ところが、スポンサー選定は秋以降がメド。出資比率など具体的な支援策はその後だ。なぜタカタは契約締結に先んじてリークカードを切ったのか。
「一つは投資家対策。もう一つは取引先対策だ」と、地場証券の投資情報役員は喝破する。
「空売りを仕掛けてきたヘッジファンドなどの連中は顔面蒼白になった。売り崩しを画策した他の面々も悲鳴を上げています」
タカタの背後には有力スポンサーが控えている。だから売り崩しを画策してもムダだとのアピールが、ひとまず成功した格好だ。
「もう一つは内々の試算で2兆円を超えるといわれるリコール費用。当然、同社の体力を超えています。実は今年の4月、納入業者の1社が東京海上日動に『取引信用保険』を申し込んだが拒否されました。納入先(タカタ)が破綻した場合、売掛金を保険会社が保証する仕組みで、他の保険会社が追随すれば部品調達が危うくなる。そこでKKRの“御威光”を盾に信用不安の解消を図ったとの見立てです」(同)
そんな“サバイバル処世術”を本業で発揮していれば、それこそ最悪の事態を回避できたのではないか。
中国の新興自動車部品メーカーがタカタ買収に関心を示しているとの報道もあり、欠陥の原因究明という最も大事な部分が、どうにもおざなりになっている。