スポーツ
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スポーツ 2019年12月31日 06時30分
アグレッシブな最下位【2019年のオリックス・バファローズ】
『Be Aggressive』 西村徳文新監督のもと、春季キャンプ直前の1月に発表された今年のキャッチフレーズには、“アグレッシブ”という言葉を掲げられた。チームの名称略も『Bs』から『B』に変更。ユニフォームも若干のモデルチェンジが行われており、掲示されるポスターのセンターには、吉田正尚、山岡泰輔、山本由伸の猛牛三銃士がチームの顔として売り出された。 「若いからとか一年目だからといって、遠慮しないで欲しい」 西村監督は若手中心に生まれ変わったチームを、若いからこそ出来るアグレッシブなチームにしていこうと、昨年秋の高知キャンプには、多数の選手を参加させ、選手を鼓舞しながら競争を促した。春季キャンプでは、とにかく若い選手を積極的に実戦に起用。コーチ陣も西村監督の意向を踏まえた上で、アドバイスを送っていた。そうした中から出てきたのが、西浦颯大であり、佐野皓大であり、ルーキーの中川圭太である。 「佐野さんの方がアピールしてないですか?」 高卒2年目の西浦は、足のスペシャリストとして西村監督が育成に着手した佐野を常にライバル視していた。春季キャンプで最後のマイクロバスに乗って宿舎に戻るのは、西浦と若月健矢の2人。若月は今シーズン盗塁阻止率がリーグ1位となったが、連日の居残り練習はシーズンにも生かされていたはずだ。西浦も開幕一軍のみならず、開幕スタメンの座も勝ち取ることが出来た。 投手陣では、山本由伸と同級生の榊原翼が、自身の投球に納得行かなかったのか常に悩みながら投げ込む姿が印象的だった。「何が悪いんだよ」「今の球いいじゃん」と、球を受ける若月が榊原を鼓舞し、それを笑みを浮かべながら見ていた高山郁夫コーチがアドバイスを送ると、榊原の力あるピッチングが戻っていくのが、ブルペンで見ていたこちら側にも伝わったのだ。榊原はシーズン途中で離脱してしまったが、若月とのバッテリーはシーズン中も話題になり、榊原はオリックス初の育成出身選手による勝ち星を挙げるなど、先発投手で防御率も2.72と安定していたことから、来シーズンに期待が掛かる。 その他、盗塁数が大きく増えるなど、チームは最下位に終わったが、今年に関しては、とてもアグレッシブな最下位だったのではないだろうか。いろいろな意味で、アグレッシブな考えを身につけた選手たちに結果が求められるのは、来シーズンということになるだろう。東京オリンピック出場を目指す猛牛三銃士の次に飛び出すのは誰か?来年も2月の宮崎から熾烈な競争が始まるはずだ。(どら増田)
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スポーツ 2019年12月30日 22時30分
2大メモリアル大会のメインを締めた三冠王者、宮原健斗【2019年のプロレス界】
元号またぎとなった2019年は、平成最後と令和初のプロレスオールスター戦が、メモリアル大会という形で開催された。 まず、2月19日に『ジャイアント馬場没20年追善興行〜王者の魂〜』が両国国技館で開催された。メインイベントでは棚橋弘至(新日本プロレス)とヨシタツ(フリー)が、宮原健斗(全日本プロレス)、関本大介(大日本プロレス)と対戦。11月15日には『ザ・デストロイヤー メモリアル・ナイト〜白覆面の魔王よ永遠に〜』が大田区総合体育館で開催。メインイベントでは、武藤敬司(W-1)、獣神サンダー・ライガー(新日本)と、宮原がトリオを結成し、SANADA&BUSHI(新日本)にKAI(フリー)を加えた同期トリオと対戦している。 どちらの大会も、全日本プロレスにゆかりがある選手が歴史をまたいで集結。そこに新日本など他団体が力を貸し、結果的に豪華なメンバーがそろったオールスター戦が1年に2回も実現した。これは日本プロレス界の歴史の中でもまれだろう。 90年代まで新日本の選手はテレビ朝日と、全日本の選手は日本テレビとそれぞれ専属契約を結んでいた。“テレビ局の壁”ともいわれたがこれが2000年代に入り崩壊。また、新日本と全日本の分裂劇もあって、「夢のカード」が続々と実現。これが出尽くしてしまったことで、プロレス界は厳しい時代を迎えていた。