ミドル級GP2回戦は波乱を秘めた危険な組み合わせとなった。この日、都内にある桜庭道場「Laughter7」でDREAMミドル級GP2回戦の全4カードを発表。開幕戦で船木誠勝を破った田村潔司は右手骨折により全治2カ月で負傷欠場することになる。
笹原圭一プロデューサーによれば「ファン投票では桜庭選手対田村選手がぶっちぎりだった。ですが田村選手がケガのため、桜庭選手にはリザーブのマヌーフ選手とやってもらうことになりました」という。桜庭にとってみれば、かねてから夢カードに挙げられてきた“U系対決”が流れ、不運にもベスト8の中で一番危険なストライカーのマヌーフと対戦するハメになってしまった。
そんな状況とあってIQレスラーもマヌーフとの対戦に乗り気ではない。会見では「えっ、イヤダイヤダ。聞いてないし」と拒絶反応を示せば「本当にやるんすか?」「いやあ、スリリングな試合になるでしょうね」などとかなり消極的。ついには冗談交じりに「もう出るのやめよっかな」とまで口走るほどだった。
ベスト8で唯一の日本人戦士となった桜庭にすべての期待がかかるGP2回戦。無論DREAM関係者も「ミドル級は日本人最後の砦の桜庭選手がマヌーフに勝って、9月の決勝に日本人がいないという最悪の事態を回避しなければなりません」と悲壮な決意だが、実はこの危険なマッチメークには大きな意味が隠されているという。
「マヌーフといえばあの秋山選手がHERO'S初代王者になったときに決勝でなんとか下した相手。その後に桜庭選手は秋山選手とヌルヌル騒動になって決着がついていないわけですから、この一戦は今後を左右する大事な戦いになるんです」(前出関係者)。つまりマヌーフの裏にはDREAMミドル級の“リーサルウエポン”秋山の影がチラついているというのだ。
一方の秋山といえば当初は今大会のワンマッチで鼻骨骨折からの復帰戦を行うはずだったが、今回は完治していないことから参戦を見送ることが決まった。それでもライト級決勝が行われる7・21「DREAM.5」大阪大会のワンマッチで復帰する可能性は十分ある。地元大阪でカムバックする線が有力という。
危険な要素を秘めたミドル級GP2回戦。桜庭にとって負けられない一戦となった。