山口敏太郎
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トレンド 2011年04月06日 15時30分
うちなんちゅやまとんちゅ〜沖縄身の丈見聞記〜(10)「500年前の風・首里金城町石畳道」
沖縄の独自文化や日々のカルチャーショックのつれづれを綴っていく『沖縄身の丈見聞記』。 今回は、前回に引き続き「昔ながらの琉球の様子」を現在に伝えている所、という事で、『首里金城町石畳道』を紹介します。 『首里金城町石畳道』は、首里城のある高台から続くため、急な坂道や階段で構成されています。元は首里城から延びる官道で真珠道と呼ばれておりました。1522年、尚真王の頃に建造が始まり、総延長は10kmあったと言われています。しかし、第二次世界大戦の沖縄戦で大半が破壊され、現存するのは金城町にある238mの区間のみです。 足下には白い琉球石灰岩の平石が敷かれています。石垣の中には近世以前に建造された物もあり、500年前から変わらず人々の生活道路として使われております。この石畳の下には土や砂礫を敷いてあり、雨水を濾過する機能を兼ね備えていました。濾過された雨水は用水溝を通り、近隣の村の井戸へと流れる仕組みになっています。四方を海に囲まれた琉球で真水を潤沢に得るため、先人達の知恵が隠されていたわけです。 歴史的価値も高いこの街道は『日本の道100選』に選ばれており、また沖縄県の指定史跡ともなっています。 前回の「内金城嶽と大アカギ」(http://npn.co.jp/article_mroonga/detail/79579093/)は、この石畳道から延びる脇道を入ったところにあります。脇道からさほど離れていない所には、あのNHK朝の連続ドラマ『ちゅらさん』の主人公の家として採用された民家も建っております。 首里城にも近く、観光地としてメジャーなせいか観光客の姿が目立つ所でした。そんな訳で、ここを訪れるにあたっていくつか注意点を。 この石畳道は沿道の方が今も使っている生活道路で、場所によっては車が走っている所もあります。日本の道100選に選ばれただけあって、非常に風情のある町並みですが、周りはあくまで住宅地で、民家が密集している所ですので、写真撮影等をする際は注意してください。 また、この道は思った以上に滑りやすいので、雨の日等の路面が濡れているときは足下にお気を付け下さい。 石畳道の途中には、集会所兼休息所の金城村屋が建っています。歩き疲れた際は、昔ながらの建築様式の東屋で昔から変わらない琉球の風を感じてみてはいかがでしょうか。(黒松三太夫 山口敏太郎事務所)
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トレンド 2011年04月05日 15時30分
「3年目の浮気」は本当か?
「3年目の浮気」という言葉があります。愛し合っていた夫婦やカップルが3年目あたりで浮気をするというところから、そういう言葉が生まれたのです。別の言葉だと「恋愛の賞味期限は4年まで」というものもあります。これらの言葉は科学的に見ても本当なのです。 まず男女が出会い、恋に落ちます。すると脳からPEA(フェニルエチルアミン)という物質が出てきます。 これは覚醒剤の一種で、文字通り“覚醒”するわけですから、眠れなくなる、ウキウキとする、性欲が高まるなどの興奮作用があります。 また食欲を落とすという作用もあり、いわゆる「恋患い」「恋やつれ」などの症状を出すこともあります。 恋をしてウキウキワクワクドキドキとしている間は、相手の欠点が見えなくなってしまいます。これを心理学では“ピンクレンズ効果”と呼びます。つまりは文字通り「恋に溺れた状態」になるのです。 ただしこのPEFを脳内で分泌し続けるのは、3か月から3年ぐらいまで。それ以上分泌され続けることはないようです。つまり3年くらいで、恋に落ちた頃のウキウキワクワク感はおさまってくるのです。 また他の理由として、もし人間が野生の状態であるとしたら、恋をした男女にはやがて子どもが生まれます。 他の動物なら、生まれてからすぐに歩いたりできるものですが、人間の赤ちゃんは他の動物に比べると未熟児のような状態で生まれてくるため、しばらくの間は母親がつきっ切りになって世話をしなければ、子どもは生きていけません。 この時点で父親が他のメスのほうにいってしまい、母親に食料などを運んでこなくなれば、母親は子どもを捨てて食料を探しに行かねばならず、子どもが生き残る可能性が低くなってしまいます。 そのため、子どもがある程度丈夫になるおよそ3歳くらいになるまで、カップルは愛し合うのではないかという説もあります。 3歳というと、子どもは母親の胎内で1年近く過ごしますから、約4年の間2人は恋の状態になり「4年たてば恋愛は終わる」ということになります。恋愛が終わるということは、パートナーと会っていても以前のようなドキドキワクワクがなくなり、欠点も目についてくるということです。 これらのことから「3年目の浮気」に走る人が出てくるというのです。これは別の遺伝子の持ち主を探しはじめるということでもあります。もちろん、みんなが浮気をするわけではありません。人間とはよく出来ているもので、恋愛が終わった頃になると別の脳内物質が分泌されるようになります。 それがセロトニン。 前述したPEAが覚醒剤の仲間であるとしたら、セロトニンは麻薬の仲間といっていいでしょう。