明らかに“進化”を見せているのが、ダルビッシュ有投手(26=レンジャーズ)、岩隈久志投手(32=マリナーズ)、青木宣親外野手(31=ブルワーズ)の2年目組だ。
すっかり、レンジャーズの主戦投手としての地位を確立したダルビッシュは、開幕からローテーションを守り、18試合、119回1/3を投げ、8勝4敗、奪三振157(ア・リーグ1位)、防御率3.016(ア・リーグ7位)の成績。
昨季の前半戦と比較すると、勝ち星(10勝)こそ、下回っているが、防御率(3.59)は飛躍的に良くなり、奪三振(117)は大きく増えた。安定感がグッと増して、三振が取れるようになったダルビッシュは大きな故障さえなければ、昨季の16勝を上回る可能性も十分。
岩隈は昨季の前半戦、リリーフでのスタートとなり、不本意な成績だったが、先発に固定されてから本領発揮。20試合、131回1/3を投げ、8勝4敗、奪三振113、防御率3.015(ア・リーグ6位)で、ローテーション投手としての役割を果たしており、昨季の9勝を超えるのは間違いないだろう。
ダルビッシュ、岩隈の2人は16日(同17日)開催の米オールスターに選出されたが、ダルビッシュは右僧帽筋の張りで故障者リスト(DL)入り。岩隈は14日の前半戦最終戦に投げたため、球宴での登板がなくなった。このため、残念ながら、今年の球宴でも日本人選手の出場はない。
青木は昨季の前半戦を.301と打率3割で折り返したが、開幕はベンチスタートで規定打席に満たなかった。今季はガッチリ、レギュラーの座を奪って、354打数104安打19打点4本塁打10盗塁、打率.294(ナ・リーグ18位)で、シーズン通しての初の3割超えを狙う。
黒田博樹投手(38=ヤンキース)の安定感も見逃せない。19試合、118回2/3に投げ、8勝6敗、奪三振84、防御率は日本人投手では最高の2.65(ア・リーグ2位)でタイトルも狙える位置にある。4年連続2ケタ勝利達成は、時間の問題といえそうだ。
イチロー外野手(39=ヤンキース)は、318打数90安打25打点6本塁打13盗塁、打率.283と、まずまず。マリナーズに在籍していた昨季の前半戦は打率.261と低迷したが、球宴後にヤンキースにトレードされてから、打率.322をマークしただけに、残された後半戦で3割、200安打を目指す。
リリーフ投手では、レンジャーズから移籍の上原浩治投手(38=レッドソックス)が活躍している。昨季は37試合の登板だったが、今季途中からクローザーに昇格。すでに、44試合、42回1/3に投げ、2勝0敗8セーブ、防御率1.70の好成績を収めている。
上原の前を任されている田沢純一投手(27=レッドソックス)も、43試合、41回2/3を投げ、4勝3敗、防御率3.02と、上々の数字を残している。
2年目の川崎宗則内野手(32=ブルージェイズ)の課題は、やはり打撃。前半戦終了直前に今季2度目のマイナー落ちした川崎は、守備、走塁、ベンチウォーマーとしての評価は高いが、178打数38安打20打点1本塁打7盗塁、打率.213と低打率なのがネック。打撃面の向上が、メジャーに定着できるかどうかのカギになりそうだ。
逆に前半戦終了直前にメジャーに昇格したのが、田中賢介内野手(32=ジャイアンツ)。打席数こそ少ないが、19打数6安打1打点0本塁打1盗塁、打率.316で、メジャーリーガーとして前半戦を終えた。田中はマイナーでは失策が多く、内野手失格のらく印を押されているだけに、他の選手と外野手としての競争となりそうだ。
その他、故障上がりの松坂大輔投手(32=インディアンス)、和田毅投手(32=オリオールズ)、マイナー暮らしが続く1年目の中島裕之内野手(30=アスレチックス)は後半戦に懸けることになる。
(落合一郎)