スポーツ
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スポーツ 2019年10月03日 17時34分
阪神、落ち目の藤川がクローザーとして復活できたワケ 全盛期からの「切り替え」が功を奏したか
「この勢いが怖いんだよ」 矢野阪神がペナントレース終盤戦で怒濤の6連勝。チーム功労者・鳥谷敬(38)への無情な引退勧告、シーズンを通してのエラーの数が102個、外様監督に対するOBたちのアツ…。こんな状態なのに、クライマックシリーズ進出(以下=CS)を143試合目の最終戦で勝ち取ったのだ。 「リリーフ陣が絶好調でしたからね。投手陣全体で見ても、9月21日広島戦途中から、29日中日戦8イニング目まで、42回連続無失点。救援陣だけの防御率は2・70。12球団トップですよ」(ベテラン記者) ペナントレースは“ボロボロ”でも、「日本一」なんてこともあり得る状況だ。CSファーストステージでぶつかるDeNA、そして、ファイナルで対戦するかもしれない巨人からも「阪神、要注意」の声が聞かれた。また、DeNA、巨人が対戦したくないリリーバーとして見ているのが、藤川球児(39)だ。 「今年の藤川は完全に復活しました。メジャーリーグ挑戦は失敗に終わり、右ヒジにもメスを入れました。独立リーグにいったん落ちたのに、NPBに復活。39歳なのに、クローザーの座も奪い返してみせました」(球界関係者) 藤川の復活は、新たな投手再生のサンプルにもなりそうだ。 「メスを入れた右ヒジに違和感がなくなったのも大きいと思います。球団も待ってくれましたが、藤川には『待ちたい』と思わせるオーラも出ていたんです」(前出・同) 「火の玉ストレート」とも称された直球が復活したと報じられているが、関係者に聞くと、少し違う。投球スタイルを少し変えていた。 「かつての藤川はストレートを目一杯の力で投げ込み、対戦打者をキリキリ舞いさせていました。今の藤川は内外角のどのコースに投げればいいのかを考えて投げ込んでいます」 また、練習メニューも変えたようだ。走り込みの量が増えた。距離だけではない。若手とタイムを争ったら勝てないかもしれないが、藤川は競争しようとする。ダッシュ系の運動量も増やした。こうした肉体改造がようやく形になって表れたのが今季であり、ここに内外角に投げ分けるテクニックも加わったわけだ。 「ランニングをしながら、ピッチングの時にどこの筋肉を使って投げているのかを考え、その部位を意識しながら走っていました」(関係者) 特別に何か変わったことをやる必要はない。走り込みという昔ながらの練習を地道に積み重ねることが大切なのだ。 藤川の復活だけが奇跡のCS進出につながったわけではないが、DeNA、巨人はクローザー・藤川にイヤなものを感じている。屁理屈を言う前に体を動かせ――。猛練習が結果に表れない時も自分を信じる。この精神力は若手投手のお手本でもあるが、誰よりも、藤浪晋太郎に見倣ってほしいものだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2019年10月03日 11時30分
DeNA・ラミレス監督、「声援がこの結果をもたらしてくれた」とファンに感謝 本拠地で迎えるCS、大歓声を背に苦手阪神を攻略へ
9月28日、本拠地横浜スタジアムでのタイガース戦で、2019年のベイスターズの公式戦の全日程を終了した。成績は143試合71勝69敗3引き分けの貯金2。セ・リーグ2位通過を果たし、念願のクライマックスシリーズを本拠地の横浜スタジアムで開催することを叶えることができた。 ラミレス監督も「キツいシーズンだった。序盤で10連敗、5連敗もあったが、2位で終われたことは良かった」と振り返り、「各数字(打撃、投手成績、盗塁など)を見ても1位や2位はなく、4位や5位が多い。そう考えると選手の皆はすごい頑張ってくれた」と選手を労った。