ここを何とか乗り切った新日本は2012年にブシロードに買収されてから、他団体に選手を貸しても他団体から借りる選手は“最低限”にとどめ、契約する選手だけで興行を開いて再建、現在に至っている。 “鎖国”はジャイアント馬場さんが社長を務めていた時代の全日本プロレスの専売特許だったが、鎖国を貫いたことで、全日本の選手の価値が上がったのは事実。それだけに、両大会のメインイベントに出場し、新日本の選手と“絡んだ”全日本の三冠ヘビー級王者、宮原にとっては、己の存在感をアピールするチャンスとなった。そんな中、宮原は入場時から「健斗」コールをあおり、自らの世界観にリングを染め上げてみせた。 棚橋は「宮原選手は本当に宝だと思いました。ハートの部分が屈託がないというか、明るい光を放っているので、昔の棚橋…。いや、僕を超える素材になると思います。これからのプロレス界は宮原選手が語ればいい」と絶賛。武藤は「俺らが知らないタイプのレスラー」と武藤らしい表現で宮原を評価していた。 宮原は2月の大会で棚原と対戦した後に「今日当たれたというのは、プロレスの神様も何か意味があると思う。その意味を確かめながらレスラーとして生きていく。この先も何が起こるか分からない」と口に。三冠ヘビー級王者として恥じない姿を見せつけて、さらなる自信につなげていた。 全日本の宮原、ノアの清宮海斗と、団体対抗戦を知らない世代がトップとして台頭してきたのは、プロレス業界にとって夢のあること。令和の夢のカードは彼らが作っていくのだろう。(どら増田)
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スポーツ 2019年12月30日 17時30分
采配ミスで敗北寸前に...意味不明な首脳陣にファン激怒、2019年話題を呼んだプロ野球記事ベスト3
2019年、プロ野球の世界ではさまざまなトピックがファンの注目を集めた。この1年間、リアルライブにおいてアクセス数が多く、話題となったプロ野球ニュースを振り返っていこう。【1位】ソフトバンク・工藤監督に「勝つ気あんのか」ファン激怒 日本シリーズ第4戦、批判殺到の謎采配には別の意味も?https://npn.co.jp/article/detail/02733147/ 10月23日の日本シリーズ第4戦・巨人対ソフトバンク。この試合に勝てば日本一が決まるソフトバンクは、先発・和田毅が5回まで無失点と好投。打線も4回1死一、三塁の場面でグラシアルが3ランホームランを放ち、3点リードと有利な状況で試合後半に突入した。 ところが、工藤監督は6回裏になるとそれまで好投していた和田に代え、シーズンで「9試合・0勝4敗・防御率5.74」と振るわず、さらにポストシーズンでも登板していなかったスアレスをマウンドへ。その後スアレスは岡本和真に2ランを浴び1点差に詰め寄られた。ネット上では交代直後から「謎継投過ぎる、この監督本当に勝つ気あんのか」、「来シーズンを念頭に置いた采配だったのかも」との声が出るなど波紋を呼んだ。【2位】巨人、元木コーチの指示を選手が無視! シリーズ2度目の判断ミス、暴走した増田より批判が集中しているワケhttps://npn.co.jp/article/detail/89174336/ 10月22日の日本シリーズ第3戦・巨人対ソフトバンク。「2-6」の4点ビハインドで迎えた9回裏、巨人はこの回先頭で安打を放った阿部慎之助の代走として増田大輝を投入。その後1死一塁から相手捕手の後逸に乗じて二塁に進むも、増田はそこで止まらずさらにその先の三塁へ。後逸後のボールが増田より早く三塁に到達し、増田はあえなくタッチアウトとなってしまった。 暴走した増田に対し、巨人ファンは「何がしたかったんだ」、「完全に増田の判断ミス」と批判。一方、この時三塁コーチャーを務めていた元木大介コーチ(来シーズンも続投)に対しても、「指示が遅いし止めるためのジェスチャーも小さすぎる」、「選手に指示を無視されるのはコーチとしてどうなの?」と非難の声が集まった。【3位】プレミア12、巨人・山口に大ブーイング 稲葉監督にも批判「学習能力ないのか」の声も起用を続けるワケhttps://npn.co.jp/article/detail/62856642/ 11月11日のプレミア12スーパーラウンド第1戦・日本対オーストラリア。この試合の先発を務めた巨人・山口俊は、代表招集後に先発として登板した10月31日の強化試合・カナダ戦で「2回6失点」、11月5日の大会オープニングラウンド第1戦・ベネズエラ戦で「4回1失点」と2試合連続で失点。