スポーツ
-
スポーツ 2010年09月30日 10時00分
9・24『SMASH.8』(1)感動を呼んだAKIRAの猛攻に『神』が『神』でなくなった瞬間…
毎回新宿FACEを超満員にするSMASH、9月24日に行われた『SMASH.8』も600人(超満員札止め)の観客動員を記録。11月22日に行われる初のJCBホールでの『SMASH.10』に向けて快進撃を続けている。 SMASHの魅力といえば様々な要素があるが、その一つに『海外タイトル』があるのかも知れない。現にFCF(ファイト・クラブ・フィンランド)チャンピオンシップを巡って数々の名勝負が繰り広げられた。過去に遡れば、アメリカ三大タイトル(NWA・AWA・WWF)を保持した王者が来日し、日本人選手が挑戦していく図式。やはり海外の団体が認定するベルトというものに対して、日本人は特別な思いを持っているのだろうか。 SMASH.8のメインイベントに組まれたFCFチャンピオンシップ。王者スターバックに対し、挑戦者は前回SMASH.7においてスターバックとの対戦をTAJIRIに直訴したAKIRA。戦前のVTRで「俺、メインでタイトルマッチやりたくてプロレスラーになったんだった」と語っていたAKIRA。武藤敬司・蝶野正洋・故橋本真也さんらの闘魂三銃士や船木誠勝といった世代と同期のベテランが初めて臨んだ海外タイトル。対戦が決まった直後から、周囲の「AKIRAよ、勝ってくれ!」の期待は最高潮に達していた。 入場テーマが流れ、AKIRAが入ってくると館内からは大歓声。その歓声を受け、AKIRAの表情にも気合が入る。王者スターバックは相変わらず貫禄の入場、その風貌は以前NWA世界王者として来日したハーリー・レイスやリック・フレアーを思い浮かばせる。日本・フィンランドの両国歌が流れ、タイトルマッチとしての威厳が大いに感じられる。選手権宣言を行ったのはSHASH代表・酒井正和氏。フィンランド大使館一等書記官ユッカ・パラリネン氏から両選手への花束が贈呈されると、緊張の色が更に強くなる。リングアナ・SUNAHOのコール。AKIRAのコール時にはひときわ大きな歓声。今回ばかりはスターバックの『神通力』が観客全てを巻き込む事は難しかったか。 ゴングが鳴る。両手を広げるスターバックに対し、AKIRAは両手を目の前で合掌させ、獲物を狙うかの如く両手を銃に見立ててスターバックに突きつける。思えばこれがAKIRAの作戦の一つでもあったのか。 試合が動き始めたのは、ロープワークをかいくぐったAKIRAがスターバックの後頭部に延髄斬りを放った瞬間から。追い討ちをかけるかのようにAKIRAはドラゴンスクリューでスターバックの足を攻撃にかかる。インディアン・デスロックに捕えたAKIRA、下から反撃するバックは何とチョーク攻撃を見せる。『神』と称されていたスターバックが地に降りた瞬間であった。 再度のドラゴンスクリューから、座り込んだスターバックの膝を狙って低空ドロップキックを連発、足首を掴んでアキレス腱固めを極めたAKIRA。低空ドロップキックが当たる寸前、スターバックの驚くような表情が見られた。もがき苦しんでロープに手を伸ばすスターバック。だが王者として黙ってはいられない。コーナーを背にしたAKIRAにトラースキック、続いてカーフブランディングを発射する。エプロンにAKIRAを固定して放つフィストドロップ、コーナー最上段からダイブしてのエルボードロップ。やはりAKIRAの首を狙っていくスターバック。今度は首四の字固めへ。しかしこれを返したAKIRAはダブルレッグロック。更にキャメルクラッチのようにスターバックの体をひん曲げにかかる。ロープに逃れたスターバックはナックルでAKIRAの動きを止め、ペンデュラム式バックブリーカーからお返しのキャメルクラッチへ。ところがAKIRAは極められた状態のまま立ち上がり、スターバックを後方に叩き付ける。館内からは割れんばかりの歓声が沸き起こる。 チョップの連打からロープワーク、スターバックのエルボーをかいくぐってフライング・ラリアットを美しいフォームで決めたAKIRA。ボディースラムからムササビプレスを放つが、スターバックは両膝を立てて防御。「シャッ!」と四方に対して気合を込めるポーズを見せると、必殺パイルドライバーの体勢に…足をばたつかせて防いだAKIRAはグラウンドに持ち込みオールドスクールへ! セコンドに就いていたTAJIRIをはじめとするSMASH軍がマットを叩き、そして館内からは大きな「AKIRA」コール。会場全体がAKIRAの勝利を後押しするように一体となる。ロープに逃れたスターバックはエプロンへ。AKIRAの一瞬の隙を突いてトップロープに喉元を叩き付ける。トップロープに登りダイブを狙ったスターバック、AKIRAはドロップキックでどてっ腹に風穴をあける。 低空ドロップキックをこれでもかと連発で放っていくAKIRA、膝をついたスターバックにシャイニング式の延髄斬り。うつ伏せになるスターバックの膝を狙ってのムササビプレス、続けて正調の一発を叩き込んだ! セコンドも、館内もこの瞬間誰もがAKIRAの勝利を確信したが、執念でキックアウトするスターバック。 コーナーにスターバックを振ってジャンピング・エルボーパッド。もう一発を狙うAKIRAだが、スターバックの両足キックから流れを変える強烈なトラースキック。改めて気合を入れ直してパイルドライバーの体勢に入るスターバック…今度はAKIRAがラ・マヒストラルで切り返す。カウント2で跳ね返したスターバック、エルボーから三度目のパイルドライバーの体勢へ。今度はAKIRAも返す事が出来ず、ものの見事に地殻を貫いた。必死の表情でAKIRAの体を片エビ固めに捕らえてカウント3を奪ったスターバック。防衛に成功したものの、前々回や前回の試合で見せた『神々しいばかりの表情』がいつの間にか消えていた。 敗れたAKIRAのもとに駆け寄るTAJIRI。それをよそに大原・ジェシカ・カゲマングロをリング内に呼び寄せたスターバック。FCFの旗のもと、勝利に酔っているスターバック。だがその姿には『神』の形は無かった。スターバックににじり寄るTAJIRI、割って入ってきたカゲマングロにグリーンミストを噴射! 余裕の表情を見せていたスターバックは悠々と戻って行った。しかしその体にはしっかりとグリーンミストの爪あとが残っていた…。 「生まれてきて、生きてきて、これ程充実した時は無かったです。生まれた事に感謝しています」とリング上で語ったAKIRA。そしてTAJIRIにベルト奪取の願いを引き継いだ。そのTAJIRIは遂に打倒スターバックをリング上で宣言。 「一回だけ自己主張してもいいですか? JCBでスターバックのベルトに挑戦してもいいですか? 僕は! 足もほとんど治りました僕。五体満足な状態で、完璧な状態でスターバックと戦ったら、神だって何だって怖かねぇよんなもん!!」 観客は願っている。3000人の大観衆の前で、SMASHを牽引してきたTAJIRIがベルトを再びその腰に巻く事を。そしてSMASHはJCBホールに向けて力強く前進してゆく。 試合後スターバックは「TAJIRIが何度挑戦して来ても、パイルドライバーで叩き潰してやる!」と珍しく言葉を荒げた。今まで戦ってきた中で、ここまで興奮しているスターバックを見たことが無い。対するTAJIRIはリング上で宣言した時とはうって変わって落ち着いた表情で再度「打倒スターバック」を宣言。試合後の総括ではここ最近見せる事の無かった笑顔まで見せている。 AKIRAが「ハートにビンビン伝わるような、そんな一戦でした。今までのキャリアの中で体験したことの無い戦いです」と語っていた。更に「敗れはしましたけど、何か力を貰った気がします。(ベルトへの再挑戦は)他の選手を全て倒してでも勝ち取りたいですね」とも。その目には明日が見えた。キャリア25年のベテランが見せた新たなる闘志。その思いを引き継ぎ、TAJIRIは再びFCFのチャンピオンとなる事はできるのだろうか…?(Office S.A.D. 征木大智(まさき・だいち))◆『SMASH.8』2010年9月24日(金) 会場:東京『新宿FACE』(観客600人=超満員札止め)<メインイベント FCFチャンピオンシップ 60分1本勝負>○(王者)スターバック(17分13秒 片エビ固め)●(挑戦者)AKIRA※パイルドライバー。王者スターバックが二度目の防衛に成功する。◆『SMASH.9』2010年10月30日(土)開場:18:00/開始:19:00会場:東京『新宿FACE』【決定カード】Mentallo vs. エル・サムライその他の詳細・お問い合わせはSMASHオフィシャルサイト http://www.smashxsmash.jp/ まで。
-
スポーツ 2010年09月30日 08時30分
ソフトバンク・孫オーナーの球団身売り否定発言の逆効果?