また、ファンに対しても、「ファンはファミリー。勝っても負けても変わらぬ声援を送ってくれ、作り出してくれる雰囲気が一番大きい」と感謝した。 それは数字にも表れている。ベイスターズの横浜スタジアムでの成績は43勝27敗1引き分け。貯金を16も稼ぎ、勝率は.614と圧倒的な強さを見せる。昨年あと一歩でCS進出を逃した原因のひとつが、ホームで33勝38敗1引き分けと負け越したことも要因となっただけに、今年大幅に改善できたことはチームにとって大きかった。それには多くのプレーヤーも口にするファンのサポートも欠かせぬ要因。ルーキーの上茶谷大河や、5年目左腕の石田健大も「ハマスタでの勝率の高さが証明している」とハッキリと声援が力になっていると口にしている。今年から約3500席増設された「ウィング席」効果もあり、横浜スタジアムでの最少入場者数でも29,703人と、毎試合満員の観衆から受ける大歓声の後押し効果は計り知れない。 10月5日からのCSのファーストステージは、8勝16敗1引き分けと大の苦手とするタイガースに決まったが、抜群の勝率を誇る横浜スタジアムで開催できるメリットは、ほかのチームよりデータ的にも更に大きいだろう。キープレイヤーとして、終盤になるにつれ調子を上げた2冠王のネフタリ・ソトと、デッドボールの影響で終盤戦に抹消されたが、CSには出場できそうな主砲・筒香嘉智は、それぞれ.295、.293とタイガース相手に高打率をマーク。古巣相手に得点圏打率.400と、勝負強さを発揮した大和の3人には特に期待が高まる。 ここを勝ち進めれば、指揮官の最終戦のスピーチでわざわざ発した「9月21日ジャイアンツによって優勝の望みは絶たれた」本拠地での敵将の胴上げの屈辱を晴らす舞台に進むことができる。 まずはファーストステージ、ベイスターズ戦士は圧倒的な青い力を背に勝利を掴む。日本一を決める戦いを、ここ横浜スタジアムで再び戦うために。写真・取材・文 / 萩原孝弘
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スポーツ 2019年10月02日 22時00分
「大相撲秋場所」歓喜に沸く御嶽海と貴景勝に付きまとう不運
9月22日に幕を閉じた秋場所(東京・両国国技館)は、13日目を終えて優勝圏内に9人が並ぶダンゴレース。千秋楽、御嶽海対貴景勝(23)の優勝決定戦にもつれ込み、関脇御嶽海(26=出羽海)が会心の相撲で寄り切り、去年の名古屋場所以来、7場所ぶり2回目の優勝を果たした。 フィリピン人の母・マルガリータさん(49)の祝福の投げキスに笑顔で応じた御嶽海はニコニコ顔。「最高の気分。今朝、起きたら、(部屋の)みんなが優勝の準備をしていたので、もう優勝するしかないかな、と思った。前回の優勝はマグレだったけど、今回はしっかりと目標を持ってやった。11月(の九州場所)で(大関を)決めたい」 対照的だったのは、負けて大魚を逸した貴景勝だ。12日目に妙義龍を破って10勝目を挙げ、大関復帰を決めたときも、部屋関係者の顔には「喜び」より「戸惑い」の色が浮かんでいた。「真っ先に感謝すべきは師匠なのに、貴景勝は『変わらず応援してくれる人に恩返ししたかった』と、かつての恩師、埼玉栄高の山田道紀監督に感謝の意を示したのです」(担当記者) 貴景勝と師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)は、稽古場でもろくに口をきかないほど不仲。弟子たちも、千賀ノ浦親方子飼いの弟子と、去年の秋場所後に合流した旧貴乃花部屋系が2つに分裂したままだ。「貴景勝はこの夏、部屋ではなく、母校の埼玉栄の相撲部に泊まり込み、山田監督のアドバイスを受けながら痛めた右ひざのリハビリに努めた。その感謝の気持ちを表したのでしょうが、そもそも部屋の師匠ではなく、母校の恩師を頼ること自体が異常です」(同) しかも、優勝を懸けた大一番で左胸の筋肉を傷め、「イテーッ、筋肉が切れている。最悪だ」と支度部屋で顔をゆがめていた。 胸の筋肉のけがといえば、稀勢の里の引退の引き金になったほどで、致命傷になりかねない。一難去ってまた一難。果たして貴景勝は、度重なるけがを乗り越えて歴史に名を残せるか。けがの状態は、左大胸筋の肉離れで、治療におよそ6週間かかるという。なんとも不運というしかないが、来場所は大関復活だ。“強い貴景勝”が帰ってくることを期待する。