覚醒剤がシャッキリ、ドキドキワクワクとするものだとしたら、麻薬はマッタリウットリとさせてくれるものです。 セロトニンは脳内でも大切な物質で、それが少なくなると不安になり、うつ病になったりします。だからうつ病の治療薬には、セロトニンをコントロールするような成分が入っています。 恋愛が終わり子どもができたカップルはセロトニンが多くなってきます。 セロトニンは【幸福ホルモン】といわれており、家族と過ごすことで幸せになることができます。事実、結婚している人としていない人の「幸せ度」を調査したところ、結婚している人の方が圧倒的に高い結果になっています。 このようにどうやら「3年目の浮気」は、自分の遺伝子をより有利に次世代に運ぶための本能といえそうです。つまり、浮気ばかりしている人は、恋愛のスリルを楽しめる分、家庭や家族という安心を犠牲にしているということにもなるのですね。おもしろいものです。(巨椋修(おぐらおさむ) 山口敏太郎事務所)参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」http://blog.goo.ne.jp/youkaiou/
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社会 2011年04月02日 17時59分
愛知県西三河地方の伝説「衣の里の匂い桜」
愛知県豊田市挙母町にある挙母(ころも)神社の境内には、豊田市が指定した天然記念物や名木が数多く植えられている。 その中に香り高い名木として知られる「匂い桜」が忠魂碑の前にある。「匂い桜」は由緒ある桜として、昔から歌にも詠まれていた。現在は2代目になってしまったが、『富士紀行』、『覧富士記』、『爲家歌集』、『三河紀行』、『夫木和歌抄』などに詠まれた句が載っている。 また、境内の拝殿近くに台座を含めて約1m程の自然石できた「匂い桜」の歌碑が建っている。「立帰り猶見てゆかん さくら花 衣の里ににほう盛りを」と刻まれており、昭和45年に建立された。この歌は鎌倉時代・文永2(1265)年、三河守左近中将呉氏が詠んだとされ、白河殿歌合せ、『夫木和歌抄』にも収録されている。 桜の前には、「木のもとに 汁も鱠も 桜かな」と、俳聖・松尾芭蕉(1644〜1694)が詠んだ句碑も建っている。この桜の句は、元禄3(1690)年3月2日、芭蕉が伊賀上野にある風麦亭で作られた句であるが、このような句碑は、全国各地の桜の名所に多く建てられているものである。 松尾芭蕉の句碑は寛政11(1799)年10月12日に建立されたが、建立者は不明である。もともとは挙母神社の境内にある桜の根元の草むらに台座なしの状態で埋もれていた。大正15(1926)年、地元の俳人・松村晩翠と俳人衆13名によって、現在の匂い桜の前に移され、石積みされた。 また、挙母神社がある付近一帯は衣の里と呼ばれ、古くから名勝地であったため、その名は様々な文献に書かれている。「ころも」という文字は衣、許呂母、来藻、挙呂母などの漢字があてられた。『和漢三才図絵』には「衣の里二村山之来た一里」と、『千載集』には「ほど近く衣の里になりぬらん 二村山を越へてきつれば」と、『東方説話』には「左の方に衣の里衣街道といふあり、衣の里へ行く道とや、春は霞、桜・梅、夏は卯の花・ほととぎす、名に負ふ衣の里と云へ侍べれど、程遠ければ見にも行かれず」とある。(写真「挙母神社の芭蕉句碑」愛知県豊田市挙母町5丁目1番地) (皆月斜 山口敏太郎事務所)
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その他 2011年04月02日 17時59分
声優業界の志望者必見イベント・Respond! YOU!!、有意義過ぎるレポート
声優を目指す人達に声優業界のお仕事を語っていくイベント、「Respond! YOU!! 聞きたくねーか? 本音のハナシ。」。今回の大地震により開催が危ぶまれたりもしたが、見事に予定通り20日の日曜日に開催されることになった。予定通りに開催してくださった主催者の英断に拍手を送りたい。 会場の阿佐ヶ谷ロフトAにも、まだ地震からわずか9日で、都内の交通も完全に平常には戻りきっていないにも関わらず、非常に沢山のお客さんが来場していて、改めて声優を志す人や声優ファンはとても多いとのだ、ということが分かった。 イベントは全3部作構成となっていて、まず最初の第1部では、声優プロダクション・RMEの会長を務められるベテラン大御所声優の柴田秀勝氏と、シークレットゲストの某ベテラン声優をゲストにお迎えし、司会の木村裕二氏とアシスタントの嶋田なな氏と共にトークをしつつ、声優になって良かったこと、声優になって辛かったこと等を会場のお客さんに説明されていた。もちろん会場のお客さんからの質問に柴田氏やシークレットゲストが答えたりもして、会場に来ている声優志望のお客さんに声優業界を知ってもらうために、とても勉強になるコーナーとなった。 第2部では公開模擬オーディションが行われた。 架空のテレビアニメの台本を用意し、主人公の女子高生の女の子と、主人公の年の離れた幼馴染の青年の役を選ぶためのオーディションがRME所属の若手声優のみなさんによって行われ、その審査員を務められるのが、『瀬戸の花嫁』『天体戦士サンレッド』『Angel Beats!』でアニメ監督を務める岸誠二氏と、音響監督を務める飯田里樹氏である。 会場のお客さんも、オーディション参加者の中で誰が一番役に合っているかを、技術、キャラのイメージといった項目から採点していく審査員として全員参加することになった。これにより声優のオーディションの様子を伝えるために、実際にオーディションをやってみるコーナーとなったのである。 そして最後の第3部では、出演者みんながステージに集まって、またいろいろトークやお客さんからの質疑応答を時間の許すまで行い、この楽しく、とても有意義なイベントは終了したのだった。 さらには、こちらのイベントは今年の夏頃に第2弾が開催されるそうである! 今回地震の混乱等で残念ながら来ることが出来なかった人も、次回こそは参加してみたらいかがだろうか? 声優業界に興味のある人にとっては、間違いなく得る物が多いイベントである。次回の開催もとても楽しみである。(伊藤博樹 山口敏太郎事務所)