ダイエー時代の03年以来7年ぶり、ソフトバンクが球団買収してからは6年目で初のリーグ優勝を飾った孫正義オーナー(53)が、28日、都内で「手放しません」と、球団身売りを否定した。孫オーナーの後継者育成を目指す『ソフトバンクアカデミア』の公開講義での発言だという。 年間20億円から30億円の赤字と言われる球団経営だが、6年目で悲願の初優勝を達成したことで上機嫌。球団身売りを否定したのだという。さらには、親会社のソフトバンクの携帯部門『ソフトバンクモバイル(SBM)』が、球団への宣伝広告費を来年度から10億円程度増額、約30億円とする方針を固めたといわれる。 「優勝によって媒体としての価値が大きく向上した」とはSBM関係者の弁。身内でも初優勝効果でいろいろ球団の存在価値がアップしている。が、SBMの件はともかくとして、孫オーナーの発言は、ヤブヘビになりかねない。球団身売りを否定したということは、そういう動きや情報があったのが前提になるからだ。なにもなければ、そもそも球団身売りうんぬんの話は出てこないだろう。 実際に、球界関係者の間では、ソフトバンクの動向を危惧する声があがっていた。「ダイエーの二の舞にならないか。強気一点張りで拡大路線を突っ走って、最後はパンクしてしまったダイエーの経営とオーバーラップしてくる。一代で一時代を築いたが、それで終わってしまった中内オーナーと、孫オーナーの姿も重なって見える」と。 そんな不安視する見方が出ているのも、根拠のないことではない。球界OBの1人がこう証言している。「王さんが監督を勇退して、球団会長になり、自ら後継者に指名した秋山監督のために、『何億かかってもいいから、実力のあるメジャーの新外国人選手を獲得しよう』とぶち上げ、実行に移そうとしたら、そんな資金はないことが発覚。王さんが親しい球界関係者に『億どころか、1人5000万円くらいが上限だね』とため息をつきながら語ったという話がある。だから、今年も結果オーライだったが、中古で格安のペタジーニを獲得したし、メジャー帰りの城島をなす術なく阪神にさらわれている」。 大々的なCM攻勢をかけ、見た目は派手なソフトバンクの本社の経営戦略だが、その実態は危機感にあふれているというのだ。球団買収の際の記者会見では、「将来は、日本シリーズの勝者とワールドシリーズのチャンピオンチームによる、リアル・ワールドシリーズを実現したい」と遠大な夢を語っていた孫オーナーだが、その後は12球団オーナー会議にも出席せず、野球に対する情熱が感じられない。現在、日米コミッショナーの間で「日米によるグローバル・ワールドシリーズ」構想があり、事務方の検討会議が新設され、動き出しているというのに。 球団買収、苦節6年目にして初優勝、孫オーナーが野球に対して再び情熱を燃やし、日米決戦を口にするようになれば、球界関係者も安堵するだろうが、どうなるのか。しばらくは、孫オーナーの動向を注視する必要がある。
-
スポーツ 2010年09月29日 14時00分
田中正直のウェブランニングクリニック 「第49回 距離を走る!」
これからは秋、冬のレースを目標に長い距離を走りこむ時期になります。 皆さんも、秋の景色を楽しみながら少しでも長い距離に挑戦して下さい! まずは、長い距離を走るときの、3つの走り方です。時期やカラダの出来具合など変えていきます。(1)時間のみ決めてペースはその日の体調に合わせて走る。(例120分ジョギング)(2)距離を決めてペースは気にしない。(例30km走)(3)タイム、距離を決めて行うペース走。(例1km3分30秒で30km) 目的やレベルに合わせて使い分けています。(1)は、体作りの時期によく行います。 ビギナーの方は、ここから始めることをおすすめします。長い距離に自信のない方は、ウォーキングとジョギングを合わせて90分くらいから始めるといいでしょう!(2)は(1)の次のステップとして行い、(3)はレース3か月前からくらいから始めます。 9月といっても東京はまだ暑い日もあるので、長野県や東京都にある高尾山などで走るランナーが増えています。ロングディスタンスを取り入れることで、足も強くなりますし、精神的にも自信がつきます。長く走り続けることはきついことですが、紅葉を楽しんだり、仲間と目的地を設定して走ってみる方も急増しています。(3)はかなりレベルの高いトレーニングになるし、やることに躊躇してしまう方も多いと思い、 エアラン東京では、同じレベルの人が集まり30km走を行うイベントを企画しました。多くの方が参加申込をして下さり、効果的なトレーニングになると思っています。10月はビギナー向けのイベントも開催したいと考えています。人と走ることで、リズムを合わせたり、人の後ろで楽をしながらスピードを維持するなど走るテクニックを学ぶチャンスでもあります。イベントの報告はまた改めてさせて頂きます。【Air Run TOKYO】ランニングクラブの練習会を体験してみたい方は、リアルライブ見たで無料体験できます。参加希望の方は、(airrun@pss1.jp)にメール下さい。 詳細は、【Air Run TOKYO】公式サイト(http://airruntokyo.syncl.jp/)をご覧下さい。写真:トレーニング風景です。
-
-
スポーツ 2010年09月29日 13時30分
西武・渡辺監督、進退伺いの狙い
西武・渡辺久信監督(45)が公式戦終了後にV奪回失敗の責任を取り、進退伺い提出という情報が一部スポーツ紙で報じられた。まだクライマックスシリーズ(CS)があるこの時期になぜ? 渡辺監督の進退伺いを報じたスポーツ紙は、西武とのホットラインで知られる関係にある。それだけに、火のないところには煙は立たないと言える。問題は情報源が球団側か渡辺監督サイドかだ。それによってそれぞれの思惑が推察できる。 球団側ならば、来季まで契約のある渡辺監督が進退伺いを出そうという動きをキャッチして、封じ込めるために、あえてリークしたと言えるだろう。渡辺監督が、雄星への暴力行為など「行き過ぎた指導」を理由に解雇された腹心の大久保博元・前二軍打撃コーチの処遇に対し、「かばいきれなくて情けない」と明言。球団の処分に関して大きな不満を抱え、優勝の成否にかかわらず、辞任する動きを見せていたからだ。 親分肌の渡辺監督だけに、大久保コーチ解雇の件で筋を通して引責辞任というのは可能性大で、それでは後任難の球団としては、最悪のケースになる。就任1年目の日本一から4位に転落した昨シーズン終了後に渡辺監督と新たに2年契約したことでも、後任監督候補難の現実がわかるだろう。なんとしても、渡辺監督を引き留めるために、先手を打っての「2年連続V逸の引責引退伺い」情報リークは、辻褄が合う。 