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スポーツ 2019年10月02日 19時12分
広島、地元局アナのツイートに“中日は八百長球団って意味?”批判殺到 的外れな言いがかりに「またカープファンの評判落ちる」と嘆きも
30日に行われた阪神対中日の一戦。この試合中に更新されたRCC中国放送・石田充アナウンサーのツイッターが物議を醸している。 今シーズンのセ・リーグ最終戦となったこの一戦は、試合前から各メディアがこぞって報道し、ファンからも大きな注目を集めていた運命の一戦。4位阪神は勝てば3位広島と順位が入れ替わり、逆転でのポストシーズン進出が決定。中日は順位こそ5位で確定していたものの、この日の先発・大野雄大が3回3分の1を無失点に抑えれば、広島・ジョンソンをかわし最優秀防御率のタイトルが確定するという状況だった。 そんな中迎えた試合は、4回裏1死まで無失点に抑え降板したことにより、まずは大野のタイトルが確定。一方、阪神は大野の交代をきっかけにこの回2点を奪うと、5回裏にも1点を加えつつそのまま「3−0」で完封勝利。そのため、阪神、中日はそれぞれの目標を達成し、それと同時に広島はポストシーズン進出とジョンソンのタイトルをともに失うこととなった。 大野の降板以降、一気に阪神有利の流れとなったこの試合を受けた石田アナは、5回裏終了時点までに中日が犯した「盗塁失敗」、「併殺」、「暴投」といったミスを羅列。その上で「カープファンは言いたいことたくさんありそうですが・・・見守るしかない」とツイートした。 このツイートに対し、広島ファンの一部は「中日のミスがあからさますぎる」、「阪神と中日絶対裏で協定結んでるだろ」と同調。ただ、その他ほとんどのファンは「中日は八百長球団って意味?」「贔屓チームが不利だからって八百長疑うとか頭悪すぎだろこいつ」、「会社の名前も入ってるアカウントでよくこんなこと書けるな」、「こんな奴がいるとまた広島ファンの評判が落ちる」と猛バッシングを浴びせている。 また、石田アナは当該ツイートをその後削除して謝罪したものの、これに対しても「消すぐらいなら最初からツイートしないでほしい」、「二度と野球に関わるな」といった批判が数多く寄せられている。 阪神は是が非でも勝ちたかった一方で、中日にとっては大野のタイトル以外は消化試合にすぎなかったこの一戦。石田アナが中日側のミスを疑いたくなるのも理解できない話ではない。 ただ、今シーズンの中日のチーム成績を見ると、盗塁成功率は「.677」(セ6球団中2番目の低さ)、併殺数は「104」(同4番目の多さ)、そして暴投数は「42」(同2番目の多さ)。これらのミスが今回に限った話ではないことを考えると、石田アナのツイートは完全な言いがかりであると言わざるを得ない。 そもそも、広島は27日中日戦で勝利していれば、今回の試合を待たずして3位を確定させられていた。このことを棚に上げて他球団に物言いをつけたこともまた、多くのファンから怒りを買う要因となっているようだ。文 / 柴田雅人記事内の引用について石田充アナウンサー公式ツイッターよりhttps://twitter.com/mitsuru_ishida
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スポーツ 2019年10月02日 17時30分
オリックス、宮崎、成瀬、塚原、岩本、高城、青山に戦力外通告!