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スポーツ 2011年03月31日 15時30分
「地下は揺れない」の合言葉のもとに、ふたたび繰り広げられた至高の10分間 3・27地下プロレス『EXIT-65 WANABEE 2』(3)
【第1試合】“カナディアン・タイガー”ブラック・トムキャット vs “タックル将校”竹嶋健史 第1試合に、様々な謎の行動で地下世界に波紋を呼び続ける“カナダの金髪虎”が登場。地下では初のシングル戦となり、その闘いぶりが注目されたが、終始グラウンドで、竹嶋を手玉を取るように翻弄。カナダの虎の、その確かなグラウンドテクニックを見るに、カルガリーの地下牢「ダンジェン」の存在を連想してしまうのだが…。このミステリーが明かされるのは、まだ先の話だろうか。○ブラック・トムキャット(6分53秒 チキンウイング・フェイスロック)●竹嶋【第2試合 EXIT-JAPAN特別試合 10分一本勝負】“人間狂気”紅闘志也 & “兇悪獣”ナイトキング・ジュリー & “実弾アンダーグラウンド”SEIKENvs“頭突き世界一”富豪2夢路 & “地下横綱”梅沢菊次郎 & “足技の魔術師”小笠原和彦 今も記憶に新しい、東日本大震災の2日後にCORE STADIUMで行われた、至高の6人タッグマッチ。 しかしながら、あの試合の記憶が鮮明に残っているということは、今も我々は震災の影響下のまっただ中にいることに他ならないのだ。わが国日本の行く末には今も、未曾有の国難が高い高い壁となって立ちはだかっている。 この日、フランスの地下組織WUW(World Underground Wrestling)よりついぞ最後まで、選手としての招集を受けなかった紅、夢路、梅沢、小笠原、ジュリー、SEIKENの6人。 しかし震災の2日後に行われた伝説の一戦の時と同様、彼ら「EXIT-JAPAN」の思いは、「日本のために…」という一心で固まっていた。そしてあの日と同じ、10分間の6人タッグマッチが始まった。 入場コスチュームが揃っていないなど、そんなことは些末だった。ジュリーに至っては、私服のままでファイトした。 入場時に夢路が掲げた掛け軸に書かれた「地下は揺れない」のメッセージは、すべての地下戦士たちの総意だ。 天変地異にも、地下は負けない、曲がらない、変わらない。 日本が心配な今こそ、強い精神力、人間力が必要だ。 かくして、この日もまた至高の10分間だった。10分という限られた時間だからこそ、6人の地下戦士たちは惜しげもなく、ゴングの瞬間からトップギアで駆け抜ける。 10分一本勝負ならば秒殺でカタをつけてやれとばかりに、打撃の速射砲を乱れ撃つ紅。 たった一発が必殺技となりかねない、硬いALAISEの深紅のマットめがけて、夢路は豪快に投げ技を連投する。 なんと梅沢相手に相撲で(!)勝負を挑むジュリーを、梅沢はぶつかり稽古のようにちぎっては投げ、“地下横綱”のさすがの貫禄を見せつける。 目の前の激闘に刺激された小笠原も、地下王者・紅に正拳、手刀、そして胴廻し回転蹴り(!)まで繰り出す猛烈ぶり。 こうして10分間は、夢のように過ぎ去っていった。 試合終了の瞬間、夢路は紅の左脚を必死の形相でロックしていた。前戦で語っていた「俺も紅のベルトに照準を定めたい」と語った決意が、早くも形となって現れていた。 日本復興の思いとともに、地下の未来の展望すらも感じさせる、特別な10分間。 もう一度言おう。「地下は揺れない」。 全試合結果は以下の通り。◆地下プロレス『EXIT-65 WANABEE 2』2011年3月27日(日)開始:16:00会場:東京・高田馬場「ALAISE」<第1試合 時間無制限一本勝負>○ブラック・トムキャット(6分53秒 チキンウイング・フェイスロック)●竹嶋健史<第2試合 EXIT-JAPAN特別試合 10分一本勝負>紅闘志也、ナイトキング・ジュリー、SEIKEN(時間切れ引き分け)富豪2夢路、梅沢菊次郎、小笠原和彦<指名演武 “戦場の舞姫”Ishtaria NON><第3試合 地下日本女子王者決定戦 vol.1 時間無制限一本勝負>○AI(7分21秒 TKO)●市井舞 ※顔面蹴り<第4試合 WALABEE TV 選手権>○[挑戦者]怨霊(18分06秒 変型足四の字固め)●[王者]矢野啓太※初代王者・矢野が防衛に失敗。怨霊が第2代王者となる。※国歌斉唱 “予測不能ラッパー”PRIMAL※試合はすべてKO、ギブアップのみで決着。地下プロレス『EXIT』公式サイトhttp://www7.plala.or.jp/EXIT/梶原劇画で伝承された「地下プロレス」が、この日本に存在した! 闇の闘いを伝える『EXIT』とは何か!?http://npn.co.jp/article_mroonga/detail/97320773/大震災で事実上中止となった地下プロレス『EXIT-64 CORE:U』。コアスタジアムに出現した、幻の10分間とは何か。http://npn.co.jp/article_mroonga/detail/49800618/(山口敏太郎事務所)参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」http://blog.goo.ne.jp/youkaiou
