社会
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社会 2020年06月21日 06時00分
本好きのリビドー
悦楽の1冊『帰ってきたビルマのゼロ・ファイター』井本勝幸/荒木愛子 集広舎 1852円(本体価格)★日本兵を還した男の記録 B級作品と軽んじられがちなチャック・ノリス主演の『地獄のヒーロー』(’84)は、原題を“MISSING IN ACTION”という。戦闘中の行方不明者を指す専門用語で、タイトル通り主人公がベトナム戦争の未帰還兵を救出に向かう物語だったが、翻ってわが国の現状はどうか。生存する拉致被害者はおろか、実のところ、先の大戦で海外各地に散った英霊の遺骨の約4割以上が、いまだ放置状態のままと聞けば遺族でなくとも俯くしかない。 大戦末期の昭和19年に強行されたインパール作戦では、英軍に敗れ退却する経路がのちに“白骨街道”と呼ばれる悲惨の極みだった。この戦いで落命した多くの日本兵が瞑る地ミャンマーで、黙々と遺骨の発掘と身元の特定、そして国に働きかけての帰国運動を続けているのが井本勝幸氏だ。 遺骨の埋まる旧日本軍跡地に建つミャンマー国軍敷地内には、無論、政府の許可なくば入れない。複数の少数民族が構成する武装勢力との内戦もうち続く中、個々の指導者を口説き落として連帯させ、遂には政府との正式な和平交渉の窓口までこじ開ける…こんな大事がなぜ一日本人僧侶である井本氏に成し遂げられたのか。その上、何より必要なのは地場産業だと現地に農学校を設立し、地元の若者に雇用を創り出す姿には頭を垂れるばかり。 右記のどれか一つでも試みるだけで無数の妨害や困難が絶望的に立ちはだかりそうなものを、すべて点が線を結ぶように実現してゆく氏のごとき快男児が、まさか今の日本にいようとは。 九州朝日放送の荒木氏による同行レポートも含め、読んでただ胸が熱くなる。梶原一騎の劇画じゃないが、思わずつぶやきたい。――「この男は実在する!!!」と。(居島一平/芸人)【昇天の1冊】 起業の失敗や破産を乗り越え個人投資家として成功し、現在の純資産70億円。与沢翼、37歳。 読者諸兄も名前を聞いたことはあるだろう。「秒速で、1億円を稼ぐ男」と話題となった平成時代、挫折を経験し、そこから復活を果たした男である。 その与沢氏が、カネとの「向き合い方」「使い方」など、経験から得たマネー論をまとめたのが『お金の真理』(宝島社/1300円+税)だ。 まず、「お金には魔力がある」という。欲望が人を変える。そこで使途を誤る。「賃貸やローンでタワマンに住むのは愚の骨頂」と、一例を挙げる。 次に「年収」に目を向けてはならないこと、大切なのは「純資産」をどれだけ所有しているかだと解説。「お金は備蓄、備蓄はパワー」「必要十分で満足できる人が強い」「現金一括で買えないものは分相応」と続く。つまり、欲をかきすぎるとお金の魔力に取り込まれるということだろう。 他にも魔の手はある。「人脈はお金を奪っていく負債となる」「儲けさせるために近づいてくれる人などこの世に一人もいない」。うまい話には乗らない堅実さが肝要ということ。 カネを得ることによって人は麻痺し、正しい感覚を見失う。見失うと破綻のリスクが増える。一方で、備蓄は大切だが「節約バカになってはいけない」など、読むにつれてカネとの付き合い方は本当に難しいと考えさせられる。 儲かる処方箋は多くあるが、「付き合い方」を解いた意義深い1冊だ。(小林明/編集プロダクション『ディラナダチ』代表)【話題の1冊】著者インタビュー 小佐野景浩永遠の最強王者ジャンボ鶴田 ワニブックス 1,800円(本体価格)★“最強”だが“最高”になれなかったレスラー――ジャンボ鶴田の人間像に迫っていると話題です。書籍化しようとしたきっかけはなんですか?小佐野 私は’84年5月から’90年7月まで『週刊ゴング』というプロレス専門誌の全日本プロレス担当記者でしたが、エースのジャンボ鶴田は記事にしづらい選手でした。気さくで取材にも協力的なのですが、プロレスへの本気を見せない。ファンは涼しい顔をして試合をしている鶴田に、共感しにくかったと思います。当時の私には、彼の本質に迫ることも、その魅力を引き出すこともできなかったという無念の気持ちがありました。「いつかはジャンボ鶴田の実像を解き明かしたい」と思っていたところに、書籍化の依頼があったわけです。――鶴田はアマレス選手としても活躍しています。同時代には長州力や谷津嘉章がいましたが、鶴田の実力はどの程度だったのですか?小佐野 鶴田と同学年で中大レスリング部主将だった鎌田誠氏、鶴田が目標としていた磯貝頼秀氏は、共に「同じ時代に同じ階級で試合をしたら谷津、長州、鶴田の順だろう」と言っていたので、その通りでしょう。ただ、中大レスリング部に入部後、たった3年足らずでミュンヘン五輪に出場できたというのは、もちろん才能もそうですが、努力と熱意のたまものだと思います。――師匠であるジャイアント馬場は、鶴田をアントニオ猪木のように育てたかったといいますが、実際はどうだったのですか?小佐野 馬場はNWAスタイルと呼ばれる米国のセオリー通りのプロレスを学ばせるために、鶴田をファンクスのもとに送ったわけです。ただ何年かして、試合をそつなくこなすものの、表現力のなさに「猪木に学べ」というようなことを本人に言ったんだと思います。