オリックスは2日、第一次戦力外通告選手を発表し、成瀬善久投手、青山大紀投手、岩本輝投手、高城俊人捕手、宮崎祐樹外野手、そして育成で調整中だった塚原頌平投手に来季の選手契約を結ばないと通告したことを発表した。 かつてロッテの大エースだった成瀬は、FAでヤクルトを経て、昨年戦力外通告を受けると、成瀬をロッテ時代から知る西村徳文監督が仲介する形で、今年のオリックス春季キャンプにテスト生として参加し合格。オリックスに入団したが、6試合に登板(先発は4試合)し、0勝1敗、防御率7.32と結果を出せなかった。青山は2015年ドラフト4位でトヨタ自動車から入団。“金子2世”として期待されていたが、今シーズンは一軍での登板はなく、まだプロ初勝利を挙げられていない。岩本は阪神、BCリーグ福井を経て、2018年にオリックスが獲得しNPBに復帰。2018年は3年ぶりの勝利を収め6HPを記録するなど中継ぎとして活躍したが、今年は打ち込まれる場面が多く、1ホールド、防御率14.73に終わっている。 2017年のオフに右肘の手術をした影響により、今シーズンは育成契約で迎えた塚原だったが、ファームではソフトバンク3軍との1試合しか投げられず。2016年にはセットアッパーとして吉田一将とともにチームを支え、初のオールスターにも出場している。150キロを超える豪速球が魅力で、何より投手陣のムードメーカーとしてチームメイトから親しまれていた。挨拶は誰よりも大きな声でするため、塚原が現れると思わず笑顔になってしまうような存在だった。 高城は昨年のシーズン途中に白崎浩之とともに、伊藤光&赤間謙とのトレードでDeNAからオリックスへ移籍。DeNAでは正捕手争いを繰り広げ、ムードメーカーとして誰からも愛される存在だった高城だが、昨年はファームでシーズンを終えると、今シーズンは伏見寅威がアキレス腱断裂で離脱したことにより、一軍でもチャンスを与えられ5試合に出場した。しかし、シーズン途中に松井雅人が中日から移籍してきたことで、再びファームへ。戦力外になるには早すぎる選手と言っていいだろう。 人気選手だった今年9年目となる宮崎の戦力外は、ショックを受けているファンが多い。ベンチでは率先して声を出し、チームを鼓舞し続けた。2017年には1番打者として起用され、「斬り込み隊長」的な役割を果たし、52試合に出場し打率.270とキャリアハイの数字を残している。ファンフェスタなどでも盛り上げ役を買って出ていただけに、宮崎がチームを去るのは寂しさが残る。選手たちは次のステージに進むことになるが、それぞれ新たな道で頑張ってもらいたい。(どら増田 / 写真・垪和さえ)
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スポーツ 2019年10月02日 11時30分
広島、緒方監督が慰留を振り切って退任を決意したワケ あのレジェンドが危惧した「弱点」も原因?
広島・緒方孝市監督(50)の退任が正式に発表された(10月1日)。松田元オーナーは「無理を言うのは酷」と慰留に努めたことも明かしていたが、緒方監督の決心は固かった。 「8月に入ってから敗因分析の調査も始まりました。3番バッターのバティスタがドーピング検査に引っかかったのもちょうどそのころでした。言いたくないが、やはり、昨季まで3番を任せていた丸佳浩が抜けたのは大きい。その穴が最後まで埋まりませんでした」(地元メディア) しかし、球団は打線低迷だけが敗因とは見ていなかった。敗因の調査結果として、「チームの雰囲気が良くない」とも報告されていたのだ。6月の“ビンタ事件”である。 緒方監督は全力疾走を怠った野間峻祥(26)を叱責した(6月30日)。非は緩慢なプレーをした野間にある。手を挙げた緒方監督も悪いが、試合後、監督室に呼び出し、他ナインの見ていないところでの“愛のムチ”だった。とはいえ、こういうウワサはすぐに広まる。監督室で何が起きていたのか、マスコミも嗅ぎまわっていることが分かり、球団はあえて公表し、行き過ぎた指導にもペナルティを科した。 緒方監督は全選手の前で謝罪したが、チームの雰囲気は元には戻らなかった。 「緒方監督が指揮官に就任して最初のドラフト会議で1位指名したのが、野間。本当に期待していました」(前出・同) また、フロントとの間でも“行き違い”があったようだ。 「佐々岡真司投手コーチ(52)が一軍担当に配置換えされるのは聞いていなかったようです。