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うちなんちゅやまとんちゅ〜沖縄身の丈見聞記〜(10)「500年前の風・首里金城町石畳道」

 沖縄の独自文化や日々のカルチャーショックのつれづれを綴っていく『沖縄身の丈見聞記』。

 今回は、前回に引き続き「昔ながらの琉球の様子」を現在に伝えている所、という事で、『首里金城町石畳道』を紹介します。

 『首里金城町石畳道』は、首里城のある高台から続くため、急な坂道や階段で構成されています。元は首里城から延びる官道で真珠道と呼ばれておりました。1522年、尚真王の頃に建造が始まり、総延長は10kmあったと言われています。しかし、第二次世界大戦の沖縄戦で大半が破壊され、現存するのは金城町にある238mの区間のみです。

 足下には白い琉球石灰岩の平石が敷かれています。石垣の中には近世以前に建造された物もあり、500年前から変わらず人々の生活道路として使われております。この石畳の下には土や砂礫を敷いてあり、雨水を濾過する機能を兼ね備えていました。濾過された雨水は用水溝を通り、近隣の村の井戸へと流れる仕組みになっています。四方を海に囲まれた琉球で真水を潤沢に得るため、先人達の知恵が隠されていたわけです。

 歴史的価値も高いこの街道は『日本の道100選』に選ばれており、また沖縄県の指定史跡ともなっています。

 前回の「内金城嶽と大アカギ」(http://npn.co.jp/article/detail/79579093/)は、この石畳道から延びる脇道を入ったところにあります。脇道からさほど離れていない所には、あのNHK朝の連続ドラマ『ちゅらさん』の主人公の家として採用された民家も建っております。

 首里城にも近く、観光地としてメジャーなせいか観光客の姿が目立つ所でした。そんな訳で、ここを訪れるにあたっていくつか注意点を。

 この石畳道は沿道の方が今も使っている生活道路で、場所によっては車が走っている所もあります。日本の道100選に選ばれただけあって、非常に風情のある町並みですが、周りはあくまで住宅地で、民家が密集している所ですので、写真撮影等をする際は注意してください。

 また、この道は思った以上に滑りやすいので、雨の日等の路面が濡れているときは足下にお気を付け下さい。

 石畳道の途中には、集会所兼休息所の金城村屋が建っています。歩き疲れた際は、昔ながらの建築様式の東屋で昔から変わらない琉球の風を感じてみてはいかがでしょうか。
(黒松三太夫 山口敏太郎事務所)

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