そんな部分が「最強のプロレスラーだが最高のプロレスラーではなかった」と言われるゆえんだと思います。――鶴田の一番印象に残っている試合を教えてください。小佐野 ’89年6月5日、日本武道館における天龍源一郎戦です。天龍との鶴龍対決は、プロレスラーとしての技量だけでなく、お互い、人生観までぶつけ合うような大勝負で、それがファンの魂を揺さぶったんだと思います。ジャンボ鶴田は常に未来を見据えた人生設計をしていたにもかかわらず、B型肝炎でリングを降りることになってしまいました。ドナーを探しながらも明日を見ていた生きざまは、「普通の人」ではなく、まさに戦い抜くプロレスラーだったと思います。(聞き手/程原ケン)小佐野景浩(おさの・かげひろ)1961年9月5日、神奈川県横浜市生まれ。幼少期からプロレスに興味を持ち、日本スポーツ出版社に入社。’94年に『週刊ゴング』の編集長に就任。退社後はフリーランスの立場で雑誌、新聞、携帯サイトで執筆。コメンテーターとしてテレビでも活躍している。
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社会 2020年06月20日 19時00分
下着を切り裂くも性的暴行はなく殺害 被害女性の状態から、犯人は子持ち女性との噂も【未解決事件ファイル】
1992年10月1日、石川県金沢市で当時20歳の女性Aさんが何者かに殺害される事件が発生した。被害者の下着は刃物で切り裂かれていたが、性的暴行の形跡は見られず。また、殺害現場からわざわざ4キロ離れている被害者の勤務先まで移動して遺体が遺棄されているなど謎が多く残されている。一体犯人の狙いは何だったのか。2020年6月現在も事件は未解決のままだ。 遺体が発見されたのは10月1日の未明午前1時。連絡がないまま帰宅が遅れているAさんを心配した母親と姉が勤務先周辺を捜索したところ、駐車場にAさんの車が停められているのを発見。車内にはAさんが助手席に座っていたが、眠るかのように仰向けで横たわっていたという。母親はAさんの肩を揺らしながら「こんなところで寝ていたら風邪を引くよ」と声を掛けたが反応はなかった。母親はルームライトをつけ、Aさんの顔を覗き込むようにして確認すると、Aさんの首に帯状の跡がついており、顔は青紫色にはれ上がっていることに気づく。驚いた母親と姉は、道路向かい側にあるビル1階のスナックに駆け込み、「娘が死んでいる」と叫んだそうだ。それを受けてスナックのママが110番通報し、すぐに警察が駆け付ける事態となった。 >>汚水槽から発見された全裸の若い女性の上半身、14年後に同じ現場で発生した惨殺事件との関係性は【未解決事件ファイル】<< 司法解剖の結果、Aさんの死亡推定時刻は前日の9月30日午後8時前後。死因は紐で首を絞められたことによる窒息死と判明した。まぶたのうっ血具合から長時間にわたって絞められたものと見られている。Aさんの衣服や下着の女性器周辺が鋭利な刃物で切り裂かれており、上半身や乳房からは犯人のものと思われる唾液や毛糸が検出された。 遺体発見時、Aさんは片方の靴しか履いていなかったが、現場から約4キロ離れた県農業総合研究センターで残りの片方を発見。また、遺体に付着していた泥や木の葉から、Aさんは県農業総合研究センター付近で殺害されたと警察は特定した。Aさんの実家がある白山市矢頃島町の施設だ。 しかし、会社を退社後に自宅とは逆方向に車を走らせるAさんの姿を同僚が確認していたという。そして、午後8時50分頃には、普段駐車している会社のスペースにAさんの車が停められていたのも別の同僚に確認されている。事件が起こる数か月前から、会社で誰かに電話を掛けている様子を同僚に目撃されていたというAさん。警察は、Aさんと面識のある人物の犯行と見て捜査を進めたが、結局犯人は見つからず、2007年9月30日に公訴時効が成立した。 Aさんの遺体に付着していた毛糸は脱脂も着色もされていない特殊な製品で、富山県内の工場で製造された子供の髪飾りに使われているものと非常に酷似していたという。Aさんの下着や服を切り裂く際に使用された刃物だが、警察の捜査では、女性のムダ毛を剃るときに使うカミソリが使用された可能性が高いと推定された。当時、Aさんと親しくしていた異性は会社の同僚がいた程度だったといい、友達と遊ぶ際も金沢市内でショッピングやカラオケに行くぐらいだったそうだ。警察はAさんと面識のある人物による犯行と推定。残された毛糸、凶器に使用されたと思われるカミソリから、犯人は子持ちの主婦や妻子のある男性ではないかという声もネット上では見られた。 事件当時、他の都道府県ではすでにDNA型による個人識別を犯罪捜査に導入しているところもあったが、石川県はまだ導入していなかった。被害者に残された犯人のものと思われる唾液からDNA型を特定できなったことも、事件解決に至らなかった理由の一つかもしれない。実家付近で殺害しておきながら、わざわざ市街地にある勤務先まで移動した犯人の狙いは何だったのか。
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社会 2020年06月20日 18時00分
釣れた魚と旨い酒!日本全国釣り行脚 静岡県沼津沖産ウッカリカサゴ
