亜利弥'さんは、2016年に開催した自身のデビュー20周年記念興行の発表記者会見で、「乳がんのステージⅣで余命宣告をされている」と告白。昨年の4月、20周年記念興行の試合後に「もう一度リングに立つ」とファンと交わした約束を守るべく、引退記念興行を開催。既にがんは骨に転移をしており、受け身を取れば「骨折する可能性が高い」というリスクの中、見事に闘い抜き引退試合を締めてみせた。
引退後は、Jd'時代の同期だった小杉夕子さんや、阿部幸江さんと食事を楽しむ姿がSNSにアップされるなど、容態は安定しているものと思われていたが、突然の訃報にレスラー仲間や関係者からは故人を悼む声が続出している。
同じ和歌山県出身の同郷で、同い年ということもあり、最期まで親交があったゼロワンの田中将斗は「同級生の元女子レスラーの亜利弥'がお亡くなりになった。昨日試合終わりで駆けつける事ができ、話しかける言葉に意識もない状態ながら、手が少し動いたのはわかってくれたのか?今日最後にお別れしてきたけど、頑張り戦い続けた小山は強かった。ありがとう。ご冥福をお祈りいたします」とSNSで哀悼のツイート。他にも葛西純、里村明衣子をはじめ亜利弥'さんの死を悔やむ声は絶えない。
そんな中、亜利弥'さんの師匠であるジャガー横田の夫、木下博勝鎌倉女子大学教授はブログを更新し「亜利弥'がきっかけで、僕の今の家庭があります。亜利弥'には、感謝の気持ちしか有りません。僕の母は、亜利弥'に弟の嫁になってほしいとお願いした程、優しい、芯の強い人でした。乳ガンが発見された時も、こっそり相談されました。加療をすすめましたが、ついにこんな日が来るとは...」とジャガーとのキューピッド役を務めてくれた亜利弥'の死を悼んだ。
その他にもJd'時代の仲間たちに話を聞いたが、一様に「早すぎます」とショックを受けている様子で、言葉になっていなかった。
私自身も会場だけの付き合いではあったが、Jd'時代から親交を持たせていただいていた。どんなにブランクが空いても顔を合わせれば常に笑顔というのが、亜利弥'さんに対しての印象だった。最後に会ったのは昨年の引退試合前のこと。「絶対に頑張るんだよ」と声を掛けたら、笑顔で「ありがとうございます」と返してくれました。
天国でも持ち前の笑顔で、今度はトップのベルトを巻いてもらいたいですね。
亜利弥'さんお疲れさまでした。
ご冥福をお祈りいたします。
文・どら増田