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スポーツ 2011年03月31日 08時00分
“ミスターALAISE”矢野啓太、まさかの王座陥落! WALABEE TV 王座は怨霊の手に 3・27地下プロレス『EXIT-65 WANABEE 2』(2)
【メインイベント WALABEE TV 選手権】[王者]“革命王子”矢野啓太 vs [挑戦者] “霊界の貴公子”怨霊 高田馬場「ALAISE」のメインディッシュは、やはりこの男、矢野啓太。 昨年8月の初開催以来、同会場で名勝負を連発し、ついには11・28『EXIT-56 WANABEE』にて地下の牢名主・富豪2夢路をも撃破した矢野。地下フリークの間において、「ALAISEに矢野啓太あり」は、もはや常識となっている。 その伝説の一夜、11・28『WANABEE』の続編ともいえる『WANABEE 2』の名が冠されたこの日。入場曲であるGO!GO!7188の「C7」のイントロが流れると、満員の観客が一斉に揃った手拍子で王者を出迎える。アタッシュケースに“至宝”たるWALABEE TVのベルトを包み、悠然と入場する矢野啓太。全身から漲る自信と誇りは、百戦錬磨の怨霊を前にしても揺らぐことはない。この男こそまさに、“ミスターALAISE”なのだ。 試合はこの日も、矢野が信念を懸けて追求し、そして進化させている“チェーン・レスリング”の攻防が続く。怨霊がじっくりとレスリングを見せるのも珍しいが、彼もまた、グラウンドの技量で“知る人ぞ知る”評価を得ている存在なのだ。矢野のレスリングに怨霊が呼応し、会場全体に、静謐(せいひつ)の中に苛烈な熱気を携えた空気が流れる。 注目すべきは、両者がありとあらゆるロックで、お互いの脚を極め合っていること。この試合のポイントは「脚」になりそうな予感が漂う。それにしても、お互いが難解極まるロックをかけ合う姿は、複雑に絡ませすぎて外れなくなった知恵の輪のようである。 ゲームを先に動かしたのは王者・矢野。数少ない打撃技(それだけに繰り出された瞬間のインパクトが大!)の一つ、エルボースマッシュの連打がその合図だ。そして「Fu×k!」と叫んでのドロップキック、ワンハンドバックブリーカーと畳みかけると、地下フリークたちも一様に、フィナーレの到来を予感する。 そして勝負を懸けたサソリ固め! これまで延々と怨霊の脚に狙いを定めていた矢野。この選ばれし一夜のフィニッシュに、矢野啓太ははこの技を選んだのか。天に高く掲げた一本指に、その決意を見る思いである。 しかしながら必死に鎖に逃れ窮地を脱した怨霊は、矢野の両ヒザめがけ電光石火の低空ドロップキック! 次は怨霊が矢野の脚を壊しにかかる番だ。この衝撃弾に大きく揺らいだ矢野のダメージは深刻だった。形勢逆転の怨霊は、すぐさま変型足四の字で矢野の下半身をがっちりとロック。 そして、脚殺しを軸とした名人同士のパズルは、怨霊に凱歌があがることとなった。矢野が動けないことを悟ったレフェリー・小笠原和彦は試合をストップ。ミスターALAISE・矢野啓太が、ALAISEのリングで虎の子のWALABEE TVの王座を失った。これは“地下の一大事”である…!○怨霊(18分06秒 変型足四の字固め)●矢野 地下世界王者・紅闘志也がタッグ戦ながら“地下横綱”梅沢菊次郎に敗れるなど、今年に入ってから必ず“何か”が起きているALAISEの地下プロレス。気まぐれなALAISEの勝利の女神は、ミスターALAISEすらも身贔屓しなかった。 それにしても、自らの象徴ともいえるWALABEE TVのベルトを失った矢野啓太は、今後どのような動きを見せるのか。刮目して見守らなければならない。地下プロレス『EXIT』公式サイトhttp://www7.plala.or.jp/EXIT/梶原劇画で伝承された「地下プロレス」が、この日本に存在した! 闇の闘いを伝える『EXIT』とは何か!?http://npn.co.jp/article_mroonga/detail/97320773/“高田馬場の地下プロレス”に矢野啓太あり! 地下史に残る死闘の末、富豪2夢路も撃破した!http://npn.co.jp/article_mroonga/detail/53521484/怪物・梅沢菊次郎、2011年に大噴火!? 地下世界王者・紅闘志也を撃破! 1・23 地下プロレス『EXIT-60 EYES』(1)http://npn.co.jp/article_mroonga/detail/62785889/(山口敏太郎事務所)参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」http://blog.goo.ne.jp/youkaiou