「仲間内で船を貸り切ったから一緒にどう?」 ありがたくもそんなお誘いをいただき、初夏の爽やかな陽気の中、静岡県の沼津にやってまいりました。 長らくご愛読の方はご存知のように、ワタクシ、普段はドブ川などを主戦場にしている身でありますから、「船に乗る」というだけでもワクワクです。さらには身内で1隻を貸り切る「仕立船」ですから、出船も9時すぎと普通よりはだいぶ遅め。ワタクシのように早起きが苦手な身としては、ありがたい限りでございます。 朝の喧騒がひと段落した頃に港に到着し、のんびりと出船準備に取りかかります。 やがて船は岸を離れ、沼津港のシンボル『びゅうお』を潜り抜けて沖を目指します。凪の海を滑るように、そして、涼やかな海面の空気に触れながら沖へ向かう時間は、実に気持ちがよいものです。 しばしのクルージング気分を楽しんだ後、船頭さんの「やって下さ〜い」の合図で釣り開始です。 寄せエサとなるオキアミをオモリ付きのカゴに詰め、海中へ沈めていきます。寄せエサでアジやらマダイやらを集めておき、ハリに食いつかせる算段です。 70メートルほど落としたところで、オモリが底に到達。数メートル巻き上げてから竿を鋭くしゃくり上げ、カゴから寄せエサを振り出します。 魚を寄せるべく寄せエサを出す→仕掛けを上げる→再び寄せエサを詰めて投入! の一連を繰り返しますが、なかなか魚が掛かりません。 他の人も同様で、見かねた船頭さんから「移動しま〜す。上げて下さ〜い」と声がかかって、移動となりました。 陸っぱりでの釣りでは、道具一式を担いでエッチラオッチラ移動せねばなりませんが、船なら座ったままでOK! 実に楽チンです。 さらに沖に走ること数分、「120メートルで〜す!」のアナウンスで釣りを再開します。狙い所が深場に移るほど「何か面白い魚が釣れるのではなかろうか」などと期待してしまいます。 先ほどのポイントより深場を狙うだけに、仕掛けが着底するまでかなりの時間を要します。やがて糸の出が止まった頃合で竿を煽り、寄せエサを振り出して魚が寄るのを待ちます。★ゴム付き漁具にうっかりヒット!「グイーン!」 軟調の竿が、やおら曲がりました。即座に竿を手に取って巻き上げ始めると、「グイングイン」と断続的に引き込みます。深場から巻き上げるだけに、存分に手応えを楽しみながら巻き上げてくると、途中から右へ左へと走り始めます。 オマツリ(周りの釣り人と仕掛けが絡んでしまうこと)しないようにやや強引に巻き上げると、頭でっかちで身はガリガリ…という残念なサバが登場…。スレンダーなオネイサンは大好きですが、コイツはちょっと…。「しっかり寄せエサを撒かないと釣れませんよ〜!」 船頭さんも必死な感じで場所移動を繰り返しますが、状況は好転しません。 そんな中、船尾で竿を出していた仲間が「芳しくないから底物を狙ってみるよ」と、近年人気が高まっている「タイラバ」を結び始めました。これは、ハリが付いたオモリをビラビラのゴムで飾り付けた漁具なのですが、見ているだけで面白い代物ですな。魚もワタクシと同じでビラビラが好きなんですね。まぁ、ワタクシの場合、ゴムは嫌いですが。「何か来たよ!」 仕掛け変更が奏功したようで、すぐに声が上がりました。楽しそうなヤリトリの末に海面に浮上したのは、大きなウッカリカサゴでした。 自前の仕掛けに変えてのヒットだけに「してやったり!」といったところでしょうか。彼は立て続けにアマダイも釣り上げ、終わってみれば一人勝ちとなったのでありました。 陸に戻って皆の釣果を並べてみると、やはりアイツが目を引きます。それを見ているワタクシの様子が明らかに物欲しそうだったのでしょう、釣った本人から「持って行きなよ」というありがたいお言葉が…。マジで!? 神ですか、アナタは!★貴重な1尾を鍋物で堪能 さて、ウッカリカサゴとはまた面白い名前ですが、カサゴに酷似していて“うっかり”見落としがちなことから名付けられたようです。実際のところ、流通の場では厳密に区別されることはなく、「カサゴ」とひと括りにされております。 お慰みにいただいた1尾ですから、定番の鍋物で美味しくいただくことにしました。 顔に似合わず上品な白身、武骨なアラからはこれまたいい出汁が出て実に美味。「今度は絶対にタイラバを持っていこう!」と強く思いつつ、水割りを嘗める夜でありました。***************************************三橋雅彦(みつはしまさひこ)子供の頃から釣り好きで“釣り一筋”の青春時代をすごす。当然の如く魚関係の仕事に就き、海釣り専門誌の常連筆者も務めたほどの釣りisマイライフな人。好色。
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社会 2020年06月20日 06時00分
北朝鮮 馬脚を現した金与正氏「南北軍事合意破棄」のヒステリー
