スポーツ
-
スポーツ 2018年09月24日 17時00分
プロレスラー世界遺産 伝説のチャンピオンから未知なる強豪まで── 「輪島大士」あらためて問われるプロレスラー輪島の是非
大相撲から転身したプロレスラーは多くいるが、中でもダントツの格上的存在が輪島であろう。幕内優勝14回。その身体能力の高さから「天才」「蔵前の星」とも称賛された輪島は、なぜプロレス界の“横綱”になれなかったのか? ※ ※ ※ 19世紀末にアメリカマットで活躍し、日本人初のプロレスラーといわれるソラキチ・マツダと、日本にプロレスビジネスを根付かせた力道山。この2人ともが大相撲の出身であり、その意味では日本において、プロレスと大相撲の間に深いかかわりがあることは否定できない。 では、元力士がプロレス向きなのかというと、これは話が違ってくる。 誰もが認める大成功を収めた元力士となると、前出の力道山以外では天龍源一郎くらいのもの。大相撲の最高位である元横綱からも東富士、輪島、北尾(双羽黒)、曙の4人がプロレス入りを果たしているが、転向当初の話題性ほどには活躍できていないのが現実だ。「全日本プロレス伝統の三冠王者にまでなった曙は、一応は成功の部類になるのでしょう。しかし、団体自体にかつての勢いがなく、また曙本人も格闘技に転向した初戦で、ボブ・サップに壮絶KO負けした印象が強いだけに、とても力道山や天龍に並ぶ成功とは言い難い」(スポーツ紙記者) その曙に、大相撲時代の成績で上回るのが輪島である。元横綱レスラーが大相撲時代に残した戦績は以下の通り。40代・東富士 幕内出場31場所 261勝104敗1分1預54休 幕内優勝6回。54代・輪島 幕内出場62場所 620勝213敗85休 幕内優勝14回。60代・双羽黒 幕内出場21場所 197勝87敗16休 幕内優勝0回。64代・曙 幕内出場63場所 566勝198敗181休 幕内優勝11回。 ライバル北の湖との激闘により一時代を築いた輪島は、大相撲の長い歴史の中でも屈指の存在であるに違いない。にもかかわらずプロレスの世界では成功とならなかったわけだが、その原因はどこにあったのか?「そもそもプロレスと相撲では、求められる能力が大きく異なる。立ち合いからの瞬発力勝負の相撲に対し、プロレスは時間をかけて観客にアピールしていくことが大切で、スタミナ勝負だとどうしても力士は分が悪い。それに相撲は技を仕掛けて倒せば終わりだから、プロレスのようにそこからどうするかという稽古はしていない。そのため、どうしても変な間が生まれてしまうんです」(同) また、相撲では倒されないための稽古はしても、倒されることを前提とした受け身はさほど重要視されていない。プロレスに転向した輪島が、わずか2年ほどで引退せざるを得なくなったのも、結局のところは試合中の受け身からのダメージが主因であった。「力道山や天龍も別に相撲の流儀で成功したわけではなく、その本質はアメリカンプロレスでした」(同) 外見などの雰囲気とは別に、そのベースには本場アメリカで実戦を重ねて体得したプロレス特有のリズムがあった。だからこそ、異なる世界で大成することができたというわけだ。 だが、輪島の場合は全日本プロレス入団を決めた時点で、すでに38歳と高齢であった。ビッグネームゆえ契約金も相当に高額であったに違いなく、この回収のためにも悠長に修行を積ませる時間はなかった。★日本デビューの相手は狂虎シン '86年4月に入団が発表されると、すぐさま輪島はアメリカに渡り、ドリー・ファンク・ジュニアやザ・デストロイヤー、パット・オコーナー、ネルソン・ロイヤルといった名選手たちの手ほどきを受け、御大ジャイアント馬場がタッグパートナーを務めて米マットでデビュー。馬場が直々に輪島のレスラーとしての成長を確かめたというわけだ。 そうしてアメリカで7戦をこなした後、一時帰国して日本マットデビュー。入門からわずか7カ月後、地元の石川県七尾総合体育館でのタイガー・ジェット・シン戦であった。 