スポーツ
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スポーツ 2019年07月23日 17時30分
阪神、ソラーテ獲得も虎党からは「どうせダメ外国人」今回も”空振り”に終わってしまうのか
セ・リーグ4位(21日終了時点)の阪神が、7日に獲得を発表したヤンハービス・ソラーテ。22日、その新助っ人の入団会見が行われ、各メディアによって広く報じられた。 報道によると、ソラーテはメジャー通算75本塁打を記録した両打ちの中距離砲で、守備位置も内外野の複数ポジションを守れるとのこと。また、今回の来日に先立ち、球団側にデータを求めるなど、勉強熱心な一面も持ち合わせているという。 阪神は現在、チーム得点数がリーグ最下位(330点/21日終了時点)、本塁打数もリーグ5位(58本)と貧打に苦しんでおり、打線のテコ入れは喫緊の課題。そのため、前述した実績・能力を持つ新助っ人に対しては、現状を打破する起爆剤、あるいは救世主的な役割を期待するメディアも複数見受けられる。 しかし、虎党からは「既にハズレのにおいがプンプンする」、「どうせダメ外国人なんだろ」、「9月に二軍落ち、オフには退団かな」といった否定的な声が噴出。メディアの論調とは逆に、活躍を期待していないファンが多いことも浮き彫りとなっている。 このような声が多数寄せられる背景には、阪神が過去に何度も繰り返している“失敗”がある。チームがシーズン途中で助っ人打者を補強したのは、今年を含め3年連続だが、昨年のナバーロ(66試合・打率.276・3本・25打点)、一昨年のロジャース(40試合・.252・5本・23打点)は、どちらも大活躍とは言えない数字に終わっている。 また、2000年以降の途中補強例を振り返っても、成功例と言えるのは、ブラゼル(2009年/82試合・.291・16本・49打点)のみ。その他のハートキー(2000年/76試合・.272・4本・27打点)、フランクリン(2000年/8試合・.172・2本・6打点)、エバンス(2001年/39試合・.242・2本・14打点)、ペレス(2015年/3試合・.000・0本・0打点)といった面々は、いずれも効果に乏しかった。 なお、こうした中途補強がかさむ点については、他国での実績に惑わされたスカウトが、当初獲得した助っ人の実力・適応力を見誤っていることが原因と見る向きもある。 現に、過去にはメジャー通算89本塁打のメンチ(2009年/15試合・.148・0本・2打点)や、韓国リーグで2年連続3割30本100打点をマークしたロサリオ(2018年/75試合・.242・8本・40打点)といった実績十分の助っ人もいたが、その一方で前者は速球、後者は外の変化球といった弱点を抱えており、そこを徹底的に突かれたことにより不発に終わっている。 また、今シーズン新加入のマルテも、内角低めへの対応に難があることが露呈し、その影響からか、現時点の成績は「54試合・.265・7本・30打点」と今一つ。さらに、15日中日戦では左ひざを負傷するなど、今後、数字が良化する線も薄くなっている。 途中補強も含め、お粗末な結果となる例が頻発している阪神の助っ人打者補強。これらの事例を考慮すると、今回のソラーテも“空振り”に終わる可能性の方が高そうだ。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2019年07月23日 11時30分
オリックス、後半戦6試合全て先制も投手陣が守り切れず2勝4敗で借金は「8」に…
前半戦は貧打に苦しんだオリックスが、後半戦は投手陣の波に悩まされている。 15日から始まった公式戦の後半戦。最下位のオリックスは、15日から京セラドーム大阪で楽天と、19日からメットライフドームで西武とそれぞれ3連戦を行い、1勝2敗ずつ、6試合で2勝4敗の成績となった。負け越したため、借金は「8」に膨らんだ。幸い首位のソフトバンクとは10ゲーム差、CS圏内の3位西武とは5.5ゲーム差と、まだ希望は残されているが、負け試合の内容が悪過ぎるのだ。 「最初に3点取っただけに、こういうゲームにしてはいけない」 これは17日の試合後に西村徳文監督が発した言葉。「もっと早く点を取ってあげないと」という、前半戦でもよく聞かれた言葉も使われているが、この6試合は、全てオリックス打線が先制し、投手陣を援護している。先発陣では、“エース”山岡泰輔、“神童”山本由伸、阪神から移籍してきた竹安大知が好投を見せたが、由伸が登板した19日の試合では、不調の増井浩俊に代わり守護神を務めているディクソンが同点3ランを打たれてしまい、その他の試合では、社会人2年目の田嶋大樹とK-鈴木、社会人ルーキー荒西祐大が試合を作れず、後を受けた中継ぎ陣も失点するケースが目立ってきた。