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今度はロッテ・西岡ポスティング志願の元凶

 日本ハム・ダルビッシュ有のポスティングが来オフに先送りになったと思ったら、今度はパ・リーグのクライマックスシリーズを制し、5年ぶりの日本シリーズ出場を決めたロッテの主将・西岡剛内野手(26)の番だ。次から次へとポスティング志願者が出てくる日本球界。元凶は現行のFA制度にある。

 大リーグ側がまとまった落札金を必要とするポスティングに嫌気がさしてきており、市場は大不況になっている。一度は公認した岩隈久志に関しても、楽天球団側は「あまりに落札金が低いようならば、やめるかもしれない」と一転して消極的になっている。それなのに、ポスティングを要求する選手は後を絶たない。前述した以外にも西武・中島裕之、阪神・藤川球児、ヤクルト・青木宣親etc。
 「FAは選手の権利だから、メジャーへ行くのは引き留められない。最高峰のメジャーへ挑戦してみたい気持ちもわかる。が、ポスティングは話が別だ」。こう言い切るのは、ソフトバンク・王貞治球団会長だ。監督時代に愛弟子の城島健司がマリナーズへFA移籍した際にも、「コミュニケーションの問題があり、難しいポジションの捕手の日本人メジャーリーガーは初めてだから、頑張って挑戦して欲しい」とエールを送っている。が、ポスティングは真っ向から否定する。
 そうはいうものの、自分の実力の勘違いは責められても選手サイドが一方的に悪いわけではない。制度としてあるのだし、ポスティングを認める球団があるから要求する。いますぐにポスティングが廃止されるわけでもない。となれば、どうすればいいのか。「国内FA8年、海外FAは9年」というばかげた現行のFA制度を変更することだ。「FAは一律8年」にすればいい。

 国際化の時代に逆行するような制度を作った張本人は巨人・清武英利代表だ。松井秀喜がFAでヤンキースに移籍したことに読売グループのドン、巨人・渡辺恒雄球団会長が激怒。日本人選手のメジャー流出を阻止しろという大号令を発したために、「国内FA8年、海外FA9年」という格差を付けて、少しでもメジャー流出を遅らせようという、姑息な手段に出たのだ。その裏には「メジャーへ行きにくくなれば、FA選手は巨人に入ってくる」という、なんとも時代錯誤の考え方がある。こう語る球界関係者の言葉の方が正論だろう。
 「今は身近になったメジャーへ行くのを阻止しようとしても無理だ。ポスティングを認めなければ、FAになるのを待って行くだけのこと。それを国内と海外FAで1年差をつけたところで、どうなるというのか。国内FAの権利を取ったソフトバンク・川崎、和田の2人が今年は行使せず、来年オフに海外FAを使ってのメジャー入りを視野に入れている。大事なのは、逆に早くメジャーに行ってもらって、働けるうちに帰ってきてもらう。ロッテ・井口、阪神・城島の成功例を見ればわかるでしょう」。
 その通りだろう。楽天が岩隈のポスティングを認めたのもFA格差が根底にある。来年には海外FAの権利ができ、出て行かれてしまう。それならば、1年前にポスティングにかけて落札金を手に入れた方が賢明だという判断だ。国内と海外FAの格差はポスティングを活性化させる元凶にもなっているのだ。

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