次世代エースの挑戦要求に「ちょっと待った」コールが入った。
全日本プロレス社長で現IWGPヘビー級王者の武藤敬司に対し、いち早く挑戦ののろしをあげていた後藤。4・27大阪決戦で同じRISEのチームメート中邑真輔が目の前でマットに沈められ、すぐさま武藤の前に立ちはだかって挑戦をアピールした。
悪夢の至宝流出劇からちょうど1カ月。次世代エースの胸に刻まれた思いは消えることはなかった。この日のZepp Tokyo大会では相方の中邑と組み、若手有望株タッグのNOLIMITこと裕次郎&内藤哲也組と激突。序盤からタイトルへの勢いそのままにフルスロットルで暴れた。
剛腕ラリアートで内藤を場外まで吹っ飛ばせば、変型バックブリーカ―で腰骨をグニャリと痛めつける。最後は伝家の宝刀、昇天・改で勝負アリ。格の違いを感じさせる13分40秒の闘いをみせ、試合後はマイクを握り「武藤敬司の持つIWGPベルトに挑戦するのはこのオレだ。他の誰でもねぇ」と念押しアピールだ。
しかし、どこからともなく乱入してきた中西から「おいおい」と待ったをかけられ「オマエちゃうよ。オレが行く。オレは本気や」と挑戦者レースに割って入られる事態に。それどころかGBHのドン真壁刀義からもここぞとばかりに「後藤洋央紀クン、何をぬかしてんだ。IWGPはオレが挑戦するに決まってんだろ。顔じゃねーんだ」と“イチャモン”をつけられた。
近年、タイトル戦線からは遠ざかっている中西とはいえ、この日は復活を予感させるヘラクレスカッターで勝利。真壁も春のG1でベスト4に入っており、決して後藤の次期挑戦は安泰ではなくなった。「次にベルトに挑戦するのは一番強い男じゃないと意味がない。次のシリーズでハッキリさせる。オレがベルトに一番近いということを」
次世代エースの名乗りに待ったがかかり、ようやく動き出した次期IWGP挑戦者争奪レース。7・21札幌決戦での開催が見込まれる次期タイトル戦に向け、セルリアンブルーのマットはRISEの後藤、本隊の中西、GBHの真壁ら3戦士が激しい火花を散らす。