そして、このオーストラリア戦でも「4回2失点」と、3試合連続で点を取られてしまった。 3戦連続の炎上劇を受けてファンは、山口に対し「恥ずかしくないのか」、「もう投げてほしくない」と大ブーイング。また、代表チームの指揮官である稲葉篤紀監督にも、「山口を起用し続ける意図が分からない」、「稲葉は学習能力ないのか」といった声が寄せられていた。なお、山口は11月17日の決勝・韓国戦に先発するも、1回3失点であえなく降板となっている。 巨人、ソフトバンクの選手・監督に関連する話題がベスト3を占めた2019年。それぞれセ・リーグ、パ・リーグを代表する強豪球団とあって、プロ野球ファンの注目度も高かったようだ。
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スポーツ 2019年12月30日 11時30分
「投手は故障寸前まで投げろ」? 張本勲氏、2019年下半期『炎上発言』
2019年も数回休みはあったものの、ほぼ毎週日曜日に出演し歯に衣着せぬ発言が物議を醸した『サンデーモーニング』(TBS系)「週刊御意見番」コーナーの張本勲氏。今回はそんな張本勲氏の2019年下半期「炎上発言」を振り返ってみたい。・2位もビリも一緒世界陸上男子4×100メートルリレーで、日本チームがアジア新記録で3位に入った様子を見た張本氏。関口宏から「優勝しないとあっぱれをあげない」と揶揄されると、「2位もビリも一緒」と笑った。 すると、視聴者から「頑張った選手に失礼だ」「3位に入ったことを称賛するべきだ」と批判が上がる。 さらに別日の放送でも、日本男子バレーボールチームがワールドカップで4位に入る健闘を見せたことに、「銅(メダル)になってほしかった」と悔しさをにじませ、「スポーツはもう、2位もビリも一緒だから」と持論を展開した。 この発言についても、「素直に称賛してほしい」と猛批判が上がり、炎上状態となった。・大船渡高校監督に「楽をさせるな」今年7月に行われた夏の全国高校野球選手権大会岩手県予選決勝で、大船渡高校のエース佐々木朗希投手が連投を避けるためなどの理由で、監督が試合に登板させず、敗戦した様子に、張本氏は不快感を露わに。 その上で、「アメリカの独立リーグにいたんですよ、監督は。だからアメリカ流に考えてるんですよ。アメリカは消耗品だと思ってるから。東洋人は投げて投げて力をつける。タイプが全然違う」と大船渡高校の監督をバッサリと斬る。 さらに怒りはヒートアップし、監督に対し、「将来を考えたら投げさせたほうがいい。苦しい時の投球を体で覚えて大成した投手がいくらでもいる。楽させちゃだめ」とまくし立てた。 この発言については賛同の声も多かったが、「時代錯誤だ」「判断を尊重するべきだ」と批判も多く、ダルビッシュ有投手ら複数のアスリートから反論されることになった。・投手は故障寸前まで投げろ育成枠で福岡ソフトバンクホークスに入団し、2019年シーズンにエースとなった千賀滉大投手を見た張本氏。「この人は育成でしょ。練習から這い上がったのですから。やっぱり倒れるぐらいまで練習しないと。故障する前ぐらいまで投げないとね、こんな良いピッチャーになれないんですよ」と「倒れるまでの投げ込み」を推奨する。 さらに、「素質があってね、大事にされ、楽にして、素質通りに伸びて大成して、何千万何億の選手になれると思いますか? なれませんよ」「3年後の稽古。(相撲取りがやっているように)3年後に強くなるためには、今足りるくらい練習しなきゃ」と、猛練習で身体を鍛えるべきだと話した。 こちらの論理についても、「古い」「時代錯誤」などの声と理解を示す声で賛否両論となったが、普段の好感度の低さもあってか、批判的な声が多かった。 今年はトレーニング理論について、「数をこなせ」「楽をさせるな」と持論を展開し、ダルビッシュ有投手らと舌戦になった張本氏。少々理論が古い感は否めないが、終始一貫した論理だけは、称賛に値するとの声もある。
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スポーツ 2019年12月30日 06時30分
若手育成のジャガー横田の野望「私もまだまだ負けないから」