23日の日本ハム戦(ほっともっとフィールド神戸)で予告先発として発表されている田嶋は、修正能力が長けているだけに期待が出来るが、残る2枠は再考が必要となってくるだろう。 後半戦の6試合連続で先制点が取れているとあって、打線は息を吹き返してきた。というより、本来の力が出てきたと言っていい。特に、主砲の“マッチョマン”吉田正尚が絶好調。打率は3割、出塁率は4割をマーク。ホームランも17本と、開幕直後の不振が嘘のような活躍ぶりだ。中日から移籍したモヤも西武戦ではいい当たりを見せていた。なかなか投打が噛み合わないのが難ではあるが、上位との差が致命的な数字まで引き離されないためには、連敗は許されないし、先制した試合はキッチリと勝っておきたいところ。 「しっかりやっていかないといけない」 ファン思いの西村監督からこの言葉が消えた時、チームは上昇しているはず。そろそろミラクルを起こしていかないと、シーズンはあっという間に終わってしまう。取材・文・写真 / どら増田
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スポーツ 2019年07月23日 07時00分
復活勝利のダルビッシュが「夏、独占」の気配 今オフの目玉に?
夏の主役、それとも、オフの話題をかっさらうのか…。 シカゴ・カブスのダルビッシュ有(32)が今季3勝目を挙げた(7月17日/現地時間)。この1勝は大きい。ちょっと意外だが、カブスに移籍して以来、これが本拠地リグレー・フィールドでの初勝利だったのだ。<本拠地での不振を抜け出した> 地元のシカゴ・トリビューン紙はそんな見出しを立てていた。しかし、「1億2600万ドルの契約後523日目の出来事」と、イヤミいっぱいな報道もあった。 おそらく、本心だろう。昨季のダルビッシュはわずか1勝しか挙げていない。故障もあったとはいえ、シカゴのファンが「高額年俸の割には働いていない」と思っても当然である。6年で総額135億円以上をもらうかもしれないVIP待遇なのだから…。 しかし、もっと気になる見出しもあった。<トレードの最終期限までに間に合った> トレード? メジャーリーグのトレードは7月末まで。一般論として、メジャーリーグでは優勝争いを繰り広げているチームは、弱点を補うためにトレードを行う。優勝争いから脱落したチームの主力バッター、エースが標的とされる。脱落した側のチームも交換要員として将来性のある若手をもらい、また、複数年契約の最終年にあって、残留交渉が進まない選手を「だったら、トレードに出して有望な若手を交換要員でもらったほうがいい」と判断するケースも多々ある。 カブスはナ・リーグ中地区の首位。2位・ブルワーズが2ゲーム差でそれを追っている。「トレードの最終期限までに間に合った」なるシカゴ・サン・タイムズの見出し、批判的な内容から考えれば、「ダルビッシュを放出し、代わりのピッチャーを獲れ」ということになる。 ダルビッシュは6年契約の2年目だが、こんな情報も聞かれた。「彼の契約はちょっと複雑なんです。2年目のシーズン終了後、オプトアウトの権利がダルビッシュ側に生じる内容となっています」(米国人ライター) 簡単に言うと、今季終了と同時にダルビッシュはいったん“6年契約を破棄できる権利”を持つのだ。つまり、他球団とも交渉できる。カブスと再契約する場合、改めて年俸面などを交渉することになる。ダルビッシュ側からすれば、もっと良い条件を出してくれる球団が現れれば、移籍を選択するだろう。先のシカゴ・サン・タイムズの「トレード期限に間に合った」の見出しには 「ダルビッシュは復活した。彼の放出トレードに応じる球団も現れるはずだ」 という意味も込められているのではないだろうか。「ダルビッシュは肩、肘の故障が癒えています。完全復活の期待をしてもいいと思います」(前出・同) 近年は不振だが、ダルビッシュ級の投手はなかなか出現しない。トレード要員となれば、当然、興味を示す球団も現れるはず。もっとも、オプトアウトの権利を行使するならば、“今オフの目玉”となるだろう。二刀流・大谷が日本人メジャーリーガーの報道の主役となって久しい。本来のピッチングを含め、“逆襲”が見られそうだ。
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スポーツ 2019年07月23日 06時30分
新日本「G1」Aブロック、オカダ・カズチカとKENTAが前半戦無傷の4連勝!
