楽天からFAで同球団に移籍した昨季、前半戦は慣れないリリーフでの起用で、思うような投球ができなかったが、先発に回った後半戦からは、じょじょに本来のピッチングを取り戻した。終わってみれば、30試合(先発16)に登板、125回1/3を投げ、9勝5敗2セーブ、防御率3.16と、まずまずの成績を残した。
ローテーションにしっかり組み込まれた今季は、開幕から好調を持続。6月10日(日本時間11日)のアストロズ戦では、今季14試合目の登板をし、7回を4安打1失点(自責点0)に抑えて、5連勝となる7勝目を挙げた。チーム内では、エースのフェリックス・ヘルナンデス投手の勝利数に並んだ。
これで、今季は95回1/3を投げ、7勝1敗、勝率は驚異の.875。そして、防御率は1.79とし、属するア・リーグではトップのクレイ・バックホルツ投手(レッドソックス)の1.71に、0.08差まで迫った。勝ち星ではバックホルツらの9勝には及ばないが、防御率トップの座を射程圏内にした。
今季の好調ぶりに関して、岩隈は「相手のバッターもだいぶ分かってきた。しっかり相手に攻めながら投球することができてます」と分析している。
同一リーグで同じ西地区のレンジャーズのダルビッシュ有投手とは勝ち星で並び、防御率では2.75のダルビッシュに1点近い差を付けている。
弱小チームに属する岩隈は勝ち星の点では不利は否めないが、防御率となると、話は別。まだ、前半戦とはいえ、岩隈が今の調子を維持できれば、十分、最優秀防御率のタイトルも狙えるはずだ。
過去、海を渡った日本人メジャーリーガーで、最多勝利、防御率のタイトルを獲得した投手は誰もいない。岩隈がそれを成し遂げたら、まさに快挙となる。
※注※文中の記録、成績は6月10日(日本時間11日)現在
(落合一郎)