社会
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社会 2013年07月10日 11時45分
インターネットの掲示板で女性になりすまし、他人に痴漢行為をさせた国税局職員を逮捕
和歌山県警和歌山東署は7月9日、痴漢をしたい人とされたい人が交流するインターネットの掲示板で、「痴漢してくれる人いませんか」と実在の女性になりすまして投稿し、他人に痴漢行為をさせたとして、大阪国税局海南税務署(同県海南市)の上席調査官・伊勢川洋二容疑者(49=同県紀の川市粉河)を県迷惑防止条例違反(卑わいな行為)容疑で逮捕した。 同署によると、伊勢川容疑者は「間違いありません」と容疑を認めているという。 逮捕容疑は、通勤時に見かける女性になりすまし、4月23日頃から掲示板に「和歌山線で痴漢してくれる人いませんか」などと投稿。同30日午前7時15分頃、JR粉河駅から女性と同じ普通電車に乗って、女性の乗車位置や服装の特徴を掲示板に書き込み、それを読んだ男に車内で女性の下半身を触るよう仕向けたとしている。 女性を触った男2人のうち、1人は逃走。同署はもう1人の20代の男を、強制わいせつ容疑で5月8日までに逮捕。男は「書き込みを見て触った」と合意の上を主張。被害女性は「サイトを利用したことはない」と全面否定していた。和歌山地検はこの男を同21日、処分保留で釈放した。 同11日に、伊勢川容疑者が同署に出頭してきたため、県警は任意で事情聴取。自宅と海南税務署を家宅捜索するとともに、携帯電話の通信履歴などを調べた結果、伊勢川容疑者の携帯電話から投稿を行ったことが裏付けられた。 伊勢川容疑者は痴漢行為をした男とは「面識がない」と供述しており、同署は詳しい動機を調べる方針。また、痴漢をして逃走しているもう1人の男についても行方を捜査している。 大阪国税局によると、伊勢川容疑者は82年に採用され11年7月に海南税務署に赴任した。同局の上願敏来(じょうがん・としき)国税広報広聴室長は「誠に遺憾。職員の逮捕容疑となった行為は税務職員としてあるまじきもので、今後の捜査状況をふまえ、厳正に対処する」としている。(蔵元英二)
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社会 2013年07月09日 15時00分
パンドラの箱が開いた! 中国発“影の銀行規制”がもたらす 世界同時大恐慌カウントダウン(1)
中国発の世界大恐慌。そのリスクは日増しに高まっている。実際、日本の日銀に相当する中国人民銀行は6月25日、資金不足に陥った一部の銀行に対し「必要なら資金を供給し、金融市場の安定を維持する」と異例の表明に踏み切った。まさに、銀行神話の失堕に直結した日本でのバブル崩壊前夜と同じである。 もし中国経済が破綻すれば、日本は深刻な返り血を浴びる。ここ数年来、中国マネーは日本の株や不動産を猛然と買いあさってきたが、中国の経済が火ダルマになった場合、日本への投資マネーを一斉に引き上げるのは明らか。株式市場だけで推定5兆円に膨らむ中国マネーが、せきを切ったように“売り”に転じれば、市場は大パニックに見舞われる。図らずも中国人民銀行が“公認”したように、その危機は確実に迫っているのだ。 背景には中国経済の“暗部”を巡る攻防戦がある。中国では規制が厳しい銀行を介さない金融取引が横行している。日本でいうノンバンクに近く、大手企業が財テクのため銀行に代わって高い利率で融資するケースや、地方債の発行を禁止されている地方政府がインフラ整備のために活用してきた。 銀行融資と一線を画していることから『シャドーバンキング(影の銀行)』と呼ばれ、地方政府の隠れ借金と化した部分もあって「政府は実態を把握していない」(金融筋)とされる。 この1〜2年、中国の成長が鈍化してきたのに伴い影の銀行は急激に膨張し、昨年暮れで推定470兆円前後とされた資金は、今や500兆円の大台に迫っている模様だ。