「今、世界中が、大変な状況に、なっています」
清宮はひと言ひと言を噛みしめながら、カメラに向かってしっかりとこう訴えかけると、「ノアも、その影響を大きく受けています。先が見えなくて、怖いと思います。だけど!こんな時こそ、俺たちプロレスラーが力になれると思ってます。俺たちは、どんな逆境にも負けません!絶対に!諦めません!皆さんが少しでも、怖いな…不安だな…と思った時は、俺たちを思い出してください!身近なところで言えば、SNS…ツイッター、インスタグラム、フェイスブック…その他でも必ず!俺たちと皆さんはつながってます!だから大丈夫です!俺たち、プロレスリング・ノア、そして皆さん!一緒に乗り越えていきましょう」と続けて、リングを降りた。
まさにエースの発言である。清宮は今年1.4後楽園大会で、潮崎豪にGHCヘビー級王座を明け渡してしまったが、23歳の若さで団体最高峰のチャンピオン時代を築いたことにより、自然とエースの振る舞いが出来る選手に成長したのだ。置かれたポジションが人を育てるという言葉があるが、清宮を見ていると次にチャンピオンになった時が今から楽しみな存在である。この日は試合がなかったものの、「プロレスの可能性が広がる日。画面の前に自分だけの【特等席】を作って、自由に楽しんで!!」と大会当日の朝にファンに向かって大会を煽っていた。試合が出来ない時もSNSを積極的に活用し、動きを止めることはない。
現在のノアにとって、清宮のようなエースの自覚を持った若い選手がいるのは強みであり、大きな財産である。今後、清宮がどんな形で新しい景色を見せてくれるのか注目だ。
(どら増田)