結果はタックルをジョー樋口レフェリーに誤爆した輪島と、そこから乱闘に引き込んだシンの両者反則。「鳴り物入りの大物新人だけに、全国放送のデビュー戦ともなれば手頃な相手を当てて勝たせたいところ。それをしなかったのは、当時の輪島に説得力のある勝ち方はできないという馬場の判断があったのでしょう」(プロレスライター) ぎこちないながらもスピニング・トーホールドを決め、ローキックやチョップでシンを追い込んだ輪島に対し、テレビ解説の山田隆氏は「及第点」としたものの、プロレスファンやマスコミの反応は芳しくなかった。 この頃のプロレス界ではメジャースポーツへの反感が強く、また、借金問題でしくじった輪島の来歴もあり、スター扱いすることをよしとしなかったのだ。 だが、あらためて振り返ればのちの大物転身組、北尾や小川直也と比べても輪島は十分真剣に取り組んでいたように見えるだけに、周囲がもう少し温かく受け入れていたなら、プロレスラー輪島はもっと違ったかたちになっていたかもしれない。 時代状況のせいとはいえ、今になって残念に思うファンも多いのではなかろうか。輪島大士***************************************PROFILE●1948年1月11日、石川県七尾市出身。身長185㎝、体重125㎏。得意技/ゴールデン・アームボンバー、2段式首折り。文・脇本深八(元スポーツ紙記者)
-
スポーツ 2018年09月24日 15時30分
新井、杉内の引退で思い出される夏の記憶
今季限りでの現役引退を発表した広島の新井貴浩、巨人の杉内俊哉。ともに所属球団のみならず、日の丸を背負った姿も鮮明に脳裏に焼き付いている。 オリンピックやWBCといった国際舞台を戦う上でも二人の存在は大きく、頼もしかった。新井、杉内が投打の中心としての活躍が見られたのが2008年の北京五輪。チームとして苦しい戦いが続いた大会ではあったが、最後まで日本代表を支えた。■五輪でも完璧な投球内容で相手を手玉に 北京五輪予選リーグ3戦目となる対オランダ戦。 この日の先発のマウンドを任されたのは杉内。初戦のキューバに敗れチャイニーズタイペイに勝利し、1勝1敗で迎えた日本代表は既にヨーロッパの強豪として捉えられていたオランダを相手に球界屈指のサウスポーを立て必勝を期した。 杉内は4回までをノーヒットに抑えるなど、代表戦初先発とは思えない見事な投球を披露。アマチュア時代から五輪の舞台を経験し、涼しげな表情を変えずに臆することなく投げ込む姿は自信に満ち溢れていた。 テンポのいいピッチングでオランダ打線を翻弄、7回を散発4安打に抑え日本の2勝目に大きく貢献する。北京の晴れ渡った広大な青空のもと、左腕から繰り出されるストレート、変化球は見とれるほどのキレを表現していた。■怪我を抱えながらチームの支柱として 大会を通じて日本の4番という重責を担った新井も、このオランダ戦で快音を響かせる。初回、ランナー二人を置いて右中間に目の覚めるような3塁打を放った。 このヒットこそ北京五輪での新井の初安打となり、チームを一気に勢い付かせた。前年のアジア予選でも4番を任され、3試合を通じて打率.500と期待通りの打棒を発揮、本大会での信頼も揺らぐことはなかった。だが、シーズン中に腰を負傷、万全ではない中で北京での戦いに挑んでいる。 2戦目までノーヒットが続き、4番としての役割を果たせずにいた新井、オランダ戦では「自分らしく積極的にいこうと考えていた」と語るように初球を叩いたこの3塁打にチーム、そして野球ファンも大いに沸いた。5回にも安打を放ち試合も6−0で勝利、大勝の口火を切ったのが待ち焦がれていた主砲の快打だったことは明らかだった。 杉内はこの試合の好投により、7日後の準決勝・韓国戦でも先発、事実上のエースという存在としてメダル獲得が決まる「決戦」のマウンドも託されている。新井も全試合で4番を打ちフルイニングの出場を果たす。大会後に骨折と発表された腰の怪我と、日の丸を支える重みに耐え抜いた。 北京では目標としていた金メダルには届かなかったものの、二人の見せたパフォーマンスは日本代表として相応しいものだった。長きに渡りファンを楽しませてくれた新井、杉内の偉大なプレイヤーの輝かしい軌跡の中にあるあの夏の激闘、それらは確実に我々の記憶にも刻まれている。(佐藤文孝)