日本の今年度予算(一般会計)が92兆6000億円だから、まさに桁違いのボリュームである。 「急膨張する影の銀行に危機感を募らせた人民銀行=中国政府は、ここへ来て規制強化に舵を切った。不明朗な融資マネーが次々と焦げつけば金融パニックが避けられないためですが、これに伴い銀行同士が資金を融通し合うための短期金利が急上昇し、市場が大混乱した。資金繰りが厳しくなった一部の銀行は悲鳴を上げ、人民銀行からの緊急融資で最悪の事態を回避したものの、一時は株価急落で取引停止になったほどです」(金融関係者) 果たせるかな、上海市場では6月24、25日と2日連続で代表的な株価指数が急落、ほぼ4年ぶりの安値水準まで売り込まれた。これが東京、ニューヨーク、ロンドンなどに波及し、今や世界の金融マンが中国リスクの影に戦々恐々としているのが実情だ。 むろん、中国経済に対する厳しい見方は以前からあった。とりわけ中国ウオッチャーが唱えたのは「北京オリンピック(2008年)、上海万博('10年)が終了すれば一気にバブルがはじける」との見立てだった。世紀の大イベントを成功させるため無理に無理を重ねる。遠からず、その反動に瀕するとの論法である。
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社会 2013年07月09日 11時45分
ガールズバー経営者が支払いを巡ってトラブルになった客を殴り殺す
大阪府警捜査1課は7月6日、飲食代の支払いを巡って、客の会社員・札場(ふだば)康之さん(51)に暴行を加えて死亡させたとして、殺人の疑いで、同府大阪市北区堂山町の雑居ビルの2階にあるガールズバー「Ring」経営者・秋元貴公(たかひろ)容疑者(30)を逮捕した。 秋元容疑者は「瞬間的に爆発して数十発殴った」と暴行したことは認めているが、「殺すつもりはなかった」と殺意は否認している。 逮捕容疑は、2日午後10時30分頃、北区堂山町の雑居ビル2階のガールズバーに、客として訪れた札場さんが代金を支払わないとして激高し、3日午前5時頃、店内やビル内の数カ所で顔や頭などを数十回殴り、硬膜下血腫で死亡させた疑い。 札場さんは約9時間後、ビル5階で死亡しているのが見つかった。 秋元容疑者は5日、府警の任意の聴取に関与を否定したが、周囲に諭されて、6日午前、1人で曽根崎署に出頭。「店から引きずり出して、6階や5階で暴行した。財布から代金を抜き、財布や携帯電話が入ったかばんをごみ置き場に捨てて、靴はビルの外へ放り投げた」と供述した。秋元容疑者によると、「料金のうち1万円弱を回収できず、殴った」と話している。 同店の従業員の男性は「(秋元容疑者は)酒を飲むとよく客とトラブルになり、路上で暴行を加えることもあった」と話した。 秋元容疑者は「法外な値段ではなかったが、(札場さんは)払わなかった」と話しているが、ビル近くの飲食店関係者によると、同店では1人で来た客に2〜3万円の高額な代金を請求していたといい、確認を進めている。(蔵元英二)
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社会 2013年07月08日 11時45分
大手予備校講師が女子高生とのわいせつ行為をインターネットでライブ配信
警視庁少年育成課は、インターネット上で女子高生とのわいせつ行為をライブ配信したとして、児童福祉法違反(淫行)容疑で、資格取得のための予備校「LEC東京リーガルマインド」の講師・小林陽介容疑者(28=神奈川県川崎市麻生区白鳥)を逮捕した。 警視庁の調べに対し小林容疑者は、「わいせつ行為をして、金もうけもできると思った」と容疑を認めているという。 逮捕容疑は、2月2日夜、当時私立高校3年の女子生徒(当時17)を動画中継サイトに生出演させ、自分を相手にわいせつ行為をさせた疑い。 小林容疑者は宅地建物取引主任者試験対策を教える専任講師で、昨年1月以降、動画の生中継サイト「FC2ライブ」を使って少女と性行為をしたり、少女が自慰行為したりする様子を有料で流していた。 動画は1分40〜60円でサイトから視聴者数に応じた報酬が支払われ、同容疑者は昨年1月以降、約900万円を稼いでいた。 これまで、約50人の少女を動画に出演させており、少女らには1回最低2万円で出演させていたという。 この女子生徒は約3万円を受け取ったが、学校に相談して発覚した。 小林容疑者が勤務していたLECは、法律、会計、不動産、福祉・医療などの資格取得や、公務員試験対策などを教える大手予備校で、北海道から沖縄まで、日本全国に数多くのスクールを開いている。(蔵元英二)
