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高齢者事故リスクに歯止めをかける“自動ブレーキ”の絶大効果

 全国で高齢ドライバーによる交通死亡事故が毎日のようにニュースで流れる。警察庁によると、昨年発生した交通死亡事故のうち、75歳以上が過失の重い「第1当事者」となったのは458件。この10年で全体の事故件数が減少傾向にある中、75歳以上が占める割合は7.4%から12.8%に上昇している。高齢ドライバーが増えれば、認知症や老化を背景とした事故のリスクが高くなるのも避けられない。インターネットなどでは「高齢者の運転免許没収」といった極論まで出ているほどだ。

 そんな中、歩行者との衝突回避のため一部の自動車が搭載している自動ブレーキの性能評価試験の結果を、国土交通省が12月1日に初めて発表した。対象はメーカーが試験を希望した市販車11車で、栄えある最高評価を獲得したのがマツダ『アクセラ』だ。
 「最近のマツダは統一感のある躍動的でスタイリッシュなデザインや、『スカイアクティブ』と呼ばれる高燃費エンジンなどによってシェアを伸ばし、2015年通年において国内主要メーカー8社の中で唯一、販売台数を伸ばしました。今回の発表で一層盛り上がると思います。実はここ数年、燃費がいいのは当たり前。顧客の高齢化が進む中、車購入者が最も気にする機能は自動ブレーキなのです。『自動ブレーキ最高評価』の効果は、下手な燃費数値の向上よりも売り上げに直結するでしょう」(自動車ジャーナリスト)

 では実際、どれほどの事故回避効果があるのか。事故車を回収する業者に話を聞いた。
 「警察庁が10月に改定した『交通の方法に関する教則』では、自動ブレーキへの過信は禁物という文言が加えられています。とはいえ現場の率直な感想を言うと、例えば、スバルが2010年に国内メーカーとしていち早く自動ブレーキシステムを搭載し始めてからというもの、スバルの事故車の扱いが圧倒的に少なくなったのは事実です。最初は気休め程度という認識でしたが、ここまではっきりと短期間に効果が現れるとは驚きです」
 外国車についても傾向は同じ。“頑丈”のイメージがあるスウェーデンのボルボ車を取り扱う『ボルボ・カー・ジャパン』は、同社のオートブレーキシステム搭載車は非搭載車に比べて、事故発生件数が69%少ないことを公表している。

 12月は1年で最も交通事故が多くなる月でもある。自動ブレーキ搭載車への買い替えを検討すべき時代に来ていることは明らかだ。

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