新日本プロレス『G1クライマックス29』▽20日 東京・後楽園ホール 観衆1,722人(札止め) 新日本プロレスは東京・後楽園ホール大会3連戦の最終日に当たる20日、『G1クライマックス29』Aブロック5試合を開催した。 開幕から3連敗中で、連日試合後に荒れているザック・セイバーJr.と、バッドラック・ファレが対戦した。19日の前哨戦では試合後にザックをKOしているファレは、この日も体格差を生かした攻撃でザックを圧倒。ファレは場外でグラネードを狙うが、ザックは三角締めで捕獲。そして場外カウント20寸前でリングに生還するという頭脳プレーを見せ、リングアウト勝ち。意外な形で初勝利をゲットしている。 棚橋弘至はランス・アーチャーと対戦。前哨戦でアーチャーのEBDクローに「頭が果物をつかまれてるようだった」と苦しい表情を浮かべていた棚橋は、アーチャーの変化を察したのかゴング前に仕掛けて、ヒザに狙いを定める。だが、アーチャーの猛攻はこの日も変わらず棚橋を苦しめた。しかし、棚橋はアーチャーがブラックアウトを狙ったところを、高角度前方回転エビ固めで切り返し、妙義の丸め込みで逆転勝利。2連敗から2連勝と巻き返した。 3戦全勝のKENTAはEVILとシングル初対決。KENTAに「G1に出る資格がない」と疑問を呈していたEVILだが、KENTAの“うるさい”キックに対し、EVILも真っ向から応戦。打撃とパワーの一進一退が続く中、KENTAはEVILのヘッドバットにヒザを合わせて動きを止めると、最後はgo 2 sleepを決め、連勝を「4」に伸ばしている。 セミファイナルでは飯伏幸太とSANADAが激突。前哨戦では両選手がコーナーに登り、どちらが歓声を集めるか競う場面も。他団体から新日本に移籍してきた共通項があるだけに、この日も互いへの声援が交錯していた。飯伏はそんなSANADAに対して「こっち側でしょう」と本隊への勧誘?をほのめかす中、ゴングが鳴ると一進一退の攻防を展開。SANADAは掟破りのカミゴェで追い詰めるが、飯伏はボマイェからの本家カミゴェでSANADAを粉砕。試合後は「真田聖也(他団体時代のリングネーム)を待っている」とさらに踏み込み、G1以降の両者の動きが見逃せなくなった。 メインイベントは、IWGPヘビー級王者のオカダ・カズチカと、IWGPジュニアヘビー級王者のウィル・オスプレイによるCHAOS同門王者対決。2人は今年の『ニュージャパンカップ』準々決勝で対戦し、接戦の末にオカダが勝利。ジュニア王者がヘビー級王者に勝てば史上初。この日のオスプレイの気迫はすさまじいものがあった。オカダのレインメーカーをスパニッシュフライで切り返し、さらに相手のお株を奪うツームストンパイルドライバーまで披露。だが、オカダもオスプレイが痛めている首を非情なまでに攻撃。それだけオスプレイがオカダを追い込んだ。しかし、オカダはオスカッターやストームブレイカーを切り抜けると、伝家の宝刀レインメーカーで3カウント。 「4勝目!まだG1クライマックス、半分も終わってないんだね(場内笑)。でもさ、みんなが見て分かるように、俺ピンピンしてるから!次、東京に戻ってくるときは、武道館3連戦ですか。武道館の前に決勝、決めさせてもらいます!まだまだG1クライマックス、盛り上がっていきましょう!!というわけで、G1クライマックスが、ここ東京に戻ってきたときは!新日本プロレスに金の雨が降るぞ!」 オカダは試合後のマイクも絶好調だった。インタビュールームでは「オスプレイ、強かった。それだけ。もう過ぎたことだから。次は、名古屋ですか。KENTA戦。まあしっかりね、新日本プロレスの、IWGPヘビー級チャンピオンの…いや、プロレス界のトップの実力というのを、KENTAさんにしっかり味わわせてあげようかなと思います」と、27日(愛知大会)でのKENTAとの全勝対決を見据えた。 Aブロックは27日の愛知大会で折り返しを迎える。取材・文・写真 / どら増田
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スポーツ 2019年07月22日 22時30分
新日本「G1」Bブロック、初出場のジョン・モクスリーが開幕から唯一の3連勝!
