結婚に対して憧れを抱くどころか、心の安寧のために独り身でいることを選択する若者が増えるのも納得できるところです。
しかし、メットライフ生命が11月に発表した「夫婦間の健康に関する意識調査」によると、そんな状況を打開するヒントとなるような事例も挙がっています。データを参考に検証してみましょう。
■妻への気遣い「80%以上」もあまり伝わらず
既婚の男女合わせて824人を対象に行った調査によれば、「あなたは配偶者の健康を気遣っていますか?」という質問に、妻の89.1%が「とても気遣っている」もしくは「気遣っている」と答えたのに対し、夫も同様に86.2%と高い数値を示しました。
逆に、「配偶者からあなたの健康に対する気遣いを感じていますか?」という質問には、夫の82.1%が「気遣われている」以上の答えを示したに対して、妻は63.1%とやや低い回答。
また、「配偶者があなたの健康のためにしてくれていると感じる気遣いや行動は?」という質問には、男性側が「栄養バランスのとれた食事を作ってくれている」という答えがもっとも多く54.9%だったのに対して、女性側は「特になにもしてくれていない」という回答が43.2%ともっとも高い数値を示しました。
この結果から、夫は妻の健康を気遣ってはいるものの、その思いや配慮が十分には伝わっていないことが分かります。
■男女ともに「乳がん」への関心が高い
資料によれば、自分のこととして気になる症状・病状において、「がん」と答えた方が男女ともに多くを占めていました。
さらに、がんの種類を提示して、「どの程度気になるか?」と回答を求めたところ、女性側でもっとも多かったのが「乳がん」で、78.6%が「気になる」以上の答えを示しました。
次に男性に対して、同様の質問を「配偶者のこととしてどの程度気になるか?」と尋ねたところ、73.1%ともっとも多かったのがやはり「乳がん」。これらのことから、女性の身体においては夫婦ともに乳がんに対して強い関心を抱き、注意を払っていることが分かります。
■「乳がん検診」の勧めが夫婦関係を良好に
最近では、お笑いタレントのだいたひかるさんが、乳がんを患い、右乳房全摘を告白したことが話題になりました。
女性の象徴とも言える胸の問題は、世間の関心も高いです。しかし、デリケートな問題だけに、部外者が口を挟むのも不謹慎に感じられます。そんなときこそ、家族の存在が重要。万が一に備え、検診を勧めてみてください。
夫の申し出であれば奥さんも受け入れやすいし、思いやりとして捉えてくれるはずです。夫婦が互いの身体に対する気遣いを認識し合えば、関係もさらに良好になるでしょう。
現在では乳がん検診の技術も発達し、検診によってはがんを見つけにくいと言われている「デンスブレスト」であるか否かなどの判別も可能になっているようです。年末は、夫婦一緒に過ごす時間も増えると思うので、この機会に感謝の気持ちを込め、検診を勧めてみてはいかがでしょうか。