女子プロレスの“リビングレジェンド”ジャガー横田が最初に引退をしたのは1985年12月のこと。怪我が原因で当初行われるはずだったデビル雅美との女帝対決ができなくなってしまい“赤いベルト”WWWA世界シングル王座を返上し、現役引退を表明したのだ。 当時、所属していた全日本女子プロレスは25歳定年制を慣例としていただけに、ジャガーはファンに「まだできる」との強いイメージを与え、クラッシュ・ギャルズのブームが最高潮にある中、引退したのだ。その後、ジャガーはテレビ解説を務めながら全女にコーチとして残留。このときの主な教え子には、アジャ・ゴング、工藤めぐみ、下田美馬、井上京子らその後の女子プロレス界を背負って立ったメンバーが名を連ねている。 ライオネス飛鳥の1度目の引退試合で一夜限りの復帰を果たし、全盛期と変わらぬ動きを見せたジャガーの姿からは、現役生活の未練のようなものも感じられた。そんなジャガーが復帰を決めたのが、1994年11月に開催された全女初の東京ドーム大会への出場オファーだった。 そのまま全女の大会に出場し続けたが、さすがのジャガーもブランクが大きかったようで、教え子に敗れる場面も多々見受けられた。1995年には吉本興業が旗揚げした吉本女子プロレスJd'に旗揚げメンバー兼コーチとして参加。ここで、同じく復帰を果たしたライオネス飛鳥との激闘を通じて、ジャガーも飛鳥も全盛期を超える強さを発揮することになる。しかし、1998年12月に2度目の引退をした。 その後もスポット参戦という形で、全女をはじめ、GAEAにも参戦、復帰宣言なき復帰を果たした。ハッスル(リングネームはジャガーY)への参戦や、デビル雅美との女帝興行はヒット企画となった。2011年、教え子の井上京子が旗揚げしたワールド女子プロレスディアナに入団。2015年には「若手が育たない」ことを理由にヒールユニット、クライシスを結成。デビュー38周年にして初のヒール転向となった。 今年11月16日に開催したクライシス興行では、全4試合中、ジャガーは2試合目の登場。メインイベントはクライシスのメンバーで一番若い佐藤綾子に譲った。ジャガーは「この大会が決まったときから、今回は一番若い綾子にメインを任せようと思った。私はもうそういうこだわりはないし、クライシスを立ち上げたのも若い子を上に上げるのが目的だから」とその理由を明かしていた。この日、自身は弟子である藪下めぐみとタッグを組み、クライシスの闘い方に疑問を感じていたSareeeと、13歳のななみのタッグと対戦した。 「Sareeeはクライシスとの闘いで一番伸びた子。あの子はすごいですよ。もっと伸びますね。ななみはウチの息子と同い年で(苦笑)。私たちと闘うことで伸びてくれればいい」とこの試合を振り返った。またこの日は新人のマドレーヌがクライシス入りを志願し、クライシスのメンバーとエキシビジョンマッチ。不甲斐ない内容に、メンバーから厳しい言葉が出ていたが、ジャガーは「一緒に成長していこう」と手を差し伸べていた。 「私もヒールはまだまだですから、この子と一緒に成長していけばいい。私と組んで成長する子もいれば闘うことで成長する子もいる。去りたい子は去っていけばいい。でも!これだけは書いておいてほしい!私もまだまだ負けないから!私も止まるつもりはない。もちろんそれでも追い越されるかもしれないけど、私は負けるつもりはないので、そこはよろしくお願いします」 女子プロレス界最古参レスラーという肩書はジャガーには不適切かもしれない。椅子を振り上げるジャガーの姿にも違和感はなくなってきた。ジャガーの進化は野望がある限り止まらないのだ。(どら増田)
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スポーツ 2019年12月29日 08時00分
プロレスラー世界遺産 伝説のチャンピオンから未知なる強豪まで── 「アニマル浜口」馬場、猪木が賞賛した気合みなぎる“闘将”