情報源が渡辺監督サイドだとしたら、球団側への揺さぶり作戦だろう。球団にとって一番ダメージの大きい渡辺監督の退団という奥の手を早めにチラつかせ、今後の主導権を完全に握ってしまおうという思惑が見え隠れする。 渡辺監督が激怒している腹心・大久保氏の解雇事件の根は、雄星問題にある。「デーブ(大久保氏の愛称)が解雇になったのは、球団首脳が『球団の宝』と言い切る雄星に暴力行為をふるったからだ。後藤オーナーは入団時から『1年目から活躍しなくて良い。10年以上はエースとして働いてもらわないと困る人材だから、じっくりと大きく育てて欲しい』と明言しているほどだ。デーブが暴力行為を働いた相手が他の二軍選手だったら、クビにはならなかっただろう。ナベQ(渡辺監督の愛称)は、自分の腹心よりも雄星が大事。こういう球団の判断に対して、怒っているんだ。このままでは、監督よりも雄星が最優先されるわけだからね」。 西武OBは球団vs渡辺監督の根本的な問題点をこう明快に解説する。このまま雄星を特別な存在にされては、渡辺監督としては、現場の最高責任者として思うように手腕をふるえなくなる。だから進退伺いを出し、球団からの度重なる説得に仕方なく続投する。その代わり、雄星の育成方法などすべてにわたり、自由にやらせてもらう権利を確保する。こういうシナリオが見えてくるのだ。ただし進退伺いというのは、一歩間違えると、とんでもない結果になる。就任1年目の02年にいきなり日本一になった巨人・原辰徳監督が、2年目にV逸して3位になり、球団側からコーチ陣の刷新を迫られ、「コーチ陣は一心同体だ」と進退伺いを提出。「1年目に日本一になった監督を辞めさせるわけにはいかないだろう」という側近のアドバイスで強気に出たのだが、あっさりと進退伺いは受理され、退団するしかなくなっている。今回の渡辺監督の進退伺い情報がどういう顛末になるのか、予断は許さない。西武には、平成の怪物・松坂大輔(現レッドソックス)を日本球界のエースに育てた東尾修氏(元西武監督)という、最後の切り札もあるし…。
-
スポーツ 2010年09月29日 13時00分
目覚しく進化するインディー界の若手たち。第三回『夢闘派宣言』にその片鱗を見た!(2)
現在のインディーマット界で異彩を放っているプロレスラー・矢野啓太。 格闘探偵団バトラーツ出身でありながら、石川雄規の「情念」や澤宗紀の「やりすぎくらいが丁度いい」とは違い、彼の好むレスリングはヨーロッパで培われてきた「キャッチレスリング」。加えて攻防が数珠繋ぎとなる「チェーンレスリング」を主体とする。どちらかと言えば地味な展開となるはずのレスリングで、自らのキャラクターを形成し、緊張感の中に華麗さを加えた独自のスタイルを確立させた。その活躍により、ネットプロレスの新人賞を獲得している。 9月20日夢闘派宣言のセミファイナルで、矢野は666の山田太郎と対戦。山田はここ最近様々な団体でその実力を認められ頭角を現している期待の若手レスラー。メキシコで修行したジャベ、バランスの良い空中殺法は見るものを魅了する。8月の夢闘派宣言では夢名塾のエース・渡辺宏志と対戦し、各方面でその試合は絶賛された。 期待通り、両者の対戦は当日集まった観客を魅了した。取っては取り返す、また取り返す関節技の攻防、その流れが途切れることはない。まさしく数珠繋ぎの「チェーンレスリング」を展開する両雄。矢野のレスリングに即座に対応する事が出来た山田太郎も凄い。アームドラッグから足を払ってフォールの体勢に持ち込む展開の最中、山田に対して敬意を評した矢野は思わず握手を求めた程。 あまりにも複雑な流れなので文章で表すと、とてもではないが普通の文面では足りない。目を見張った攻防を表してみると…。 組み合った両者、矢野が片足タックルで山田をテークダウンさせる。直後に左足をレッグロックに捕らえ、左手で抱え込んだまま右手で山田の顔面を極めるリバースバイパーホールド。バトラーツのお家芸とも言える技を極める。これに苦しんだ山田だったが、顔面を絞る右腕を払い逆にアームロックを極めていく。そのまま体勢を切り替えてワキ固めへ。そのままスタンドに持ち込んだ山田、腕を極めたままフライングメイヤー。倒した矢野の両腕を極める羽根折り固め。しかし矢野はその体勢から脱出、回転十字固めで山田の両腕をマットに付ける。ところが更に山田は脱出すると同時に矢野の両足首を抱え込み、逆エビ固めの要領で体を反らせて絞り上げて見せたのだ。 この攻防は2ラウンド目が始まってわずか30秒程度の間に起こったもの。さすがにこの両者の攻防を全て書き表すにはスペースが足りない事を了承してもらいたい。それだけ濃厚で、なおかつ途切れることの無いレスリングが目の前で繰り広げられると、観客も拍手せざるを得ない。 その後も複雑なジャベを切り返して回転足折り固めを決めた矢野、飛びつき式のトライアングルランサーを見せた山田、矢野のヨーロピアンヘッドロック地獄から脱した山田の飛びつきフランケンシュタイナーから丸め込み技の連発、最後のゆりかもめが極まるまでの攻防…とにかく文字で表現するのは難しい。 出来ることであれば、次回11月27日(土)に行われる夢名塾プロレスリング本大会のチケットを各会場売店で購入していただきたい。購入いただいた方には今回の夢闘派宣言のDVDが進呈されるので、見ていただきたいからである。 第2試合ではガッツワールドのレオナルド高津とピンクタイガーモンスター軍のJOMが対戦。文字通りの他流試合の形式となったこの対決であった。試合はグラウンドの高津、スタンドのJOMと完全にペースが決まってしまっていた。グラウンドで高津が圧倒していただけに、判定があるならば高津の勝利になったであろうが、それでもJOMは2ラウンド、左ミドルから右ハイを叩き込んでダウンを奪っている。JOMの意地の一発と言える。 結果は3ラウンドをフルに闘いぬいての時間切れ引き分け。しかしこの対戦の評価は思った以上に低かった。今後夢名塾というスタイルにJOMが対応できるようになれば評価はがらっと変わるだろう。 第1試合では夢名塾のエース渡辺宏志と、第2の弟子である堀口祐介がシングルマッチで対戦。闘志を前面に出して闘う堀口であるが、この日ばかりはそれが封じ込められたような気がした。それが象徴されたのが、第2ラウンド開始の時とラウンド中盤。ゴングが鳴ると同時に突っ込んで行った堀口のドロップキックを渡辺が振り払った時、そして胸板へのパンチのラリーが続く中突然渡辺がサミング。堀口の攻め手は少なくなかったものの、今回ばかりは渡辺の術中にハマってしまったようだ。プロレスの奥深さを体感した堀口、今後彼のファイトスタイルにどのような変化が見られるのであろうか。 インディーの若手選手だからといって甘く見てはいけない。