新日本プロレス『G1クライマックス29』▽19日 東京・後楽園ホール 観衆1,725人(札止め) 新日本プロレスは19日、真夏の最強戦士決定戦『G1クライマックス29』前半戦のヤマ場である東京・後楽園ホール大会3連戦の“中日”を迎えた。Bブロック公式戦3戦目の5試合がラインナップされた。 初めにマッチメイクされたのは、鷹木信悟とタイチの1勝1敗対決。タイチは今年引退した飯塚高史氏が残していったアイアンフィンガー・フロム・ヘルで内藤哲也を破っている。後から入場した鷹木はゴング前に奇襲攻撃を放った。だが、タイチのラフファイトにジュニアヘビー級の中ではパワーファイターの鷹木が押される場面が目立った。1発目のラスト・オブ・ザ・ドラゴンを返されたのはかなりショックだったのではないだろうか。終盤はお互いに意地と意地のぶつかり合い。タイチは師匠・川田利明を彷彿とさせるキックも見せていたが、最後は鷹木がナックル、ヘッドバッド、ラリアットからのパンピングボンバー、そしてとどめのラスト・オブ・ザ・ドラゴンを決めてタイチから勝利。これは価値ある勝利となったはずだ。 続いて2連勝中のジュース・ロビンソンと、2連敗中のジェフ・コブの外国人対決。握手で始まったこの試合はコンディションがいいジュースが主導権を握るが、コブはその場跳びムーンサルトなど、身体に似合わぬ立体的な重爆殺法でジュースを苦しめていく。最後はジュースのパルプフリクションをジャーマンで切り返すと、ツアー・オブ・ジ・アイランドを決めてコブがG1初勝利。試合後、両者は健闘を称え合った。 3試合目は矢野通とジェイ・ホワイトの元同門対決。CHAOSを裏切ったジェイに対して、矢野はいつもと変わらぬYTR殺法で速効を仕掛けるが、外道がアドバイスしたのか、ジェイもインサイドワークで応戦。しかし、矢野は外道のメリケンサックを奪い、相手の同士討ちを誘う。そして、レフェリーの死角をついてメリケンサックを握りしめた手で、ジェイに急所攻撃から速攻で丸め込み、絵に描いたような勝利。わずか3分4秒で開幕3連敗となったジェイと外道は呆然。会場は大喜びだ。 セミファイナルは、これまで幾度も名勝負を繰り広げてきた後藤洋央紀と内藤哲也が対戦。開幕から2連敗と後がない内藤は、ゴング前から後藤を小馬鹿にするような仕草を見せながら、ヒザ攻めで試合を組み立てていく、後藤もパワーでつぶしにかかるが、最後は昇天をDDTで切り返した内藤がデスティーノを決めて3カウント、連敗を止めた。 メインイベントはNEVER王者の石井智宏とIWGP USヘビー級王者のジョン・モクスリーの全勝王者対決。モクスリーにとってはニュージャパンスタイルへの適応力が試される試合だったが、ゴングと同時に激しい攻防を繰り広げた。さすがは世界のスーパースターである。 モクスリーがハードコア殺法を繰り出すと、石井も真っ向から応戦。コーナーから場外へのスーパーフライでテーブルクラッシュするなど、ど派手な技が見られ、場内からは終始どよめきが止まらなかった。最後は、モクスリーが顔面へのニーからデスライダーを決めて勝利を収めた。 試合後、モクスリーはマイクで「トーキョー!ありがとう!トーキョー!後楽園ホールに来てくれたみんな、ありがとう!きょう同じリングに上がってくれた石井にも感謝したい。お前は本当にすごいやつだ!」と感謝。 「ここで言いたいことがある。数カ月前まで俺の選手キャリアはトイレに流してしまう寸前というくらい最悪の状態だった。でも日本からのオファーがあり、このようにリングの上で闘える。アートを見せられる機会をもらえたことに感謝している。ジョン・モクスリーがG1を優勝してやる!」と優勝宣言した。 この結果、Bブロックはモクスリーが無傷の3連勝で単独首位に。一方、優勝候補のジェイはまさかの3連敗となった。取材・文 / どら増田写真 / 爽健美
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スポーツ 2019年07月22日 17時30分
「大阪はアツかった!」那須川天心、胴回し回転蹴りでスアキムを返り討ちで決勝進出