「気合だ〜!」でおなじみのアニマル浜口だが、このフレーズはもともと、ふがいない試合ぶりだった盟友の長州力に対して使ったもの。馬乗りで張り手をしながら絶叫する姿を覚えているファンもいるだろう。リングから離れて久しいが、日本プロレス史を彩る名脇役であった。※ ※ ※ 1994年の全日本女子プロレスの東京ドーム大会において、当時16歳の浜口京子がアマレスのエキシビションマッチを行った。 父であるアニマル浜口の指導の下で、ボディビルからレスリングへ転向して2年目のこと。京子自身は父の影響もあって、女子プロレスラーを志望していたとも言われ、また京子を招聘した全女としても、将来のエース候補としてぜひとも欲しい人材であった。「まだ女子プロレスの景気がよかった頃で、京子に対して数千万の契約金を提示したとも噂されました。一方、女子のアマレスが五輪の正式競技となったのは’04年のアテネからで、だったらプロ入りとなっても不思議ではなかった。にもかかわらず、そうしなかったのは浜口の強い意思によるものだったそうです」(プロレスライター) 要は“大事な娘をプロレス業界などに入れるわけにはいかない”ということである。「昔の女子レスラーは男子レスラーや関係者から、慰み者にされることも少なくなかったですからね。娘をプロ入りさせなかったことで『さすが浜口さんは常識人だ』と、逆に評価を上げることになりました。自身が’87年に40歳で引退したのも、ジャパンプロレス=長州力が新日と全日を行ったり来たりしたデタラメさに、愛想を尽かした部分があったわけです」(同) その後、’90年には「精彩を欠く長州に気合を入れるため」と、浜口は再度リングに上がり、’95年あたりまで活躍。アントニオ猪木のデビュー30周年記念試合では、ビッグバン・ベイダーと凸凹コンビを結成している(’90年9月30日、横浜アリーナにおいて猪木&タイガー・ジェット・シン組と対戦。猪木が延髄斬り3連発で浜口をフォール)。だが、これはあくまでもサポート活動というのが本人の認識のようで、公式なプロフィールでは’87年引退とされている。 引退後は「気合だ〜!」のフレーズとともに、テレビなどで素っ頓狂な姿を見せることも多いが、本来は生真面目な人柄で、主宰するアニマル浜口道場の出身者たち…大谷晋二郎や小島聡、内藤哲也らが長くトップで活躍しているのも、浜口の教えがあってこそという声は多い。 ’69年、国際プロレスでデビューした浜口は、身長180センチにも満たない小柄な体で外国人レスラーに真っ向からぶつかり、派手に玉砕するという“名ジョバー”的存在であった。 転機となったのは、国際はぐれ軍団の一員としてラッシャー木村、寺西勇と新日マットに乗り込んだこと。重厚な木村と動きまくる浜口の取り合わせの妙もあって、徐々に目立つ存在となっていった。猪木と国際軍団の1vs3マッチの初戦では、猪木を疲労させることで木村のカウントアウト勝ちにつなげ、2戦目ではフェンスアウトの反則とはいえ勝利をもぎ取っている。★国際はぐれ軍団を経て維新軍へ「地方巡業の際、新日勢に混じって誰よりも声を出して練習する姿を見た猪木は、選手たちに『おまえら浜口を見習え!』と檄を飛ばしたそうです」(同) 長州維新軍への加入もいわば新日によるヘッドハンティングであり、その期待に応えるように、長州の存在を引き立てる名脇役として奮闘している。 浜口の現役時代を振り返ったときに、コーナーポスト最上段から相手の足首をつかんで落とすハイジャック・パイルドライバーや、長州のバックドロップと浜口のダイビング・ネックブリーカー・ドロップの合体技など、タッグでの雄姿を思い出す人は多いだろう。 シングルの名勝負としては、全日でのジャンボ鶴田戦が挙げられよう。 ’86年3月13日の日本武道館大会で行われた全日vsジャパンプロの全面対抗戦。体格や実績の差から浜口劣勢は明らかだったが、全身全霊をぶつけていく闘いぶりと、鶴田の必殺フルコースを食らって敗れた後、リング上で「負けたーっ!」と絶叫する浜口の姿は、どこか清々しくもあり、この日一番の好勝負と賞賛されたものだった。「試合前に実況の倉持隆夫アナが『負ける要素は何もありません、鶴田』と言った際、解説の馬場はやんわりとたしなめ、試合中も終始、浜口のファイトを褒めていました」(同) 猪木と馬場の両者から手放しの高評価を得たレスラーなど、そういるものではない。それだけでも浜口が希代の名レスラーであったことの証しである。アニマル浜口***************************************PROFILE●1947年8月31日生まれ。島根県浜田市出身。身長178㎝、体重103㎏。得意技/エアプレーン・スピン、ダイビング・ネックブリーカー・ドロップ。文・脇本深八(元スポーツ紙記者)
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スポーツ 2019年12月28日 11時00分
DeNA、マイケル・ピープルズとタイラー・オースティンが加入! 外国人助っ人6人体制、ラミレス監督はどう起用する?