特に夢闘派宣言に上がる若手については、それ相応の技術があると認められていないと出場する機会がない。キャリア5年以内の若い選手を主体として今後も行われていく夢闘派宣言。将来のエース候補を発見する事が出来る機会は、また訪れる。 今度は誰が光を浴びるのか。全国で活躍するインディー団体の若手選手よ、一度この夢闘派宣言の門を叩いてみてはどうだろうか? 得るものはとてつもなく大きいものであると言える。(Office S.A.D. 征木大智(まさき・だいち))◆夢名塾プロレスリング 第三回『夢闘派宣言(ぶとうはせんげん)』2010年9月20日(月・祝)埼玉・大袋『ケルベロス道場』(観客30人)<メインイベント シングルマッチ 5分5ラウンド制>○神威【FREEDOMS】(4R 3分29秒 片エビ固め)●長屋亮治【夢名塾】 ※オーバーヘッド・キック<第3試合 シングルマッチ 5分4ラウンド制>○矢野啓太【格闘探偵団バトラーツ】(3R 2分54秒 ゆりかもめ)●山田太郎【666】<第2試合 シングルマッチ 5分3ラウンド制>△レオナルド高津【ガッツワールド】(時間切れ引き分け)△JOM【ピンクタイガーモンスター軍】<第1試合 シングルマッチ 5分3ラウンド制>○渡辺宏志【夢名塾】(2R 2分50秒 チキンウイング・アームロック)●堀口祐介【夢名塾】※夢名塾プロレスリング次回大会は11月27日(土)18:30より西調布格闘技アリーナにて開催。詳細は夢名塾プロレスリング公式サイト http://mumeijuku.dousetsu.com/ にて随時発表。お問い合わせは夢名塾プロレスリング mumeijuku-pw@ezweb.ne.jp まで。【特別情報】 次回夢名塾11月大会のチケットを、「各会場の夢名塾売店で購入した」方に限り、特別にこの第三回夢闘派宣言のDVDが進呈される。売店は10月から始まる予定なので、この機会に是非お求めを!!
-
-
スポーツ 2010年09月29日 09時00分
エンゼルスに残りたい? 松井が選ぶイバラの道
ゴジラ松井の身辺が慌ただしくなってきた。松井秀喜外野手(36)は今季、地区優勝を逃したエンゼルスの“戦犯”のような扱いを受けている。「1年契約だし、オフに新天地を求めることになる」というのが一般的な見方で、米メディアも「左の指名打者、長打力のある好打者を探しているチームは少なくない」と、エンゼルス退団の流れを否定しなかった。 「たとえば、デトロイトタイガースは主軸打者が右バッターばかりなので、左バッターの松井を加えれば、面白い打線になります。壊滅的なチーム低迷に陥っているマリナーズが、松井獲得を検討しないはずがありません。イチローとの不和? 現段階では何とも言えないが、そういう個人的な事情は二の次でしょう」(米メディア陣の1人) こうしたアメリカ球界の情報を聞く限り、松井はエンゼルスを離れ、新天地で仕切り直した方が良さそうである。 しかし、松井はエンゼルス残留を第一希望に挙げていることが分かった。関係者の1人は「球団がいらないと言えば、状況は一変する」と前置きしたうえで、こう証言する。 「プライドの問題ですよ。ペナントレースの山場だった7月に2割そこそこの打率しか残せず、代打を遅らせる屈辱も味わいました。地元ファンのブーイングも分かっています。このまま退団することになれば、自分は逃げたことになると解釈しています」 9月以降、松井は日本人メディアの前でも意味シンなコメントを口にするようになった。 「ここでのキャリアは何もせずに終えるのではなく、勝って終わりたい」 前出の米メディア陣によれば、優勝戦線を争うメジャー・上位球団が『最終補強』として、駆け込みトレードを行う7月、いくつかの球団は「松井がトレード市場に出される」との情報を掴み、その動向を見守っていたという。今季のエンゼルスは優勝戦線から脱落してしまったので、「ベテランを放出し、その見返りで若手を獲る」側になっていたが、地元メディアは「松井を捨て、有望な若手を」「マイナーで若手が成長してきたので、松井を出し…」と、放出論をさらに煽った。 松井に『代打の代打』が送られたのは、その約1カ月後のことである。 「松井放出論を否定し、『必要な戦力』と訴えていたのは、ソーシア監督です」(現地特派員の1人) そのソーシア監督も消化試合と化したここ最近、若手外野手をテストし始め、松井をベンチスタートに下げている。「このままでは終われない」なる松井の言葉から察するに、エンゼルスでの再起(再契約)が最優先希望なのは間違いなさそうだが、こんな指摘も聞かれた。 「松井は自分を必要としてくれるチームでプレーしたいと思っています。昨季、ヤンキースとの交渉を早々に打ち切り、エンゼルスと契約した経緯もあるので、他球団の出方次第では…。来季、地元・アナハイムのファンはよほどの好成績を挙げないと松井を許してくれないと思う」(プロ野球解説者の1人) 古傷の膝は完治に向かっているが、「松井自身が全力疾走する恐怖を払拭できていない」との情報も聞かれた。 アナハイムのファンによるブーイングにも手厳しいものがあるが、それでも残りたいと言うのは、「イチローの軍門に下るよりマシ」と思ったからか…。それは冗談としても、松井の希望する『チーム残留』はいちばん辛い選択でもあるようだ。
-
スポーツ 2010年09月28日 10時30分
目覚しく進化するインディー界の若手たち。第三回『夢闘派宣言』にその片鱗を見た!(1)
昨今忘れ去られてしまっているかのような技術、それはプロレスのリングを使わないもの。 踏み出す力、力強くマットを蹴り上げる跳躍力、叩きつけられてもダメージを軽減できるような筋肉、説得力のある一発の打撃。よく見て欲しい、これら全てをプロレスのリングがある状態で考えてみると…。 ロープワークによるダッシュ、リングのスプリングによるジャンプ・受身を取る技術。そして最後の打撃に関しては、よくある「スタンド状態でエルボーやチョップのラリーがある場面」。違う競技においてもそれらは重要なのだが、ことプロレスラーはそれらを全て兼ね揃えていなくてはならない。本当に「超人」の部類に入る人間達なのだ。 夢闘派宣言ではプロレスのリングを使わない。試されるのは総合的な技術力。日々の練習で鍛え上げられたものをそのまま見せるだけ、それがいかに困難な状態になっているかということをこの闘技場は示している。 9月20日、大袋・ケルベロス道場で行われた夢闘派宣言。回を重ねること3度目となったメインイベントに登場した二人のプロレスラーがそれを見せてくれた。FREEDOMSで活躍するマスクマン、神威と夢名塾プロレスリングの長屋亮治。特に神威にとっては命取りになりえない「ロープもコーナーもない闘技場での闘い」。