緒方監督も『監督の5年周期』を知っていたので、ピンときたみたい。それと、丸の流出ですよ」(前出・球界関係者) 今春のキャンプで投手陣を統括していたのは、佐々岡コーチだった。練習メニュー、登板日程の調整において、緒方監督もノータッチだった。先発、リリーフともに苦しんだ今季、佐々岡コーチにも責任の一端はある。その佐々岡コーチが後任の最有力とは皮肉な限りだ。 ビンタ事件以降、チームの雰囲気が悪くなった。そのことは緒方監督も察しており、“潮時”と思っていたのではないだろうか。 広島のレジェンド・衣笠祥雄氏(故人)が、生前、こんなことを話してくれた。 氏の現役最後となった1987年、新人として入団してきたのが緒方監督だった。球団は高橋慶彦氏の後継者として大きな期待を寄せていた。衣笠氏は「そんなに凄いヤツが入ってきたのか?」と春季キャンプのキャッチボールのパートナーに指名したのだが、緒方監督は緊張し、暴投を連発してしまった。連続試合出場の記録を更新していた鉄人に対し、高卒の新人に「緊張するな」と言う方が無理である。しかし、衣笠氏はこうも感じていたそうだ。「小さなミスなのに気にしすぎ。たった一つのミスで萎縮し、瓦解してしまうような弱さもある」と…。 歳月は流れ、“ビビリの新人”は指揮官となり、球団史上初となる3連覇を成し遂げた。しかし、ナーバスな一面は変わらなかったようである。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2019年10月01日 22時30分
プロレスラー世界遺産 伝説のチャンピオンから未知なる強豪まで── 「丸藤正道」最高峰の技術を誇る“方舟の天才”
ジャイアント馬場の最後の弟子で、多くのレスラー仲間や関係者がその天才性を高く評価してやまない丸藤正道。所属団体のプロレスリング・ノアだけでなく、対外戦においても数多の名勝負を繰り広げ、40歳を迎えてなお一層の活躍が待たれる。※ ※ ※ プロレスリング・ノアのトップの証し、GHCヘビー級王座。今秋の時点でこのタイトルを所持しているのは、2015年にプロデビューしたばかりの新鋭・清宮海斗(23歳)である。昭和の古いプロレスファンの中には、その名前すら今ここで初めて見たという人もいるだろう。 2004、2005年に連続で東京ドーム大会を開催したノアは、ネット上でも〈ノアだけはガチ!〉などと熱狂的なファンを有するメジャー団体の地位にあったが、今はその面影すらない。 ホームページの興行結果を見ると観衆が1000人を超えることはまれで、かつてノアのビッグマッチといえば日本武道館が恒例であったが、今では横浜文化体育館や後楽園ホールがせいぜい。それですら集客に苦労しているようである。 ターニングポイントとなったのは、やはり2009年6月、三沢光晴の死であろう。このリング上での惨禍はノア全体に暗い影を落とすことになり、また、三沢とともに団体の柱であった小橋建太も、この時期に故障や腎臓がんの発覚による欠場が続いた。 三沢が死去する前の2006年には、丸藤正道がgHCヘビー級王座を獲得するなど世代交代の準備も進められていたが、結局、2007年にはその丸藤に勝利した三沢が同王座に返り咲いている。「人気絶頂の頃でも、ノアの弱点として“地方興行が弱い”ことが指摘されていました。プロレスファンの多い大都市圏では、いち早く丸藤の才能や力量が認められてはいたものの、地方となるとやっぱり名前のある三沢や小橋が看板でないと集客が厳しい。この頃の三沢は、社長業との兼ね合いからまともにコンディションを整えることもできず、常に体調不良といった感じでしたが、それでも団体運営のためにトップを張らざるを得なかった」(プロレス記者) 丸藤がジュニアクラスの体形であるため、全日本プロレスからの巨漢を重んじる伝統にそぐわないという面もあっただろうか。ともかく、もし、この時に地方興行を犠牲にしてでも丸藤トップ路線を貫いていたならば、ノアの歴史、ひいては日本のプロレス界の歴史も大きく違ったものになっていたかもしれない。 丸藤には、その重責に応えられるだけの才能が確かにあった。「GHCヘビー級王者になる2006年の前から、すでにノアの会場においては、丸藤やKENTAの試合ぶりからヘビー級に負けずジュニアの人気も高かった。また、リアルジャパンプロレスでの初代タイガーマスク戦やDDTへの参戦など、対外試合でも高評価を得ていました」(同) オリジナル技の不知火に代表されるジュニアならではの華麗さだけでなく、村上一成や鈴木みのるといった格闘技寄りの相手とも好勝負を繰り広げるなど、そのプロレス勘のよさと適応力の高さは相当なものがある。