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社会 2013年07月08日 11時00分
サザン再結成でアミューズ株急騰 関係者が目を光らせる“違法行為”
アミューズ株が急騰、それで得をしたのは誰か。 同社の株主総会が東京・両国国技館で開かれたのは6月23日のことだった。 その際、決算短信には《次期の当社グループを取り巻く環境はより一層厳しい状態になるものと懸念されます》と書かれ、好材料はゼロを強調していた。 だが、2日後の25日、アミューズはいきなりサザンオールスターズ再結成のニュースを流したのだ。同時にアミューズ所属の吉高由里子がNHKの来年前半の朝のテレビ小説『花子とアン』に主演することも明らかにされ、同社の株価はいっきに急騰した。一時は271円高(12.4%)の2449円で寄り付いた。 たしかにサザンの再結成の影響力は大きい。'08年に活動休止を発表した際、株価は225円安の1795円まで下がったからだ。 それにしても、サザンは今回どれだけの利益をもたらすのか 「いずれも推定ですが、日産スタジアムが単独で6億円など、5カ所のコンサートで20億円は稼ぐはず。さらに、フォルクスワーゲンなどCMが推定1億円。そして、新曲『ピースとハイライト』もある。CD不況の時代なのでミリオンとはいかないが、ファン数から予想して20万枚は最低売れると読んでいい。ダウンロード分も合わせると、かなりの額になるはず」(株式アナリスト) サザンの再結成を知っていたなら、株主総会前に大量に仕込み、上がった段階で売りぬける手法で儲けることも可能だった。 「今回は、外部に漏れても仕方がない状況でしょう。CD販売に関しては、ディレクターはもとより、ジャケット制作者などのJVCケンウッド関係者は情報を知っていて当然。CM制作者も同様だし、内部のツアー担当者も然りです。アミューズとしては、売り抜けなどの違法行為がないように厳重に関係各方面に目を光らせていたと思われます」(業界関係者) サザン景気のせいで、アミューズはしばらくの間“要注意株”となりそうだ。
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社会 2013年07月08日 11時00分
離婚相談7000件のプロが教える 格差婚から不倫に走る「男と女」のキーワード(1)
草食系男子、肉食系女子の弊害は、20〜30代カップルの結婚生活にまで弊害を及ぼしている。夫は仕事より家事や子育て。対し妻は仕事最優先で収入を夫より得て、先ごろ騒動となった矢口真里(30)の“はちあわせ不倫”などを引き起こす格差婚カップルも増えた。 そこで、ここ約6年の間に月平均約100件、合計7000件もの“格差婚”カップルのトラブルに関する相談が寄せられているという、離婚問題アドバイザーの露木幸彦氏に、その分析結果を聞いた。 「過去の相談内容から格差婚のケースを抽出し、相談の傾向、特徴を分析してみました。結果、“モンスター化”する妻のパターンが、四つに分類されることがわかりました。収入の格差は、そのまま夫婦の力関係に直結する。まず一つ目のパターンは、結婚費用を妻が出している時や住宅ローンを妻名義で組んでいる場合。夫婦喧嘩の際に妻が『誰がお金を出したのよ。ここに住めると思っているの!?』と言い出すと、夫は何も言い返せず黙るしかない。