幕内で4戦全勝は白鵬ただ一人。先場所優勝した日馬富士(28=伊勢ヶ浜)は3日目・高安、4日目・千代大龍と平幕相手に連敗を喫し、もう1敗もできない状況となった。この先、白鵬が大崩れしないかぎりは、日馬富士の2場所連続優勝は絶望的で、優勝争いに絡むこともできない。
かねて、日馬富士には大関時代から、「優勝した次の場所は勝てない」といわれている。そのジンクスに当てはめてみると、今場所は優勝争いどころか、新横綱の場所(昨年11月=九州場所)のように1ケタで終わってしまう可能性もありそうだ。
一方、毎場所、ふがいない成績が続く大関陣だが、今場所も相変わらず。鶴竜(27=井筒)が一人だけ、3勝1敗としているが、北の湖理事長(元横綱)から「優勝争いしてほしい」と名指しされた稀勢の里(26=鳴戸)は2勝2敗で厳しい状況。場所前に婚約を解消した琴奨菊(29=佐渡ヶ嶽)も2勝2敗。琴欧洲(30=佐渡ヶ嶽)に至っては、1勝3敗の惨状。まだ序盤戦で、この成績だ。この先、中盤戦からは大関同士の星の潰し合い、横綱戦が始まるわけで、期待はできそうにない。
先場所の大関陣は稀勢の里、琴欧洲が辛うじて2ケタの10勝(5敗)止まり。鶴竜と琴奨菊に至っては、8勝(7敗)で勝ち越すのが精いっぱいだった。それは、今場所も変わりはなさそうな気配だ。
日馬富士が今後また、格下相手に星を献上して、白鵬が全勝を守れば、優勝争いへの興味は一気に薄れてしまい、場所は台無しになってしまう。日馬富士にはなんとか、踏ん張ってほしいものだが…。
(落合一郎)