スポーツ
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スポーツ 2018年08月13日 21時15分
新日本タマ・トンガ「しかるべき処置」問題から、ファンの“安全ボケ”化を考える
新日本プロレスは7日、公式ホームページに「タマ・トンガ選手に関するお知らせ」をアップした。 この度、タマ・トンガ選手のSNSでの不適切発言等により、新日本プロレスは事態を重く受け止め、選手本人に対して、しかるべき処置を行う事としました。 また再発防止に向けてあらゆる措置及び防止策を講じていきます。 ファンの皆様におかれましてはご理解のほど宜しくお願い致します。(新日本プロレス公式ホームページより引用)SNS“等”と書かれていることから、ファンの間では様々な憶測が流れている。いずれにせよメイ社長が自身のコラムで見解を示した内容を見る限り、コンプライアンス的な観点からタマの何らかの発言を問題視したのは明らか。タマの処分が発表されるのは、参戦している『G1クライマックス28』が終了する12日以降になりそうだ。 5日のエディオンアリーナ大阪大会で、私はタマが何やら観客と揉める場面を目撃した。YOSHI-HASHIと対戦したバッドラック・ファレに加担するためイスを手に乱入したタマは、試合後もYOSHI-HASHIをイスで滅多打ち。これに野次を飛ばした観客にイスを手に詰め寄るとイスをかざして脅したのだ。SNS上では「タマが観客に手を出した」という証言、画像も流れている。その後、タマは追いかけてきたYOSHI-HASHIと再び乱闘を繰り広げたため、現地にいた私はイスをかざした場面しか確認していない。 ファンの反応を見ると、野次を飛ばしたファンも悪いとしながらも、タマの行為を非難する声が多数を占めている。しかし、葛西純をはじめレスラーからは肯定する声もある。昭和からプロレスを見続けている私にとっては、ファンが“平和ボケ”ならぬ“安全ボケ”をしているのではないかと思う。 “超獣”ブルーザー・ブロディの記事を執筆した際にも書いたが、昔のヒールレスラーはみんな本当に怖かった。特に外国人選手はファンに近寄らせないオーラを放っていたし、ブロディがチェーンを振り回せば、スタン・ハンセンは通路をさえぎる観客にブルロープをぶつけながら入場していた。アンドレ・ザ・ジャイアント、アブドーラ・ザ・ブッチャー、タイガー・ジェット・シンは存在そのものが恐怖で、超満員で身動きが取れない中、観客はとにかく逃げ惑ったものだ。これを古舘伊知郎アナウンサーは「動く民族大移動」と実況した。これは古舘語録のひとつとして有名だろう。 私はFMWの川崎球場大会で、ザ・シークに火を投げられたり、ドクター・ルーサーに追いかけられたり、チェンソーを振り回すスーパー・レザーから逃げ惑ったことを思い出す。現在の新日本マットでも飯塚高史の入場シーンでは逃げ回るファンの姿が見られるが、外国人選手となると、水をまき散らしながら入場するランス・アーチャーぐらいか。鈴木軍はポスの鈴木みのるをはじめ、近寄り難いオーラを放つ選手が多い。 仕事柄、いろんな団体の関係者から話を聞く機会があるが、場外乱闘の際、リングアナやセコンドの若手選手が「危ないから開けてください」と言っても、座ったまま動かない観客も多く、事故防止に苦心している団体も少なくない。プロ野球でも観客にファールボールが直撃し、怪我をしている人をよく見るが、警備員に直撃を防げなかった理由を聞くと「最近はスマホを見てたから球に気づかなかったという方が多いですね」と話していた。これも“安全ボケ”が生んだ事故の一例である。 90年代までの新日本では当時の田中秀和リングアナ(現・田中ケロ)が試合前に「汚い野次を飛ばした方は強制的に退場とさせていただきます」と毎大会アナウンスし、フェンスの前には藤田和之を筆頭にコワモテなヤングライオンが、客席ににらみを利かせていたものだ。今の時代ならこれもコンプライアンス的に問題があるのかもしれない。2000年代に入りプロレスの力が弱まると、このルールもアナウンスされなくなっていった。こうした流れもファンの“安全ボケ”化が進んだ理由のひとつではないだろうか。 今のファンはプロレスやレスラーをなめてはいないが、昔に比べるとはるかに近い存在になっているのは事実。それはそれで時代が求めていることだとすれば否定はできないが、プロレスは“怖さ”も醍醐味のひとつ。1大会に1試合ぐらいは観客が逃げ惑う試合があってもいいし、心ない汚い野次が飛んだら選手はにらみを利かせてもいいと思う。 メイ社長はファンに対して「マナーの悪いお客様には対処していく」と約束している。新日本には業界の盟主として今の時代に合った対策と対応を期待したい。【どら増田のプロレス・格闘技aID vol.19】写真 / どら増田