お金のことを盾にすれば問答無用で夫をけちょんけちょんにできるため、妻はどんどん増長し何をやってもOKという空気になる。結果、不倫や浪費、暴力など取り返しのつかないトラブルを引き起こしてしまうのです」 まさに札束で頬を叩かれているようなケースもあるというのだ。 二つ目は、働き盛りのキャリア妻の場合。交友関係が広ければ広いほど仕事は増え収入も増える。 「仕事の人脈の中には当然、男性もいるし、元彼がいるかもしれません。結婚後、何事もなければ仕事関係の男と一線を越えることはないでしょう。しかし、仕事や家庭のことで悩んで追い詰められた時、たまたま悩みを相談したことから不倫に発展…というのが、よくあるパターン。精神的に不安定だと、お酒は回りやすく、体を許してしまうこともあるのです」 夫婦喧嘩で先に手を出すのは夫というのが、世間一般のイメージだ。しかし、格差婚は妻が真っ先にキレる状況にある。それが3番目の特徴だという。 「キャリア妻は上司や部下、取引先の人間をある程度思い通りに操れる。ところが、家にいる稼ぎもない夫が、大きな顔をして自分名義の家に居座っている…。中には、家事も育児も手伝わず、生活費も入れずに妻の給料で好き放題やっている夫もいる。几帳面で完璧主義の妻が、そんな夫を許せるはずがありません」 このような状態では、ささいな喧嘩で妻から爆発する場合があるのだ。 「夫からの相談では、土下座する夫を足蹴にしたり、ワインボトルを投げつけるケースもありました。思い通りにならない場面になるとパニック状態になり、何をするかわからないのです」 4番目の特徴は、それまで順風満帆な人生を歩んできた妻の場合。彼女たちは自信家のため、人生灰色のままでは気が済まず、いちいち白黒をつけようする傾向があるという。 「何かにつけ妻の言動に干渉したい夫は、携帯電話の履歴やメールを覗き見しようとしますが、もちろん誰しも見られたくない。彼女たちは浮気を疑う夫に『どうせ何もないから見ないで欲しい』と言い返しますが、その言葉の裏には、『もし携帯を見て何もなかったらタダでは済ませない』というニュアンスが含まれているのです」 つまり、ケジメをつける“トラップ”が、思わぬところに潜んでいるわけだ。
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社会 2013年07月07日 16時00分
NEC社員チカン逮捕のお粗末
6月19日、川崎市中原区のNEC社員(33)が、強制わいせつ容疑で逮捕された。4月16日午前1時ごろ、同区内の路上で、帰宅を急いでいた会社員の女性(36)に背後から抱きつき、上半身を触るなどした疑いだ。 「この辺りは大企業の事業所が多く、夜になると人気がなくなり静まりかえっています。容疑者は、ネットで痴漢もののアダルトビデオを見て興味を持ったと供述している。確かに、ネット上には痴漢モノのタイトルが数え切れないほどあり、その大半が触ってすぐ女性が感じ始めるというストーリー。容疑者は、そこまでいかなくとも、触るぐらいは…などと短絡的に考えたようです」(捜査関係者) NECはパソコン、通信、半導体事業が3本柱だが、パソコンの出荷台数がタブレットやスマートフォンに押されて減少し、半導体も収益が悪化。昨年は大リストラを発表したばかりだった。 「国内7000人、海外3000人のリストラ計画を発表し、過酷な退職勧告で世間の非難を浴び、国会にも取り上げられたのは記憶に新しいところ。今年3月期の連結決算でなんとか黒字に転換したものの、一時期5兆円あった売り上げも3兆円にまで落ち込んでおり、社内に依然としてピリピリしたムードが漂っているといわれます。容疑者は技術系の社員で日頃は温和な性格だそうですが、こういった社内のプレッシャーがあったのでしょうか」(社会部記者) いずれにせよ、本人は「4〜5件はやった」と供述、「被害届も5件出ている」(捜査関係者)という。そのため、証拠が固まり次第、追送検となる見込みだ。ひとりの愚かな行為が、またもやNEC社内に嫌な空気を呼びそうだ。