★新日ジュニア勢を次々に撃破! 東京スポーツ主催のプロレス大賞においても、丸藤は年間最高試合賞を3度受賞していて、そのうち2試合は他団体の選手との試合であった。普段から手合わせしているわけでもない相手と、大向こうをうならせるだけの試合を繰り広げられるのは、やはり高い才能によるものに違いない。 2009年12月には、右膝靭帯断絶による欠場明けだったにもかかわらず、昼にノアの興行でメインイベントを務めると、同日夜には新日のスーパーJカップでトーナメント3戦を勝ち上がり優勝を果たしている。 「圧巻だったのは2010年の新日本プロレス参戦でしょう。1・4東京ドームで4代目タイガーマスクからIWGPジュニアヘビー級王座を奪うと、そこから約半年の間に新日の並み居るジュニア勢を次々と撃破してみせました」(同) 残念だったのはその前後、故障による欠場を繰り返したこと。これはノア自体の興行とともに、対外戦でも先頭に立って闘い続けたことのツケでもあった。 「この頃のノアはすでに興行不振に苦しんでいて、丸藤の他団体出場は、いわゆる外貨稼ぎの意図もあったのでしょう。団体を支えるために己を犠牲にしたという意味では、師匠である三沢と同じと言えるかもしれません」(同) 外ではジュニアとして戦い、ノアでは森嶋猛ら巨漢相手に戦うというのだから、その肉体への負担は相当なものがあっただろう。 とはいえ丸藤は、今年9月で40歳になったばかり。WWEで活躍する中邑真輔とも同年代で、まだまだ老け込むような年齢ではない。清宮なる新鋭の壁としてだけでなく、丸藤自身が主役となって輝きを放ってくれることを多くのファンは期待している。丸藤正道***************************************PROFILE●1979年9月26日生まれ。埼玉県出身。身長178㎝、体重90㎏。得意技/不知火、虎王、ポールシフト式エメラルド・フロウジョン。
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スポーツ 2019年10月01日 22時30分
WWE、ドウェイン・ジョンソンことザ・ロックがスマックダウン登場!
世界最大のプロレス団体WWEは日本時間1日、主要ブランドのロウをアリゾナ州フェニックスのトーキング・スティック・リゾート・アリーナで開催した。 WWEでは日本時間5日から主要ブランドのスマックダウンをアメリカ地上波局、FOXで初回放送する。これに現在、ハリウッドで俳優として大活躍中のドウェイン・ジョンソンことザ・ロックが特別出演することが決定した。 ロックは自身のツイッターを更新し「ついにWWEユニバースの元へ帰る。今週の金曜日、スマックダウンに出演する!ピープルズ・チャンピオン(ザ・ロック)よりも素晴らしい肩書はないし、ホームに勝る場所はない」と出演を予告している。最近では『レッスルマニア』クラスのビッグマッチにしか顔を出さないロックをここで投入するあたり、WWEがFOXでの放送に力を入れているのかがよく分かる。 ロックにとってもスマックダウンは我が家のようなブランドなだけに、今回の出演は必然だったのかもしれない。2001年に俳優としてハリウッドデビューし、現在では世界一稼ぐ俳優ランキングにも名を連ねるほどの世界的なスターになった。そのロックを育てたのがWWEであり、スマックダウンである。初来日した時の横浜アリーナ大会のタイトルも『スマックダウンツアー』。メインイベントでクリス・ジェリコと対戦し敗れたが、最後はマイクパフォーマンスからジェリコをピープルズエルボーでKOした。 現在WWEで活躍しているスーパースターたちはそんな“ロック様”の背中に憧れ、ハリウッドスターを目指す選手が多いという。当日どのような形で出演し、誰と絡むのか興味深い。 同日の番組では王者コフィ・キングストン対ブロック・レスナーのWWE王座戦やベッキー・リンチ&シャーロット・フレアー対サーシャ・バンクス&ベイリーの女子タッグ戦、さらにシェイン・マクマホン対ケビン・オーエンス、ローマン・レインズ対エリック・ローワンの遺恨戦などビッグマッチが組まれているスペシャル版。新生スマックダウンは日本時間5日に世界生配信される。(どら増田 / 写真・©2019 WWE, Inc. All Rights Reserved.)
