同署によると、伊勢川容疑者は「間違いありません」と容疑を認めているという。
逮捕容疑は、通勤時に見かける女性になりすまし、4月23日頃から掲示板に「和歌山線で痴漢してくれる人いませんか」などと投稿。同30日午前7時15分頃、JR粉河駅から女性と同じ普通電車に乗って、女性の乗車位置や服装の特徴を掲示板に書き込み、それを読んだ男に車内で女性の下半身を触るよう仕向けたとしている。
女性を触った男2人のうち、1人は逃走。同署はもう1人の20代の男を、強制わいせつ容疑で5月8日までに逮捕。男は「書き込みを見て触った」と合意の上を主張。被害女性は「サイトを利用したことはない」と全面否定していた。和歌山地検はこの男を同21日、処分保留で釈放した。
同11日に、伊勢川容疑者が同署に出頭してきたため、県警は任意で事情聴取。自宅と海南税務署を家宅捜索するとともに、携帯電話の通信履歴などを調べた結果、伊勢川容疑者の携帯電話から投稿を行ったことが裏付けられた。
伊勢川容疑者は痴漢行為をした男とは「面識がない」と供述しており、同署は詳しい動機を調べる方針。また、痴漢をして逃走しているもう1人の男についても行方を捜査している。
大阪国税局によると、伊勢川容疑者は82年に採用され11年7月に海南税務署に赴任した。同局の上願敏来(じょうがん・としき)国税広報広聴室長は「誠に遺憾。職員の逮捕容疑となった行為は税務職員としてあるまじきもので、今後の捜査状況をふまえ、厳正に対処する」としている。
(蔵元英二)