ベイスターズはマイケル・ピープルズ投手と、タイラー・オースティン野手と契約。すでに残留が決定している、ホセ・ロペス、ネフタリ・ソト、スペンサー・パットン、エドウィン・エスコバーと育成を除いた、合わせて6人体制で来季に挑む。 新加入のピープルズは196センチの大型右腕。今季はAAAながら25試合に先発し10勝をマーク。剛速球ピッチャーではなく、チェンジアップ、スライダーなどの多彩な変化球を低めに集めるグラウンドボーラータイプ。144回2/3を投げ抜いた実績から、今季、規定投球回数に届いたのは今永昇太のみの手薄な先発陣で長い回を稼いでくれることを期待したい。 もう一方のオースティンはメジャー通算33ホームランを誇る長距離砲。パワーは飛びぬけているがボールコンタクト率は低く、日本の変化球攻めに対応できるかが鍵となりそう。ここは日本野球を知り尽くし、ソトも大いに参考にした先輩・ロペスやラミレス監督のアドバイスに耳を傾け、筒香嘉智の抜ける穴を埋める活躍を期待したい。 ラミレス監督は来季は更なる競争を強いる方針を明かしていることもあり、外国人にももちろんあてはまる。出場登録の関係で4人までとなっていることから、毎年気温が上がらない時期に調子が上がらず、今季は自らの暴走行為で戦線離脱したパットンは、調整方法の見直しも求められるだろう。コンディションによってはピープルズが一軍に選ばれる可能性も高い。また、ファーストとして連続守備機会無失策1571の日本プロ野球公式記録を樹立したロペスも、記録が途切れてからは7失策してしまい、打撃面でもOPS.756は寂しい数字。内外野を守れることはオースティンにとって武器となり、ポジション奪取の機会もありそうだ。言わずもがな今季大活躍したエスコバー、ソトにとっても、新外国人の2人はいい刺激となり、競争によってチーム力がボトムアップされる効果もある。 チーム状況により臨機応変に対応を行うのは、ラミレス監督の得意とするところ。まずは、新外国人が実際にプレーする姿を見てみたいものだ。取材・文 ・ 写真/ 萩原孝弘
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スポーツ 2019年12月27日 17時00分
ソフトバンク・上林の“文書更改”に賛否の声 「やむにやまれぬ事情では」異例の事態にファンから様々な憶測も
26日に複数メディアが報じたソフトバンク・上林誠知の契約更改が、ネット上のプロ野球ファンの間で物議を醸している。 問題となっているのは、上林と球団の更改方法。契約更改は本来選手が球団事務所に赴き球団と対面で交渉するが、報道によると上林と球団は対面ではなく文書のやりとりで契約更改を終了。更改の席に姿を見せなかった上林は球団を通じて、「今季はファンの皆さんとチームの期待を裏切ってしまって申し訳なく思っています」とのコメントを発表したという。 また、報道では来シーズンの年俸が公表されていないこと(今シーズン年俸は推定7500万円)や、球団側が“上林のトレーニングを優先した”、“事前の交渉で既に条件面では合意していた”と理由を説明したことも伝えられている。 今回の一件を受け、ネット上のファンからは「更改の時間を惜しんでまでトレーニングって気合い入ってるな」、「なにがあるのか知らないけど、こうしたケジメをきちんとできないのはプロとしてどうかなと思う」、「そんなわがままを球団が簡単に許すとは思えない、よっぽどの理由があるのかも」といった反応が多数寄せられている。 同時に、「文書で更改した選手初めて見た」、「文書で更改ってそもそもそんなのアリなのか?」、「もしかしたら史上初の事例かもしれん」といった驚きの声も数多く挙がっている。 「過去の契約更改では、選手が予定していた更改日を勘違いして交渉をすっぽかしたという事例はいくつかあります。ただ、交渉もコメントも文書のみで終わった今回のような一件は過去に例がないようで、各メディアも『異例』、『前代未聞』といった表現を用いて伝えています。球団側はトレーニングを理由としていますが、上林の怪我・病気や親族の健康問題など、何かやむにやまれぬ事情がある可能性も否定はできません」(野球ライター) 今シーズン右手を骨折した影響もあり、「99試合・.194・11本・31打点」と思うような成績を残すことができなかった上林。契約更改の時間を惜しんでまでトレーニングした成果を来シーズン、ファンの前で見せることはできるのだろうか。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2019年12月27日 11時38分