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スポーツ 2019年10月01日 22時00分
井筒親方死去 貴乃花の怨念 部屋後継者を巡る「骨肉の争い」
あな、恐ろし、元貴乃花親方の怨念、どこまで――。 昭和の土俵を沸かせた個性派力士で、もろ差しになる上手さは天下一品だった井筒3兄弟の次男で元関脇逆鉾の井筒親方(本名・福薗好昭)が秋場所9日目の9月16日の午後に亡くなった。58歳だった。死因はすい臓がんと見られているが、気になるのはその後継者争いだ。複雑な過去もからんで、先の見えない様相を呈している。 井筒親方は、まさに急逝だった。関係者によると、7月の名古屋場所は連日、会場のドルフィンズアリーナに顔を見せていたが、場所後に体調不良を訴えて病院で精密検査を受けたところ、持病の糖尿病の悪化に加え、すい臓がんが発見されたという。 その後、井筒親方は、8月下旬から東京都内の病院に入院して専門治療を開始。しかし、がんは肝臓にも転移するなど、すでに手の施しようのない状態だったようで、わずか半月あまりで帰らぬ人となった。まさに、あれよあれよという間の、慌ただしい旅立ちだった。 長兄の好政さん(元十両鶴嶺山)と一緒に臨終に立ち会ったという末弟の錣山親方(56、元関脇寺尾)は、その模様を次のように語っている。「(息を引き取った時の)一番上の兄貴と私の気持ちは『よく頑張ったな』ということです。井筒はよく(病魔と)闘いましたよ。1個違いの兄なんで、物心ついた頃からケンカばかりしていた。でも、やっぱり兄弟なんだよね。兄弟3人の自慢はおやじ(元関脇鶴ケ嶺)とおふくろの息子に生まれたこと。井筒は最初にその両親の元に戻ったんかな。そう思うと、気持ちも少し楽になる。相撲は天才だなと。尊敬していた」 力士は師匠がいなければ土俵に上がれない。つまり、師匠が亡くなったら、ただちに次の新しい師匠を決めなければならないという非情なルールになっている。 井筒親方には3人の弟子と1人の床山がおり、部屋頭が横綱鶴竜だ。ただ、今回は場所中ということもあり、相撲協会は9月17日に緊急理事会を開き、鶴竜ら井筒部屋の力士たちは同じ時津風一門の鏡山部屋預かりとし、場所後に今後の処遇を決めることにした。 後継者は誰になるのか。井筒部屋は断続しているが、かつて3代にわたる横綱西ノ海を生んだ名門だ。現在の井筒部屋は先代が再興したもので、一門内でも独特の存在感を放っている。それだけに、その処遇が注目されているのだ。「最も手っ取り早く、周囲の同意を得やすいのが、実弟の錣山が吸収合併するかたちで襲名すること。錣山にとって、井筒部屋は父親が興し、自分が育った部屋だからだ」(部屋関係者) しかし、そう簡単にはいかない事情がある。ここにからんでくるのがちょうど1年前の秋場所後、大騒ぎの末に大相撲界を去ったあの元貴乃花親方だ。 錣山親方は熱血漢で、現役時代はこの元貴乃花親方と幾多の熱闘を繰り広げたが、引退後はその生き方に深く心服。長らく“隠れ貴乃花支持者”だった。だが、一昨年の暮れに湊親方(元幕内湊富士)らとともに時津風一門を離脱、貴乃花一門にこそ入らなかったが、貴乃花派として活動を開始。時津風一門の幹部だった兄・井筒親方とハッキリ袂を分かったのだ。 この兄弟の亀裂が一段と広がったのが去年2月に行われた理事、副理事選挙だった。理事選には元貴乃花親方が一門の総意を無視して立候補し、わずか2票しか獲得できずに散ったが、副理事選挙も壮絶だった。3人枠のところに4人が立候補し、そのうちの2人がなんと井筒、錣山の兄弟だったのだ。「まさに骨肉の争いでしたね。結果は、兄の井筒が31票を獲得しトップ当選。貴乃花一門をバックに立候補した弟の錣山は兄の半分も獲得できず(14票)、最下位で落選しました。非情にも、兄弟はクッキリと明暗を分けたんです。この時、負けた錣山は『一歩踏み出せた、立候補した意味は大きい』と笑顔で話していましたが、おそらく腹の中は悔しさで煮えくり返っていたはず。