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スポーツ 2011年03月30日 15時30分
地下日本女子王者決定戦・初戦にて、AIの“おんな人間狂気”ついに覚醒! 3・27地下プロレス『EXIT-65 WANABEE 2』(1)
3月27日、東京・高田馬場『ALAISE』にて、地下プロレス『EXIT-65 WANABEE 2』が行われた。 去る11日の東日本大震災以来、初めてのALAISE開催の地下プロレスだったが、会場は闘いに飢えた地下フリークたちがごった返し超満員。鮮血を思わす色彩の深紅のマットで、血湧き肉躍る熱戦の数々が繰り広げられた。【第3試合 地下日本女子王者決定戦 vol.1】“おんな人間狂気”AI vs “トラブルメーカー”市井舞 特筆すべきは“おんな人間狂気”AIに尽きる。 この日より闘いの火蓋が斬って落とされた「地下日本女子王者決定戦」。「vol.1」と銘打たれた記念すべき初戦に、当然と言わんばかりに選出されたAI。 その対戦相手として、女子プロレスきってのトラブルメーカーとして鳴らす市井舞がリングインした時は、満場の観客から何ともいえないどよめきが湧きあがった。 “地上”の女子プロレスのリングで闘う場所を失った市井と、“地上”のキックのリングからはぐれ、地下に流れ着いたAI。いわばこの対決は、地下でしか生きられない宿命を背負う女同士の必然、ということか。 これまでの地下のリングでのキャリアはタッグ戦のみで、いまだ本領を100%発揮していないAI。初のシングル戦での闘いぶりが注目されたが…。 地下プロレスは、とんでもない野獣を野に放ってしまったようだ。 シングルマッチの舞台で、いまだ全解放されていなかったAIの“おんな人間狂気”が、いよいよ大覚醒してしまったのだ。やはりこの女の本来の土俵は、“タイマン勝負”に他ならなかったのだ。 AIの入場と同時に、“兄”紅闘志也が彼女に自身のオープンフィンガーグローブを手渡す。これが兄から妹への“人間狂気伝承”の儀式なのか…!? 開始直前、市井の握手を右手でハネのけて拒絶し、すでに臨戦態勢のAI。目の前の獲物を一秒でも早く喰い殺してしまいたい、といわんばかりの殺気に満ち満ちている。 ゴングとともに黒豹のような身のこなしで今日の獲物=市井に襲いかかるAI。早くもロー、ミドル、ヒザを乱れ打ち、市井を蜂の巣にする。 野生のジャングルならば、肉食獣に捕まった獲物はそのまま餌になるのが宿命だが、“トラブルメーカー”市井がこのままむざむざと喰い殺されるはずがない。蹴りまくられながらも眼光鋭くチャンスを見計らっていた市井は、AIの蹴り足をつかみ、低空タックルでテイクダウン。得意の寝技でAIを、彼女にとっての“未体験ゾーン”に引きずり込む。強者同士がぶつかる地下のジャングルには、食物連鎖は存在しないのだ。 マウントポジションからすぐさま腕ひしぎ逆十字、マウントをパワーでひっくり返し体勢を逆転させれば、待ってましたとばかりの三角絞め。寝技の対処法をまるで知らないAIは、このままあっけなく逆転を許してしまうのか? …と思いきやなんと、上半身を固められながらAIの長い脚が、市井の顔面めがけて大ナタのように唸りをあげて飛んでくる! ありえない角度、ありえない体勢から市井の顔面を本能のままに蹴りあげ、あっという間に形勢を再逆転させてしまうAI。おんな人間狂気が、窮地に追い込まれた瞬間に覚醒したのだ! 戦場を自らの土俵であるスタンドに戻し、再び市井を蹴撃するAI。しかし市井はこれをかいくぐってAIのバックを奪い、渾身一滴のスリーパーホールド! その力の漲りよう、悲壮感をたたえた決死の表情からして、市井がこの瞬間、この技にすべてを懸けていたのが窺える。 しかしこれも覚醒する本能でハネのけたAIは、市井のボディに鋭すぎるヒザ蹴りを一閃! 尻もちをついてダウンした市井めがけて、獰猛に襲いかかるAIは、なんと起き上がりざまの市井の顔面にエゲツなさすぎるサッカーボールキック! 場内に乾いた衝撃音が響きわたり、大の字に伸びてしまった市井。もはや試合続行は不可能だった。○AI(7分21秒 KO)●市井 ※顔面蹴り ダウンしたままの市井を見下ろし、修羅の形相で勝ち名乗りをあげるAI。初シングル戦を恐ろしすぎる強さとエゲツなさとともに完勝で飾ってみせたが、はたして今後、地下のリングに彼女を倒せる“地下女子”は現れるのだろうか。 この日「vol.1」と銘打たれてスタートした地下日本女子王者決定戦。これからも頂点を目指して、地下に生きる女たちの闘いは続いていくようだ。 KOのショックから目を覚ました市井は、敗れこそすれ「これが本物のプロレス。こんな闘いができて嬉しい」と目を輝かせて語ったそうである。 そして、AIよりも先に地下日本女子王者決定戦出場のパスポートを手渡された華名の動向も気にかかる。 女たちの本能むき出しの闘いが、今や地下の重要トピックのひとつとなりつつある。地下プロレス『EXIT』公式サイトhttp://www7.plala.or.jp/EXIT/梶原劇画で伝承された「地下プロレス」が、この日本に存在した! 闇の闘いを伝える『EXIT』とは何か!?http://npn.co.jp/article_mroonga/detail/97320773/初参戦“おんな人間狂気”AIとはいったい何者?http://npn.co.jp/article_mroonga/detail/54446867/華名、日本地下マットに女子初見参! そして…!? 9・12地下プロレス『EXIT-46 ANNIVERSAIRE』(1)http://npn.co.jp/article_mroonga/detail/18410126/(山口敏太郎事務所)参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」http://blog.goo.ne.jp/youkaiou