RISE『RISE WORLD SERIES 2019 Semi Final Round in OSAKA』▽21日 大阪・エディオンアリーナ大阪・第1競技場 観衆 5,850人(超満員札止め) キックボクシング団体RISEは21日、ワールドシリーズの準決勝をエディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)で開催した。 格闘技界の“神童”那須川天心(TARGET/Cygames)が大阪に初上陸するとあって、試合前にグッズ売場の開場時間を早めることに。難波の街に天心のTシャツやマフラータオルを身にしているファンを多数目にするなど、この日のミナミは“神童”歓迎ムードが出来上がっていた。チケットも約2カ月前に完売し、天心が参戦した6月のRIZIN兵庫・神戸ワールド記念ホール大会も札止めになったことからも関西での“天心待望論”が高まっていることが分かる。 今回はカードも良かった。昨年2月にKNOCK OUT東京・大田区総合体育館大会で「いままでの相手でいちばん強い」という触れ込みで対戦し、判定勝ちを収めたもののKOを逃したスアキム・PKセンチャイムエタイジムとの再戦が、-58kg世界トーナメント準決勝で実現したのだ。天心にとって今年の目標はこのトーナメントで優勝し“世界一”になること。この日は「本気の天心」が見られると大きな期待が寄せられていた。 天心はそんな大阪のファンに応えるかのように、なんとタイガーマスクのような虎柄のコスチュームで入場。これがスクリーンとビジョンに映し出されると大きなどよめきが起こった。先日、天心は矢沢永吉のライブを訪れている。いつもより入場に時間をかけ、入場テーマ曲『止まらない Ha〜Ha』も長く流れた。パンパンに入った会場から途切れぬ大歓声が寄せられる中、試合開始のゴングが鳴った。 「もっとガンガン来ると思った」 スアキムは今年に入り、少し荒っぽい試合を繰り広げ豪快に勝ってきたが、天心は「そこに迷いを感じるし隙がある」と戦前に分析していた。しかし、この日のスアキムは距離を作り見合う闘い方に切り替えていた。「パンチを警戒していると思った」という天心は「いろいろ試そうとしてしまった。重いパンチをもらってしまったり課題は残った」と試合後に反省。しかし3Rになると、「狙っていた」胴回し回転蹴りがスアキムの額を見事に捉えた。スアキムは「骨が見えるほど」のカットを負い、1分13秒ドクターストップでTKO勝ち。決勝進出を決めた。 セコンドのTEAM TEPEN・那須川弘幸会長は「あれ(胴回し回転蹴り)は彼の判断でやったもの。決まったときは『あっ』と思った」とその瞬間を振り返っていた。 「大阪はアツかったですね」 試合後、客席を仕切る柵が10本折れたそうで、関係者は苦笑い。「もっといい那須川天心が見せられたら良かったかなと。9月の決勝は楽しみにしてもらいたい。最近よく(相手を)切ってるんですよね。殺傷能力がついたのかな。パンチでもキックでも切れてる。肘じゃないですから。『侍』ですね(笑)」と天心流の言い回しでマスコミを和ませた。 決勝(9.16千葉・幕張メッセ・イベントホール大会)の相手は、セミファイナルで優勝候補のルンキット・ウォーサンプラパイ(タイ)を破った志朗との日本人対決に。志朗は「天心君はルンキットとやりたかったと思うけど、9月は僕が倒す」と優勝宣言。インタビュールームでは「天心君とやるならボクシングジムに通わないと」と話していた。天心は「志朗君は強い。一発一発が的確。しっかり距離を取ってやらないと厳しい闘いになる」と語り、早くも臨戦態勢だ。 9.16の前には8.18RIZIN愛知県体育館大会があるが、天心が出場するかは流動的。今年の目標である世界トーナメント優勝に向けて、決勝までの時間は準備に充ててもらいたい。取材・文 / どら増田写真提供 / ©︎RISE
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スポーツ 2019年07月22日 11時30分
DeNA・石田健大が先発に帰ってきた! 自慢の“左腕スターター陣”がセ界を面白くする
