スポンサーに名乗りを上げたのは、地元の『新世界串かつ振興会』。ここ数年の新世界の串カツブームを支える連合会だが、計画によれば新劇場は、振興会のメンバーである『横綱』新世界店の5階を150人程度入れる劇場に改装し、公演を行うという。早ければ今年10月にもオープンを迎える予定なのである。
この思わぬ決着に、関係者は喜びを隠せない様子。同劇場のレギュラー出演者の一人である浪花みゆきは大喜びだ。
「新世界で存続の話を聞いてホッとしてます。やっぱり、他所へ行っての歌謡劇場なんて考えられません」
また、“通天閣の歌姫”叶麗子も「皆で頑張ったら、奇跡は起きるんです」と嬉し泣きしたほど。だがその一方、地元ではこの意外な結末を不安視する声も少なからず上がっているという。地元飲食店の店主が言う。
「振興会は頑張ってるけど、串カツバブルがそろそろ弾けそうなムードにあるのや。新世界からなんばまでの無料バスが打ち切られたのがいい例で、客足が落ちれば振興会がスポンサーを降りる可能性もあるわけや」
要は、新世界の串カツブームの先行き如何では、またぞろ閉鎖問題が起きかねないという話だが、これに加えて抜本的な問題も再び注目を集めている。
「もともと、今回の問題は歌謡ショーを運営する『松竹芸能』と、スタジオを所有する『通天閣観光』が観客動員数の減少を問題視して勃発した。そのため動員数を増やさないと、再び公演打ち切りの憂き目を見ないとも限らないのです」(別の商店主)
新劇場の関係者は「今のところ歌謡劇場の予定は週2日。その他の日をどうするか、考えなければなりません」と語るが、その行く手はいまだ波乱万丈といえそうだ。