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その他 2011年03月30日 15時30分
【コラム】秋葉原初! ポリスのコスプレ女の子によるリフレ店を体験レポート
その日、私は秋葉原で一人の若い女性警察官から取り調べを受けていた。 私は正直に、自分の罪を洗いざらい告白した。 取り調べを終え、私は溜まりに溜まっていた「疲れ」を逮捕してもらったのだった。 …秋葉原駅電気街口を出て徒歩1分の場所にある「出動!あきばふみもみポリス」は、秋葉原初のポリスのコスプレをした女の子が足でふみ、手でもんでくれるリフレ店だ。 彼女たちの使命は、ずばり容疑者の皆さんの疲れを逮捕すること! 自身の肉体に溜まった疲れを逮捕してもらおうと、私・中沢健はカメラマンの穂積昭雪氏を引き連れて、「出動!あきばふみもみポリス」に向かった。 担当してくれたのは生活環境課のアンナさん。何故、生活環境課の方が私の疲れを逮捕せねばならないのかはよくわからないが、他にもここには少年課、取り締まり課、監視課、指令課などに所属している女性警察官たちが在籍しているらしい。「少年課というのは、若いお客さん(容疑者)が来た時に担当されているのですか?」という私の問いに「別にそういうことでは無いです」とアンナさんは答えた。 私は普段から職務質問に会うことが多いのだが、なかなか初めて会った警察官の方とフレンドリーに話すということは難しい。だが、アンナさんによる取り調べは非常に楽しく会話が進み、私の疲れの状態が大体把握出来たところで、布団にうつ伏せで横になるように指示された。 そこからアンナさんによる、足ふみマッサージをやってもらったのだが、これが実に気持ちいい。 正直に言うと、私はポリスのコスプレをした女の子のマッサージなんてそんな本格的なものではないのだろうと甘く見ていた。だが、そんな私の予想に反してアンナさんのマッサージは極楽であった。 話を聞いてみたら、このお店で働いている女の子はちゃんと全員、専門家からの講習を受けて、専門家から合格と認められた子たちなのだ。 可愛い女の子にマッサージしてもらえるだけでも幸せなのに、技術もしっかり伴っているというのだから、これを極楽と呼ばず何と言おうか。 写真を撮影していた穂積氏の、本気で羨ましそうな視線を感じる。 私は以前から腰の調子があまり良くなかったので、腰を中心にふんでもらった。 その後、今度はアンナさんにひざ枕をしてもらい、頭部のマッサージ。物書きは身体以上に頭が疲れているものなので、頭部のマッサージの気持ち良さも素晴らしいものがあった。 と、ここまでは全てが極楽の取材になり、このまま取材を終えてしまおうかと私は思ったのだが、そこで穂積氏が「ここに書いてある『萌魂注入! ビンタの刑♪』ってのは何ですか?」と、マッサージの料金表を見ながら余計なことを訊ねた。 この『萌魂注入! ビンタの刑♪』は、女の子たちから萌魂を込めた往復ビンタを思いっきり受けられるというものであった。 私はMではないので、ビンタを受けたいという欲求は無かったのだが、残念ながら穂積氏の「中沢さんがビンタを受けているような絵は絶対にあった方がいいですよ」という言葉で、このサービスも行うことになってしまう。 手錠をかけられ、逃げることの出来ない私にアンナさんが思いっきりビンタを2発! …想像以上に痛い。 まぁ、でもこれで良い絵が撮れたのなら良かったか〜と思っていたら、「すみません、ちょっと上手く写真が撮れなかったのでもう一回ビンタをお願い出来ますか?」と穂積氏。その後、続けてアンナさんの強烈なビンタを食らっている私を見て心の底から嬉しそうにしている穂積氏を見て、彼がSであることを確信する私。 ちなみにこの『萌魂注入! ビンタの刑♪』は、ソフトとハードの2パターンが選べるので、ちょっと怖いという方はまずはソフトコースの弱めのビンタを受けてみるのがオススメである。私はハードコースの痛いビンタを食らったけどね。 そんなわけで、私の疲れはすっかり逮捕され、私は足取りも軽やかに「出動!あきばふみもみポリス」を後にした。 アンナさんの話では、すっかりこの「出動!あきばふみもみポリス」に夢中になり、疲れが溜まっていなくても訪ねてくる容疑者(お客さん)も多いのだとか。 もちろん、疲れの溜まっていない容疑者にも、ポリス達は真剣にマッサージをしてくれるとのこと。 皆さんも、溜まった疲れを逮捕してもらいに「出動!あきばふみもみポリス」に一度行ってみるのはいかがだろうか。出動!あきばふみもみポリスhttp://www.2623.jp/index.html(「作家・歩く雑誌」中沢健 山口敏太郎事務所)参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」http://blog.goo.ne.jp/youkaiou
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トレンド 2011年03月30日 11時45分