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スポーツ 2018年08月13日 17時45分
最終盤に入ったプロ野球 監督交代の可能性を球団別に考察
プロ野球は後半戦に入り、「上位・下位」の明暗が分かれつつある。優勝候補に挙げられた東北楽天ゴールデンイーグルスが低迷し、梨田昌孝監督が辞任するなど、戦前の予想とは大きくかけ離れた事態が発生している状況だ。 下位のチームは当然、今オフの監督交代が予想される。そこで今回は一足先に、辞任の可能性がある監督と次期監督候補をチェックしてみよう。■オリックス・バファローズ 現在下位に低迷し、猛追する東北楽天に代わり最下位の可能性も出てきたオリックス。福良淳一監督は1年契約と見られており、交代の可能性は極めて高いといえる。 次期監督の有力候補はオリックス生え抜きでセントルイス・カージナルスなどメジャー球団にも所属した田口壮二軍監督。仰木彬元監督の下、イチロー・福良監督・藤井康雄一軍打撃コーチらと戦い、1996年の日本一に貢献した選手で、アメリカ野球にも精通しており、期待度が高い。 ただし、低迷チームを根底から変えるならば、外部招聘すべきとの声も。中日を黄金時代へと導いた落合博満氏の監督就任を望むファンも存在する。■読売ジャイアンツ 高橋由伸監督は3年契約の3年目。クライマックスシリーズ進出の可能性は高いものの、首位広島に大差をつけられており、リーグ優勝は難しい状況。「球界の盟主」を自認する巨人が4年連続で優勝を逃せば、当然監督交代が検討されることになるだろう。 しかし、表立った後任候補が居ないのも現状。巨人の監督は「エース」か「スター」という不文律があり、該当するのは桑田真澄氏、斎藤雅樹一軍投手総コーチ、原辰徳前監督、江川卓氏、中畑清氏、松井秀喜氏ら。 いずれも高橋由伸監督よりも先輩となるうえ、水面下で拒否したと囁かれる人物だけに、難しいとの指摘も。一部には、由伸監督のように阿部慎之助選手をプレイングマネージャーにしてみてはどうか、という声もあるようだが、同意するとは考えにくい。チームが上位に収まれば、続投ということになりそうだ。■横浜DeNAベイスターズ 昨年日本シリーズに進出し、1年契約を勝ち取ったアレックス・ラミレス監督だが、今年は現在のところ低迷中。クライマックスシリーズ進出が夢に終われば、契約最終年度だけに交代もありうる状況だ。 次期監督の候補と噂されているのが、高校・大学と神奈川県にゆかりの深い原辰徳前巨人監督。高田繁GMとは同じ巨人の背番号8を付けた仲で、指導力は言うまでもない。巨人の敵となる原監督を見てみたいという声はある。 しかし、ベイスターズファンからは反発も予想され、人気を落とすことになりかねない。未だファンに高い人気を持ち、辞任時に「チャンスが有ればまた会いたい」と発言した中畑清氏や、生え抜きで人気者の三浦大輔氏、鈴木尚典氏らが現実的な候補か。■阪神タイガース 金本知憲監督は2017年オフに3年契約を結んでおり、続投が既定路線だが、ファンから采配に対する不満が相次いでおり、チームがクライマックスシリーズを逃せば、辞任への機運が高まる可能性がある。 次期監督には、二軍監督を務め、若手選手から信頼を得た掛布雅之オーナー付シニア・エグゼクティブ・アドバイザーが有力。ミスター・タイガースで人気は申し分ないだけに、「見たい」という声が多い。 ただし、掛布氏はやや高齢だけに、断るのではとの声も。そうなるとやはり、金本監督でということになるのかもしれない。 この他にも、長期契約中ながら今季下位に低迷した工藤公康ソフトバンク監督や、1年契約の北海道日本ハム・栗山英樹監督も、場合によっては退任があり得る状況。 進退の鍵は、やはりチームの最終順位だろう。現状どのチームにもAクラスに入る可能性があるだけに、選手はもちろんだが、監督も明日の生活をかけた戦いとなる。 監督の進退にも注目しながら、最終盤のプロ野球を楽しみたい。取材・文・櫻井哲夫