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社会 2013年07月07日 15時00分
電通カジノ部門の動きが活発化 有力候補地はやはり「お台場」
電通にカジノ事業を推進するセクションが2部門あるのをご存じだろうか。 '11年に発足したソーシャル・リレーション局の『カジノ&エンタテイメント事業部』、『カジノ&観光プロジェクト部』がそれで、ここにきて活発な動きをみせている。 カジノの賭博行為は刑法185条で禁止されている。だが、電通の中にはすでにカジノ事業をプロモーションする部門が発足していたのである。一歩間違えば危険ともいえる動きだが、電通は何を考えているのか。 じつは、近い将来訪れることが予想される“カジノビジネス時代”に備えての準備といえよう。今年に入って、電通は大手企業への説明会をたて続けに開き、機運を盛り上げている。 安倍晋三総理からしてカジノビジネスについては前向きだ。 「カジノ導入が産業振興をもたらしうるとの議論がある。治安に悪影響を与えかねないとの問題点も指摘されるが、私自身はメリットも十分あると思う」 今年3月8日、衆院予算委員会で『生活の党』鈴木克昌幹事長が「カジノを解禁すべきではないか」と迫ったのに対し、答えたものである。 すでにカジノ解禁に関する超党派議員グループ『国際観光産業振興議員連盟(IR議連)』も精力的な動きを見せている。今秋の臨時国会に議員立法での法案を提出、早期の成立を目指す構えだ。 同議連では安倍総理と麻生太郎副総理の2人のほか、石原慎太郎・日本維新の会共同代表が最高顧問に就任。政治力のある連盟だけに法案を通すのは難しくはなかろう。 問題は、どの場所にカジノ地区をオープンするか、である。いま最有力候補に挙がっているのが、フジ・メディア・ホールディングスの本社所在地である『お台場』である。昨年5月にオープンした『ダイバーシティ東京』が重要ポイントになるはずだ。 この場所はすでに「IR地域=Integrated Resort(複合観光施設)」として認可を受けている。カジノを中心に宿泊施設、飲食施設、小売施設、会議施設、娯楽施設などが集まった観光施設のことだ。 つまり『お台場』地区は、条件が揃えばカジノをオープンさせてもよい特別な地域として東京都から認可を受けたのである。 カジノ解禁となれば、フジMHDの株は今後「関連銘柄」の代表格として注視の的となるだろう。
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社会 2013年07月07日 11時00分
大阪『通天閣劇場』閉鎖で迷走した 「歌謡ショー」存続先を巡るドタバタ“裏”
迷走を続けていた大阪・新世界の『通天閣歌謡劇場』の閉鎖問題が、一転存続に傾きだした。通天閣劇場『スタジオ210』の閉鎖により、公演中止が決定していたが、これが最終公演の6月28日に急転。新世界に新たな劇場を開設する計画が発表されたのだ。 スポンサーに名乗りを上げたのは、地元の『新世界串かつ振興会』。ここ数年の新世界の串カツブームを支える連合会だが、計画によれば新劇場は、振興会のメンバーである『横綱』新世界店の5階を150人程度入れる劇場に改装し、公演を行うという。早ければ今年10月にもオープンを迎える予定なのである。 この思わぬ決着に、関係者は喜びを隠せない様子。同劇場のレギュラー出演者の一人である浪花みゆきは大喜びだ。 「新世界で存続の話を聞いてホッとしてます。やっぱり、他所へ行っての歌謡劇場なんて考えられません」 また、“通天閣の歌姫”叶麗子も「皆で頑張ったら、奇跡は起きるんです」と嬉し泣きしたほど。だがその一方、地元ではこの意外な結末を不安視する声も少なからず上がっているという。地元飲食店の店主が言う。 「振興会は頑張ってるけど、串カツバブルがそろそろ弾けそうなムードにあるのや。