-
スポーツ 2018年09月23日 17時45分
NPBが今年もドラフト会議にファンを招待 マナーの悪さに懸念の声
13日、日本プロ野球機構が10月25日に開催される「プロ野球ドラフト会議」に今年もファンを会場に招待すると発表した。 元来、ドラフト会議は日本プロ野球機構所属球団関係者が顔を揃え、関係者のみがホテルの一角で新人選手の交渉権を獲得するものだった。ところが、2009年から冠スポンサーが付き、「公開ドラフト」を開始。抽選で選ばれたファンが各チームのユニフォームを着用し会場を訪れ、抽選の際に贔屓球団名を叫ぶなど、歓声が上がることが定番となった。 ドラフト会議もエンターテインメントとしてしまうことに、一部からは不満の声がある。高校野球で活躍した選手しか知らず、大学・社会人野球の選手が上位指名されると、ブーイングが飛ぶことがあるためだ。 記憶に新しいところでは、2016年のドラフト会議で、阪神タイガースが事前に指名するとしていた桜美林大学の佐々木千隼投手を回避し、白鴎大学のスラッガー・大山悠輔内野手を一位指名。会場にいた阪神ファンが、「ええ?」などとざわつき、ブーイングなどを飛ばした。 大山は入団後のインタビューで「指名されたとき、ええーっと言われた。それは忘れられない」とコメント。プロ野球入りを志す若者に対する「ブーイング」に大きく傷ついたことを明かしている。佐々木と大山の現在の成績を見れば、指名は正しかったと言える。 今後、このような仕打ちを受けた場合、選手によっては「歓迎されていないのなら」と入団を拒否し、アメリカ行きや進学・会社残留を選択するケースも考えられるだろう。 「ドラフト会議の会場に来るファンと、プロのスカウトでは当然ながらアマチュア選手に対する知識量も見識も違ってくる。素人スカウト気取りよりプロの方が優れていることは火を見るよりも明らかです。 今年は高校生で大阪桐蔭の根尾や藤原、金足農業の吉田らが目玉とされていますが、東洋大学の甲斐野や上茶谷、日体大の東妻や松本、社会人野球では東芝の岡野や日本通運の生田目など、1位候補がズラリと並んでおり、高校生が1位を占める可能性は低い。 高校生しか知らないようなファンがドラフト会議の会場を訪れ、『根尾じゃない』『藤原じゃない』とブーイングするケースも考えられます。 実際、昨年のドラフトでもあまり知られていなかったDeNAの東や中日の鈴木が今年活躍していますし、巨人では『捕手採りすぎ』などと揶揄された大城や、田中俊太ら地味と言われた社会人野球出身者が活躍している。批判する人間が無知であることは明らかです。 無知で指名に口を出すような人間たちを会場に呼ぶことは、これからプロ野球に入ろうとする人間を傷つける可能性がある。彼らの門出に泥を塗るような行為を個人的にはやってほしくありません。そもそも人の人生を決めるイベントを飯のタネにし、『お母さんありがとう』などと特集するのは異常です」(野球関係者) ドラフトを見たいと思う気持ちはわからなくもないが、ブーイングなどは慎むべきだ。大山のような思いをする選手を、出してはならない。文・櫻井哲夫
-
-
スポーツ 2018年09月23日 17時00分
本田圭佑とイエニスタに見る「一流」と「超一流」の差