ヤクルト、バレンティン放出の裏事情発覚? 4億以上のコストカット、球団は来オフの「日米争奪戦」を加味したか
東京五輪が「キーワード」だった。 東京ヤクルトスワローズの山田哲人内野手が、日本人選手としては球団史上最高額となる推定5億円で契約更改を行った(12月24日)。しかし、更改後の会見で明らかになったのは、2020年シーズン終了後の去就問題。複数の関係者によれば、球団は複数年契約を提示したが、山田が単年に強くこだわったという。順調に行けば、山田は来季中に、国内FA権を取得する。 「(FA権の行使を)するかもしれないし、しないかもしれないし…」 山田はあえて意味シンな言い方をし、記者団がざわつくのを楽しんでいるようだった。「(山田は)他球団の評価を聞いてみたいようだった」(関係者)なる証言もあった。残留と移籍、現時点ではその両方の情報が交錯している。まず、残留説だが、こちらは「すでに手は打ってある」という。 「チーム最多年俸額(推定4億4000万円)のバレンティンを引き止めなかったのはそのためです。バレンティンは故障も多く、気まぐれな面もあって扱いにくい選手でしたが、9年間で288本も本塁打を放った優秀な助っ人。そのバレンティンの慰留を諦めたのは、山田の昇給に対応するため。その辺の事情は山田にも説明してあるし、誠意は十分に伝わっています」(球界関係者) 山田の19年の成績は、打率2割7分1厘、本塁打35、打点98、盗塁33。4度目のトリプルスリーはならなかったが、来季達成の可能性は十分すぎるほどある。達成となれば、「年俸6億円」もあり得る。それに対応するためのバレンティン流出でもあったわけだが、正反対の意見も聞かれた。 「山田の本心は国内移籍ではなく、メジャーリーグだと思います」(プロ野球解説者) 確かに、山田はテレビ番組などでメジャー志望を口にしたことがある。しかし、前出の関係者によれば、ポスティングシステムを含めた正式な話し合いは一度も行われていなかったという。 「山田は東京五輪出場を強く希望しています。メジャーリーグに移籍してしまえば、東京五輪には出場できないからです。メジャーリーグ機構は口では『協力する』と言っていますが、現役メジャーリーガーを派遣するための競技は一度も行っていません」(前出・同) 2020年に「東京五輪」と「国内FA権取得」が重なる。FA権でのメジャーリーグ挑戦を目指すのであれば、さらに1年待たなければならない。 「ヤクルト内部にも色々な意見があって、海外FA権を行使されての移籍だと球団には1円も入りません。『だったら、ポスティングシステムで売ってしまえ』と考える職員もいるわけです」(前出・関係者) 山田はまだ去就を決めかねているのではないだろうか。 そのためだろう。山田と球団の折衷案のような選択肢も検討されているそうだ。来季、山田が国内FA権を行使し、他球団の評価も聞くと決めた場合、球団は同時にポスティングシステムの手続きも行う。従って、山田は日米双方の球団との交渉も可能となる。山田はチームトップの年俸額選手になったので、国内FAでの移籍なら、「20年の年俸の80%+人的補償」が球団に保証される。海外移籍なら、2000万ドルまでの譲渡金が見込める。山田は他球団の評価を聞くことと海外移籍の夢の両方を叶えられ、ヤクルトは山田を喪失しても何かしらの見返りが望める、と。もちろん、19年オフの時点では「慰留」が最優先だが…。 