しかし神威はそのハンデを全く意識させることなく長屋と真っ向から勝負したのである。 バックを取って持ち上げ、マットに叩き付けグラウンドに持ち込む。スプリングの効果がない闘技場では、そんな一発でも衝撃が体に直接伝わる。「ドスン」という音がそれを物語っている。何の気ないフライングメイヤーや、スライディングレッグシザースで倒された時もそうだ。神威はそんな中、長屋の足にレッグドロップを放つ。これも強烈に長屋の足にダメージが蓄積されてしまう。レッグロックを切り返した長屋はインディアン・デスロックの体勢。下から神威がチョップを出すと長屋も応戦。結局デスロックを解いて長屋は神威の上半身に照準を絞るが、逆にそれを読まれてしまいアームロックとスリーパーの複合技で長屋を絞り上げた。この状態で第1ラウンド終了のゴング。 インターバルの最中、師匠である渡辺宏志に「覇気がない」と一喝された長屋。2ラウンドに入るとその言葉が功を奏したのか、積極的に神威に攻撃を仕掛けていく。フルネルソンから逆十字固めを繰り出すと神威はロープにエスケープ。お返しの逆片エビ固めの体勢に入る神威、長屋の背中に強烈なキックを何発も叩き込んでいきステップオーバーする。続いて神威はジャンピング・エルボードロップを連発。立ち上がってきた長屋と胸板へのチョップのラリーを展開する。ここで2ラウンド終了のゴング。何故か長屋はゴングが鳴った瞬間振りおろした手を引いた。この場面、やはりゴングが鳴ろうともチョップは入れなければならない。長屋が躊躇してしまった部分が垣間見えてしまった。 3ラウンド、躊躇する長屋に神威が牙を剥く。仰向けになった長屋の上に乗り、張り手を連打。そこから間髪入れずに三角絞めに入る。長屋も神威の攻撃に吹っ切れたのか、三角絞めを持ち上げて脱出。正面からのストンピングを叩き込み、胸板にチョップを連打する。エルボーの打ち合い、一瞬よろめいた長屋に対し神威は距離を取る。ダッシュして叩き込んだランニング・エルボーパッドは見るものに衝撃を与えるほどの一撃! 大の字になって倒れる長屋に対してダウンカウントが数えられる程。立ち上がる長屋にもう一発エルボー、トラースキックの後その場飛びのムーンサルト・プレス。3カウントフォールが奪えないと見るやすぐにチキンウイング・アームロックへ移行。エスケープされると情け無用のドリルアホール・パイルドライバーを敢行した神威。ここで第3ラウンド終了のゴング。 首へのダメージが残る長屋、4ラウンドに入ってもダメージは癒えない。ゴングと同時にダッシュした両者、カウンターで決まった神威のラリアット! 肩車で担ぎ上げた神威、後方に着地する長屋。そのままカウンターで腕を振り下ろした長屋だったが、逆に神威はアッパー気味に張り手を一発。距離を取りダッシュしてきた神威に対し、長屋はジャンプ一番、ニールキックを叩き込んだ! 大きく吹っ飛ぶ神威、立ち上がった所に長屋は初公開となるスクリューキックを炸裂させた! 倒れる神威にチキンウイング・アームロック。もがき苦しむ神威だったが何とかエスケープ。立ち上がった神威は逆襲のラリアットを狙ったが、長屋はダッキングでかわして再度ダッシュ。これまた初公開となるレフトハンド・ラリアットを豪快に叩き込んだ。カウント2で跳ね返されると長屋はヘッドロックへ。これをバックドロップで返した神威はもう一発ダッシュしてランニング・エルボーパッド。とどめを刺そうと逆片エビ固めを闘技場の中央で極めたが、長屋は何とかエスケープ。神威は追い討ちをかけるようにバックに回り、持ち上げて前方に叩き付けるボム。続けてブレーンバスターを狙うが長屋は首固めで丸め込む。続けてスクールボーイ、逆さ押さえ込みでフォールを狙うが、逆さ押さえ込みを後方回転で回避した神威は長屋の顔面にドロップキック一閃! 立ち上がってくる長屋に対し、バック宙で後頭部を直撃するオーバーヘッド・キックを叩き込み、ガッチリと片エビ固めで押さえ込んで3カウントを奪った。 大の字に倒れていた長屋だったが、神威の呼びかけで立ち上がる。「よく頑張りましたよね?」と館内に問う神威、長屋の奮闘ぶりを称えるかのように拍手が起こる。肩を貸す後輩・堀口祐介と共に戻ろうとした長屋だったが、師匠・渡辺の「長屋! 一人で戻れ!」の喝。最後はダメージを負いながらも一人で控室に戻った長屋だった。 普通のプロレスのリングで行われた両者の一戦だったら、あまり伝わらないかもしれない。だが、この闘いはマットが一枚下に敷いてある程度の、地面に近い闘技場で行われたのである。叩きつけられただけでも通常の数倍のダメージが蓄積されるこの空間。そんな中これだけの攻防があったのである。 改めて感じさせられたのは、神威という男の懐の広さ。自分のスタイルとはかけ離れた形で闘わなければならない状況で、観客も十分納得させられる程のファイトを行い勝利したのだ。空中殺法やハードコアマッチで名を馳せる神威だが、しっかりと両足を地に着けた闘いがあってこそ現在の彼なのだ。 長屋亮治はこの試合で、前回の竹嶋健史戦により課せられた師匠・渡辺宏志からの課題をクリアーする事ができたのだろうか。間近で見ていた観客、そして当日参戦したレスラーの全てが答えを知っているだろう。一歩一歩階段を登り、その名前を広く轟かせてもらいたいものであると感じた。(Office S.A.D. 征木大智(まさき・だいち))◆夢名塾プロレスリング 第三回『夢闘派宣言(ぶとうはせんげん)』2010年9月20日(月・祝)埼玉・大袋『ケルベロス道場』(観客30人)<メインイベント シングルマッチ 5分5ラウンド制>○神威【FREEDOMS】(4R 3分29秒 片エビ固め)●長屋亮治【夢名塾】 ※オーバーヘッド・キック<第3試合 シングルマッチ 5分4ラウンド制>○矢野啓太【格闘探偵団バトラーツ】(3R 2分54秒 ゆりかもめ)●山田太郎【666】<第2試合 シングルマッチ 5分3ラウンド制>△レオナルド高津【ガッツワールド】(時間切れ引き分け)△JOM【ピンクタイガーモンスター軍】<第1試合 シングルマッチ 5分3ラウンド制>○渡辺宏志【夢名塾】(2R 2分50秒 チキンウイング・アームロック)●堀口祐介【夢名塾】※夢名塾プロレスリング次回大会は11月27日(土)18:30より西調布格闘技アリーナにて開催。詳細は夢名塾プロレスリング公式サイト http://mumeijuku.dousetsu.com/ にて随時発表。お問い合わせは夢名塾プロレスリング mumeijuku-pw@ezweb.ne.jp まで。【特別情報】 次回夢名塾11月大会のチケットを、「各会場の夢名塾売店で購入した」方に限り、特別にこの第三回夢闘派宣言のDVDが進呈される。売店は10月から始まる予定なので、この機会に是非お求めを!!