「結果が出なかったことは僕に責任があるし、敗北には理由がある。僕は、今日の敗戦を忘れることはないでしょう」カンボジア代表の監督に就任した本田圭佑(32)の初陣となった9月10日のマレーシア代表戦では、先制しながらも1-3の逆転負けを喫した。 本田が9月4日、初めてサッカー・カンボジア代表の練習で指揮を執った。指導者ライセンスを取得していないため、肩書はGMだが、実質的な監督だ。マレーシアとの親善試合では逆転負けはしたが、練習段階では専門誌の記者から「可もなく不可もなく」と評価されている。「指導者側が目立つのはいいとは言えない。何をやっているのか分からないくらいがちょうどいい」(同)との皮肉の声も聞かれたほどで、今季J1のヴィッセル神戸入りした元スペイン代表のアンドレス・イニエスタ(34)と比べると、その差は歴然である。「神戸選手の名前と顔、あだ名、経歴までしっかり暗記していたんです。実戦デビューするまで、全体練習に参加したのは、たった2回だけなのに」(関係者) その理由についても、選手でありながら「チームを強くする義務がある」と語っているという。 イニエスタは世界屈指の名門クラブ、FCバルセロナで16年間プレーした超一流選手。その高度なテクニックから「魔法使い」とも称されてきたが、決して偉ぶることはない。「通訳なしで会話は成立しませんが、練習中もチームメートに直接話し掛けたり、何か言いたげに相手の方を見たりします。世界のトッププレーヤーにそんなことをされたら、日本人選手のほうが焦ります。なんとか英語で対応したり、日本人選手のほうから通訳を探したり、コミュニケーションをとろうと必死です」(同) イニエスタは英語圏の出身ではなく、スペイン語が母国語だが、食事会にも積極的に参加するそうだ。世界のトップがどんな考え方でサッカーに取り組んでいるのか、神戸選手も興味を持たないはずがない。チームは確実に変わりつつある。これが「一流」と「超一流」との違いなのか――。
-
スポーツ 2018年09月22日 17時30分
過去8か国が獲得したFIFAランキング1位 意外にもオランダとベルギーは
去る9月20日、国際サッカー連盟(FIFA)から発表された最新のFIFAランキング。前回の55位から順位を1つ上げた日本を中心に、各国の状況を確認した人も多いことだろう。 前回2位のベルギーがフランスと並び同率1位となった以外には、トップ10に変化は無かった今回の発表。ただ、今月からヨーロッパでは新たに「UEFAネーションズリーグ」が開幕しており、次回以降の発表では大きな順位変動が起こることも考えられる。大会の経過と共に、今後の発表にも要注目といったところだ。 ところで、今回取り上げているFIFAランキングでは、これまでにアルゼンチン、イタリア、オランダ、スペイン、ドイツ、フランス、ブラジル、ベルギーの8か国が1位を獲得している。どの国も実績十分の強豪国であることは疑いようがないが、意外にもオランダとベルギーの2か国は、これまでのW杯で優勝した経験を持っていない。 2011年8月に1位となったオランダは、W杯に過去10回出場。1974年西ドイツ大会、1978年アルゼンチン大会、2010年南アフリカ大会では決勝進出を果たすも、いずれも敗れ涙を飲んでいる。ちなみに、オランダは過去8回UEFA欧州選手権(EURO)に出場してもいるが、こちらは1988年西ドイツ大会での優勝経験を持っている。 2007年6月時点では71位に沈んでいたベルギーは、そこから約8年後の2015年11月に初めて1位を獲得。これ以降今回までを含め、合計で6回トップに立っている。エデン・アザール、ケヴィン・デ・ブライネ、ティボー・クルトワといった選手たちを輩出した、育成力の賜物といえるだろう。 しかし、過去12回出場したW杯の成績は、記憶に新しい2018年ロシア大会の3位が最高。前述した豊富なタレント陣をもってしても、優勝トロフィーに手をかけることは叶わなかった。 以上のように、現在までW杯優勝を果たせていない両国。ただ、最高成績を見ると、非常に惜しいところまでは到達している。歯車が噛み合えば、“2冠”達成も決して夢物語ではないだろう。文 / 柴田雅人
-
-
スポーツ 2018年09月22日 17時10分
稀勢の里ハラハラ、ドキドキ、ヒヤヒヤ「横綱相撲」土俵裏②
10勝に届かないと引退勧告 前だけ向いて臨んだ本番。初日、女子プロゴルファーの比嘉真美子と婚約中の勢を得意の左を差してわずか3秒あまりで寄り切り。好発進すると、館内はまるで優勝でもしたかのような興奮状態になった。中でも、協会上層部は、これでしばらくは相撲人気が安泰だと言わんばかりの表情。 「立ち合いは悪くないし、相撲の流れもいい。まだ、場所は長い。本人も安心はしていないだろう」 と、八角理事長も大きくうなずいていた。 しかし、勝負の世界はそんなに甘くない。2日目からは一転して苦戦、ガマンの連続。両国国技館はハラハラ、ドキドキ、ヒヤヒヤしてファンが上げる悲鳴に包まれた。なかなかスンナリとは勝てないのだ。「1年半以上、フル出場していませんからね。やはり勝負勘はだいぶ落ちている。だから、なかなか勝機を見出せない。粘りに粘ってなんとか勝ちをつなげているのは、『まだ辞めたくない、もうひと花咲かせたい』という気力だけ。八角理事長も『気合いは入っている。だから残れるんだ』と話していた」(担当記者) 気になるのは、その気力や体力、スタミナがどこまでもつか、だ。なにしろ連日、1分近い熱闘に次ぐ熱闘が続く。場所前、けがに強い体に作り直すため、父親の貞彦さんのアドバイスで断食して体重を10キロ近く絞るなどしたが、いくら体力に自信がある稀勢の里でもたまったものではない。 案の定、初日から5連勝し、正面桟敷席から見ていた横審の北村正任委員長が、「横綱相撲を取って欲しいけど、(今場所は)無理を言うまい。これで1つのヤマ、障害をクリアしたね」 と、合格の判を押した翌日、気が抜けたような相撲で前頭2枚目の千代大龍に完敗。通算13個目の金星を献上し、翌8日目も初日から7連敗していた小結玉鷲に当たり負けすると、なんなく土俵下へ押しやられた。 「終盤戦は当然、相手も上位になり、前半以上に苦戦するのは間違いない。横綱の勝ち越しラインは2ケタ。もし10勝にも届かないようだと、また前半戦で打ち消したはずの引退論が息を吹き返してくる」(同) 稀勢の里は生き残ることができるか。両国国技館の悲鳴は、まだまだ収まる気配が見えない…。
-
スポーツ 2018年09月21日 21時45分
9.30RIZINに山本美憂は予定通り参戦!榊原実行委員長が語る晩年の山本KID徳郁さん
総合格闘技イベントRIZINは『RIZIN.13』9.30さいたまスーパーアリーナ大会に関する記者会見を20日、都内の事務所で行った。会見にはNHKも取材クルーを派遣。RIZINの榊原信行実行委員長に対して、18日に死去した山本KID徳郁さんに関する質問も数多く飛んだ。 まず、現在はRIZINを主戦場にMMAファイターとして活動している実姉・山本美憂のコメントが笹原圭一広報から読み上げられた。「この度のことでみなさまにご心配をおかけしていますが、私、山本美憂は9月30日のRIZIN.13は予定通り出場いたします。もちろん勝って弟にいい報告をしたいと思いますので、応援よろしくお願いします!みなさま、たくさんのたくさんの励ましのメッセージをいただき、本当にありがとうございます!」と30日のアンディ・ウィンとのリベンジマッチには予定通り出場する意向を明らかにしている。 会見前に電話で美憂と話したという榊原委員長は「最後までリングに上がりたかった弟のためにも、当日は試合をして勝利を捧げたい」と話していたそうだ。 榊原委員長によるとRIZIN関係者は2年前から、KIDさんがガンに侵されていることを知っていたとのこと。「KIDはPRIDEでもRIZINでも試合はしていないので、K-1やHERO'S、UFCの選手というイメージがあるんですが、同じ格闘技界にいましたので、親交はありました」と話した。「再び格闘技界を盛り上げるためにRIZINを立ち上げた時、KIDにもUFCの契約が終わったら上がってほしいという話はしてました」と参戦交渉をしていたことを明かした。 ガンが発覚してからも「ガンを克服してRIZINで試合をしてほしい」とオファーをし続けたという。KIDさんは姉の美憂や甥のアーセンをRIZINに送り出し、30日に那須川天心と“世紀の一戦”を行う堀口恭司も育てた。他にもKIDさんから教えを受け、言葉をかけてもらった選手はRIZINにはたくさんいる。当初描いていたものとは違う形にはなったが、RIZINと関わりを深める形になった。 「追悼セレモニーなどは(実父の)郁榮さんと話を進めている。ベストな形でできたらいいと思ってます」と検討中であることを明らかにした。晩年のKIDさんに関して榊原委員長は「ホントにガンなの?と思うぐらい。痛みとか辛さとかをわれわれには見せなかったですね」と回顧。最後まで“格闘家山本KID徳郁”のイメージを壊さなかったと証言し、「日本の宝を失った」と早すぎる死を悼んだ。 30日の大会では「PRIDE以来の集客」が見込めるのは確実で、チケットはプレイガイドに若干数を残すのみ。PRIDE時代のスタジアム仕様ではなく、今回もアリーナ仕様となっているが、消防法の限界までチケットを販売しており、25,000人以上の動員は間違いないという。 榊原委員長は「PRIDE.10の前にアンディ・フグが亡くなって、あの日の西武ドームは凄まじい熱を生んだことを思い出します。今回の大会はあの時と同じような熱を生み出す雰囲気がある」と語る。当日はKIDさんの思いが天国まで届くような熱い大会になるはずだ。取材・文・写真 / どら増田
-
スポーツ 2018年09月21日 21時15分
ネット上は賛否両論 雨の中強行された広島対阪神戦
選手にとってもファンにとっても、非常に疲れの溜まる試合となったことだろう。 広島・マツダスタジアムで20日に行われた広島対阪神戦。阪神が5‐4で広島を破ったこの試合だが、降りしきる雨の影響で2度の“水入り”。結果的に、試合が終了したのは翌21日の午前0時3分だった。 午後6時の開始予定時刻から、1時間9分遅れでプレーボールとなったこの一戦。初回に阪神が幸先よく1点を先制したが、2回終了後に再び中断。普通に考えると中止の決定が出てもおかしくは無かったが、今後の阪神の日程がかなり厳しいこともあり、結局試合は1時間2分後から再開された。 再開後はお互いに4点ずつを奪い合い、拮抗した試合展開を見せた両軍。ただ、帰宅時間のことを考えてか、回が進むごとに客席の観客は減少。試合終了時には、もはや“ガラガラ”といっても過言ではない状況となっていた。 ちなみに、この日の広島駅各線の終電時間は、「芸備線下深川行」が午後11時46分、「可部線あき亀山行」が午前0時5分、「山陽本線西条行」が午前0時7分、「山陽本線岩国行」が午前0時8分、「呉線広行」が午前0時11分となっている。試合終了まで見届けたファンの中には、泣く泣くホテルを予約した人ももしかしたらいたのかもしれない。 降り続いた雨の影響で、6時間越えの戦いを強いられてしまった両軍。今回の一戦を受けたネット上は「両チームとも怪我なく終わってよかった」、「選手もファンも本当にお疲れさまでした」といった声が挙がる一方、「日程の組み方が下手だからこんなことになる」、「もう二度と今日みたいな試合は見たくない」といったコメントも寄せられるなど、賛否両論の様相を呈している。 本日21日も午後6時から試合開始が予定されている両軍だが、広島の天気予報はまたしても雨となっている。これ以上選手やファンが無用なリスクを負わないためにも、上空の雨雲にはおとなしくしておいてもらいたいところだが…文 / 柴田雅人
-
スポーツ 2018年09月21日 17時40分
ヤクルト近藤一樹、“タイトルに無縁だった男”がプロ17年目で初タイトル獲得濃厚!
名門、日大三高を経て2001年ドラフト7位で近鉄に入団。オリックスとの球団統合を経て、2008年には初の二桁勝利をあげて、チームのCS2位通過に貢献。同学年の金子千尋とは親友の仲で、チームメイトやファンからは「近ちゃん」の愛称で親しまれた。しかし、長年右肘の痛みとの戦いが続き、手術も経験するなど苦悩の年が続いた。そんな近藤に常に気をかけていたのは、2010年からオリックスの監督を務めた岡田彰布元監督である。岡田元監督に近藤は「何度も怒られた」というが、その時にかけられた言葉が後にリリーフに転向してから、役に立っているそうで「あの時は分からなかったことが今では『そらそうよ』と思えるようになったので、岡田さんには感謝しかないですね」と感謝の気持ちを口に出していた。 2015年に、怪我のため育成選手になっていた近藤は、支配下選手に再登録されると、かつて得意としていたソフトバンクを相手に1411日振りの勝利をあげて復活。2016年は春季キャンプを一軍でスタートし、開幕後は「僕は谷間のスペシャリスト」と自虐していたが、その言葉どおり、先発ローテーションの谷間を任されていたが、6月に行われた交流戦のDeNA戦で1回5失点でKOされると、ファームに降格。再び一軍でのチャンスが与えられぬまま、翌7月にヤクルトへのトレードが発表される。近藤が移籍したことで、オリックスに近鉄出身の現役選手がいなくなった。 主に先発で起用されていたオリックス時代とは違って、ヤクルトでは壊れかけた試合を立て直す中継ぎを担当。連日、ブルペンに入るようになった。2017年にはプロ初セーブを記録したのをはじめ、中継ぎにセットアッパーに、抑えまでフル回転。54試合に登板している。この54試合の登板で「肘が痛くなかった」ことが、今年の飛躍に繋がることになる。 近藤のピッチングといえば、145キロを超える直球に、外角のスライダーの印象が強いが、今シーズンは長年練習で試しても落ちなかったフォークボールに、春季キャンプで再びチャレンジしたところ効果的に落ちたことから、スライダーとともにフォークを併用することで、「人がいないから僕がやってるだけです」と笑うセットアッパーのポジションを確立。今シーズンから近藤のトレードに積極的だったとされる小川淳司監督が再就任したことも追い風になっているのは間違いない。 「オリックスにもヤクルトにも本当に感謝してます。今では毎日投げるのが当たり前だと思ってるし、あれだけ痛かった肘に痛みはない。今年も体調を崩して調子が悪い時期もありましたけど、すぐに立て直すことができた。僕がタイトルに絡むなんて…ねぇ(笑)。でもチャンスですから、有難いことだと思ってます」 このトレードがなければ2016年シーズン終了後に戦力外になった可能性は高かった。当時、投手陣不足に頭を悩ませていたヤクルトのフロントからの話に、オリックスのフロントは「1年でも長くやらせてあげたい」という気持ちで近藤を送り出した。よくトレード後に活躍をすると「何で?」と騒ぐファンもいるが、それはあくまでも結果論であることを、近藤は証明したと言えるだろう。 今シーズンは20日現在、67試合に登板、6勝3敗、2セーブ、34ホールドで、40HPはセ・リーグ断トツでトップの成績。チームもCS2位通過が濃厚で、これまでタイトルに無縁だった近藤もプロ初タイトルを獲得する可能性が濃厚な状況。かつて、歌手のスーザン・ボイルを自身に重ねることを励みにしてきた近藤一樹は高卒プロ17年目で全盛期を迎えている。取材・文・写真 / どら増田
-
-
スポーツ 2018年09月21日 17時30分
進学か、プロ入りか?吉田輝星の進路が東京五輪を変える
17歳の進路決断が東京五輪の野球・ソフトボール競技の在り方を変えてしまうかもしれない。 9月20日、DeNAがスカウト会議を開いた。どの球団もそうだが、この時期に開かれるスカウト会議は1位指名候補を絞り込む。DeNA・高田繁GMも会議後、記者団に囲まれ、「6人くらい」と1位候補の絞り込みがかなり進んだことを明かしていたが、問題がひとつ。夏の甲子園大会で高評価された吉田輝星(金足農=3年生)の進路がいまだ「未定」なのである。 「プロ志望届を提出したら、複数球団が1位指名を表明するでしょう。入札による抽選は覚悟の上です」(プロ野球解説者) しかし、各球団のスカウトは「どちらの可能性が高いか?」と問われれば、現時点では「進学」と答えていた。 「U-18大会で他の強豪校選手と触れ、自身の力不足を痛感したようです。プロ入りに怖じ気づいてしまったというか…」(前出・同) 家族、学校とも話し合い、最終的な決断を下すが、大学球界などアマチュア野球の関係者たちは、人気の吉田が進学した場合に備え、早くも動き始めていた。2年後の東京五輪についてだ。 「吉田の進路先として有力視されているのは、八戸学院大学です。同大学の監督さんに指導され、急成長した関係からですが、大学球界では『吉田が進学したら、東京五輪のアマチュア枠』で強く推薦できると期待されています」(球界関係者) 東京五輪の野球代表チームはプロアマ混合チームで臨む。「圧倒的多数がプロ選手で占められる」との見方が支配的だが、追加競技の当落を争っていた際は、プロとアマチュアが協力体制を築いていた。したがって、プロ野球選手だけで代表チームを編成することはできない。アマチュア枠を設けることで双方は合意しているのだが、その人数の割合について聞くと、「そのほとんどがプロ選手になる」との見方が強まっている。 「8月のアジア競技大会で日本は野球代表チームも出場させていました。社会人野球の選手で代表チームが編成されたんですが、韓国は現役のプロ選手ばかり。決勝戦で日本は韓国に惨敗してしまいました。その結果、社会人野球からも『東京五輪でリベンジしたい』との要望が強まっています」(前出・同) もっとも、このアジア大会での敗退を受けて、「やっぱりプロ選手が行かなければ、国際大会は厳しい」と見る関係者もいないわけではない。 だが、全国区の人気者となった吉田が大学というアマチュア球界に進むのなら、「大学、社会人から何人以上の選出を」とプロ側に強気の交渉も可能になっている。大学球界に詳しい某スカウトによると、昨季も同じような動きがあったという。早大進学か、プロ入りかで進路問題が揺れていた清宮幸太郎のことだ。 清宮が進学していたら、プロ側も野球競技への関心を高めるため、彼の代表入りを快諾していたという。こうしたアマチュア側の動きを考えると、プロ側は代表人数について大幅な譲歩も検討しなければならないだろう。 「プロ野球にはWBCという国際大会がありますが、アマチュアの国際大会はさほど注目されていません。U-18大会にしても、清宮、吉田と2年続けてスター選手が輩出されたから注目されたので、プロ野球側はアマチュア団体と今後も円満な関係を続けて行きたいのなら、オリンピックの舞台はアマチュア選手を優先していくべき」(ベテラン記者) 人気の吉田の進路がプロとアマチュアの今後の関係を大きく変えそうだ。(スポーツライター・飯山満)
-
スポーツ
新日本プロレス 後藤洋央紀がG1初制覇
2008年08月18日 15時00分
-
スポーツ
新日本プロレス 真壁刀義が2年連続で内外タイムス賞に
2008年08月18日 15時00分
-
スポーツ
新日本プロレス 武藤敬司が後藤洋央紀に痛烈メッセージ
2008年08月18日 15時00分
-
スポーツ
女子レスリング 戦極が浜口京子獲り?
2008年08月18日 15時00分
-
スポーツ
北京五輪女子マラソン 大惨敗の原因
2008年08月18日 15時00分
-
スポーツ
「引退言ってない」北島が現役続行!?
2008年08月18日 15時00分
-
スポーツ
北京五輪野球 星野ジャパン 韓国戦は勝ったも同然
2008年08月16日 15時00分
-
スポーツ
新日本プロレス G1クライマックス 後藤洋央紀 優勝戦線に踏みとどまる
2008年08月16日 15時00分
-
スポーツ
IGF 小川直也が失態
2008年08月16日 15時00分
-
スポーツ
北島康介お見事2冠2連覇 次に狙うはCM契約料世界新!?
2008年08月15日 15時00分
-
スポーツ
日本柔道は時代遅れ 欧州のコーチを招へいすべき
2008年08月15日 15時00分
-
スポーツ
新日本プロレス G1クライマックス 外敵2人がそろってリベンジ成功
2008年08月15日 15時00分
-
スポーツ
北京五輪野球 星野ジャパン黒星スタート 敗因は「チーム全体の硬さ」
2008年08月14日 15時00分
-
スポーツ
北京五輪卓球 福原愛は“ゴジライズム”を注入していた
2008年08月14日 15時00分
-
スポーツ
新日本プロレス G1クライマックス 中邑が不覚
2008年08月14日 15時00分
-
スポーツ
新日本プロレス G1クライマックス 棚橋 決勝進出へ黄信号
2008年08月14日 15時00分
-
スポーツ
新日本プロレス G1クライマックス 天山シリーズ欠場危機
2008年08月14日 15時00分
-
スポーツ
サッカー 反町退陣後はピクシー=オシム体制へ
2008年08月13日 15時00分
-
スポーツ
北京五輪野球 また新たな敵出現も星野監督は冷静
2008年08月13日 15時00分