「かもめマシーン」主催の演出家・萩原雄太氏インタビュー
演劇カンパニー「かもめマシーン」は、現代を深く追求するテーマでさらなる成長をし続ける。 新作『プライマル・スクリーム』は、土地をテーマにした作品だ。 下北沢・小劇場楽園の舞台から客席まで敷き詰められた芝生は、とても不思議な光景だった。客は芝生の上に座りながら鑑賞する。 本来、誰のものでもないはずの土地。 登場人物は住宅販売会社の営業社員、住宅を買いに来る夫婦、ここは自分の土地だったと主張する若者、無職でヒッピーの男、そして謎の無言の女。 ひとつの土地を巡って激しく繰り返される議論。土地のアイデンティティーを探るうちに、やがて己のアイデンティティーへと見事にシンクロしていく…。 はたして、この劇に込められたメッセージとは何なのか? かもめマシーン主催、演出家の萩原雄太氏にお話を伺った。 −− 自己紹介をお願い致します。 萩原 劇作家兼演出家です。茨城県出身、27歳、10月1日生まれ。主な受賞歴は浅草キッド「本業」読書感想文コンクール入賞です。 −− 演劇に興味をもたれたきっかけ、又は演出家を目指されたきっかけを教えてください。 萩原 元々演劇は全く好きではない、文系サブカルな人間 だったのですが(今もです)、学生の頃に、ひょんなことから演劇サークルに入ってしまいました。なので、それ以降です。ただ、それからそれが楽しくて仕方なかったかといえば、そういう訳ではありません。映画の方が優れたメディアだなと今でも感じます。 −− 稽古や演出で注意している点はありますか? 萩原 嘘をつかないということかもしれません。大声を張り上げるのは嘘だし、殺陣とかラインダンスとかは、少なくとも僕のリアリティには必要ありません。そもそも舞台っぽい話し方がすごく嫌いです。なので、大声を張り上げないし、ぱきぱきと身体を動 かすこともありません。けれども、ふとした日常で「すごくおもしろいな」と思わせてくれるのが人間の不思議なところです。例えばワークショップで「他人の自己紹介を真似する」ということをするのですが、無意識に行う身体のクセや話し方のクセは、とても独特で魅力的です。真似しようと思っても真似することはできません。そういったものを舞台にあげるようにしています。 −− 『プライマル・スクリーム』のテーマを教えてください。 萩原 『プライマル・スクリーム』は、土地の話です。というのも、土地を所有するということはどういうことなんだろう? と素朴に疑問に思ったことがきっかけです。パレスチナでも、尖閣諸島でも、土地を巡ってトラブルが起きてますよね? 身につけているわけではないのに、持ち運べるわけでもないのに、大事にしまっておくわけでもないのに、どうして「土地を持つ」なんて思うことができるのでしょうか? そんな土地の叫びを聞いてみたいと思いました。 −− 『プライマル・スクリーム』の見どころを教えてください。 萩原 芝生の上に座って見ることができる、という芝居はあまりないのではないかとお思います。草いきれの中で演劇を見るのは、他の演劇とは異なっているのではないかと思います。 −− 今後の野望等ありましたら教えてください。 萩原 いろいろな所で、フジロックに出たいと書いています。始めは半ば冗談のつもりで書いたんですが、最近どうも本気になってきました。グリーンステージ(3万人収容の一番大きなステー ジ)で演劇をやってみたいし、それが可能な演劇を作りたいと思っています。それはおそらくとても難しいことだと思いますが…どうぞ、よろしくお願いいたします。 大いなる野望を持ち合わせながら、演出に対する独自の美学にぶれない軸を感じた。 新作も非常に楽しみだ。かもめマシーン主催、演出家・萩原雄太氏の今後の活躍に注目したい。※プライマルスクリームとは?:直訳すれば「原始の叫び」。イギリスのロックバンド「プライマル・スクリーム」には関係がない。ジョン・レノンがトラウマを吐き出すために治療を受け、「MOTHER」を生み出すきっかけとなった精神療法「プライマル・スクリーミング療法」に由来する。■かもめマシーンについて https://sites.google.com/site/kamomemachine/ チェーホフの「かもめ」と、ハイナー・ミュラーの「ハムレット・マシーン」という戯曲から命名されたカンパニー。2007年旗揚げ。カンパニーとしての当面の目標として、フジロックフェスティバルへの出演を掲げる。 これまでの上演作品としては「Barrett」(2007年、pit北/区域)、「日本の言葉」(2008年、ギャラリー ルデコ)、「家族」(2009年、西荻窪がざびぃ)など。また、シアターX国際舞台芸術祭にて「かもめ/マシーン」(2010年、シアターX)を上演。 萩原氏個人としては、江東区民とともに「芝浜」(2010年)の創作、ダンサー・手塚夏子とともに「ASIA INTERACTIVE RESEARCH」(2011年、森下スタジオ)を行う。 現在、フェスティバル/トーキョー公募プログラムの1次審査を通過中。(怪談作家 呪淋陀(じゅりんだ) 山口敏太郎事務所)参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」http://blog.goo.ne.jp/youkaiou/
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社会 2011年03月29日 11時45分
