そして、あまり聞き慣れないかもしれませんが、ドライノーズという症状もあり、悩んでいる方も多くいます。
今回は、医師の小田切ヨシカズ先生に、ドライノーズの症状や対策についてお聞きしました。
■ドライノーズの症状
「鼻の内部は粘膜で覆われ、鼻水などによって潤いが保たれていますが、これが乾燥によって完全に乾ききってしまう状態が、ドライノーズです。鼻水が出ないのにムズムズしてかみたくなったり、鼻の中にかさぶたのようなものができたり、酷ければ痛みを伴い出血などもあり得ます」
■原因は空気の乾燥だけではない
「空気の乾燥が主な原因です。室内の湿度が20%以下となるのが乾燥している状態と言われ、こういった環境に長時間おかれると、ドライノーズの症状が出やすくなります。また、冬場は水分摂取量が減るため、体内の水分量が低下していることも要因になります。他にもアレルギーを抑えるための点鼻薬などが原因となることもあるので、頻繁に使用するのは控えるべきです」
■病気にもなりやすくなる
「鼻の内部は粘膜で覆われていて、ウイルスなどの異物を体内に侵入させないようバリア機能が働いています。乾燥によりこの機能が低下すると、風邪などを引きやすくなってしまいます。鼻水も異物を体外へと排出する役割があるので、乾燥して出なくなるとますます病気になりやすくなります。鼻水には他にも、吸い込んだ空気に湿気を与え、体温に近づける働きもあり、健康維持において重要な役割を担っています」
■乾燥を防ぐためには
「乾燥を防ぐためには、やはり保湿を心がけること。室内であれば加湿器の使用。外出の際はマスクの着用が有効です。ただつけるだけではなく、少し湿らせたガーゼをあてておくと、より効果もアップします。食べものであれば、粘膜を保護する栄養素を含んだものを食べたほうがいいでしょう。期待できるのはムチンを含むもの。ネバネバ系の食材に多く、納豆やオクラ、山芋などが有効です。さらにビタミンAを一緒に摂ることで効果もアップするので、うなぎやレバーなどの摂取もお勧めします」
目や口だけでなく、鼻の潤いを保つことも大事です。放っておけば大きな病気にも発展しかねません。ドライノーズスプレーなどもあるので、利用してみるといいかもしれません。
【取材協力】小田切ヨシカズ
湘南育ちのサーファー医師。ワークライフバランス重視。現在、横浜の内科クリニックに勤務中。