新世界からなんばまでの無料バスが打ち切られたのがいい例で、客足が落ちれば振興会がスポンサーを降りる可能性もあるわけや」 要は、新世界の串カツブームの先行き如何では、またぞろ閉鎖問題が起きかねないという話だが、これに加えて抜本的な問題も再び注目を集めている。 「もともと、今回の問題は歌謡ショーを運営する『松竹芸能』と、スタジオを所有する『通天閣観光』が観客動員数の減少を問題視して勃発した。そのため動員数を増やさないと、再び公演打ち切りの憂き目を見ないとも限らないのです」(別の商店主) 新劇場の関係者は「今のところ歌謡劇場の予定は週2日。その他の日をどうするか、考えなければなりません」と語るが、その行く手はいまだ波乱万丈といえそうだ。
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社会 2013年07月06日 15時00分
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 都議選で何がわかったか
6月23日に投開票された東京都議選で、自民党が全員当選の大勝をする一方、前回選挙で54議席を獲得した民主党は15議席へと激減する結果となり、壊滅的敗北に終わった。 今回の都議選で明らかになったことは三つある。一つは、自民党と同じ政策を並べていても勝てないという、ある意味で当たり前のことだ。民主党の政策は、普天間基地の辺野古への移設、TPP交渉参加、消費税引き上げ、原発再稼働、規制緩和推進、憲法改正と、自民党とまったく同じなのだ。政策が同じだったら、わざわざ民主党を選ぶ必要はない。 このことは、大量の候補者を擁立した日本維新の会が、わずか2議席しか獲得できなかったことにも表れている。もちろん低い支持に橋下代表の従軍慰安婦発言が影響したことは事実だ。ただ、橋下発言以前から、維新の凋落は始まっていた。憲法改正などで自民党と協調姿勢をみせ、「自民党の補完勢力」とみられるようになっていたからだ。 自民党との違いを鮮明にしてきた共産党が、それまでの8議席から2倍以上の17議席へと躍進したことも、自民党との違いを打ち出すことの重要性を示しているといえるだろう。 都議選でわかった二つ目のことは、行政改革に対するニーズが根強いということだ。公務員が浴している民間を超える処遇や、政府にはびこる利権構造を打破して欲しいと都民は判断した。だから、常に行革を主張してきたみんなの党が、いきなり7議席も獲得することになったのだ。 都議選でわかった三つ目のことは、アベノミクスが評価されているということだ。 世論調査で見ても、今回の都議選では政党の経済政策を重視して候補者を選んだ有権者が多かった。その中で、昨年の急激な景気の後退のトレンドから、一転して好景気をもたらした安倍政権の財政・金融の緩和策が高く評価されている。 にもかかわらず、6月24日の国会で野田前総理は、「異次元の金融緩和までになると、当然のことながらリスクが出てまいります。副作用が出てまいります。体操競技で言うならば、ウルトラCを超えて、E難度、F難度の技に挑戦しようとしている。着地ができなくて転ぶのは、安倍総理ではありません。黒田総裁でもありません。転ぶのは、痛い思いをするのは、国民なんです」と批判した。 リーマンショック後、資金供給量をイギリスは5倍、アメリカは3倍に増やした。それで副作用が出ていないのだから、2倍に増やそうという黒田金融緩和のどこにリスクがあるのかよくわからない。そんなところしか安倍政権との違いを打ち出せないのが、いまの民主党の実態なのだ。 もし民主党が本当に参院選で勝とうと思ったら、打ち出すべきことは、普天間基地の県外移転、TPP不参加、消費税据え置き、脱原発、弱肉強食化の規制緩和反対、護憲、そして徹底的な行政改革といった政策セットだろう。何のことはない。'09年に民主党が政権を取ったときの政策そのものなのだ。 だが、残念ながら保守勢力がはびこるいまの民主党が、本来のリベラル派の政策を取り戻せる状況にはまったくない。参議院選挙もライバルのいない自民党の圧勝になるだろう。