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スポーツ 2018年08月13日 17時15分
珍事!涼しい東京ドームで高校野球の決勝戦を
高校野球の試合が“冷暖房付きの東京ドーム”で行われるかもしれない。 2020年東京五輪・パラリンピックの開催期間前後に神宮球場が「使用中止」となる。メインスタジアムの新国立競技場と隣接しているため、大会期間中は関係者や来賓の待機所、資材置き場として使われる。現時点では“予定”だが、五輪組織委員会は取り消していない。神宮球場を本拠地とするヤクルト球団も代替球場の確保に奔走しているが、五輪期間中、同球場を使用しているのはプロ野球だけではない。高校野球の東京都大会、大学野球なども奔走しており、その一環で、「東京ドームで高校野球の東京都予選を」の提案がされたのである。「東京都の高野連は今年に入ってすぐ、関係各位に打診していました」(都内高校野球指導者) 一時期、こんなウワサもあった。東西東京都予選の一部を近郊の千葉、神奈川、埼玉で行う案もある、と――。 その真偽はともかく、ヤクルト球団でさえ代替球場をいまだ確保できていないのだから、高野連もそれくらい困っているのだろう。そこで急浮上してきたのが東京ドーム使用案である。都高野連の武井克時理事長は東京五輪組織委員会にも出向き、「1回戦から東京ドームを使用できないか」と申し入れた。今年5月、高野連と朝日新聞社による「功労者表彰」に選出されたときも、同理事長は「決勝戦をやる場所がない。大会期間中、東京ドームを借り切ってほしいと大会組織委には伝えている」と話している。 その都度、言葉を変えているが、東京ドームで高校野球の決勝戦が行われれば、史上初。「炎天下=高校野球」のイメージも変えてしまうかもしれない。「7月の東京ドームは社会人・都市対抗野球の会場となるので、都高野連の要望通りにはならない可能性のほうが高い。社会人、高校野球、プロ野球で話し合い、棲み分けることになりそう」(アマチュア球界要人) 巨人も例年以上の地方遠征を強いられそうだ。同じ東京の球団である以上、ヤクルトと東京ドームを棲み分けなければならない。ドーム球場は天候に左右されないので、社会人、高校野球がSOSを出してきたのは当然のことかもしれない。「ヤクルトは札幌ドームにも打診を入れたみたいですが、日本ハムとの棲み分け、さらに五輪サッカーの会場にもなるため、札幌市は短期間しか貸せないとの返答をしました。12球団は五輪野球のため、主力選手も派遣しなければなりません。主力を失い、球場も確保できない、そのうえ、高校野球にも配慮しなければならないのですから、五輪期間はかなり苦労させられそうです」(前出・スポーツ紙記者) 高校野球といえば、吹奏楽部、チアガールなどによる華やかな応援でも有名だ。しかし、ドーム球場では大音量となってしまう。そうなると、試合中の選手間の声掛けにも影響する。こうした球場の特徴を考え、規制が加えられる可能性もあり、「高校野球らしくない」と思うファンも出るだろう。 もっとも、オトナの偏見かもしれないが、炎天下で熱中症を気にしながらやるよりも、快適なドーム球場のほうが好プレーも期待できるのではないだろうか。2020年、高校野球に新しい歴史が刻まれ、東京ドームはフル稼働となりそうだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2018年08月13日 11時00分
プロレスラー世界遺産 伝説のチャンピオンから未知なる強豪まで── 「アンドレ・ザ・ジャイアント」“演出家”としても優れていた大巨人