思えば昨年の開幕時、石田健大は2年連続の開幕投手を務めると共に、ベイスターズ自慢のスターター陣の中でも特徴的である、今永昇太、濱口遥大、東克樹の“左腕カルテット”の長男としても頼れる存在として期待されていた。しかし、思うように状態が上がらず、同7月には中継ぎに配置転換されるなど、不本意なシーズンを送り、最終的な成績は3勝7敗、防御率4.97で終えた。 今年もケガの為開幕に間に合わず、ファームでも中継ぎとして調整。5月1日に一軍に上がり、中継ぎとして献身的にチームを支え続けた。防御率も1.82と安定し、首脳陣の信頼感を得てから、7月9日のスワローズ戦で中継ぎ登板を終えると、一旦登録を抹消。再び先発としての調整を経て、7月20日に約1年ぶりとなる、まっさらなマウンドへ向かった。 ホームグラウンドを埋めたベイスターズファンから、期待のこもった声援を受け、初回には、2番の大島洋平は150キロのストレートで、3番のアルモンテはチェンジアップで連続三振に切って取ると、3回までパーフェクトピッチングを披露。味方打線が3回に3点をプレゼントしてくれた直後の4回に、先頭の平田良介にホームランを喫してしまうが、落ち着いて後続を断ち切り、相手にペースを握らせない。5回にもピンチを迎えたが、無失点で切り抜け、5回78球、2被安打、8奪三振、1与四球と、久しぶりの先発の役割を果たし、降板した。 チームは5人のリリーフ陣をつぎ込み、4-3で見事勝利を上げ、石田には昨年4月13日、この日と同じ横浜スタジアムでのドラゴンズ戦で、7回2自責点での勝ち星をあげて以来の、嬉しい勝利となった。ヒーローインタビューでも「最高にうれしいです!ファンの皆様の声援が力となり、勝つことができました!」とし、勝利の際の決め台詞「アイラブ横浜!」と声を挙げると、スタンドからも大きな声援が飛んでいた。 中継ぎという役割でしっかり結果を出し、自分の手で再び掴んだ先発の座。与えられたポジションではないところに価値がある。中継ぎでお立ち台に立った際も「いい経験をさせてもらっている」と答えたこともあり、その言葉通り、リリーフの過酷さを体験したことも、石田を一回り大きくしてくれたことと思いたい。 これで今季完全復活した今永昇太と、17日に久々に地元横浜スタジアムで勝利した濱口遥大に加え、石田も先発ローテーションに入り込んだ。昨年の新人王・東克樹も21日にファームで先発し、まずまずのピッチングを見せた。昨年のベイスターズの構想の目玉、“先発左腕カルテット”が、夏場の厳しい時期に形成される時、ジャイアンツ独走のセ・リーグに待ったをかける存在になる可能性は大いにある。取材・文・写真 / 萩原孝弘
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スポーツ 2019年07月21日 11時30分
復帰翌日に即抹消 中日・松坂大輔の今後はチームの“忖度”次第?
“お騒がせ”の与田ドラゴンズが8連勝で2位タイに浮上した(7月18日)。ファンによる応援歌の「オマエ」を巡る騒動や、そのゴタゴタでチケットの売り上げも懸念されたが、上昇ムードが一蹴してくれたようである。首位巨人とのゲーム差は「10」。借金2、勝率5割を割っての2位はカッコ良くないが、この好調さは、松坂大輔(38)の今後にも大きな影響を与えそうだ。 「復活登板した翌日(17日)、一軍登録を抹消されています。再登録は27日以降、首脳陣の話を聞いていると、もうちょっと後の一軍復帰となりそうですが」(スポーツ紙記者) 松坂は16日に先発登板した。5回を投げ、被安打4、失点2。松坂自身に勝敗は付かなかったが、チームはその後、サヨナラ勝ちを収めている。 この連勝中、中日のリリーバーは“興味深い結果”も残している。松坂が先発した16日を含め、8連勝の中でリリーバーたちは「8試合で失点1」。8試合で1点しか取られていないのだから、先発投手も強い信頼感を寄せているはずだ。与田監督も、試合半ばの5、6回で先発投手を交代させ、継投策に入ることができる。 「松坂の先発復帰に踏み切ったのも、リリーフ陣の好調があったからです。今は打線も好調なので、少々の失点でも追い付けると判断したようです」(前出・同) 松坂の復帰登板と登録抹消に関する話を聞いていると、「チームが好調だから、投げさせてやろう」といったような発想もあったようだ。 在阪球団に詳しいプロ野球解説者がこう続ける。 