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庇護する北の湖理事長の期待裏切った! 大関・稀勢の里の綱獲りが7日目で早くも消滅

 まさに、トホホの結末になってしまった。

 大相撲名古屋場所(愛知県体育館=7月7日〜21日)で、“疑惑の綱獲り”となっていた大関・稀勢の里(27=鳴戸)は、3日目に平幕・栃煌山、5日目に平幕・千代大龍、そして7日目に関脇・豪栄道に敗れ、3敗目を喫し、綱獲りの可能性が消滅した。

 そもそも、稀勢の里の綱獲りに関しては、首を傾げる向きも多かった。先場所(夏場所)、稀勢の里は13勝2敗の成績を残したが、全勝優勝した横綱・白鵬とは「2差」が付いており、とても「優勝に準ずる成績」には思えなかった。

 ところが、かねて、稀勢の里に目をかけている北の湖理事長が、「(優勝に)準ずる成績。(来場所)ふさわしい優勝なら、(昇進の)話題になる。12勝とかなら別だが、ハイレベルなら」と、13勝以上の優勝なら綱獲りを宣言してしまったのだ。

 横綱昇進への内規は、「2場所連続優勝、もしくはそれに準ずる成績」と定義されているが、平成以降は2場所連続優勝以外で横綱に昇進させた例はない。協会内では北の湖理事長に反対意見も多かったが、日本人横綱がのどから手が出るほどほしい状況下で、横綱審議委員会は同調してしまった。

 まさしく、“疑惑の綱獲り”となった稀勢の里は、プレッシャーもあって、負けが混んで、早々に夢は消えた。

 この失態に、これまでなにかと期待を懸けてきた北の湖理事長は「3敗した時点で、もうない。考えられない。残りを負けないのも難しい。残念だ。せっかく先場所13連勝したのに…。先場所はなんだったのか」と立腹。

 この星では、来場所に綱獲りが持ち越されることも考えられず、一からやり直しとなった稀勢の里は、「甘いっすね。今日は」とうなだれるばかり。8日目で白星を飾った後には、「これから厳しい闘いですが、集中していきたい。気持ちは切れていませんから」と自身に言い聞かせた。

 あっけなく、綱獲りが消滅した稀勢の里。今度は理事長にお膳立てしてもらうのではなく、実力で初優勝を果たしてから、綱獲りに向かってもらいたいものだ。
(落合一郎)

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