亡くなってから四半世紀がすぎた今もなお、多くのファンが“プロレス史上唯一無二の存在”と認めるアンドレ・ザ・ジャイアント。 この4月には、米ケーブルテレビ局によって新たなドキュメンタリー番組が制作されて話題となった。 「これまであまり表に出てこなかったアンドレの兄弟らの証言まで集め、この番組で初めて明かされた話もいくつかありました。15歳くらいから突然に巨大化が始まったこともそうですし、アンドレ自身が先端巨大症(いわゆる巨人症)の治療を拒んでいて、その症状に伴う痛みを抑えるために暴飲していたというのも新事実といえるでしょう」(スポーツ紙記者) アンドレの現役時代には、すでに手術や投薬による巨人症の治療は行われていたが、本人はそのことによって、セールスポイントである怪物性が薄れることを望まなかったという。 巨人症患者の平均寿命は一般と比べて10年以上も短いといわれ、そのことはアンドレも承知していたに違いないが、これと引き換えにしてでも、リング上のスターであり続けることを自らの意思で選んだのだ。 だが、病状を放置することによる弊害は大きかった。成長ホルモンの過剰な分泌によって、体の先端部分が発達し続けるという外見上の特徴にとどまらず、一般には骨がモロくなり、発症部分に激しい痛みが生ずるといわれる。アンドレもその例外ではなかった。 常に四肢の痛みに苛まれ、それを紛らわせるため大量の酒を飲み続けた。 「ワインを一度に5ガロン(19リットル)飲んだ」「旅客機に積まれていたビールを飲み尽くした」などの怪物伝説の裏には、そうせざるを得ないだけのつらい事情があったのだ。 生前にはインタビューで、「(巨人としての肉体は)神様が俺の生計を支えるためにくださった」と答えていたアンドレだが、しかし、その肉体の特殊性に頼るだけでは決してトップスターにはなれなかっただろう。 「事実、これまでにも身長や体重でアンドレを上回るレスラーはいましたが、彼らはアンドレの半分の人気もなかったですから」(同) では、その人気の秘訣はどこにあったのか。アンドレの現役当時を知る関係者たちの証言は、大きく二つに分かれる。 一つは「とにかくプライドが高かった」というもので、もう一つは「対戦相手への配慮が行き届いていた」というものだ。一見、矛盾しているようだが、実はそうでもない。 どこのテリトリーでも観客を一番多く集められるアンドレが、高いプライドを持つのは当然のことだが、加えてこれはキャラクターを安売りして、早々に飽きられるのを避けるための“演出”としての一面もあった。 実際、アメリカでデビューした当初は「一度見たら満足」という観客が多く、そのため後に契約したWWF(現WWE)でも専属とはせず、世界各地を巡業させたという経緯がある。 もし、そのときに各地のプロモーターの要求を聞くだけだったら、ご当地ヒーローの当て馬にされた揚げ句、他の超巨漢選手たちと同様の単なる“色ものレスラー”として使い捨てにされていたかもしれない。そうならないためには、簡単に言うことを聞かない気難しさを装う必要があった。 さらに、単なる怪物で終わらないためには、常に観客をヒートアップさせるだけの好試合を見せねばならず、そこには相手レスラーの協力が欠かせない。だから好敵手と見込んだ選手には、相応の気遣いを見せることになる。 つまり、プライドと配慮のいずれもが、アンドレにとってはレスリングビジネスを長く続ける上で不可欠なものであったのだ。 新日本プロレスで外国人の世話係をしていたミスター高橋は、著書の中で〈プライドの高いアンドレがジャイアント・マシーンのマスクをかぶったことが意外だった〉との旨を記している。しかし、アンドレにしてみれば、観客に飽きられずにリング上を活性化する手段として、新たなキャラクター付けは願ってもないことだったのかもしれない。 日本でのベストマッチとされるスタン・ハンセンとの一騎打ち(1981年9月23日、田園コロシアム)においても、同様のことがいえる。 「ハンセン反則勝ちのアングルは、アンドレからの提案だったそうです。世界的な格付けはアンドレがはるかに上ながら、日本でのハンセン人気の高まりを受けて、双方の株が上がるような試合をアンドレが主導したわけです」(プロレスライター) その結果、いまだに“日本プロレス史上トップクラスの外国人対決”として語り継がれている。この事実を見ても、アンドレがいかに優秀な“演出家”であったかが分かるだろう。アンドレ・ザ・ジャイアント1946年5月19日〜1993年1月27日(46歳没)、フランス共和国グルノーブル出身。身長223㎝、体重236㎏。得意技/ジャイアント・プレス、ヒップドロップ。文・脇本深八(元スポーツ紙記者)
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スポーツ 2018年08月12日 17時15分
誤審続きの甲子園に批判殺到! 高野連がそれでもビデオ判定を導入しない理由とは?
