報道によると、ソラーテはメジャー通算75本塁打を記録した両打ちの中距離砲で、守備位置も内外野の複数ポジションを守れるとのこと。また、今回の来日に先立ち、球団側にデータを求めるなど、勉強熱心な一面も持ち合わせているという。
阪神は現在、チーム得点数がリーグ最下位(330点/21日終了時点)、本塁打数もリーグ5位(58本)と貧打に苦しんでおり、打線のテコ入れは喫緊の課題。そのため、前述した実績・能力を持つ新助っ人に対しては、現状を打破する起爆剤、あるいは救世主的な役割を期待するメディアも複数見受けられる。
しかし、虎党からは「既にハズレのにおいがプンプンする」、「どうせダメ外国人なんだろ」、「9月に二軍落ち、オフには退団かな」といった否定的な声が噴出。メディアの論調とは逆に、活躍を期待していないファンが多いことも浮き彫りとなっている。
このような声が多数寄せられる背景には、阪神が過去に何度も繰り返している“失敗”がある。チームがシーズン途中で助っ人打者を補強したのは、今年を含め3年連続だが、昨年のナバーロ(66試合・打率.276・3本・25打点)、一昨年のロジャース(40試合・.252・5本・23打点)は、どちらも大活躍とは言えない数字に終わっている。
また、2000年以降の途中補強例を振り返っても、成功例と言えるのは、ブラゼル(2009年/82試合・.291・16本・49打点)のみ。その他のハートキー(2000年/76試合・.272・4本・27打点)、フランクリン(2000年/8試合・.172・2本・6打点)、エバンス(2001年/39試合・.242・2本・14打点)、ペレス(2015年/3試合・.000・0本・0打点)といった面々は、いずれも効果に乏しかった。
なお、こうした中途補強がかさむ点については、他国での実績に惑わされたスカウトが、当初獲得した助っ人の実力・適応力を見誤っていることが原因と見る向きもある。
現に、過去にはメジャー通算89本塁打のメンチ(2009年/15試合・.148・0本・2打点)や、韓国リーグで2年連続3割30本100打点をマークしたロサリオ(2018年/75試合・.242・8本・40打点)といった実績十分の助っ人もいたが、その一方で前者は速球、後者は外の変化球といった弱点を抱えており、そこを徹底的に突かれたことにより不発に終わっている。
また、今シーズン新加入のマルテも、内角低めへの対応に難があることが露呈し、その影響からか、現時点の成績は「54試合・.265・7本・30打点」と今一つ。さらに、15日中日戦では左ひざを負傷するなど、今後、数字が良化する線も薄くなっている。
途中補強も含め、お粗末な結果となる例が頻発している阪神の助っ人打者補強。これらの事例を考慮すると、今回のソラーテも“空振り”に終わる可能性の方が高そうだ。
文 / 柴田雅人