朝鮮半島に“金与正アラート”が鳴り響いた。6月4日、金正恩朝鮮労働党委員長の妹、金与正党第1副部長が談話を発表し、韓国に亡命した脱北者らを「人間のくず」「ゴミのような雑種犬」と罵倒した上、韓国政府を暗示して「飼い主は責任を取れ」と要求した。 与正氏は2019年2月にベトナムのハノイで行われた米朝首脳会談後、しばらく姿を消していたが、今年3月、北朝鮮のミサイル発射実験に遺憾の意を表明した韓国の文在寅大統領府に向け、強烈なコメントを発表して表舞台に再登場。青瓦台(韓国大統領府)を「2歳児」「低脳な考え方」「完璧なバカ」と侮辱しまくり、“毒舌プリンセス”のあだ名を付けられた。 今回もまたヒステリックな本領を発揮したわけだが、この発言の裏には、韓国内における左右対立の助長と日米からの離反を促す“下命”が見て取れる。「彼女は4日、韓国の脱北民団体が定期的に行っている北側へのビラ散布を非難したのですが、特に“雑種犬”とまで罵倒した対象は、北朝鮮出身で韓国の野党政治家となった太永浩氏と池成浩氏でしょう。2人は正恩氏の重病説が流れた際に、それぞれ『99%死亡を確信』『立ち上がれない状態』と発言していたからです」(北朝鮮ウオッチャー) 5日の夜には朝鮮労働党統一戦線部の報道官が、北朝鮮の開城にある南北共同連絡事務所を撤廃する考えを表明。これについては与正氏が先に、韓国当局が何らかの措置を取らない場合、’18年9月に締結した韓国との軍事合意を破棄する可能性があることを示唆しており、統一戦線部の追随は彼女が対南(韓国)分断工作の司令塔になった証しとみられている。 一方の韓国政府は、4日の“与正アラート”からわずか4時間後、驚くべき速攻対応に出た。南北間の緊張を高める行為を防ぐため、「対北ビラ散布禁止法(仮称)」を制定すると迎合姿勢を表明し、まさに「プリンセスの仰せの通りにします」と頭を垂れたのだ。 北朝鮮に対する文大統領の配慮は、それだけではない。6日、朝鮮戦争などの戦死者らを追悼する「顕忠日」の演説では、北朝鮮の侵攻について言及しなかった。そればかりか今回の顕忠日では、北の戦争行為である第2延坪海戦(’02年)と哨戒艦「天安」沈没事件(’10年)、および延坪島砲撃事件(’10年)に関連する遺族や生存者を追悼式出席者から除外していたのだ。結局、これを非難されるや同日午後に「職員のミスだった」と釈明し、代表的な遺族7人を遅まきながら式典に招待している。「5月3日の朝も、北朝鮮は非武装地帯にある韓国軍の前方監視所に14・5ミリ機関銃(高射銃)を撃ち込みましたが、政府のみならず韓国国防省までもが、偶発的との見解を示しました。しかし、軍事専門家は『この銃器は複数の安全装置があるため、明らかに意図的な挑発で南北軍事合意違反』と政府や軍の対応を批判しています。ビラまき非難より、こちらの謝罪が先のはずですが…」(同) 文政権は「北の戦闘行為より、脱北民によるビラまきのほうが危険」と判断しているわけで、その安全保障への認識は驚くばかりだが、北朝鮮と韓国は、まるで準備していたかのようなタイミングで、お互いの立場を表明している。その裏には何があるのか。「問題提起をきっかけに、南北が接触を再開するという見方があるのは事実です。実際に’18年の板門店宣言では、『軍事境界線一帯で拡声器放送(北の体制批判)とビラまきを含むすべての敵対行為を中止する』と明示したわけですから、北朝鮮がそれを履行しろと要求する理由も分からなくはない。ただし、北側は南北対話再開という分析を『たわごと』と一蹴しており、今回のビラまき批判の真意がどこにあるのかは闇の中です」(国際ジャーナリスト) 韓国の脱北民や活動家たちは、以前から人権侵害や核開発をめぐり正恩氏を批判するビラを大型風船にぶら下げ、軍事境界線に沿って飛ばしてきた。今年4月には脱北者の太氏と池氏が、国会議員に当選したことを知らせるビラ50万枚を飛ばしている。「与正氏がビラ散布を憎むのは、過去に自分の出自まで明らかにされたからでしょう。彼女は金正日総書記の四女ですが、母親は愛人の一人で大阪・鶴橋生まれの在日コリアン、高容姫氏です。正恩氏も彼女の子どもですが、北朝鮮は帰国した在日コリアンを“動揺成分(階層)”と位置づけ、監視対象にしている。そのため、北朝鮮社会では正恩氏、与正氏の出自はタブーなのです」(同) ’18年2月に開かれた平昌冬季五輪では、高位級代表団の一員として韓国入りした与正氏の“微笑外交”が、北朝鮮の独裁政権に対する韓国人の警戒心を解いたと評判になった。青瓦台に与正氏のファンクラブができたほどだ。 北朝鮮および朝鮮労働党の政治指針とされる主体思想(チュチェ思想)派が側近を固める文政権から見れば、北のプリンセスを崇拝することは当然とも言えるが、その微笑みの裏には好戦的な本性が見え隠れしている。 北朝鮮は飛来するビラへの報復として、「われわれも南側が大いにくたびれることを準備している」と予告しており、今後も軍事的な挑発行為が先鋭化するのは避けられない。 それでも文大統領は“忠犬”のままか。
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社会 2020年06月20日 06時00分
彼氏を奪われると思い込んだ女 包丁で親友を刺す 経緯に「かわいそう」と同情の声も
自分とお付き合いしている男性が、女性と話したり仲良くしている姿を見ると、少なからず嫉妬心が芽生えるものだ。そうした嫉妬心が引き金となり、恐ろしい事件がイギリスで発生した。 海外ニュースサイト『Metro』および『Lancashire Post』は、イギリス・ランカシャー州の公園で、持っていた包丁で親友を刺して逮捕された女が、釈放されたと6月12日までに報じた。 記事によると、当時17歳の女性は2019年3月1日、友人らとの待ち合わせで公園を訪れていたという。女性は壁の上に座り、ヘッドホンを付けて音楽を聴いていたようだ。そこに当時16歳の女が現れた。女と女性は親友同士であったが、女は普段から自身の交際相手(以下、ボーイフレンド)に対する女性の接し方に不満を抱いていた。女は「女性が私のボーイフレンドを奪おうとしている」と一方的に思い込み、殺意を抱いていたという。 >>頭に包丁が刺さった男性、そのまま歩いて病院を訪れる 衝撃写真に「トラウマになりそう」の声も<< 女は背後から女性に近づき、女性の頭をつかんで殴りかかったそうだ。女性が膝から崩れ落ちたところ、女は持っていた台所包丁で女性の背中を2度突き刺した。女と一緒に来たと思われる女のボーイフレンドが止めに入って、2人はその場を立ち去ったという。通り掛かった通行人が救急車が呼び、女性は病院へ搬送された。女性は一命を取り留めるも、刺し傷は肺まで達しており、大量に出血したという。女性は3日入院して退院。順調に回復し、後遺症なども残っていない様子だ。 犯行から間もなく、女とボーイフレンドは逮捕された。2人とも当時16歳で未成年であったため、逮捕時の状況など詳細は伝えられていない。 2020年6月、新型コロナの影響で遅れていた裁判が開かれ、裁判所は女に対し、精神的な問題を考慮し、2年間の更生プログラムへの参加、女性への接近禁止命令などを言い渡して釈放したという。被害者の女性は、判決が軽かったことに触れつつ、「刃物で人を傷つける前に考えてほしい」と刺し傷の写真を公開。こうした犯罪を繰り返さないよう若者に呼び掛けている。 このニュースが世界に広がると、ネット上では「これは殺人未遂事件。16歳なら刑事責任問えるのでは?」「いくら憎くても親友を包丁で刺すなんて度が過ぎる。良心のかけらもない。更生は望めない」「刺された被害者も悪い。女に対する気遣いがなかったと思う。女もかわいそう」「精神的問題があるなら精神病院へ入れるべき。釈放したら危険」「未成年の犯罪はいつも難しい」など様々な声が上がった。 海外には、他にもボーイフレンドを巡り、同級生を刺した若者がいる。海外ニュースサイト『WMUR9』は2018年9月14日、アメリカ・ミシガン州の高校に通う女が、同級生を台所包丁で刺し殺して逮捕されたと報じた。 同記事によると、当時17歳の女は、経済の授業中、持っていた包丁を取り出し、同級生で当時16歳の女性に襲い掛かったという。女性は胸を2か所刺されて、意識不明の重体となった。先生が女を教室から外に出し、女性の救命措置に当たるも、その甲斐なく、女性は病院で死亡が確認された。警察が呼ばれ、女はその場で逮捕されたという。警察の発表によると、女は交際していた男性から別れを告げられていたそうだ。しかし、男性が被害者の女性と交際を開始したため、女性に恨みを募らせたことが犯行の動機と見ているという。女は第一級殺人罪で起訴され、現在も裁判が続いている。 恋のライバルと思しき人物が現れれば、心中穏やかではいられないが、ライバルを殺害せずとも解決する方法はいくらでもあろう。周囲に相談するなどして、冷静に対処できなかったのかと思わずにはいられない。記事内の引用についてGirl knifed best friend in the back after fearing she would steal boyfriend (Metroより)https://metro.co.uk/2020/06/13/girl-knifed-best-friend-back-fearing-steal-boyfriend-12847632/WARNING: Brave Preston knife attack victim Eve shares graphic pictures of her stab wounds to deter youngsters from carrying knives - as her attacker avoids custody (Lancashire Postより)https://www.lep.co.uk/news/crime/warning-brave-preston-knife-attack-victim-eve-shares-graphic-pictures-her-stab-wounds-deter-youngsters-carrying-knives-her-attacker-avoids-custody-2882123Police: 17-year-old girl fatally stabs classmate over a boy both had dated (WMUR9より)https://www.wmur.com/article/16-year-old-fatally-stabbed-at-school-by-former-friend-police-say/23106642
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社会 2020年06月19日 22時00分
関東大震災の前触れ 神奈川・三浦半島「ガス田漏れ」異臭騒ぎ
