問題となっているのは、石川が13日に行った打撃練習。石川は自身の他に中日に入団した6名の新人選手と共に、二軍本拠地のナゴヤ球場(愛知・名古屋)で11日から始まった新人合同自主トレに参加中。この日は屋外で打球を遠くに飛ばす打撃練習、いわゆる「ロングティー」を敢行した。
しかし、この様子を伝える『中日スポーツ』(中日新聞社/電子版)によると、球団側は球拾いを行うスタッフの人数が少なかったことを理由に、ロングティー開始前の石川に対して「(打球を)柵越えさせるな」と指示を出したという。
ロングティーの目的は打球を遠くに飛ばす中で、体全体でのスイングやボールをバットに乗せる感覚を養うこと。にもかかわらず、指導者が選手に「打球を遠くに飛ばすな」という指示を出すことは極めて異例のことで、『中日スポーツ』の該当記事内でも「前代未聞」という表現が用いられている。
ネット上のファンからは「ロングティーで飛ばすなはおかしい、一体何のための練習なんだ」、「人足らないから全力出すなってひどすぎる」、「スタッフいないなら別の練習をすればよかっただろ」、「石川の打撃に変なクセついたらどうするんだ」といった批判が噴出。
同時に、「人手不足なのにロングティーを強行した理由を知りたい」、「スタッフがいないってことは、ロングティーは元々の練習予定にはなかったんじゃないか?」、「飛ばすな云々は後付けで、本当は単純に柵越えが無かっただけなんじゃ…」といった疑問の声も複数見受けられた。
高校通算55本塁打を記録し、昨年8、9月に韓国で開催されたU-18W杯でも日本の4番を務めた石川。2018年のドラフト1位である根尾昂(大阪・大阪桐蔭高)と共に次代を担う金の卵と目されている選手なだけに、球団がしっかりと育成できるか気がかりなファンは多いようだ。
文 / 柴田雅人