その後、この兄弟が協会内でにこやかに話している姿を目撃することはありませんでした」(相撲協会関係者) また、錣山親方は去年9月、「親方たちは5つの一門のどこかに所属しなければいけない」という規定に従い、旧貴乃花一門の阿武松親方(元関脇益荒雄)や千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)らとともに二所ノ関一門に加入。この際、錣山親方は、「一門の方針に従います」という念書を入れたと言われている。つまり、いくら兄弟とはいえ、一門違いの兄の部屋を勝手に継承できないのだ。「井筒親方が亡くなった直後、錣山親方は報道陣に、『部屋を継ぎますか』と聞かれ、『一門が違いますから』とハッキリ否定しています。また、『オレは若い衆を怒る方だから、ウチには来たくないと思っている子も多いんじゃないか。鶴竜らは自分の好きなところに行けばいいんじゃないの』と指導方針が違うことについても話していました。一門離脱の因縁は、まだ解消されていないようですね」(担当記者) では今後、宙に浮いた形の名門井筒部屋はどうなるのか。「鶴竜ら力士は、場所後に時津風部屋に移籍する公算が大きいです。よく出稽古に訪れて、勝手知ったる部屋ですから。そして、まだ国籍問題が残っているものの、鶴竜が白鵬のように引退後も大相撲界に残るようなら、いずれ井筒部屋を興すのではないでしょうか。それが一番スッキリした形かもしれません」(前出・相撲協会関係者) それにしても、こんなところまで顔を出した元貴乃花親方の“負の遺産”。相撲協会の首脳も、怨念の深さにおののいているに違いない。
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スポーツ 2019年10月01日 18時35分
オリックス、東京オリンピック出場を目指す“猛牛三銃士”がプレミア12の代表選出!
野球日本代表「侍ジャパン」の稲葉篤紀監督は1日、都内で会見を開き、国際大会プレミア12(11月2日〜17日)の日本代表選手を発表。オリックスからは吉田正尚外野手、山岡泰輔投手、山本由伸投手の“猛牛三銃士”が選ばれた。 12の国と地域が参加。1次リーグは台湾、韓国、メキシコで行われ、スーパーラウンドは日本(ZOZOマリンスタジアム、東京ドーム)で開催される。日本は1次リーグで台湾、ベネズエラ、プエルトリコと同組。台湾で3試合を戦い、上位2チームに入れば日本でのスーパーラウンドに進出する。今大会は東京五輪の予選を兼ね、最大2チームに出場権が与えられるが、日本は開催国枠での出場が決まっている。 侍ジャパンは今月下旬に宮崎、那覇で合宿を行い、31日、11月1日にカナダとの強化試合(沖縄・那覇セルラースタジアム)をこなしてから台湾へ向かう。怪我などで出場が見送られた選手もいるが、今回選出された選手を基本線として、五輪に向けて出場選手を絞っていくと予想される。 オリックスの3トップが日の丸の舞台でそろい踏みを果たす。3選手は今年3月の親善試合・メキシコ戦にも出場しており、念願の国際大会出場となった。 侍ジャパンでもクリーンナップ候補の吉田は「日本の代表として選んでいただいたので、最高のパフォーマンスを見せられるように、しっかり準備したいと思います。チームの勝利に貢献できるようなプレーを見せられるように頑張ります」とコメント。 今シーズン13勝4敗で最高勝率のタイトルを獲得した山岡は「代表に選んでいただき、光栄です。チームを勝利に導くピッチングができるように、日本の代表という自覚と責任を持って頑張ります」と気を引き締めた。 最優秀防御率のタイトルを獲得した“神童”山本由伸は、稲葉監督から「先発、中継ぎ、抑えのどこで使うのがいいのか考えている」と名指しされた。21歳の右腕は「国際大会は初めてですし、楽しみです。日本のトップチームとして選んでいただいたので、しっかりと自分らしいピッチングでチームの勝利に貢献できるように頑張りたいと思います」と、初の国際大会出場を喜んだ。チームは最下位に終わったが、日本代表に3選手を送り込んだことはチームにとって大きい。 今月末からオリックス代表として日の丸を背負う戦いが始まる。(どら増田)
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