第100回全国高等学校野球選手権記念大会で、審判員による誤審が勝敗に大きく影響するケースが相次いでいる。 甲子園大会初日の中越高校対慶應義塾高校戦では、同点で迎えた8回、1アウト1塁3塁で中越がスクイズを敢行するも、空振り。サードランナーは慌ててサードに帰塁するが、捕手からのボールが三塁へ転送される。 アウトのタイミングではあったが、サードランナーがヘッドスライディングをしたため、三塁手はタッチができず、「空タッチ」に。慶應義塾の三塁手がそれでもなぜかタッチをアピールすると、なんとアウトの判定。VTRに映し出されるプレーの様子は、明らかにタッチしておらずセーフだった。 結局この回、中越は勝ち越すことができず、慶應義塾が9回の裏にサヨナラ勝ち。仮にこのプレーがセーフだった場合、中越が勝ち越しそのまま勝利していた可能性もあった。 また、翌日の佐久長聖高校対旭川大学高校戦でも、佐久長聖1点ビハインドの8回、ツーアウトから打者の打った落下ギリギリのフライをレフトがスライディングキャッチ。誰の目から見ても、ボールはレフトのグローブに収められていた。 ところが三塁塁審は、何を思ったかワンバウンドの判定。一度「チェンジ」と思った投手は気持ちの切り替えができず、次打者にフォアボールを与える。さらに、次の打者のフライを動揺したレフトがグローブに当て落球。2点が入り、逆転となった。 この後、旭川大学高校が追いつき延長に入り、大会史上初のタイブレークになるのだが、その裏には重大な「誤審」があった。この件については、現在も北海道を中心に怒りの声が上がっており、「ふざけるな」「やり直すべきだ」「謝罪しろ」など批判の声が現在も上がっている。 当然、プロ野球のようにビデオ判定を導入しろという声も多い。しかし、高野連はそのような動きを全く見せず。たとえ間違っていたとしても、「審判は絶対」と考えているようだ。 なぜ、ビデオ判定に消極的なのか。野球関係者はこう話す。 「先進的なことを一切導入したくないのでしょう。それこそ軍隊のように、年齢が上である審判員に対し、高校生は『絶対服従』を強いたいのだろうなと。非常に、古い考え方がはびこっている世界なので。 高校野球の審判は、ほぼボランティアで、酷暑のなかベンチに入れずグラウンドに立っているわけですから、気分が悪くなるケースや、判断力が鈍ることは容易に想像できます。誤審はある種仕方のない部分もある。 ビデオ確認ではしっかりと検証できるわけですから、審判員にとっても負担が減るので、制度で導入すべきだと思います。しかし、高野連は誤審を無くすことよりも審判の名誉優先ということなのでしょう。 これはあくまでも噂ですが、人気高校になると収益を考えて審判が贔屓して勝たせるということもあるようです。今年地方大会で大阪桐蔭が履正社に9回2アウトから4四球で逆転しましたが、あの件について懐疑的な視線を向ける人も少なくありません」 熱中症対策に無頓着であるなど、時代に追いつかないことが多い高野連。野球に限らずサッカー・ラグビーなど、誤審の防止を目的としたVTR検証は世界的な「流れ」なのだが、高校野球は間違った判定も審判がすれば、たとえ間違っていたとしても正解ということのようだ。取材・文・櫻井哲夫
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スポーツ 2018年08月12日 12時30分
大特集 第100回全国高校野球大会 甲子園に棲む魔物(3)
76回大会('94年)の決勝、佐賀商対樟南(鹿児島)戦でも、守備の名手が泣かされている。 9回裏、二死満塁。佐賀商の主将・西原正勝の放った打球は左中間に舞い上がり、一瞬の静寂を置いてから球場は大歓声に包まれた。史上初、決勝戦でのサヨナラ満塁アーチである。 「ボールが投手の手から離れてから、少しずつスローモーションになっていった」 勝者・西原のコメントである。樟南の投手・福岡慎一郎と捕手・田村恵のバッテリーはスタンドに消えた打球を見ていたが、まだ敗北の実感はなかったという。 「福岡は大会を代表する好投手で、田村は高校生ナンバー1捕手の評価もされていました。当然、樟南が優勝候補と目されていた」 当時を知るベテラン記者の言葉だ。 同記者によれば、両校は大会リハーサルでニアミスをしている。樟南バッテリーを佐賀商ナインが後方から眺めていたという。同じ九州勢、「声を掛けたら?」と勧めたら、「いえ、大丈夫です」と言って、立ち去ってしまったそうだ。 格の違い。