-
スポーツ 2010年09月28日 08時00分
巨人内紛騒動
2位・阪神にマジック「8」点灯。とはいえ、首位・中日が残り1試合、2日のヤクルト戦(ナゴヤドーム)に勝てば、阪神は8勝1敗でいかないと優勝できない。残り6試合で1つ負ければジ・エンドの巨人は奇跡の大逆転4連覇どころか、どうやってもクライマックスシリーズ開催権のない3位から抜け出せないだろう。すでにV逸ストーブの火種が赤々と燃えさかっているのだから。 結局、最後の最後で巨人から出て行った、遺恨相手の横浜・尾花高夫監督に足を引っ張られ、連敗したのが致命傷になる原辰徳監督。V逸で内閣改造を迫られることになる。というのも、伊原春樹ヘッドコーチが舌禍事件を起こしたからだ。 23日の横浜戦(東京ドーム)で、他球団は簡単にKOするのに、巨人だけは打てない、メジャー帰りの苦手・大家に仏の顔も3度どころか、4度目だというのに、またもやひねられ、瞬間湯沸かし器の伊原ヘッドコーチがタブー破りをやったからだ。 「名前は言えないが、野手も謙虚さを持って欲しい。スコアラーが対策を練って説明しているわけだから、自分の感覚ばっかりの打撃をせずに実践することが必要だ」。 名指ししなくても、この日の試合で4番・ラミレス、5番・阿部が4打数2安打を打っているのだから、4打数ノーヒットに終わった3番・小笠原のことを言っているのは、一目瞭然だろう。「謙虚さを持って欲しい」と言われるような野手は一流選手を指しているのだから。 「3番・三塁」の小笠原は、攻走守共に気迫を前面に出してプレー、ケガをしても弱音を吐かない。まさに「ガッツ」の異名通りで、守備に不安のある4番・ラミレスよりもチームに対する貢献度は高い。投手がピンチに陥れば、いの一番にマウンドに駆けつけ、激励する。自他共に認めるチームリーダーだ。 「ウチにも金本が欲しい。ケガをしても平然と出場を続け、プレーでチームを引っ張る鉄人が」。こう訴え続けた原監督がようやく獲得できた「巨人の金本」が小笠原だ。小笠原が日本ハムからFA移籍した07年から巨人の3連覇が始まり、その年のセ・リーグMVPを獲得した事実を見ても、その存在価値の大きさがわかるだろう。 そんな小笠原に対して、伊原ヘッドコーチは「スコアラーが対策を練って説明しているわけだから、自分の感覚ばっかりの打撃をせずに実践することが必要だ」と、決めつけたのだから、チームに大きな波紋が広がるのは避けられない。伊原ヘッドコーチにすれば、横浜・尾花監督への個人的な恨み辛みがあるので、足下をすくわれ、頭に血が上ったという理由もあるだろう。 巨人入りした際に「野手総合コーチ」の肩書きが与えられたが、「尾花のチーフ投手コーチと、野手総合コーチとでは、どちらが偉いのか。監督に次ぐナンバー2はどちらなのか」と球団側に迫り、開幕前のオープン戦の時期に「ヘッドコーチ」のポストを獲得したのだ。そういうむき出しのライバル意識を持っていた尾花チーフ投手コーチが、横浜監督に栄転したことは腹立たしいことだろうし、大事なところで足下をすくわれたので、逆上。思わず小笠原批判というのが楽屋裏だろう。 が、口は災いの元。いったん口外してしまった以上、取り返しはきかない。寡黙な小笠原は表立って反論しないだろうが、伊原ヘッドコーチへの反発は内心抑えきれないだろう。小笠原に心酔しているナインも腹立たしい思いは隠せないだろう。 「選手のご機嫌を取るコーチばかりではダメだ。選手に嫌われるコーチも絶対に必要だ。伊原みたいなコーチもいていいんだよ」。ソフトバンク・王貞治球団会長は、監督時代から「選手に嫌われるコーチの必要性」を説いていたが、今回ばかりは、やりすぎの感は否めない。日本ハム時代に首位打者2回、本塁打王、打点王各1回ずつ獲得している、超一流打者の小笠原の打撃スタイルそのものを否定する暴論だからだ。 V逸して監督の責任問題にまで波及しない場合は、ヘッドコーチの引責辞任が慣習になっている巨人。球団側とすれば、今回の舌禍事件で解任しやすくなったかもしれない。
-
スポーツ 2010年09月27日 17時00分
TBSの尾花降ろし
期待を大きく裏切って、泥沼の3年連続最下位を独走、ゴールイン直前の横浜・尾花高夫監督(53)に対し、親会社のTBSが大バッシング。尾花降ろしを展開している。 「来季に向け、若手投手を起用しているのなら、なぜもっと投げさせないのか。ここで代えてしまったら、全く意味がない。踏ん張ることを覚えさせないと、勉強にならないのに…」「なぜここで代打を出さないのか。勝つためには代打でしょう。投手をそのまま打席に立たせるのに、どんな意味があるのか。野球は点を取らなければ勝てないのに、わかりませんね」etc。 TBSラジオの横浜戦中継を聞いていると、アナウンサーと解説者が一体になって、尾花監督のサイ配を酷評している。実際に、尾花監督の不可解なサイ配は山ほどあり、批判されても当然なのだが、横浜球団の親会社であるTBSが公然と大バッシングしていることが、注目に値する。 日本テレビが巨人・原辰徳監督のサイ配批判を堂々とやるかといえば、やらないだろう。やり玉に挙がるのはミスをした選手の方だけだろう。良い悪いの次元の話ではなく、グループ内では公然たる批判はタブー視されているのが球界常識だ。いくら最下位独走の横浜・尾花監督とはいえ、来季も続投が既定路線のはずなのに、いったい何が起こっているのか。 「TBSの現場では、このまま尾花監督を続投させたら、来季も最下位だという危機感があり、あえて尾花バッシングを展開して、TBSのトップに監督交代をアピールしているのではないか」。こう言い切る放送関係者がいる。確かに、うなずける面がある。 巨人OBの元木大介氏などの解説者も尾花監督サイ配批判を口にしているが、多少の手加減が感じられる。歯に衣着せず一刀両断なのは、大魔神こと横浜OBの佐々木主浩氏だ。昨シーズン終了後に尾花政権が誕生したが、佐々木氏も有力候補の1人だった。しかも、「ぜひ監督をやってみたい」と親しい放送関係者に本音を漏らしていたという。