「3・11の東日本大震災で日本の地下がリセットされ、何が起きても不思議ではありません。先頃、三浦半島で起こった異臭騒ぎは不気味ですね。原因となる説を消去法で消していくと、結局、異臭の原因は地下の異変ではないかということになる。しかも、三浦半島の地下にはガス田がある。とすると、地下の異変の結果、ガスが漏れ出てきたのではないかとも考えるのが自然でしょう」 こう語るのは防災ジャーナリストの渡辺実氏である。 神奈川県南部の三浦半島、三浦市で6月4日夜、原因不明の異臭騒動が発生した。横須賀市消防局によると、4日午後8時8分頃、三浦市南下浦町金田地区から「ゴムの焼けたようなニオイがする」と119番があった。そのほか、同午後9時55分頃までに約200件の通報があったという。逗子市でも消防に異臭の通報が寄せられた。 原因として赤潮・青潮説やクジラ漂流説なども挙がったが、クジラは漂流していないし、赤潮の場合は人が感知できるニオイは少ないという。青潮だともっと生臭いニオイがする。記者も三浦半島の一角に住んでいるので分かるが、硫化物を含む海底近くの水が風で海面に上昇し青白く見える青潮は腐乱臭が漂い、その場にいることすら困難だ。 地元住民の間では「ひょっとすると、大地震の前兆ではないか」と不安視する声が上がっているのだ。 武蔵野学院大学特任教授の島村英紀氏が言う。「三浦半島には活断層が多いしガス田もある。活断層が動いて、地下深くのガスが漏れてきた可能性もある。いずれにせよ、東日本大震災以降、日本の地下は非常に静かな状態から普通の状態に戻り、あちこちで地震が頻発しています。今回の異臭騒ぎも大地震の前兆現象の一つと考えていいと思いますね」 三浦半島は、首都圏などの北米プレートと、日本列島を南から押し上げるフィリピン海プレートとの境界である相模トラフ上にある。そうなると、怖いのは関東地震である。「相模トラフは日本列島が乗る陸のプレートの下にフィリピン海プレートが沈み込み、さらにその下には太平洋プレートが沈み込む非常に複雑な地形をしている。しかも、1703年の元禄関東地震や、死者が10万人超に達した1923年の関東大震災など周期的に大地震を起こしてきた。関東地震は200年周期とされ、周期の間に首都直下型地震が発生している。東日本大震災で関東地震の時期が早まったとされ、10年、20年先どころか、今すぐ起こっても不思議ではないと言われています」(島村氏) 実は元禄関東地震を調べてみると、関東大震災より大きな地震だったことが記録に残っている。「元禄関東地震では、鎌倉の鶴岡八幡宮まで津波が到達したという記録がある。ここは海岸から内陸に2㎞も入ったところで、関東大震災ではそこまで津波は到達していない。さらに元禄関東地震では、小田原にも津波が来たという記録があるが、関東大震災では来ていないのです」(サイエンスライター) つまり、関東大震災よりもひと回り大きな地震が元禄関東地震だったのである。さらに、政府の地震調査委員会は、30年以内に横浜で震度6弱以上の地震が発生する確率を82%(2019年)と発表している。 話を三浦半島に戻すと、同半島は活断層が数多く走っていることで知られている。とりわけ、東日本大震災が発生したことにより、これらを震源とする地震の可能性が高まったのは、武山(横須賀市)、衣笠・北武(横須賀市葉山町)、三浦半島断層群南部(三浦市)の3つの活断層帯だ。「東日本大震災後、東日本周辺で揺れを伴わずに断層がゆっくりとずれる『余効すべり』という現象が起きて力が加わり、断層が動きやすくなったのです」(同) 3つの活断層帯について今後、30年以内にM6.6以上の地震が起きる確率は、武山断層帯が6〜11%、衣笠・北武断層帯がほぼ0〜3%、三浦半島断層群南部は過去の地震の平均活動間隔が正確に分かっておらず、地震調査委員会は「確率不明」としている。 ところで、関東大震災前の100年間に、南関東地方ではマグニチュード7程度の直下型地震は計7回も発生している。「東日本大震災後の地震のことなんて、誰にも分らないと思いますよ。しかし、テンパっていることだけは分かる。6月10日0時22分頃、土佐湾で震度4の地震があったと知人から連絡がありました。M4.6で震源の深さは20㎞だったが、もしこれが震度5、6だったら南海トラフ巨大地震に繋がっていたと思います」(前出・渡辺氏) 南海トラフではないが、1995年の阪神・淡路大震災の前にも六甲山の東端地域で異臭が発生している。「阪神・淡路大震災の1カ月くらい前から断続的に異臭が続いたそうです。三浦半島の異臭騒ぎもそうだとすれば、警戒が必要です。月の引力が最も強くなる6月の満月は7日、新月は21日です。7日は茨城、千葉で震度1、2の地震があった。すると、21日の新月は要注意ですね」(前出・サイエンスライター) 本誌では再三指摘しているが、怖いのはコロナ禍における大地震とのダブル被災だ。「国も新型コロナ対策にばかり気を取られていないで、地震対策をもっとやるべきです」(前出・渡辺氏) 酷暑も重なったら最悪だ。
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社会 2020年06月19日 19時00分
46歳男、警察に「妻を殺した」と偽の通報で逮捕 動機は「話を聞いてほしかった」同情の声も