だが、好捕手の田村は「名手ゆえのミス」を犯し、決勝戦の窮地を広げてしまった。サヨナラ弾が出る数分前、一死一、三塁の場面で佐賀商のスクイズを見破り、三塁走者を「三塁・本塁間」に挟んだ。しかし、田村の送球が鋭すぎた。走者をかすめて三塁手のグラブに収まるはずが、ヘルメットに当たってしまった。また、別の場面でも、田村の野球センスが裏目に出ている。一塁への悪送球をカバーし、二塁に送球しようとしたら、一塁コーチャーの頭部にぶつけてしまう。「追いつきっこない」と決め込んでいた佐賀商側が、ボールから目を離した一瞬のハプニングだった。 「天才同士」の激突もあった。79回大会('97年)の大会4日目、浜田(島根)の和田毅(現ソフトバンク)と秋田商の石川雅規(現ヤクルト)が激突している。 後にプロ野球界を牽引していく両左腕の投げ合いは、意外な結末を迎えた。 「こんなんじゃ、全然ダメです!」 勝利した石川は試合後にそう吐き捨てているが、魔物のイタズラとしか思えないサヨナラ劇だった。3対1、和田が9回裏のマウンドに上った。秋田商打線はようやく和田を捕まえ、連打で無死一、二塁。次打者は犠打。和田がそれを処理したが、一塁へ悪送球。しかも、それを拾った右翼手の三塁送球が逸れ、2者生還。同点である。浜田ベンチは無死三塁の場面を嫌い、2人を歩かせ、満塁にする。打席に石川が立つ。和田はまだ動揺していた。ストレートの四球、押し出しサヨナラ負けだった。 後にプロでも活躍する好投手が泣かされた試合といえば、89回大会('07年)の決勝戦も有名だ。広島県代表・広陵の野村祐輔(現広島)と小林誠司(現巨人)のバッテリーが、魔物に取りつかれた。4点リードで迎えた8回裏、佐賀北の打線が爆発し、一死満塁。野村はこの程度でグラ付くほどヤワでなかったが、次打者に投じた渾身の一球を「ボール」とコールされた瞬間、顔がこわばった。捕手の小林もホームベースをミットで叩いて悔しがった。満塁逆転アーチを喫したのは、その直後だった。 49回大会('67年)の決勝、報徳学園(兵庫)対大宮(埼玉)の一戦は、サヨナラホームスチールだった。勝敗がドラマチックであるほど、明暗ははっきりと分かれる。なぜ、あと一歩のところで…。魔物が降りてくる瞬間は誰にも分からない。だから、日本中が感情移入してしまうのだ。 100回の夏にはタイブレーク制という、人為的な措置も行われることになった。新ルールに魔物はどんなドラマを補足させようとしているのだろうか。スポーツライター◎美山和也1967年、千葉県出身。週刊誌専属記者を経てフリーに。著書、共著に「マツイの育て方」(バジリコ出版)、「プロ野球 戦力外通告の衝撃と決断」(宝島SUGOI文庫)、「プロ野球戦力外通告」(洋泉社)など多数。
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スポーツ 2018年08月11日 17時00分
「定期検診で病院に行ったら…」武藤敬司が意外な人物との2ショットを披露
蝶野正洋、橋本真也(2005年没)と共に“闘魂三銃士”として一世を風靡し、55歳となった現在でも国内外に根強い人気を誇るプロレスラー・武藤敬司。3月末に両ひざの手術を行い、人工関節を埋め込んだことも記憶に新しいが、これが意外な縁の呼び水となったようだ。 8日に更新された武藤の公式ツイッター。そこには「定期検診で病院に行ったら、偶然にも横綱・白鵬と会った!!」という一文と共に、両者の2ショット画像が公開されている。普段はそれぞれ違う世界に身を置く両者が、公の場ではなく病院で顔を合わせているという珍しい光景だ。 前述した手術の件を考えると、今回武藤が定期検診に訪れたのは、術後の状態確認のためであると推測される。5月9日には「術後の経過が順調に進んでいたので、嬉しくなってスクワット!!痛みが走って診察したら…右足の皿の骨にヒビが入ってしまった」というツイートをしていることからも、定期的な患部のチェックは欠かせない状況であろう。 一方の白鵬も、去る7月場所中に支度部屋で右膝の怪我を負い、4日目から途中休場という憂き目に遭っている。また、場所後も状態は思わしくないようで、ツイートと同日には現在行われている夏巡業を離脱し、そのまま病院に向かったという報道もされている。 共に同じ箇所を負傷しているという惜しむべき事情により、意外な“共演”を果たすこととなった両者。今回のツイートは確認時点で「リツイート」が378件、「いいね」が1816件記録されるなど大きな話題となっており、返信欄にも「すげえなこれ!」「めったにないツーショットですね」、「お二方共にますますのご活躍期待してます!」といった声が寄せられている。 「これからに向けて、お互いにエールを送り合ったよ!!」という一文で、ツイートを締めくくっている武藤。競技の違いこそあれど、胸に期するものは同じだということだろう。その不屈の闘志で、共に華麗なる復活を遂げてほしいところだ。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2018年08月11日 12時30分