が、佐々木氏の希望は実現せずに、巨人の投手コーチとしてリーグ3連覇に貢献した実績を買われた尾花氏がヘッドハンティングされ、監督に就任している。 そういう経緯があるだけに、佐々木氏とすれば、TBS首脳に対し、存在価値をアピールする格好のチャンスととらえているのだろう。球場に足を運んだ若林貴世志オーナーが惨敗のゲームを見せつけられ、「何を考えているのかわからない」と激怒して帰宅したこともあった。 尾花監督の評価が下がれば下がるほど、佐々木氏の次期監督候補としての地位が上がる図式になる。「古巣に愛着のある横浜OBをなぜ監督にしないのか。外部からばかり呼んできて」という、横浜OBたちの後押しもある。96年のヤクルトOBの大矢明彦第一次政権以降、中日OBの権藤博監督、巨人OBの森祇晶監督と続き、ようやく横浜OBの山下大輔監督が誕生したが、2年で終わり。その後に中日OBの牛島和彦監督、大矢明彦第二次政権。昨年のシーズン途中に監督代行として横浜OBの田代富雄二軍監督が就任したが、今季は二軍監督に戻り、解任されている。横浜OBたちの復権の願いを込めた佐々木監督が誕生するのはいつか。もし既定路線通りに尾花監督が来季続投しても、今季同様の不成績ならばシーズン途中の休養もある。佐々木監督誕生のチャンスはそう遠くない日に来るだろう。
-
-
スポーツ 2010年09月27日 15時00分
「毎週火曜はTruthの日」本格開戦、ガッツワールドvs.STYLE-E!!
旗揚げ6年を迎えた団体同士の本格的な対抗戦が始まった−−。 20日のガッツワールド本興行を終え、設立以来初となる2連戦に臨んだガッツワールド。 当日のメインとなったのは『吉野達彦エースへの道100番勝負』の第7戦。666の宮本裕向を迎えての一戦となった。入場してくる宮本のコスチュームの色がいつもと違う。紺を基調とした特攻服を着用してきたのである。デビュー当時の宮本を知る方にとっては懐かしいコスチュームではなかっただろうか。 固い握手をお互いに交わして試合が始まる。静かな立ち上がりからまず宮本が吉野の左足を攻めペースを握る。ここのところの吉野の戦いを見ていると、どうも足攻めからペースを握られてしまう事が多いような気がする。グラウンドでのアキレス腱固め、膝十字固め。コーナーに吉野を貼り付けておいて内腿を蹴り上げる。コーナーに振って串刺しエルボーを叩き込む。 二発目を狙ったところ、両足で蹴りを見舞う吉野。宮本のバックハンドエルボーを食らうが、ロープに飛んだ宮本にドロップキックでお返し。逆片エビ固めで絞り上げるとさすがの宮本も苦悶の表情を浮かべる。エスケープされると吉野は宮本のバックを取り早くもジャーマンの体勢。宮本は自ら後方にジャンプし、バック転で着地するとロープに走ってジャンピング・ニールキック。ロープワークからカウンターのスロイダーで吉野を叩き付ける。 串刺しダブルニーアタック、コーナーにへたり込んだ吉野の顔面を襲う低空ドロップキック。徐々に宮本が自分の流れに引き戻す。ロメロスペシャルからカベルナリアを極めスタミナを奪っていく宮本。コーナーに昇ったところを吉野に捕まるが、逆に場外へ投げ飛ばそうとする宮本。投げられそうになっても、何度も落とされてもしぶとく食い下がった吉野はトップロープからの雪崩式ブレーンバスターで投げ飛ばす事に成功する。今度こその思いでバックを取る吉野。バックハンドエルボーで振りほどこうとした宮本をノーザンライト・スープレックスで叩きつけ、カウント2を奪う。 肩車で持ち上げられた宮本、うまく後方に回避してラリアットを狙うが、ダッキングで避けた吉野がトラースキック。改めて宮本を担ぎ上げてエアレイド・クラッシュで後方に叩き付ける吉野。ダメージが大きく立ち上がれない宮本を強引に引きずり起こそうとする吉野、そこからエルボーのラリー。ロープに宮本を投げた吉野だったが、逆にハンドスプリング・エルボーをまともに受けてしまう。続いて宮本は足四の字固め。意地でロープにエスケープした吉野に対し、シュミット式バックブリーカーからムーンサルトに行った宮本。吉野は膝を立てて防ぐと首固め。キックアウトされると続けてスクールボーイ、これもキックアウトされる。ペースを乱された宮本がラリアット、吉野ダッキングで避けるとフルネルソン。すかさずアスリートジャーマンで宮本を叩きつけるがカウントは2で返される。 ロープに飛んで吉野はランニング・エルボーパッド。コーナーに振って串刺し攻撃を狙うが、逆に宮本はカウンターのラリアットでなぎ倒す。もう一度ロープに飛んで右腕を吉野の首筋に叩き込む。勝機とみた宮本はマヤ式ジャーマンを狙う。後方に叩きつけたが汗で滑ってしまったのか、後方回転エビ固めの状態で固めるがカウント2。それならばともう一度シュミット式バックブリーカーからのムーンサルト・プレスを華麗に決め、粘る吉野を葬った。 紺の特攻服は自分のデビュー当時を振り返ったものなのか。今回の吉野との対戦に自分の若い頃を思い出したのだろうか。試合後吉野の健闘を称える宮本。『鬼神道』を伝承されたミスター雁之助が本部席で見つめる中、吉野達彦の右腕をそっと掲げた宮本裕向だった。 セミファイナルではSTYLE-Eの田村和宏&柴田正人、そして9月18日にデビューを果たしたばかりの那須晃太郎が登場。迎え撃つのはガッツ石島&梁和平&チェ・餃子マンのデビルワールド。両軍の対抗戦と相成った。 在京インディー界屈指のヘビー級戦士が3人揃うということもあり、なおかつ対抗戦ということから試合は最初からヒートアップ。とりわけデビルワールドの那須に対する攻撃はし烈を極める。新人離れしたハートを持つ那須に対する厳しいデビュー祝いといったところか。そんな那須の奮闘振りに応えたかった田村&柴田だったが、デビルワールドの連携の前に苦戦を強いられてしまう。最後は梁がリバースゴリードライバーからチャイニーズ・フットスタンプで那須から3カウントを奪い、白熱した攻防を制したデビルワールドが面目を保った。 第1試合ではダイスケとマスクドミステリーが珍しいシングルマッチで対決。