愛知県清須市に住む46歳の男が、警察に嘘の理由で110番し警察を出動させたとして逮捕されたことが判明。その顛末が物議を醸している。 逮捕された男は17日午後9時半頃、清須市の自宅から「嫁を刺した。自宅にいる」と110番通報した。警察が駆け付けてみると、そこに妻の姿はなく、虚偽の通報だったことが発覚。偽計業務妨害罪の疑いで逮捕された。 男は犯行前に「刺した」とされる妻と食事に行っていたが、既に離婚していた。警察の取り調べに対し、男は容疑を認め、「自分の話を聞いてほしかったから通報した」と話しているという。警察官にとっては迷惑な話だが、殺人事件に発展せず、「偽計業務妨害罪」で済んだことは、男にとっては良かったと言える。 このニュースに、離婚経験者などからは「自分が望まない離婚だったら気持ちはわかる。46歳じゃなかなか男友達とも会えないし… 同情する」「行動は良くないけれど、話を聞いてほしい気持ちは痛いほど理解できる」「自分も離婚して妻と子供を失った時、壁に向かって話していた。誰かに聞いてほしかった」「精神的に病んでいたのでは」と、同情の声が上がる。 一方で、「自己中心的。そんなんだから離婚する。警察にもいい迷惑」「動機が子供じみている。元妻と会って未練が出たのかもしれないけど、そんなんじゃ戻るはずがない。本当に刺そうとして機会を逃しただけなのかもしれないし」と、厳しい声も上がった。 様々な意見や見方があるようだが、離婚して寂しい気持ちは理解できるもの。だからと言って、警察に偽の電話を掛けることは犯罪で許されない行為だが、それで本人が殺人を思いとどまったのなら、良かったとも言える。
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社会 2020年06月19日 18時00分
どうなる箱根駅伝…誰もが口にできない“コロナで中止”の可能性
“正月の風物詩”箱根駅伝が中止の危機にある。 5月18日、関東学生陸上競技連盟(関東学連)は、11月1日に行われる予定だった全日本大学駅伝の関東地区選考会(6月20日)の中止を発表した。予選をやらないということは、本選の開催も怪しまれるが、関東学連は「昨年12月までの1万メートル走の公認記録を参考に」決めるという。「まだ社会全体が混乱している中ですから、過去の成績から代表校が決められるのは仕方ありません。各校とも受け入れるしかないでしょう。それより、全日本大学駅伝の開催が危ういということは、今シーズンの“3大駅伝”すべてが中止になるかもしれないということです」(スポーツ協会担当記者)“3大駅伝”とは、10月の出雲駅伝、11月の全日本大学駅伝、そして、年明け1月の箱根駅伝を指している。出雲の開催についてはまだ発表されていないが、全日本が先に「予選ができない」と言っている以上、悲観的にならざるを得ない。そして、それ以上に心配されているのが、箱根駅伝だ。「5月下旬、日本大学が新監督の就任を発表しましたが、感染防止のため、活動は制限されたまま。どの大学も練習の規模を縮小しています」(同・記者) 各大学駅伝チームの現状だが、まず感染リスクが高いことを理由に沿道での走り込みができない。トレーニング施設が利用できない大学も多い。全日本の予選が中止された背景には、こういったコンディション面の不安もあった。「夏の合宿も『今年はできない』と見る指導者は少なくない。夏場とはいえ、コロナには万が一があります。合宿中に感染者が出たら、大学も責任が取れません」(学生指導者) 全日本の関東予選を統括する関東学連は、箱根駅伝も主催している。全日本の予選中止が発表された直後、「箱根は大丈夫?」と何社ものメディアが質問したが、回答はなかった。冬場にコロナの第2波到来が予測されていても、おいそれと「中止の可能性」を口に出せないのだろう。
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社会 2020年06月19日 12時10分
35歳弁当店店員の女、女性アルバイトの鼻にピアスを開け逮捕 丸刈りにした疑いでもすでに逮捕
18日、香川県高松市の弁当屋店員(35)が、女性アルバイトが遅刻したことに腹を立て、左の鼻にピアスの穴を開けたとして逮捕された。 この女はリアルライブでも既報だが、今年4月、客から「髪の毛が入っている」とクレームを受けた20代女性店員に激怒し、「おどれいうこときかんのか」「髪、丸刈りにしな」などと脅し、店内でダンボールの中に頭を押し込み、ハサミで髪を丸刈りにしたとして暴行の疑いで逮捕されていた。 >>弁当店の女性店長と店員、アルバイト女性の髪を強制的に丸刈りにして逮捕 その動機と行動に怒り殺到 << 愛想が良く、容姿も評判だったという35歳の女。しかし、その内面は実に凶暴かつ陰湿だった様子。今回新たに、頭を丸刈りにされた女性に対し、遅刻したことに立腹すると、ピアッサーを購入し左の鼻に無理やり穴を開け全治3か月の怪我を負わせたとして傷害の疑いで再逮捕された。 当日は「おどれいうことをきかなこうなるんじゃ」「鼻ピアスあけりや」と脅迫めいたメッセージを送信していたという。また、今年3月には「お前は病気じゃ」「血を採って検査せないかん」などと話し、女性に額の皮膚をそがせたことも発覚し、強要の罪で18日に起訴されている。なお、この弁当屋の店長(53)も丸刈り事件で逮捕されており、店ぐるみでの犯行だった可能性も否定しきれない。 35歳女の度重なる凶行に「怖すぎ。いじめ感覚だったのだろうが、やってることがエグすぎる」「女の職場ってこうだよね。ちょっと若くてチヤホヤされると嫉妬して嫌がらせをする」「店舗責任者も犯罪に加担していたのなら救いようがない。最低の事件」などと怒りの声が相次ぐ。 一方で、「被害女性はどうして辞めなかったのだろう」「もっと早く誰かに相談するとか、すぐ逃げるとかすれば、被害を受けなかったのでは…」という指摘も出た。 被害女性を責める声もあるようだが、最も悪いのは人格を無視し、「ペナルティ」をチラつかせていじめをエスカレートさせていった女。厳しい刑罰を与えるべきという声が噴出している。
