10月4日に東京ドームで開催されたプロ野球セ・リーグ公式戦の巨人対横浜の観客動員数が3万2584人にとどまった。これは、88年の同球場の開場以来、巨人の主催試合としてはワースト記録。これまでのワーストは、観客動員が実数発表となった05年の9月20日、ヤクルトとの試合で3万3378人。この年は巨人が5位に沈んだ年で、この試合は完全な消化試合。動員が悪かったのも当然といえた。
ただ、4日の試合は少々事情が違う。この日の段階でまだ、巨人には優勝の可能性も残っており、順位はCS(クライマックス・シリーズ)出場圏内の3位。2位の中日には3.5ゲーム差を付けられており、4位の阪神には5.5ゲーム差を付けていた。ともに、CSに出場できても2位と3位では天と地ほどの差がある。2位チームにはCSファーストステージにて、本拠地での開催権が与えられるからだ。入場料収入だけではなくテレビの放映権収入も入る。
本来なら、東京ドームでのCS開催実現に向け、ファンの気合も入るところだが、球団の意に反して、史上ワースト記録の更新。いくら、対戦相手がダントツ最下位の横浜とはいえ、ひどい状況だ。翌5日の同球場での横浜戦も、前日とほぼ同数の3万2716人にとどまり、史上ワースト2位の記録となった。これは、多くのファンが今季の巨人を見放したなによりの証拠。
少ない観客に緊張感をなくしたかのごとく、巨人はこの2日間、最下位・横浜に手痛い連敗を喫した。2位・中日には5.5ゲーム差を付けられてしまい、もはや、2位浮上は手が届かないところに行きつつある。残り試合はわずか11。巨人の巻き返しは厳しくなってきた。
(落合一郎)