前日GWCシングル選手権への挑戦を表明したが、王者ガッツ石島にあしらわれてしまったダイスケ。出直しを誓ったダイスケにミステリーのパワーが容赦なく襲い掛かる。珍しいドロップキックやリング内へのトペ・アトミコ、得意のパワースラム、高角度のパワーボムを次々と決めていくミステリー。しかしダイスケも負けてはいられない。ミステリーの肩車を回転エビ固めで切り返すと、ローリング・エルボーでふっ飛ばし、変形スタナーからスライディングDとたたみかけて3カウントを奪った。ひょっとすると大柄なミステリーを仮想・ガッツ石島に仕立てて自分の耐久力を試していたのではないだろうか。 「事件」が起こったのはメイン終了後。ダイスケが次の吉野の対戦相手を発表しようとした時、「ちょっと待った!」と声がかかる。STYLE-Eの3人がリングに上がり、柴田がマイクを握る。「我々STYLE-Eは、ガッツワールドに喧嘩を売りに来ました!」と叫ぶ柴田。そして「今度はウチのチャンピオン、竹田誠志を連れてくる。4対4で全面対抗戦だ!」。この言葉に梁和平社長とガッツ石島代表がリングサイドに現れる。舌戦が繰り広げられる中、更に火をつけたのは何と那須晃太郎であった! 那須の言葉の前に更に加熱した梁&石島、そしてダイスケ&吉野。このまま黙ってはいられない梁社長&石島代表は、ダイスケ&吉野と一時的ながら手を組みSTYLE-Eを迎え撃つことを宣言。果たしてこの試合、どんな方向に向かっていくことやら… 色々なことが目の前で起こってしまい、混乱してしまった吉野。そしてアピールが不得手である事を露呈してしまったダイスケ。Truthを立ち上げた2人は、散々な目に遭わされてしまった。試合後、新発売となったTruthのDVD即売会を行うように告げられたダイスケと吉野。大会終了後もガッツワールドとSTYLE-Eによる「売店での攻防」が繰り広げられた。お陰で賑やかになった売店。DVDも予想以上の売り上げを記録、STYLE-Eのチケットも売れていた。 互いに刺激し合い、観客の気持ちを煽って活性化する事は大変良い事だと感じる。だが下手をするとただ騒いでいるだけで進歩のない対抗戦となってしまう。互いに旗揚げから6年を迎え、次のステップに進みつつある団体。この機会を決して無駄にしてはいけない。Truthはまた、進化への道を辿りつつあるのか−−。(Office S.A.D. 征木大智(まさき・だいち))−ガッツワールド事務局より:8月度の試合を収録したTruthのDVDが新発売となりました! もちろん次回Truth#8以降特設売店にて発売いたしますが、お問い合わせは事務局まで。どしどしお待ちしております!!−◆『Truth#7』2010年9月21日(火)埼玉・蕨『イサミレッスル武闘館』(観客56人)<メインイベント 吉野達彦エースへの道100番勝負第7戦 20分1本勝負>○宮本裕向【666】(14分01秒 片エビ固め)●吉野達彦 ※ムーンサルト・プレス。吉野通算1勝6敗。<セミファイナル 開戦!デビルワールドvs.STYLE-E 6人タッグマッチ 30分1本勝負>ガッツ石島&○梁和平&チェ・餃子マン(11分55秒 エビ固め)田村和宏&柴田正人&●那須晃太郎※チャイニーズ・フットスタンプ<第1試合 シングルマッチ 20分1本勝負>○ダイスケ(8分59秒 片エビ固め)●マスクドミステリー ※スライディングD◆『Truth#8』2010年9月28日(火)開場:19:00/開始:19:30会場:埼玉・蕨『イサミレッスル武闘館』<メインイベント ガッツワールドvs.STYLE-E全面対抗戦! 4対4イルミネーションマッチ 時間無制限>ガッツ石島&梁和平&ダイスケ&吉野達彦 vs.田村和宏&竹田誠志&柴田正人&那須晃太郎<第1試合 シングルマッチ 20分1本勝負>山本SAN vs.チェ・餃子マン【チケット情報】全席自由2000円(当日は500円増し)お問い合わせはガッツワールドプロレスリング事務局 info@guts-world.com まで。
-
スポーツ
ハッスル消滅!? 小川H軍休止宣言
2006年12月27日 15時00分
-
スポーツ
大みそかボビー弟と対戦 金子賢 前田道場入り
2006年12月14日 15時00分
-
スポーツ
珍指令 KID 秒殺禁止
2006年12月12日 15時00分
-
スポーツ
生還小橋に捧ぐ 三沢 GHC奪還
2006年12月11日 15時00分
-
スポーツ
猪木 緊急提言 想定外プロレスをやれ!
2006年12月05日 15時00分
-
スポーツ
1・4東京D「レッスルキングダム」 新日本 全日本“乗っ取り”へ秘策 長州3冠戦出撃
2006年11月16日 15時00分
-
スポーツ
復活1・4東京D大会へ秘策 新日本最終兵器サイモン猪木 IWGP挑戦!?
2006年11月07日 15時00分
-
スポーツ
来春ビッグマッチ パンクラス芸能人最強決定戦 坂口憲二 今田耕司 押尾学
2006年10月31日 15時00分
-
スポーツ
大みそか参戦ほぼ決定 芸能人対決 金子賢vs押尾学
2006年10月10日 15時00分
特集
-
岡平健治「19」解散は「お金の問題じゃない」 岩瀬敬吾、地元に戻るのを「止められてよかった」 今後はバラエティーで「ポンコツっぷりを見て笑ってほしい」
芸能
2025年08月05日 23時00分
-
野球人生“燃え尽きた”元プロ野球選手・宮國椋丞氏 今後は「周りの人に頼られたり、笑顔にしたい」
スポーツ
2025年07月25日 23時30分
-
-
豊ノ島、YouTubeチャンネルで若乃花とコラボ熱望 タレントとして相撲番組で「冠番組」持ちたい
芸能
2025年07月21日 12時00分
-
宮迫博之「雨上がり決死隊」再結成は「蛍原さん次第」 ドジャース始球式の裏話も明かす
芸能
2025年07月14日 17時00分
-
元ザブングル松尾陽介、沖縄で芸人のセカンドキャリアサポート 芸人引退に「心境の変化」
芸能
2025年04月28日 19時03分