大特集 第100回全国高校野球大会 甲子園に棲む魔物(2)
球児の運命を変えたこともある。95回大会('13年)、常総学院(茨城)対前橋育英(群馬)の準々決勝で、「この投手はホンモノ!」とプロ野球スカウトの評価を一変させたのは、現西武の高橋光成だ。前橋育英の背番号1を背負った右腕は大会前、さほど評価されていなかった。 「好投手ではあるが、コントロールに難アリ」 こうした評価を、高橋は敗戦で自覚させられてきた。徹底的な走り込みと、投球フォームの見直し。その努力がチームからの信頼へと繋がり、スカウトたちの評価も変えていた。9回裏、相手二塁手の正面に打球が転がった。3万6000人の観衆の誰もが「終わった」と思ったが、まさかのファンブル。そこから打線が繋がり、高橋の同点打が生まれた。魔物はエースの投球を「もう少し見ていたい」とでも思ったのだろうか。 ファンブルという些細なミスが勝敗を分けることもあれば、「球場の雰囲気」が選手を金縛りにさせてしまうときもある。98回大会('16年)の八戸学院光星(青森)対東邦(愛知)の一戦がそれだ。9回裏、4点差を追う東邦が先頭バッターのヒットで出ると、スタンドの雰囲気が一変した。 ファンは劣勢のチームに優しい。少しでも付け入る隙が生まれれば、ドラマを期待する。一死後、3番打者が続いた。4番を打ち取り、二死となったとき、八戸学院光星のエース・桜井一樹はここから4安打を浴び、逆転負けのミラクルゲームとなってしまった。 応援席のブラスバンド、振り回すタオル(現・禁止)、声援…。桜井の表情は、勝っている側のエースのそれではなかった。 「独特の雰囲気があったが、負けるべくして負けたんです。相手は全力疾走を怠らなかったし。ウチは死球で相手投手を睨み返したりと、負ける要素があったんです」 後年、八戸学院光星を指揮していた仲井宗基監督はそう振り返っている。魔物は試合を見ているのだ。 守備の名手を迷わせた試合もあった。 96回大会('14年)、市立和歌山対鹿屋中央(鹿児島)の一戦は、1対1のまま、延長12回裏に突入した。一死一、三塁。守る市和歌山ナインの元に伝令が走る。 内野手が各々の守備位置に散った直後だった。二塁手・山根翔希の前にゴロが転がった。中間守備、県大会無失策の名手はその打球のスピードを見るなり迷ってしまった。 「思ったよりも勢いがなくて…」 山根は一塁に送球し、三塁走者の生還を許す。 「強い打球が来たら、二塁ベースを使っての併殺、それ以外なら、バックホーム」 伝令の言葉は頭に入っていた。しかし、山根の前に転がった打球はそのどちらとも言えない微妙な勢いで、併殺とバックホームの両方に備えていた中間守備だったため、意味のない一塁送球をするしかなかったのだ。 大会本部は試合後に集まり、彼の処理した「一塁送球、アウト」の記録を訂正させた。「本塁生還が成立しており、意味のない二死」という解釈で、内野安打に変更させた。しかし、山根は「自分のミス」と言って号泣したままだった。
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スポーツ 2018年08月11日 06時15分
御嶽海はどうなる?平成の大相撲で誕生した初優勝力士たちの翌場所結果