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社会 2020年06月19日 07時00分
小泉元首相、二階幹事長、菅官房長官が「安倍おろし包囲網」
検察庁法改正問題や新型コロナ対策迷走で支持率がガタ落ちで大ピンチに陥っている安倍政権。これまで安倍長期政権を支える要となってきた自民党の二階俊博幹事長が「安倍おろしに動き始めたのでは」という情報が飛び交い始め、永田町界隈は一気にキナ臭さが漂い出した。 全国紙政治部記者が分析する。「党内外がザワつきだした発端は、6月8日の二階幹事長の言動です。この日、二階幹事長は石破茂元幹事長と会談し、9月予定の石破派パーティーに講師として出席する約束を交わしたとして激震が走った。というのも、二階幹事長はこれまで石破氏と反りが合わず、どちらかといえば反石破だった。その夜の会見で、記者が二階幹事長に講師受諾理由を尋ねると、二階幹事長は『石破氏は期待の星の1人だ』と持ち上げた。この話が安倍官邸に伝わると、『二階氏が安倍おろしに本気で動き出した』と一斉にブルったというのです」 二階氏の反官邸的言動はこの後も続く。 下村博文・選挙対策委員長が会長で、稲田朋美・幹事長代行が幹事長の布陣での『新たな国家ビジョンを考える議員連盟』が国会議員184名を集め、11日に発足した。「ここにも、二階幹事長が出席し挨拶した。議連を率いる下村、稲田両氏は首相の出身派閥で党内最大の細田派に所属し、2人とも安倍側近と言われてきた。一方で首相が『次のポスト安倍は岸田文雄政調会長』と示唆しているのは、自民党内では周知の事実。だが、下村氏らは安倍首相の意向を熟知したうえで、ポスト安倍狙いの議連を発足させた。陰で二階幹事長が暗躍、細田派を分断し、政権を揺さぶろうとしているという怪情報が流れているのです」(自民党幹部) 二階幹事長の3つ目の隠密行動は、いまだに国民世論に影響力を及ぼしている小泉純一郎元首相らとの会食だ。6月9日夜、恒例となっている小泉政権時代の同窓会が都内赤坂の日本料亭『津やま』で開かれた。そこにも二階幹事長が姿を見せたのだ。「二階氏にすれば、公然と安倍政治の批判を展開する小泉元首相と会食することでタッグを組み、安倍包囲網形成をアピールする狙いがあったのでしょう」(自民党議員) 二階幹事長が大胆な反安倍行動に打って出ている本音はどこにあるのか。自民党幹事長周辺関係者はこう解説する。「幹事長続投へのデモンストレーションだ。二階幹事長は2017年の総選挙で、表だけで約14億円のカネを自在に扱った。かつて自民党幹事長だった小沢一郎氏は1990年の総選挙で300億円をかき集めて、不利とみられていた総選挙に勝利した。自民党幹事長のカネと権力は絶大。二階幹事長は今年9月に師と仰ぐ田中角栄元首相の自民党幹事長の最長歴を超える。また、親中派の二階幹事長にすれば、コロナ禍で無期限延期の習近平国家主席訪日を幹事長として実現させて勇退したい悲願もある。だから今は幹事長を降りたくないはず」 6月に入ると、安倍首相は政権で最も信頼している麻生副総理と1日、10日に会談している。危険水域に近づきつつある支持率を一気に回復し、今後の政局を乗り切る方策を麻生副総理と相談したと見られている。国会開会中の過密スケジュールを縫っての密談といえば、解散のタイミングと内閣改造・党人事刷新の相談しかないだろう。「安倍首相は岸田政調会長へ総理・総裁の座を禅譲したいのに、出身派閥の細田派内で公然と下村、稲田両氏が反岸田で動き出した。これには安倍首相も頭を痛めている」(同) 先の安倍・麻生会談で浮上したとされるのが、公認権を一手に握る解散総選挙。公認欲しさに党総裁には誰も逆らえなくなる。まずは6月17日の国会会期末をにらみ、7月5日投開票の東京都知事選とのダブル選挙を模索したという。しかし、コロナが終息しない中でのダブル選挙は「党利党略のみで支持されない」として意見が一致したようだ。「2つ目の伏線として練られているのは、9月末解散、10月25日投開票です。11月3日の米大統領選は、デモとコロナで現職のトランプ大統領は大逆風。トランプ大統領が敗北すれば、安倍政権は大ダメージとなる。その前に総選挙で勝利を収めるシナリオだ」(同) 総選挙前に安倍政権の「負」の部分を一掃し、支持率をプラスにするためには内閣改造・党人事も必要と判断したという。「検察庁法改正問題の迷走で評判を落とした森まさこ法相や河井克行・案里夫婦の逮捕などで一掃する改造だ。キングメーカーとして安倍首相が君臨するには岸田政権樹立が必要不可欠。その前段として岸田幹事長の実現。その情報をいち早くキャッチした二階幹事長が逆に先手を打ち動いたともっぱらです」(消息筋) 二階幹事長は“寝業師”として定評がある。「細田派も麻生派も分断して石破内閣を誕生させるぞ、というシグナルを安倍首相に送っている。そのため下村、稲田両氏の議員連盟発足会にも出席した。さらに、石破氏との蜜月を演じ、菅官房長官と組んで公明党との連携を強化する。安倍首相がどうしても『二階クビ』にこだわれば、公明党と組みコロナ対策で10万円給付を実行させたように、公明党に連立離脱を唱えさせ、安倍おろし実行だ」(同) 安倍おろし“夏の陣”の火ぶたが切って落とされた。
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