大地震によるデマその3「デマは心の闇が浮き彫りになる」
震災のような災害が起こると、必ずといって出てくるデマ。 大正12年に起こった関東大震災のときは、「朝鮮人が井戸に毒を入れ、暴徒化している」とか「朝鮮人が略奪、強姦、放火をしている」というデマがあらわれた。 もちろんこれは事実ではなかったのだが、皮肉なことにその出どころがデマをおさえる側の警察であり、そのデマを鵜呑みにしてしまった新聞記者が記事にしたため、一気に広がってしまったというものだ。 結果、正確な人数はわからないが数百人から数千人の朝鮮人、そして朝鮮人と間違われた中国人、言葉がうまく喋れない聾唖者、あるいは方言のある地方出身者が、暴徒から人々を守るはずの「自警団」から虐殺されてしまうという悲劇を生んだ。 大震災における朝鮮人虐殺は、普段は隠されている民族差別という“闇”を浮き彫りにさせるカタチとなった。これは、決して現在も消えたわけではない。 平成7年に起こった阪神淡路大震災のときも、関東大震災のときとまったく同じ「朝鮮人が略奪、強姦、放火をしている」というデマが走った。 そして今回の大地震のときも、やはりまったく同じデマが出てきたのである。大正時代の関東大震災との違いは、このデマを真に受けて外国人を大量殺害するような人々が出なかったということだ。日本人の民度がそれだけ高くなっていると思いたい。 また、関東大震災や阪神淡路大震災のときとの違いは、いまこの原稿を書いている3月22日現在において、被害が大きかった宮城や福島といったところではなく、ほとんど被害のない東京などで、ツイッター等のネットから発信されたことであろう。 困ったことに、このデマがツイッター等において【拡散希望】という名目でリツイートされ、それを読んだ、あまり物事を疑わない人たちが信じ込み、デマの拡散を手伝ってしまったことだ。 そしてこれらリツイートした人々の中には【善意】から、こういったデマを広げてしまった人がたくさんいるのだ。 しかもこのことについて、誰かが注意をした場合、「万が一本当にあったらどうするんだ!? 用心するに越したことはない!」という感情的な言葉が帰ってきて、人間関係までこじれてくることがある。 これは何も犯罪についてだけではない。 今回の地震は、原子力発電所が壊れ放射線という目に見えないモノが漏れ出すという事故も、同時に起こっている。 当初は、福島原発と千葉の製油所火災がゴッチャになり、 「千葉の製油所から出ている煙に猛毒の化学物質が入ってます。これから猛毒の雨が降るから、外出のときは傘とレインコートを着用してください!」 というチェーンメールが飛び交った。 放射線に関しては、この時点ではあまり問題なく、また、よくわからなかったこともあり「猛毒の化学物質」という表現になったのであろう。 これもどのような人が、チェーンメールを回したかというと、“善意の人”である。 やがて人々の注目が原発に向かうと、放射線を恐れるあまり外出する人が少なくなってきた。 また、地震の被害を受けていない東京をはじめとする関東の人々が、関西や九州などに避難していった。 中には、東京や関東を離れていった人を悪く言う人もいるが、政府・行政がまだ何も言っていないこの時期に避難するかしないかは、その人の思いや考え方次第なので、他者が文句を言う筋合いはない。 というのも、平常時においてならデマの裏を取ったりすることもできるが、緊急時において裏を取ったり確かめたりする時間がなく、反射的に動いた人が助かるという例もたくさんあるのだ。 例えば今回の大津波だが、「津波が来る!」という情報についてデマかそうでないかを確認しているうちに、逃げ遅れてしまった人もたくさんいると思われるのだ。 この場合、「津波が来る!」という情報を信じて、取る物も取らずに逃げ出した人が生き残ったわけである。 よって情報については、次のことがいえる。 平常時においては、政府や専門家、企業から出る情報を鵜呑みにするのではなく、いつも監視し疑っておくべきであろう。 そして非常時・緊急時においては、政府や企業、専門家の言うことを疑ってはならない。何かが起こってから疑っていると、逃げ遅れてしまったり手遅れになってしまうからである。 ただ、今回は残念なことに、政府も原発を扱う企業も、過去に隠蔽(いんぺい)やゴマカシをやり続けてきたキャリアがあり、市民は政府も原発も信用などしていないし、いまさら(信用など)できないという状況になってしまっている。 第二次大戦のときの「大本営発表」を鵜呑みにする人があまりいなかったがごとくである。 これからも被災地では、いろいろなデマが飛び交うことであろう。 原発のあった周辺では、農作物が売れなくなってしまったり、あるいはその土地に住んでいた人に対して「放射能汚染がうつる」といった根も葉もない噂が出たり、子どもたちの間ではいじめもおこるかもしれない。 そういった不幸なデマが飛び交ったとしたら、ちゃんと情報を整理して、これ以上の不幸を積み重ねないようにしなくてはならない。 デマは心の闇や不安を写すものであるからこそ、闇をうまくコントロールしていかなくてはならないのだ。(巨椋修(おぐらおさむ) 山口敏太郎事務所)参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」http://blog.goo.ne.jp/youkaiou/
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