「今の松坂には先発ローテーションに入って、投げ抜く力はありません。1回先発させたら、10日以上間を空けないと投げられません。その間、投げられないピッチャーを一軍登録しておくよりも、リリーフタイプの投手を代わりに登録しておいたほうがチームのためにもなる」 もっとも、多彩な変化球で打ち損じを誘うピッチングはベテランらしい、味のあるものだった。また、松坂のピッチングをネット裏で見ていた他球団のスコアラーもこんなことを話していた。「13打数ヒットなし」と。どういうことかというと、松坂はピンチになると、強くなるのだという。 「満塁になって迎えたバッターとの対戦成績が、『13打数ノーヒット』なんですよ。昨季、中日入りしてから、ずっと続いています。16日も3回表に二死満塁のピンチを招きましたが、見逃し三振を奪いました。ピンチになってからの勝負強さは認めざるを得ない」 年齢的に見ても、「中6日」で回っていく先発ローテーション入りは無理かもしれない。使い方を間違えなければ、あるいは、リリーバーの状態など周囲が配慮してやれば、まだ投げられるというわけだ。 周囲にこれだけ気を遣わせているのだから、松坂本人も気が付いているだろう。 チームのために投げてくれる松坂が見たい。取材陣の質問内容が「復活」「現役続行」に偏重したからだろうか。松坂は「もう少し(現役を)やりたい」と試合後にコメントしていた。登板間隔を空ければ、先発の責任イニングを投げられることは分かった。あとは、「チームのために」「ファンのために」の言葉が出るのを待つだけだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2019年07月20日 11時30分
劇的満弾から約4か月 日本ハム・中田翔に求められる「らしい」からの脱却
「なめてんのかな」 3月29日、開幕戦延長10回の裏、目の前で二人の打者が申告敬遠により歩かされ、満塁で迎えた最終打席、グランドスラムをぶっ放し、痛快なまでに開幕戦に決着をつけた。 試合後、お立ち台の上で日ハム・中田翔の口から発せられたこの言葉を聞いてから、約4か月が経とうとしている。 オールスター明け、首位ソフトバンクとの3連戦の合計は僅に1安打。中断前のロッテとのゲームでは2本塁打を放ち、後半戦への期待を膨らませていたものの、未だに快音は鳴らされていない。あの開幕戦での雄姿から今シーズンの飛躍を思わせながらも、7月も中旬を過ぎようとする現在、「らしい」成績に落ち着いている気がする。 個人成績を見ると、ここまで打点がリーグ6位の60打点と、チームの主軸としてはまずまずの数字を叩き出している。但し、本塁打19本はどちらかと言えば物足りず、また、得点圏打率が1割台(.198)、さらに、左右の投手に対する成績も、左投手に対しての打率がこちらも1割台(.190)と(何れも7月18日現在)、「右のスラッガー」としては、いささか首を傾げたくなる内容だ。 それでもチームは、後半戦でいきなり首位を相手に3タテ。投打が噛み合い、接戦を物にするなど巻き返しへ向けて、これ以上ない内容でソフトバンクを敵地で叩いた。常々、「チームが勝てばいい」と口にする中田の言葉通り、連勝は何よりもチームに勢いをもたらす。 さらに、逆転優勝への重要なピースとして必要なのが、中田のこれまで以上の活躍だ。劇的な結末となった開幕戦や、中田の2本のアーチで連勝を4まで伸ばした前半戦7月ロッテ戦では、「(味方が)繋いでくれたから良いところで打てた」と語ったように、中田本来の持ち味といえばチャンスでの豪快の一発だ。 3月からこれまでの間、尻上がりに中田の打率は上向いてきている。2年ぶりに打点が3ケタに乗った昨年も、7・8月は何れも3割越えと打棒を振るったことも、今後への期待を一層、膨らませる。首位奪還に向け、波に乗ったファイターズをさらに加速させるため、チームの顔である「4番」の存在が何よりも重要となってくるのは言うまでもないだろう。(佐藤文孝)
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スポーツ 2019年07月19日 22時30分
新日本「G1」Aブロック、オカダとKENTAが3連勝!「諦めない」棚橋、飯伏が初勝利!
