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白鵬の独走V許した日馬富士、大関陣はA級戦犯

 大相撲春場所(大阪ボディメーカーコロシアム=3月10日〜24日)は、横綱・白鵬(28=宮城野)が13日目(22日)にして、独走で24度目の優勝を果たした。残り2日間は消化相撲となり、まさにドッチラケの場所となった。

 V24の達成で、白鵬は北の湖と並んで、優勝回数史上4位タイとなり、モンゴルの先輩・朝青龍の持つ25回を抜くのは確実となった。その先に見据えるのは、千代の富士(九重親方)の31回、尊敬する大鵬の32回の更新だ。

 残り2日間で連勝して全勝をキープすれば、白鵬の全勝優勝は9度目となり、大鵬、双葉山の8回を抜き、歴代単独1位の偉業を成し遂げることができる。白鵬自身、全勝は10年秋場所(9月=両国)以来、達成しておらず、どうしても成し遂げておきたいところ。

 白鵬は「豪快に決めてやろうというのはあった。今年の目標にしていた数字でもあるし、昭和の名横綱に肩を並べたことはうれしい」とコメントした。

 全勝を続ける白鵬に対し、ライバルの横綱・日馬富士(28=伊勢ヶ浜)は4日目にして2敗を喫し、8日目で3敗し、早々に脱落。白鵬の独走を許した日馬富士は、紛れもなく今場所のA級戦犯だ。

 むろん、毎場所のことながら、ふがいない大関陣の責任も重大。琴欧洲(30=佐渡ヶ嶽)が左ヒジ痛のため、6日目から途中休場。13日目を終えた時点で、前半戦から下位力士に白星を献上した稀勢の里(26=鳴戸)、鶴竜(27=井筒)は8勝5敗。場所前に婚約を解消し心機一転を図ったはずの琴奨菊(29=佐渡ヶ嶽)は、10日目から4連敗で、7勝6敗の惨状。残り2日間の対戦相手を考慮すると、大関で一人も2ケタ勝利がいないという非常事態に陥ることもありそうだ。

 昨年あたりから、全盛期に比べれば、かげりが見えるようになり、格下に星を落とす機会も増えた白鵬だが、今場所の相撲を見るかぎり、復活の気配も十分。

 ライバルである日馬富士は、調子がいい場所は圧倒的な強さを示すが、好不調の波が激しいのが難点。日馬富士や大関陣の現状が変わらなければ、白鵬のV33の達成も現実味を帯びてきそうだ。
(落合一郎)

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