「14年オフ、オリックス時代の金子弌大投手(当時は千尋)が国内FAとポスティングシステムを“同時適用”しようとしました。金子の故障で実現しませんでしたが、ルール上では禁止にはなっていません」(ベテラン記者) 4度目のトリプルスリー、いや、山田なら、NPB史上初となる「40−40」の達成も十分にあり得る(本塁打40、盗塁40)。山田が活躍したら、ヤクルトの慰留・説得も大変そうだが、前例のない日米争奪戦に発展しそうだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2019年12月27日 06時30分
ヤクルト・山田だけじゃない! 既に行使を示唆した人物も、来オフ争奪戦になりそうなプロ野球FA選手たち
2011年から今シーズンまでのプロ9年間で「964試合・.297・202本・583打点」といった数字を残し、“トリプルスリー”(3割・30本・30盗塁)も3回(2015、2016、2018年)達成しているヤクルト・山田哲人。12月24日、その山田が球団からの複数年契約提示を断り、年俸5億円(推定)の単年契約でサインしたことがネット上のプロ野球ファンの間で話題となっている。 一軍登録145日間を1年としてカウントし、高卒は8年、大卒は7年が経過すれば取得できる国内フリーエージェント(FA)権を、山田は順調ならば来シーズン中に取得する。そのため、ネット上には「来年確実にFAするだろ」、「このタイミングで複数年断るとか宣言する気満々だな」、「宣言したら何球団が手を挙げるのか」といった声が数多く寄せられている。 仮にFA宣言すれば、巨人、ソフトバンクといった資金力のある球団を中心に史上最大級の大争奪戦が展開されると見る向きが強い山田。一方、来オフは山田以外にも、権利を行使すれば複数球団が獲得に乗り出しそうな選手が複数存在する。 プロ9年目の中日・大野雄大は、今シーズン「25登板・9勝8敗・防御率2.58」で最優秀防御率のタイトルを獲得。9月14日阪神戦では史上81人目(通算92度目)となるノーヒットノーランも達成するなど、実力派左腕としてファンの評価も高まっている。 その大野は12月6日の契約更改で、山田と同じく球団からの複数年提示を断り、年俸1億3000万(推定)の単年契約でサイン。なお、この一件を伝える報道の中では「そう思われても仕方ない」と、FA行使を示唆するコメントをしたことも伝えられている。 プロ7年目の西武・増田達至は、今シーズン「65登板・4勝1敗7ホールド・30セーブ・防御率1.81」をマークしチームのパ・リーグ2連覇に貢献。ブルペンを強化したい球団にとっては、中継ぎ・抑えのどちらでもしっかりと役割を果たせる魅力的な投手といえるだろう。 12月4日に臨んだ契約更改では、複数年契約を固辞して年俸1億9000万(推定)の単年契約でサインしている増田。西武はFA制度が導入された1993年オフから昨オフまでに12球団最多の18名が流出し、今オフの秋山次第ではその数が19名となるが、増田もその流れに続くだろうか。 広島のリーグ3連覇(2016-2018)を支えたプロ6年目の広島・田中広輔は、今シーズン「97試合・.193・3本・27打点」と振るわず。ただ、この不振は右ひざ半月板の怪我によるところが大きいとされており、現在は8月に行った手術のかいもあってかなり回復していると伝えられている。 12月3日に契約更改を行い、3000万円ダウンの1億5000万円(推定)でサインした田中。怪我の影響を感じさせないような活躍ができれば、獲得調査に乗り出す球団が出てくる可能性も十分といったところだ。 福田秀平(ソフトバンク→ロッテ)、美馬学(楽天→ロッテ)、鈴木大地(ロッテ→楽天)の3名が権利を行使・移籍し話題を集めた今オフのFA戦線。ただ、もし山田を含めた以上の4名が全員権利を行使したならば、来オフは今オフ以上の盛り上がりとなることはほぼ間違いないだろう。文 / 柴田雅人
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