私は正直に、自分の罪を洗いざらい告白した。
取り調べを終え、私は溜まりに溜まっていた「疲れ」を逮捕してもらったのだった。
…秋葉原駅電気街口を出て徒歩1分の場所にある「出動!あきばふみもみポリス」は、秋葉原初のポリスのコスプレをした女の子が足でふみ、手でもんでくれるリフレ店だ。
彼女たちの使命は、ずばり容疑者の皆さんの疲れを逮捕すること!
自身の肉体に溜まった疲れを逮捕してもらおうと、私・中沢健はカメラマンの穂積昭雪氏を引き連れて、「出動!あきばふみもみポリス」に向かった。
担当してくれたのは生活環境課のアンナさん。何故、生活環境課の方が私の疲れを逮捕せねばならないのかはよくわからないが、他にもここには少年課、取り締まり課、監視課、指令課などに所属している女性警察官たちが在籍しているらしい。「少年課というのは、若いお客さん(容疑者)が来た時に担当されているのですか?」という私の問いに「別にそういうことでは無いです」とアンナさんは答えた。
私は普段から職務質問に会うことが多いのだが、なかなか初めて会った警察官の方とフレンドリーに話すということは難しい。だが、アンナさんによる取り調べは非常に楽しく会話が進み、私の疲れの状態が大体把握出来たところで、布団にうつ伏せで横になるように指示された。
そこからアンナさんによる、足ふみマッサージをやってもらったのだが、これが実に気持ちいい。
正直に言うと、私はポリスのコスプレをした女の子のマッサージなんてそんな本格的なものではないのだろうと甘く見ていた。だが、そんな私の予想に反してアンナさんのマッサージは極楽であった。
話を聞いてみたら、このお店で働いている女の子はちゃんと全員、専門家からの講習を受けて、専門家から合格と認められた子たちなのだ。
可愛い女の子にマッサージしてもらえるだけでも幸せなのに、技術もしっかり伴っているというのだから、これを極楽と呼ばず何と言おうか。
写真を撮影していた穂積氏の、本気で羨ましそうな視線を感じる。
私は以前から腰の調子があまり良くなかったので、腰を中心にふんでもらった。
その後、今度はアンナさんにひざ枕をしてもらい、頭部のマッサージ。物書きは身体以上に頭が疲れているものなので、頭部のマッサージの気持ち良さも素晴らしいものがあった。
と、ここまでは全てが極楽の取材になり、このまま取材を終えてしまおうかと私は思ったのだが、そこで穂積氏が「ここに書いてある『萌魂注入! ビンタの刑♪』ってのは何ですか?」と、マッサージの料金表を見ながら余計なことを訊ねた。
この『萌魂注入! ビンタの刑♪』は、女の子たちから萌魂を込めた往復ビンタを思いっきり受けられるというものであった。
私はMではないので、ビンタを受けたいという欲求は無かったのだが、残念ながら穂積氏の「中沢さんがビンタを受けているような絵は絶対にあった方がいいですよ」という言葉で、このサービスも行うことになってしまう。
手錠をかけられ、逃げることの出来ない私にアンナさんが思いっきりビンタを2発! …想像以上に痛い。
まぁ、でもこれで良い絵が撮れたのなら良かったか〜と思っていたら、「すみません、ちょっと上手く写真が撮れなかったのでもう一回ビンタをお願い出来ますか?」と穂積氏。その後、続けてアンナさんの強烈なビンタを食らっている私を見て心の底から嬉しそうにしている穂積氏を見て、彼がSであることを確信する私。
ちなみにこの『萌魂注入! ビンタの刑♪』は、ソフトとハードの2パターンが選べるので、ちょっと怖いという方はまずはソフトコースの弱めのビンタを受けてみるのがオススメである。私はハードコースの痛いビンタを食らったけどね。
そんなわけで、私の疲れはすっかり逮捕され、私は足取りも軽やかに「出動!あきばふみもみポリス」を後にした。
アンナさんの話では、すっかりこの「出動!あきばふみもみポリス」に夢中になり、疲れが溜まっていなくても訪ねてくる容疑者(お客さん)も多いのだとか。
もちろん、疲れの溜まっていない容疑者にも、ポリス達は真剣にマッサージをしてくれるとのこと。
皆さんも、溜まった疲れを逮捕してもらいに「出動!あきばふみもみポリス」に一度行ってみるのはいかがだろうか。
出動!あきばふみもみポリス
http://www.2623.jp/index.html
(「作家・歩く雑誌」中沢健 山口敏太郎事務所)
参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou