前回2位のベルギーがフランスと並び同率1位となった以外には、トップ10に変化は無かった今回の発表。ただ、今月からヨーロッパでは新たに「UEFAネーションズリーグ」が開幕しており、次回以降の発表では大きな順位変動が起こることも考えられる。大会の経過と共に、今後の発表にも要注目といったところだ。
ところで、今回取り上げているFIFAランキングでは、これまでにアルゼンチン、イタリア、オランダ、スペイン、ドイツ、フランス、ブラジル、ベルギーの8か国が1位を獲得している。どの国も実績十分の強豪国であることは疑いようがないが、意外にもオランダとベルギーの2か国は、これまでのW杯で優勝した経験を持っていない。
2011年8月に1位となったオランダは、W杯に過去10回出場。1974年西ドイツ大会、1978年アルゼンチン大会、2010年南アフリカ大会では決勝進出を果たすも、いずれも敗れ涙を飲んでいる。ちなみに、オランダは過去8回UEFA欧州選手権(EURO)に出場してもいるが、こちらは1988年西ドイツ大会での優勝経験を持っている。
2007年6月時点では71位に沈んでいたベルギーは、そこから約8年後の2015年11月に初めて1位を獲得。これ以降今回までを含め、合計で6回トップに立っている。エデン・アザール、ケヴィン・デ・ブライネ、ティボー・クルトワといった選手たちを輩出した、育成力の賜物といえるだろう。
しかし、過去12回出場したW杯の成績は、記憶に新しい2018年ロシア大会の3位が最高。前述した豊富なタレント陣をもってしても、優勝トロフィーに手をかけることは叶わなかった。
以上のように、現在までW杯優勝を果たせていない両国。ただ、最高成績を見ると、非常に惜しいところまでは到達している。歯車が噛み合えば、“2冠”達成も決して夢物語ではないだろう。
文 / 柴田雅人