'13年4月以降、日本銀行はすでに200兆円を超す日本円を「銀行に」発行したが、直近のインフレ率は何と▲0.3%。 なぜ200兆円もの日本円を発行したにもかかわらず、インフレ率が上がらないのか。簡単だ。インフレ率は消費、投資により、モノやサービスが購入されなければ変化しないのだ。日本円発行時に、日本銀行が銀行から買っているのは「国債」であり、モノでもサービスでもない。 デフレは貨幣現象とやらではない。モノやサービスの購入という需要(消費+投資)が不足するという現象だ。中央銀行におカネを発行させたところで、政府が緊縮財政で消費や投資を抑制すればインフレ率が上がるはずがない。 こんなことは小学生にでも理解できると思うのだが、安倍政権は「デフレは貨幣現象」であるとして、デフレ対策を日本銀行に丸投げした。結果的に日本国民の実質賃金は下がり続け、個人消費(民間最終消費支出)の実質値は、何と'14年度、'15年度と、2年度続けて落ち込んでしまった。統計が確認できる1955年以降、2年度連続で実質の消費をマイナスに叩き込んだのは、安倍政権が初めてだ。 というわけで、「デフレは貨幣現象」論に基づき、橋本政権期や小泉政権期を超える緊縮財政路線を突き進んだ安倍政権であるが、6月1日、ついに転換点が訪れた。あるいは、転換点が訪れた「かも知れない」。 6月1日の国会閉会後、安倍晋三内閣総理大臣は記者会見を開き、'17年4月に予定されていた消費税率の10%への引き上げについて、新興経済諸国を中心とする世界経済の失速、熊本地震による熊本県、大分県の観光業の悪化などを受け、日本経済が「デフレの長いトンネルへと逆戻りするリスク」があるとし、 「内需を腰折れさせかねない消費税増税は延期すべきだと判断した」 と表明。延期の期間についは2年半とのことである。 会見において、総理は相変わらず「構造改革」だの「TPPの早期批准」だの寝言を交ぜてはいたが、 「デフレからの脱出速度を最大限まで上げる」 「ゼロ金利環境を最大限に生かし、未来を見据えた民間投資を大胆に喚起」 「21世紀型のインフラ、リニア中央新幹線の建設前倒し、整備新幹線の建設を加速し、全国を一つの経済圏に統合する地方創生街道を実現」 「リスクに対応するため、財政出動などあらゆる政策を総動員する」 など、正しいデフレ対策についても実施することを明言したのである。 筆者は'14年4月の消費税増税以降、日本は「国民経済の崖」に突っ込むとして、'17年4月の再増税に反対し、デフレギャップ(総需要の不足)を補うための財政拡大を主張してきた。特に、過去20年間、わが国がおろそかにしてきた「インフラ」への投資を、継続的に実施することが重要であると提言してきたわけである。 6月1日の安倍総理の会見は、「構造改革」の部分を除くと、消費税増税については「延期」、さらにはインフラ投資を明言したことで、筆者の提言と「方向」は同じものになっている。 6月1日は、わが国がデフレ脱却に向かい始めた、記念するべき日になるのだろうか。 分からない。 ちなみに増税延期に反対していた麻生財務大臣は、消費税率10%引き上げの2年半先送り方針について「首相の最終的な判断に従う」と受け入れた。同時に増税延期については「個人消費が伸びていないことに対応するためで、世界経済は主たる原因ではない」と述べている。 それはその通りなのだが、なぜ「個人消費が伸びていないのか」を考えれば、もちろん'14年4月の消費税増税が主因だ。すなわち、二度も増税を延期せざるを得なかったのは、一度目の増税が原因であるという「真実」を政治家や国民が共有しなければならないのだ(ちなみに、筆者が消費税を増税するべきなどとは微塵も考えていないのは、ご存じの通り)。 '14年4月の消費税増税が失政だった、という現実を認めない限り、再増税の凍結や「消費税減税」といった、まともな政策議論は始まらないだろう。安倍総理は会見において、「'14年4月の消費税増税」については一切、語らなかった。デフレ期の消費税増税は、デフレ促進策であるという「真実」を、安倍総理は無視したわけである。 ちなみに、'12年の第2次安倍政権発足前の時点では、総理は「デフレ期の消費税増税は問題」であると自身のメルマガに書いている。 結局、総理はデフレ期の消費税増税や緊縮財政について、どのように考えているのだろうか。5月31日付の産経新聞【増税再延期 公約より景気「財務省は間違い」】には、 「財務省はずっと間違えてきた。彼らのストーリーに従う必要はない」 という、総理の発言「らしき」コメントが掲載されている。 財務省が間違え続けてきたのは事実だが、6月1日以降の安倍政権はインフラ投資を中心とした「継続的な」財政出動を本当に推進できるのか。あるいは、消費税増税の凍結や「消費減税」といった正しい政策の議論が始まるのか。あるいは、まっとうな議論を始めるためにはどうしたらいいのか。 安倍政権に丸投げするのではなく、日本国民一人一人真剣に考えるべきだと思う。みつはし たかあき(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。
-
社会
都知事選 ラストサンデーで石原氏を袋叩き
2007年04月02日 15時00分
-
社会
都知事選特集 占い師対決
2007年04月02日 15時00分
-
社会
谷隼人が都知事選候補者を応援
2007年04月02日 15時00分
-
社会
都知事候補 黒川氏がメイドさんと“合体”
2007年03月31日 15時00分
-
社会
都知事選 ドクター中松、夜の渋谷交差点で新発明「回転舞台」披露
2007年03月30日 15時00分
-
社会
都知事選 石原氏「厳戒歌舞伎町演説」で語った手柄話
2007年03月29日 15時00分
-
社会
石原陣営に焦りアリアリ!? 今朝の政見放送でまさかの慎太“老”ぶし炸裂!!
2007年03月28日 15時00分
-
社会
都知事選政見放送で仰天マニフェスト
2007年03月27日 15時00分
-
社会
都知事選「浅草雷門で時間差対決、石原VSドクター中松」
2007年03月26日 15時00分
-
社会
都知事選 浅野スニーカー街頭演説でセクシーポーズ
2007年03月24日 15時00分
-
社会
都知事選 石原氏満員電車でGO!
2007年03月23日 15時00分
-
社会
都知事選きょう告示、石原氏ら第一声
2007年03月22日 15時00分
-
社会
桜金造都知事選正式表明
2007年03月20日 15時00分
-
社会
都知事選 黒川氏が石原知事をホリエモン呼ばわり
2007年03月19日 15時00分
-
社会
ホリエモン実刑
2007年03月16日 15時00分
-
社会
丸山弁護士東京都知事選出馬へ
2007年03月09日 15時00分
-
社会
石原カジノ構想消滅!?浅野氏に“追い風”吹く
2007年03月07日 15時00分
-
社会
上層部スタッフが告発 NOVA 怪文書
2007年02月21日 15時00分