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パンドラの箱が開いた! 中国発“影の銀行規制”がもたらす 世界同時大恐慌カウントダウン(1)

 中国発の世界大恐慌。そのリスクは日増しに高まっている。実際、日本の日銀に相当する中国人民銀行は6月25日、資金不足に陥った一部の銀行に対し「必要なら資金を供給し、金融市場の安定を維持する」と異例の表明に踏み切った。まさに、銀行神話の失堕に直結した日本でのバブル崩壊前夜と同じである。

 もし中国経済が破綻すれば、日本は深刻な返り血を浴びる。ここ数年来、中国マネーは日本の株や不動産を猛然と買いあさってきたが、中国の経済が火ダルマになった場合、日本への投資マネーを一斉に引き上げるのは明らか。株式市場だけで推定5兆円に膨らむ中国マネーが、せきを切ったように“売り”に転じれば、市場は大パニックに見舞われる。図らずも中国人民銀行が“公認”したように、その危機は確実に迫っているのだ。

 背景には中国経済の“暗部”を巡る攻防戦がある。中国では規制が厳しい銀行を介さない金融取引が横行している。日本でいうノンバンクに近く、大手企業が財テクのため銀行に代わって高い利率で融資するケースや、地方債の発行を禁止されている地方政府がインフラ整備のために活用してきた。
 銀行融資と一線を画していることから『シャドーバンキング(影の銀行)』と呼ばれ、地方政府の隠れ借金と化した部分もあって「政府は実態を把握していない」(金融筋)とされる。

 この1〜2年、中国の成長が鈍化してきたのに伴い影の銀行は急激に膨張し、昨年暮れで推定470兆円前後とされた資金は、今や500兆円の大台に迫っている模様だ。日本の今年度予算(一般会計)が92兆6000億円だから、まさに桁違いのボリュームである。
 「急膨張する影の銀行に危機感を募らせた人民銀行=中国政府は、ここへ来て規制強化に舵を切った。不明朗な融資マネーが次々と焦げつけば金融パニックが避けられないためですが、これに伴い銀行同士が資金を融通し合うための短期金利が急上昇し、市場が大混乱した。資金繰りが厳しくなった一部の銀行は悲鳴を上げ、人民銀行からの緊急融資で最悪の事態を回避したものの、一時は株価急落で取引停止になったほどです」(金融関係者)

 果たせるかな、上海市場では6月24、25日と2日連続で代表的な株価指数が急落、ほぼ4年ぶりの安値水準まで売り込まれた。これが東京、ニューヨーク、ロンドンなどに波及し、今や世界の金融マンが中国リスクの影に戦々恐々としているのが実情だ。
 むろん、中国経済に対する厳しい見方は以前からあった。とりわけ中国ウオッチャーが唱えたのは「北京オリンピック(2008年)、上海万博('10年)が終了すれば一気にバブルがはじける」との見立てだった。世紀の大イベントを成功させるため無理に無理を重ねる。遠からず、その反動に瀕するとの論法である。

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