しかし、7月4日の神宮でのスワローズ戦の第1打席で、「いい風が吹いてくれた。しっかりと前で捉えることが出来た」と納得の一打は、久々の2号先制アーチとなり、5打席目も「繋ぐ気持ちで打席に向かった。フォークを前で捉えることが出来た」と振り抜いた打球で、レフトへオーバーフェンス。マルチホームランで4打点の活躍を見せた。
翌日の同カードでは、5回満塁の場面で、打ちあぐんでいたスワローズ先発・高梨裕稔のフォークを一閃。ボールはセンター左の看板の上を越え、テレビクルーのカメラ脇に弾む特大グランドスラム。昨年のジャイアンツ戦での3連発の際から、インパクトのある一打でのコメント「チョーーーーーースゴイ!」を日本語で残し、「みんなが繋いでくれたチャンス、満塁ではありましたが、最低でも1点取る気持ちで打席に向かいました」と、程よくリラックスできたことが、最高の結果をもたらしたようだった。
2018年5月6日に、横浜スタジアムでデビューしたネフタリ・ソト。107試合出場で41本のホームランを放ち、仮に144試合出場と仮定した場合、70本ペースとなる計算になっていた。また、打率も.310とセ・リーグ11位と健闘した。昨年は4月に11本の本塁打を放ち、ホームランダービートップの活躍を見せていたが、5月10日に自打球を当ててから狂いが生じたのか、6月はホームラン8本ながら打率.188と低打率となっていた。最終的にはホームラン43本、打点108でセ・リーグ2冠王に輝き、流石の活躍を見せたが、打率は.269と確実性は低くなっていた。
今年はスワローズ戦まで1ホームランだったが、逆方向へのヒットや右中間への2ベースなど、素直なバッティングが多く見られ、打席ではファールで粘るなどチームに貢献。超攻撃型打線の2番として、臨機応変な姿勢も感じられ、打率も.362とリーグ5位。更にここに来て打球が上がってきたソトは、過去2年を超える驚異的な成績も期待できそうだ。
取材・文 ・ 写真/ 萩原孝弘