現在各地で行われている夏巡業を経て、来月9日に初日を迎える大相撲9月場所。その人気はまだまだ根強いようで、既に前売り券は全15日分が完売。舞台となる両国国技館では、満員御礼の日々が続くことが濃厚となっている。 そんな秋場所の注目力士は、前回の7月場所で“平成30人目”となる初優勝力士となり、今場所は大関取りもかかる関脇御嶽海。昇進に値する好成績が残せるかどうか、初日から好角家たちの熱い視線が注がれることは確実だ。 ただ、初優勝を飾ったことにより、他の力士たちによるマークが厳しくなるということも考えられる。初めて賜杯を掲げた力士が等しく味わう、避けられない難題ともいえるだろう。では、御嶽海以前の29人の初優勝力士たちは、この難題にどのような答えを出したのだろうか。 29人の翌場所成績を見てみると、勝ち越しとなる成績を収めたのは21人で、その内2ケタ勝利を挙げたのが13人。また、朝青龍と稀勢の里の2名に関しては、2場所連続で優勝を手にするという離れ業をやってのけてもいる。仮に御嶽海がこの両者を同じ道を辿ることができたなら、場所後の大関昇進はまず間違いないと言っていい。 一方、前述の21名以外、つまり、残る8名の力士たちはあえなく負け越し。後に22回の優勝を重ね、“平成の大横綱”と称されることにもなる貴乃花(当時貴花田)でさえも、初優勝の翌場所は「5勝10敗」に終わっている。 ちなみに、今回の対象範囲である29名の内、御嶽海と同じく関脇で初優勝した力士は曙(元横綱)、千代大海(元大関)、出島(元大関)、照ノ富士(元大関、現幕下6枚目)の4名で、次場所の成績は曙が「0勝0敗15休」、千代大海が「3勝8敗4休」、出島が「10勝5敗」、照ノ富士が「11勝4敗」となっている。成績にバラつきはあるが、意外にも全ての力士が、その後大関以上の地位に昇進している。 以上が、過去29人の初優勝力士たちの次場所結果である。30人目の御嶽海は、果たしてどのような15日間を過ごすことになるだろうか。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2018年08月10日 19時45分
中高生、熱中症死の25.3%が野球部員 根強い「根性論」の指導法を指摘する声も
9日、日本スポーツ振興センター(JSC)が高校や中学のクラブ活動中に熱中症で死亡した学生のクラブ別人数を公開。その結果、野球部が全体の25.3%を占めていることが判明し、驚きの声が広がっている。 JSCは学校が管理する活動中に発生した災害について、医療費や見舞金を支給する「災害共済給付制度」の死亡見舞金の支給データを基に、熱中症で死亡した中高生の人数を調査。 その結果、昭和50年から平成29年の間で、クラブ活動中に熱中症で亡くなった146人のうち、野球部が37人と突出して多く、2位のラグビー部17人を大きく上回る数字となった事が判明。JSCはこの原因について、競技人口の多さと練習時間の長さが原因ではないかと分析している。 また、平成2年から24年の間に熱中症で亡くなった野球部部員18人のうち、実に高校1年生が11人と突出して多いことも判明。これについては、初心者や肥満気味の部員が練習終了間際に倒れている傾向があるとJSCは指摘した。 異常なほど野球部員が熱中症で亡くなっているというデータに、ネットユーザーからは「野球は危険すぎる」「暑いなかでダラダラ練習しているのだから当然」など、納得する声が。一方で「競技人口が多いことが原因」「人口を考えるとラグビーのほうが異常」と指摘するネットユーザーもいた。 元高校球児のAさんはこう指摘する。 「野球部の指導者は基本的に考え方が古いことが多いです。最近は水分補給をさせないチームはなくなりましたが、昔は『水を飲むとバテるのが早くなるから飲むな』と指導し、選手が倒れることはザラでした。 また、学生野球の場合、練習時間が長いことが正しいと考える傾向があり、炎天下で無駄にグラウンドを走らせる、素振りを延々とやらせるなどが多い。特に1年生は、体力作りと称して基礎練習をやらされた上、上級生に無茶な注文をつけられることがあり、体力も心もすり減らしてしまう。 私も真夏にグラウンド30周、50メートルダッシュ30本やらされ、もちろん水分補給はなし。その後フリーバッティングやシートノックで球拾いをやらされ、グラウンドに立ちっぱなし。なんとかトイレに行くふりをして水を飲みました。 そんな経験をしている指導者が多いので、『俺たちの頃は水など飲めなかった』『暑さに耐えて猛練習を積むことが正義』と思ってしまうんでしょう。もちろん、これは野球だけではなく、他のスポーツにも言えることです。根性主義や苦難に耐えることがスポーツではなく、競技を楽しみ結果が出る喜びを味わうことが本来の目的だと思います」 「根性主義」が未だ色濃い日本のスポーツ界。中でも高校野球は酷暑に耐えることを強いており異常と言わざるを得ない。このままで本当に良いのか、考え直す必要があるのではないだろうか。
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