新日本プロレス『G1クライマックス29』▽18日 東京・後楽園ホール 観衆 1,726人(札止め) 新日本プロレス真夏の最強戦士決定戦『G1クライマックス29』は、米ダラス・アメリカン・エアラインズ・センターでの開幕戦、東京・大田区総合体育館での国内開幕2連戦、北海道・北海きたえーる大会を経て18日、“聖地”東京・後楽園ホール3連戦の初日を迎えた。会場は“G1価格”として、普段の後楽園大会よりも高めの価格設定だったにもかかわらず、1,726人のファンが集まり、公式戦にアツイ視線を送っていた。 Aブロックの3戦目が組まれた今大会では、開幕から連敗中の棚橋弘至、飯伏幸太、ザック・セイバーJr.に注目が集まった。初戦はKENTAとランス・アーチャーの全勝対決。KENTAはアーチャーとの身長差に苦しみながらも得意のキックで攻守を逆転していくが、今シリーズのアーチャーは絶好調。たびたびパワーに押される厳しい戦いとなったが、アーチャーが必殺のチョークスラムを狙うと「待ってました」とばかりに三角締めで切り返し、GAME OVERでギブアップ勝ち。KENTAにとっては、ヘビー級戦線で闘っていくであろうG1以降にもつながる勝利となったのではないだろうか。 続いてラインナップされたのが、EVIL対SANADAのパートナー対決。IWGPタッグ戦線で何度も組んでおり、お互いに知り尽くしているだけに、高度な技を繰り出した。EVILが掟破りのパラダイスロックを繰り出せば、SANADAも掟破りのEVILを決めてみせた。どんな結末になるのかとファンが固唾を飲む中、一進一退の攻防を繰り広げた2人。最後はパワーで上回ったEVILがラリアットからEVILを決めて3カウント。試合後、両者はグータッチでノーサイド。また見てみたい対決である。 3試合目では、開幕から連勝中のIWGPヘビー級王者オカダ・カズチカと、1勝1敗のバッドラック・ファレが対戦。オカダは今年の2.11大阪・エディオンアリーナ大阪大会でファレとのシングルを制しているが、大型な選手なだけに、どちらかと言えば“苦手”なタイプ。連敗を避けたいファレは、オカダの入場時に奇襲攻撃。その後もセコンドの邪道や、チェーズ・オーエンズが試合に介入し、場内はブーイングの嵐。しかし、最後は前方回転エビ固めを狙ったファレをそのままエビ固めで押し潰してオカダが3カウントを奪った。試合後、ファレは結果に納得が行かずオカダを襲ったが、美しいドロップキックで返り討ち。オカダが横綱相撲を見せた試合だった。 セミファイナルは棚橋とザックの全敗対決。棚橋にとってザックは自他ともに認める「苦手」なタイプ。しかし、今年の対戦成績は1勝1敗のイーブン。棚橋は4月に行われたアメリカのニューヨーク、マディソン・スクエア・ガーデン大会で敗れている。ザックもブリティッシュヘビー級王者として、これ以上の負けは許されない。 試合は棚橋がザックの土俵であるグラウンドで仕掛けて、試合の主導権を握っていく。終盤、棚橋のハイフライフローをザックが三角締めで捕獲。しかし、棚橋はジャックナイフ式エビ固めで切り返し3カウント。3戦目で棚橋の夏が始まった。ここから連勝していけば連覇も不可能ではない。 メインイベントでは飯伏と、IWGPジュニアヘビー級王者ウィル・オスプレイの好カードが組まれた。2人は今年の1.4東京ドーム大会でオスプレイが勝利を収めNEVER王座を獲得したのだが、試合後、飯伏は担架で運ばれて欠場に追い込まれている。初戦のSANADA戦に勝利を収めたが、首を負傷し7.15きたえーる大会のアンダーカードを欠場したオスプレイはこの日が復帰戦となった。 1.4ドーム大会と同じく、序盤からまばたきが許されないようなスピーディな攻防を繰り広げると、飯伏はパワーとカミソリのような打撃でオスプレイを圧倒。最後はカミゴェが決まり、うれしい公式戦初勝利を飾った。 「絶対に負けない、逃げない、諦めない。絶対にみんなを裏切りません」 7.14大田区大会の試合後と同じく「諦めない」という言葉を使って大会を締めた飯伏だが、棚橋と同じくまずは連勝することが逆転優勝への道となる。大物ぞろいのAブロックは、オカダとKENTAが無傷の3連勝スタート。2勝はEVILとアーチャーで、ザックはまさかの3連敗だ。Aブロックの4戦目は20日の後楽園大会。後半戦に向けて、後楽園3連戦は大きな鍵となる。取材・文・写真 / どら増田
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